4/8 福岡・心理学WSのフォローアップ



ご参加くださった皆さんありがとうございました。
アンケートにて頂きましたご質問に回答させていただきます。
参加されていない方にもできるだけ分かりやすいようにさせて頂いているつもりですので、どうぞお時間のある時にお楽しみ下さい。

心理学ワークショップ(福岡)
2006/4/8(Sat)『与えることと受け取ること~人間関係向上のヒント~』
2006/4/8(Sat)『癒しの手法を学ぶ~“感謝”の力を知る~』
天神・光ビル貸会議室


* * *

【質問・疑問】

Q.親の過保護な愛情をどう受け取ったらよいか?

A.まずはご両親から愛されていることを感じ、受け取ろうとしている自分のことはほめてあげましょう。
過保護な場合、近すぎて「与える/受け取る」が「押し付ける/逃げたくなる」という感じになることが多いかもしれません。
過保護なのは愛情が豊かなので、必ずしも悪いわけではないのですが、子ども側からしたら、ありがた迷惑なこともあるでしょう。
だから、ご両親との今の距離感が近すぎるな、と感じたらちょっと勇気を出して自分から心理的な距離を取ることをテーマにしてみると良いでしょう。

その距離感は人それぞれ、ケースバイケースで一概に言えないのですが、経済的な独立などは一番分かりやすい目標かもしれませんね。
(“目標”なので、すぐに頑張ろうとしないようにしましょう!)
まずは今の自分にあったテーマを選んでみましょう。

そうして少し離れたところからご両親を見つめなおしてみると、その愛情に素直に心を広げやすくなると思います。
例えば、結婚式などで両親に手紙を読んだり、花束を渡すシーンで涙が出てくることがありますよね?
それも結婚という形で両親から距離を置くことで、改めて両親からの愛情を受け取れたり、逆に両親に愛情を与えたりできるようになったんだと思います。

また、僕もそうなのですが、子どもができて改めて両親に感謝することは増えますね。

Q.「受け取る」ということは確かに怖いのですが、、どうしてなのでしょうか?

A.受け取るというのは、心を開いてそのものを受け入れるような感覚、イメージのものです。
それは食べ物を口に入れることと似ていて、安全と分かっているものならばおいしく味わえますが、知らないもの、あるいはまずいもの、腐っているものなどは吐き出してしまうものです。

怖いと感じるということは、その、与えられているものに対して、何らかの警戒心を抱いている(信頼しきれない)証拠なのかもしれません。
これは頭で分かっていても、反射的に拒絶してしまう(受け取れない)ことがありますから、心を深く見つめてみるといいかもしれません。

何を受け取ることを怖れているのでしょう?
もっと具体的にどういう感じがするのでしょう?

そんな問いを自分自身に投げかけてみると役立つかもしれません。

また、私達は自立すればするほど受け取りベタで、受け取ることに怖れを抱くようになります。
「自立」というのは「自分でやる」というルールのようなもので、誰かをアテにすること、誰かと繋がることを怖れるようになるんですね。
一人でやらなきゃいけないと思っているのに、誰かに手伝ってもらったら価値が半減するような気がすることってありませんか?

まずは、受け取りやすいものから受け取ってみましょう。

Q.頭で分かっているけど、気持ちがついてこないって心理学で言えばどういう状況なのでしょうか?また、気持ちが動くよいきっかけはありますか?

A.頭で分かっていることは論理的に筋が通っていることが多いですね。
でも、感情は理屈ではなかなか付いてきませんから、頭で分かっていてもなかなか現実を動かすに至らない事は少なくありません。

例えば、感情というのは子どものようなものと思ってみてください。
そして、頭(=思考、理論)というのは親に例えられます。
小さな子どもはそれこそ感情の塊ですね。
その子どもが騒いでいるときに、親が「静かにしなさい!」と言っても、なかなか子どもはいうことを聞いてくれません。
理屈では親が正しくても、それでは子どもはついてきてくれないんですね。

そういう時、思考や意識を子どもに合わせてあげる必要がでてきます。
無理やり連れ出そうとしたり、どこかに閉じ込めてしまうというのも一つの方法なのですが、そればかりでは遺恨を残しますね。
つまり、子どもの目線に立って理解し、受け入れてあげるということです。
そうすると子どもは自分を分かってもらえたと思って素直に言うことを聞いてくれたりします。

ですから、気持ちがついてこない場合には、ちょっと心に目を向けて、心が本当は何を言いたがっているのか?何を分かってほしがっているのか?に着目してあげるといいのではないでしょうか?
そうすることで気持ちは動きやすいと思いますよ。

lec122.心の仕組み~あたまでわかっているのにできない時~

Q.ヒーリングミュージックでお勧めのものがあれば教えてください。

A.人それぞれ好みがあると思いますので、色々試してみるといいかもしれませんね。
ヒーリングミュージックということはBGM的な感じのものが良いのでしょうか?

例えばアンドレ・ギャニオンは静かで心地よい感じがすると思いますし、ダニエル・コビアルカの曲などは柔らかくて内面を見つめるときにも向きますからお勧めです。
個人的には南の島系の曲が大好きでISLAND(南風(HAE))Cafe Asia~カフェ・エイジア~などは本当に聴きまくってます。
因みに今はこの記事を書きながらHANDS(フランク・ローレンツェン)を聴いています。瞑想にはぴったり。
けっこうマニアな選曲もありますのでワークショップなどの時に聞いてくれてもいいですよ。
お待ちしてます~

Q.罪悪感って認識するのが難しいです。特に感じないように無感覚になっているものを、それと認めるのは・・・

A.罪悪感に限らず、どんな感情でも麻痺して無感覚になってしまうと、なかなか受け入れらない、認められない、認めたくないってことが増えます。
深い感情を扱えば扱うほど、頭で認識する前に体が反応したりします。
(罪悪感だったらすごく体が重たくなったり、寂しさは冷たさ、怒りは熱さなど、とても感覚的なものだったりもします)
今回はそれくらい深い感情にチャレンジできたのかもしれませんよね?

