さて、失恋クリニックですから、尊敬できる彼とのロマンス話で終わるのではなく、やがて来る失恋の話をしなきゃいけませんね(苦笑)
そんな素晴らしい彼と、失恋、というイベントが発生した後のことです。
「あんなに頑張ったのにダメだった」と大きなショックを受けたり、そして、燃え尽き症候群のようになってしまう方もいらっしゃいます。。
あれほど頑張ったのに・・・という思いが大きくなるに連れて、その執着もまた強くなります。
「彼が私に別れを告げたということは、私では十分期待に応えられなかったんだ・・・」
そう感じた方はひどく自分を責めると同時に、もっと頑張ろうとしてしまいます。それはもう、自分に鞭を入れる勢いで。そんなことする必要、ほんとうはないし、彼だってそれを喜んではいないのですけど。
そう、常に頑張ってきた分、別れてからもその「頑張り」が癖になってしまうのです。
そりゃあ、もう、上を目指して頑張ることしか手が無いような感覚なのかもしれません。
例えば、頑張って彼を手放そうとしたり、彼との恋愛を頑張って前向きに捉えようとしたり、恋愛のエネルギーを仕事に振り替えて頑張って成果を残そうとしたり・・・。
「少しだけでも、自分を、休ませてあげませんか?」
特にセカンドチャンスを狙おうとすると、更に更に頑張ってしまいます。
彼が出してくれた課題をクリアすればまるで元鞘に戻れるような気がしてしまうのです。
「彼は私を鍛えてくれてるんだ」
「一人前にしてくれようと心を鬼にしてくれてるんだ」
「彼は頼りない私を育ててくれるんだと思う」
・・・間違いではないかもしれませんが、でも、、、。
私は、それに乗らないほうがいいと思うのです。期待に応え続けても、いずれぶっ倒れるだけですからね。
「今はちょっと自分を取り戻しましょう。彼との数年間はだいぶ特訓されたわけですから、今はスローダウンして、本来の自分を見つめる時間を作ってあげませんか?」
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同時にこんな話も伺います。
「どこかでほっとしてるような自分がいるんです。彼は価値観がはっきりしてる人なので、あれはいい、これはダメとか言われてたんですよね。彼の言うことは一々納得できるから全部受け入れようと頑張ってたんですけど、知らず知らずのうちに窮屈になってたみたいなんです。だから、何か解放されたというか、自由になったというか、そんな自分もいるんです」
「私なりによく頑張ったと思うんです!彼のお陰で成長したし、きっとこの失恋は意味のあるものだと思うんです。お互いに別々の道に進む時期なんだと思います。」
・・・そんな風に感じられる方といいですよね。きちんと彼との関係を見つめ、そして、生かすことができています。
どれくらい頑張っていらしたんでしょうね?
でも、充実していたみたいです。
だから、そのほっとした感覚を大事になさってください。
今は彼との恋愛で頑張ってきたものを熟成させるとき。ワインやウイスキーのように、じっくり寝かすといい味になるんです。
寝かす、すなわち、少し穏やかな時間、すなわち、自分らしい時間を取り戻すことなんです。
彼に合わせようと頑張った恋をする方、多くは、感受性が豊かな方です。
人は「お互いの違い」にロマンスを感じます。
だから、理論的で男性的なタイプの人には、感受性が強く、女性性が豊かな女子が惹かれます。
だから、彼が理論で迫ると、感受性は傷つきまくるんですね。
(でも、本当は、理論のベースは感受性だって知ってました?多くの理論は「インスピレーション」がもたらすものですから。)
だから、あなたが感受性をしっかり感じられる場、それこそ、映画館だったり、美術館だったり、女子会だったり、古くからの男友達だったり、大好きだったカフェだったり、そういう場所で過ごすと、「ああ、これが私だな」と思い出してきて、リハビリにもなり、熟成にもなるんです。
まったりした時間が何よりも、こうした失恋には効果的。
だから、ますます頑張るなんて・・・ね。
#因みに、論理的で厳しいけれど尊敬できる彼が潜在的に求めているのは、豊かな女性性と感受性から醸し出される、緩く、まったりした、柔らかいエネルギーです。そのエネルギーは戦いで疲れた彼の心を癒してくれるからですね。
彼はその癖で、彼女を自分の色に染めようとするんだけど、自分色に染まった女性は“競争相手”となってしまい、それもまたうまく行かなくなります。
彼の言うことに「へー、難しいこと、よく分かるのね。賢いね。あたしには分からないわ。」とニッコリできる女性の方が彼にとっては手放しがたい女だったりするのです。