ロックマン氏との8年に渡る格闘に終止符を打ったあとはどうしたらいいの?



まずは「自分をいたわる」という武闘派女子にはたいへん苦手なプロセスが要求されます。
そして、その傷を草津の湯で癒したのちは、その彼との関係を振り返るついでに人生そのものを振り返って行き、これからの生き方を検討していきます。
今日は根本が何を見て、どういう風にカウンセリングを進めていくかを紹介しながら、これから何をすればいいかを考えたいと思います。

ロックマンと死闘を繰り広げること8年間。
終わりがないように感じたこの戦いも、ロックマンが、ひと回り下の私の後輩に求婚する、という結末で終止符を打ちました。
なんとも情けないです。

しかし、それを知った時は、本当にはらわたが煮えくりかえり、どう社会から抹殺してやろうかと本気で考えましたよ!
けれど、そこは根本教信者…。
ふと我に返り、とにかくに怒りをお恨み帳にぶつけました。
ムカつく!死ねばいい!ってか、死ね!死ね!死ね!…。
我ながら怖い、怖い。
そしたら次にでてきたのが、悲しい、悲しい、悲しい…。
私はなんでこんなに悲しいんだろう?
大切にしてもらえなかった、好きになってもらえなかった、必要とされたかった。
涙が止まりませんでした。号泣です。
本当に久しぶりによく泣きました。
翌日が休日で良かった。

泣いたら、少しだけスッキリして、ロックマンに、自分の気持ちを伝えました。
私はあなたのサンドバッグじゃない!
私にだったら何でも言っていいと思ってたのか!
私はすごく傷ついてたんだ!
飽きた捨てるオモチャじゃないんだ!人だ!
でも、楽しい時もあった、ありがとう。
って。

そのまま、アカウントを削除したので、読んでくれたかは分かりません。

ロックマンとは区切りをつけました、たぶん。
でも、私が幸せになるためには、次はどうすればいいのか?分からないのです。

自分磨き?休息?自分を楽しませる?
それとも、もっと深い部分にある自分の痛み?問題?に向き合う?

途方に暮れています。
(Mさん)

武闘派女子なる部族の方々は倒れても根性で立ち上がり、死ぬこと以外はかすり傷と肝に銘じてうほうほ生きていらっしゃるわけですので、担当カウンセラーとしてはたいへん丁寧に「待て!」を教えることも少なくないわけです。

要するに「そんな状況で立ち上がろうとすんじゃねえよ。まだ骨はくっついていねーんだぜ?」というような言葉をたいへん丁寧にお伝えするわけです。

ロックマン氏との8年間に渡る格闘が終わったわけでしょう?
そして、御恨み帳に怒りから辛い気持ちを吐き出して号泣して少しスッキリしたところでしょう?

例えるならみなさまがトラックとの格闘によって足の骨を折っちゃったとしましょう。
それでお医者さんがなんとか骨をくっつけてくれてギプスをハメてくれて病室に返されたわけです。

今のMさんはいわばそんな状態かもしれません。

そんな状態で「そろそろトレーニングを再開したいんです!」と訴えてるようなものでして。

※トラックのその後については言うまでもありませんので敢えて記しません。

とりあえず、骨がちゃんとくっつくまで静養しましょう、そのあとは徐々にリハビリを始めていきましょう、それで、完全に元に戻ったらまた山野を駆け巡りましょう、という流れです。

いい機会ですので、Mさんや似た状況の方がカウンセリングに来られた場合、根本先生はどういう風に見ていくのか?というのをご紹介したいと思います。

そんな前提があるものですから、とりあえず傷の状態を見たいわけです。

どれくらいロックマン氏との関係に区切りが付いてるのか。
前向きな気持ちはあるけれど、無理やり過去を斬り捨ててないか。

例えば、ロックマン氏との関係を振り返っていきます。
痛みが強いときはやはり怒りを始め、悲しみ、寂しさ、理不尽さ、もどかしさ、悔しさ、憎しみ、惨めさ、敗北感、喪失感、失望感、罪悪感、無価値感、無力感等々の様々な感情が出てきます。