感情はただ認識してあげたらいいので、ただワークショップ中に感じた気持ち(これはワークショップに限らず、日常でも同じなのですが)にそのまま向き合い続けてみましょう。
認められないものを無理やり理解しようとするのもしんどいので、「ああ、そうなのかあ・・・」ぐらいでちょうどいいかもしれません。
そうすると、底を打って浮上するきっかけが掴めるようになるでしょう。
焦らずにじっくりいきましょうね。

Q.感謝と罪悪感の境目はどこなんでしょう?

A.感謝と罪悪感はむしろ対極にあるものでバランスを取り合うものだと思います。
「ありがとう」と言えばいいところを「ごめんなさい」とか「すいません」と言ってしまうのも、それらが非常に近い関係にあるからだと思うんです。
だから、境目というよりは「どちらを選択するか?」という点につきると思います。
としたら、やはり感謝を選択したいですよね?
でも、罪の意識というのは、つい自分を許すのではなく、責める方に持って行きやすいので、じっくり腰をすえて見つめてあげる必要があるようです。
普段から「ありがとう」といってみることを癖付けるのはお勧めです!

Q.日常では与えた時に「相手に負担をかけるのではないか?」という気持ちと、与えたものを拒否されることを考えてしまいます。ワークショップではそれを考えなくてもいいので少し気が楽でしたが・・・

A.気にしてしまうものですし、与えるのが怖くなってしまいますね。
ある程度は仕方がないもので、逆にそうしたリスクがないと私達は傲慢になってしまうものかもしれません。
「相手に喜んでもらいたい気持ち」が「拒否されるのが怖い気持ち」を上回ったら、素直に与えられるのでしょう。

でも、もう一歩踏み込んでみると、拒否する相手の心理というのを見てあげることもできるようになります。
上でお答えしたように自立して大人になると、基本的に受け取るのは怖く、受け取りベタなところを持つようになります。
だから、その辺も理解してあげて、仮に拒否されたときには「相手は受け取る余裕がないんだな、準備ができてないんだな」と見てあげられると更に良いのかもしれません。
これも自分に余裕がないと難しいことなんですけどね。

また負担をかけるのではないか?というのは、逆に気遣いや優しさの表れでもあります。
人に気を使いすぎて疲れてしまったことはありませんか?
もし、相手のことばかりを気にしすぎてる時は、むしろ自分自身を振り返る時間や自分が喜ぶことをしてあげる(自分に与える)ことをしてみてもいいかもしれません。

それと、そう感じたときにコミュニケーションできると一番いいですね。
「これ、負担になってないかなあ?」って風に。

Q.感謝することで罪悪感が出てきてしまったら、どう処理していけばいいのでしょうか?

A.感謝しようとすると、罪の意識がそれを邪魔して足を引っ張ることが良くあるんですね。
理想を言えば、そこでもう一度「感謝」を選択できるといいのですが、罪悪感が強いと、そちらに引っ張られて自己嫌悪してしまうことが少なくありません。
もし、一人では持ちきれないものであれば、仲間やカウンセラーなどに話を聴いてもらって流す事が一番いいと思います。
そこで一人で原因を考えたり、分析したり、方法を論じたりしない方が心にとってはいいですね。

また、対人関係ではそこで素直に「ごめんなさい」と言えるとまだ楽になるかもしれません。
誰に何て謝罪したいのかな?って思いをめぐらせて見ると何か得られるものがあるかもしれませんね。

Q.受け取ることに負担を感じる時(お返しをしなきゃいけない、とか)は受け取らない方がいいのでしょうか?

A.その負担が重たければ丁重にお断りするのもいいかもしれませんね。
でも、受け取った方がいい場合にはちょっと勇気を出して心を開いてみるのも大切な事です。
お返ししなきゃいけないというのは、犠牲だったり、義務だったり、いい意味では優しさや気遣いだったりしますが、受け取ることの怖れからくることも少なくないです。
だから、その怖れを乗り越えて受け取ってみると、更にステップアップできるかもしれませんね。
まずは受け取りやすいところから受け取ってみましょうねー。
今、受け取ってないものって何かなあ?って自分に聞いてみましょう。
最近の自分の成長とか、変化とか、人から見てもらった価値とか・・・。

【ご意見・ご感想】

○普段なかなかじっくり考えてみる機会がないので、改めて考えたり見つめ直す機会になりました。
○夜の部の2時間はハードでした~。でも、取り組んでみてよかったです。
○たくさん受け取ることができた。自由を受け取れたり、我慢を手放せたり、いままのままでいいと承認できたり、出会えて良かったという気持ちを受け取れたり。
○後半だけ出たのですが、なかなかハードで良かったです。
○顔を見るとそれだけでホッとしますね。ありがとうございます。
○根本さん、いじってくれて、どうもありがとうございました(^^)
○いろんなことに気付くことができました。が、最後になると何に気付いたのか忘れてしまう・・・うーん。

 ⇒Ans.僕もそうです!(笑)でも、ちゃんと心には留まっていると思うので、それで良いと思いますよ。もし忘れたくないことがあれば、その場でテキストでも手帳にでもメモしておくと良いかもしれません。

以上です。
ありがとうございました!

ワークショップのフォローアップ&テキスト集

あわせて読みたい