ハートブレイクから自信を付けるまで



私たちは早く幸せになりたいと思い、これでもう十分だ、安心していいんだ、という状況を求め続けます。
ユートピア願望と言いますか、何も問題が起こらず、平穏で、いつも楽しい気分で過ごしたいと思っています。

しかし、時にそんな思いを打ち破るできごとがよく起こります。

恋愛でも「彼とはもう大丈夫。きっとこのまま幸せが続く」と思っているときに別れ話が出たり、浮気の証拠を見付けたりして、絶望に打ちひしがれるのです。

今までの幸せは何だったのか?
自分の何がいけなかったのか?
相手を信用した自分がいけなかったのか?
何が原因でこうなったのか?
どうすれば元の関係に戻れるのか?

そういう疑問がたくさん出てきます。
でも、その時はまだ現実が受け入れられていません。


「そんなことが起こるはずがない」と否定の段階です。

その後、様々な感情が去来します。
そして、気付けばそれまであったはずの自信が打ち砕かれて、すっかり無くなっています。

それはとても苦しいことだけど、でも、私たちの人生にとっては必要なことなのです。
私たちはそうして成長し、自信を付けていくからなのです。

時に私たちは幸せを「自分の思い通りに状況が運ぶこと」と思っています。
彼が私のことをずっと絶え間なく愛してくれていて、裏切ることもせず、少々の諍いがあっても大事には進展せず、穏やかな愛情を感じながら毎日を過ごす・・・と言う風に。

だから、そうおっしゃっているクライアントさんには私はきっとこう伝えます。
「もしそうだったら、きっとあなたは退屈しますよ。つまらない!って私に相談されますよ」って。

本当の幸せって思い通りにならないこと、予想外のことが起こっても、ちゃんと自分を見失わずに(もちろん自信も失わずに)笑顔でいられることだと思うのです。

状況が幸せにしてくれるわけではないからです。
自分を幸せにするのは自分をおいて他にはないからです。

だから、私たちはハートブレイクを繰り返しながら、どんな状況が起きても堂々としていられる自分(自信のある自分)を創り出していくんです。
それが「成長」ということだと思います。

もちろん、そこで「私は間違ってない。悪いのは向こうだ」と強がることではありません。

謙虚に自分を振り返り、「相手の愛情に胡坐をかいてたな」とか「知らず知らずのうちに依存してたな」とか「与えることばかりして受け取っていなかったな」とかに気付き、そんな自分を責めるのではなくただ許し(ここ大事ね)、そして、じゃあ、「愛情をちゃんと受け取れるようになろう(受け取れるようにならなければ、ではなく)」と、「受け取り上手になる方法」をまた学び始めます。

それは今までの自分も素晴らしいけれど、もっと素晴らしい自分になるための新しい課題なのですね。

そうすると、それまで彼が与えてくれていた愛情に再び感謝の思いが出てきます。
でも、自分を責めていないから「後悔」もなければ「自己嫌悪」も出て来ません。
ただそこにあるのは「感謝」です。
そして、その感謝は恐ろしいことに、別れ話をしてくれたことにも向かうのです。

失恋のご相談、離婚、浮気、モラハラのご相談。
どんなお話にも私は「あなたが悪いわけではありません。彼も悪いわけではありません」と伝え続けます。

良い、悪い、正しい、間違ってる、の問題ではないからです。
思い通りにならない出来事をどうありのままに受け止めるかの問題です。

もちろん、そこでは感情が暴れます。
辛い、悲しい、寂しい、怒り、罪悪感、無価値感、無力感、惨めさ、屈辱感、恥、痛み、様々な感情が踊り狂います。
それはものすごく大事なことですので、辛いし、しんどいけれど、ぜひありのままに感じたいところです。
(そもそも善悪正誤の判断は思考を使いますから、感情を抑圧してしまうのです)

そして、その感情たちもまた大きな示唆を与えてくれます。
別れ話をしてきた彼に怒りまくってた彼女にこう伝えるんです。
「それくらい彼のことが好きだったんですね」と。

ハートブレイクで痛みが噴き出るほどに、彼への愛情を再確認できるでしょう?
でも、その事件が起こるまではそんなにひしひしと愛情を感じていたでしょうか?

それに感情を感じることは「今を生きること」になります。
感情は「今」にしか存在しないからです。

そして、大切なことは、そのハートブレイクが起きたとしても何一つあなたの魅力は失われていないことです。(これは以前にも記事にしました)

彼がどれだけあなたを否定しても、それはあくまで彼の見方に過ぎません。
あなたには今も十分な魅力があるんです。

ハートブレイク直後の感情の波ときちんと向き合っていくと、自分が今のままで十分であること、今の自分でも十分に魅力的であることに気付けます。
そして、もっと成長して、素敵な女性になりたいという思いがふつふつと湧いてきます。

ハートブレイクによってあなたは“何も失っていない”わけですから、ここから先はすべて“プラス”なのです。(失ったと思うのは実は誤解なのですね)

彼の愛情を「自信」の根拠にしていたとしたら、失ったように思ってしまいますよね。
でも、それは根拠が間違っていたわけで、彼の愛情をよりどころにしなくても、あなたは十分魅力的だし、自信を持って良いのです。

そうしてあなたは更なる自信を身に着けていきます。
さらに輝きを身にまとっていくのです。

じゃあ、具体的に何をしたらいいの?と思いますよね。

「あなたの魅力を友達に聞いてみてください」

「彼がなぜ、あなたのことをそんなに好きになってくれたのか、その理由を30個考えてください。」

「あなたが幸せな恋や結婚ができる理由を30個探してください」

そんな宿題をよく出します。
ハートブレイクしなきゃ、できない宿題です。

どれもあなたを否定するものではなく“プラス”にしてくれるものですね。

ハートブレイクを繰り返しながら私たちは成長し、自信を付けていきます。
だけど、その根拠は他人にあるのではなく、自分自身にあるのです。

失恋したら無理やりでもこう言ってみてください。

「あ~あ、私、また魅力的になっちゃうわ」

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