「まだまだこんなにも痛いじゃないですか。まずはその傷を癒してあげる段階ですよ」と優しく丁寧にお伝えします。

当然ながら焦りやふがいなさ等々も出てくるので、Mさんに合わせて「とりあえず友達に泣き付けよ」とか「人が死ぬほど多いけど、京都の一人旅も悪かねえよ」とか「いっそのこと失恋休暇取って海外行っちまいなよ」とか「御恨み帳、あと20冊追加!」みたいなことを提案することもあります。

傷が癒えてくると痛みだけではなく、ポジティブな面ももっと見えてくるんです。
悪いことばかりではなく、いいこともあったなあ、と。

さらにロックマン氏のことを考える時間が減っていくので、話題にも出なくなるものですから、「例のロックマン氏のこと、最近はどうなの?」と聞かなきゃいけないくらいになります。

だから自然と前向きな気持ちが出てくるまでは「傷を癒す」時期なのです。

「手放しワーク」というのもあるわけですが、やはり感情ってのはなかなか深くてデカいものですから、頑張ってワークに取り組んだからと言ってすぐにスッキリするわけじゃありません。

何度も繰り返してそのたびに少しずつ軽くなっていくものです。

その「手放しワーク」のひとつのゴールは「感謝」です。

彼に感謝ができる状態になってきたら「だいぶ手放しが進みましたね!」ということになります。

この感謝も無理やりひねり出したものではなく、自然と感じられるものですし、そうなることで「この8年間は無駄じゃなかったな」ということも分かるものです。

この「無駄じゃなかった」という実感が得られるようになると姿勢は完全に前を向いており、むしろ、その経験を糧にして今後の戦闘に挑もう!という気力も湧いてきます。

ここで着目することは「ロックマン氏との格闘で得たもの」、つまりは「恩恵」を受け取っていく、ということです。

この8年間でMさんがどれくらい成長できたか?何を学び、何を得たのか?という点を見ていくのです。

ロックマン氏というのはちょくちょくお伝えしている通り「いい女養成所」みたいな機能があります。

自分が女であることを実感したり、女の喜びを知ったり、なんなら「あたしっていい女じゃん」ということが自覚できたりするでしょう。

器がデカくなったなあ、人間として一回りも二回りも成長したなあ、ということもあるでしょう。

以前だったらできなかったことができるようになったりもするでしょう。

とにかく、8年分の恩恵を受け取ることによって彼との恋がクロージングできるのです。

そうしてこの失恋を「失敗」ではなく「成功」とすら捉えられるようになったら素晴らしいですね。

さて、そんなロックマン氏とのことを振り返りつつ、同時並行して別のプロジェクトも稼働させるので、私のカウンセリングって案外忙しいんです。笑

○そもそもなんでロックマン氏にハマっちゃったんだと思う?

○なんで8年間も格闘を続けられたと思うの?

○それまでの恋愛パターンってどんなの?

○やっぱ家族のこと、大事。ちょっと詳細見ていきましょう。

○仕事とか趣味についても教えて。違う側面が見えてくるかもだから。

私のカウンセリングは大風呂敷広げて人生全体、その人全体を見ていきたいものですから、「それ、恋愛と関係あります?」というところにまで質問が及びます。

「趣味とかって関係ないと思われがちだけどものすごく大事な情報でねー。趣味欄にたくさん並んでいると、ああ、ほんとは女性性が優位な人なんだろうな、とか分かるわけ。」という風に。

また、仕事についてお聞きすれば「男性性がどれくらい逞しく育っているか?」ということが分かりますし、セックスについて尋ねることで「セクシャリティはどうなってるのか?男性性と女性性のバランスはどうなのか?情熱やエネルギーをどういう風に使っているのか?」などが如実に分かったりするのです。

例えば、クライアントさんの中には、バリバリ男性性で仕事をしてるんだけど、けっこう飽き性で趣味は多く、セックスもどちらかというと受身、という方がいらっしゃいます。

それって「たぶん女性性がものすごく豊かなんだけど、後天的に育てた男性性で仕事してるんだな。本来はもっとフェミニンなタイプかもしれないね」ということが分かるものです。

一方、趣味はあれこれあるし、内容も女性的なモノなのに、仕事もセックスもだいぶ男性性優位だと、だいぶ昔から男性性を鍛えざるを得なかったんすねー!でも、ほんとは女性性優位だからそっちにエネルギー向けたほうがたぶんいいよ、なんてことが言えるんです。

もちろん、これは一例で、男性性と女性性のバランスを見るだけでなく、なんで武闘派の道を歩き始めたのか?とか、本質的にはどんなキャラなのか?とか、そういうMさんの全体を見ていくのですね。

かつて「根本さんのセッションって一枚一枚服を脱がされていくような感じがする」とエロい表現をしてくれた人がいるのですが、確かに心の鎧を一枚一枚剥がしていくようなイメージはあるかもしれません。

でも、そうすると問題はロックマン氏のことだけでなく、恋愛のことだけでなく、人生全般に話が及ぶので「Mさんのライフワークってさー」って話になっていくことも多いものです。

でも、そういう風に見ていくといろいろと課題が見つかるのも事実です。

「何かと下剋上を企てる癖があるみたいね。自分より強い敵を倒すことが目的になってない?」(競争心)

「やはり手のかかるプロジェクトが好きみたいねー。その中で猛烈に頑張ることで自己承認しようとしてるんかな?ちょっと出力し過ぎなところがあるから、その辺調整していこうねー」(頑張り過ぎ)

「やっぱすごく女として生きたい思いが強いんだよね。けど、自発的にそれを出すことに抵抗があるから、彼みたいな男を捕まえだろうね。そこが今後のテーマだよね」(セクシャリティの解放)

「子どもの頃から親を背負ってきたから早く大人になり過ぎたんだよね。だから、これからはもっと人をあてにできるようにすると良いわね」(女性性)

「やっぱすごく人を愛したい人なんだよね。だからこそ、彼みたいな寂しい男に惹かれちゃうわけでさ。それって才能級だと思うからそれを大切に扱っていきましょうか」(才能)

「いつも愛することばかり考えてるから受け取ることを忘れちゃうんだよね。それって恋愛以外でも頻発してない?アウトプットばかりしてインプットしてないと枯れちゃうよね?」(受け取る)

最近の私は、そうしたライフワークに向かうプロセスの一環としてパートナーシップがあると思うようになりましたし、多くの人にとってパートナーシップがライフワークを動かすエンジンになると考えていますので、それでときには「失恋したのに、ライフワークの話ばっかりされる!」ということになるのです。

そういうわけで、ロックマン氏との格闘を終えて羽を休めている段階のMさんや同志のみなさまにはお伝えしたいことが山ほどあるわけでして、一通りの“事情聴取”を終えたのちはあれこれ提案させていただくことになると思います。

さて、順番は逆かも知れないんですけどMさんの状況にも触れておきたいと思います。

>終わりがないように感じたこの戦いも、ロックマンが、ひと回り下の私の後輩に求婚する、という結末で終止符を打ちました。

こういう「トンビに油揚げ事件」はよく耳にしているのですが、ロックマンからするとMさんは「同志」だったのかもしれません。

けど、プライドが高く、ハートはガラスであるロックマン氏というのは「自分が上」じゃないと安心できないんですね。

同志と対等な関係を築ける自信がないものですから、そういう相手に目が行っちゃうのだろうと思います。

まあ、場合によっては「Mさんには敵わねえ」という白旗かもしれませんが・・・。

ということで、別にMさんが悪いわけでも、魅力がねぇわけでもねぇんだよ、ほんとに、ということを最後にお伝えしておきたいと思います。

ま、誤解を恐れずに言えば「ああ、奴は敵前逃亡したってことっすね」かと。

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