なぜ、「寂しい」の一言で夫婦の間がこんなにもどよ~んとなってしまうのか?~夫婦のコミュニケーション術~



気持ちで会話する女性と、論理で会話する男性はそもそも異国語を話します。
だから、まずはヒアリングを鍛えることが大切で、スピーチはその後なのです。

***
長年、本音は隠すものと思って生きてきましたが、今はオープンな人間になることが目標。
特に感情をコミュニケーションすることが大事なんだと思い、そのチャレンジをしています。

そんな中抱えていたもやもやが、今日のブログでハッとしたというか、こんな場合も同じでしょうか…?とお伺いしてみたくなりました。

私の夫もここで言う男性的な男なのか、感情のコミュニケーションは得意でないようでプラスマイナスに関わらず「共感」という態度は 示してくれない人です。

ただプラスの感情のときは、受け止めてはくれることが多い気がします。
「喜んでもらえて嬉しい!」→「はいはい」
「こういうことが楽しかった!」→「なるほどね」という感じで。

しかし、マイナスな感情(寂しい、悲しい、不安」)を伝えると、途端、無視するのです。
黙って聞いているという感じではなく、会話終了!になります。

例えばこのような感じです。

私「今週の土日の予定は~?」
夫「うーん、土曜日はゴルフで、日曜日は友達とご飯食べに行く」
私「え~(先週も居なかったこともあり)夫くんなかなか家に居ないの寂しい~」
夫「・・・・(無視。手元の雑誌を読み始める)」
私「無視されると悲しい~」
夫「・・・・(無視。雑誌を読んでいる)」
私「・・・・(落ち込む)」
夫「(私をチラ見して)どうしたの?」
私「いや、無視しないでくれると嬉しいけど」
夫「はいはい(雑誌から目は離さない)」

その後は話題を変えてもしばらく重い雰囲気が続くというか、顔を見て話をしてくれない状態になっちゃいます。

私はただ、知ってもらいたい、聞いてもらいたいだけで気持ちを軽く伝えているつもりです。

寂しいから家に居ろと言っているわけでも
あんたのせいで!と怒っているわけでもないのに
なんで「寂しい~」とひとこと言っただけで
こんなにどよよ~んとした空気になるのか。。

もーう。これだから何も言いたくなくなるんだってば!!となってしまいます。

このように夫は、「俺は悪くない」とも言わないのですが
この無視という態度も自分が責められている感じがして生じるものなのでしょうか。

この場合も、好き好きコミュニケーションを意識的にやっていくことが大事でしょうか?
無視でもいいやって割り切って、マイナスな感情も伝え続けていって良いのでしょうか。

お伺いできると嬉しいです。
(Aさん)
***

難しいですよね~。確かに。ほんと。
しゃべってくれる旦那さんならいいけれど、こう「・・・・」って無視されるとね。
きっとこれをご覧の奥様方は

「Aさん、そんな旦那さん相手にようやってはるわ」

と思ってらっしゃることでしょう。見方はきっと1000万人くらいいますよ(推定)。

でも、Aさん上手にやってらっしゃると思いますよ。
明るく、軽く、言ってますしね~

ついつい私の立場はズルいなあと思っちゃうんですね。
Aさんの体験を出汁にああでもない、こうでもないって言うとけばいいんですから。

さて、感情的コミュニケーションに励んでいるAさん、それは素晴らしいチャレンジなのですが、何事もはじめからうまく行かないですよね。
自分の思い通りにはいかないものです。

それも、今まで本音は隠してコミュニケーションされてきたわけで、いきなり“オープン!!!”ってやられても、相手はふつう引きます。
だから、ここから桃・栗を育てるつもりで3年はかけてください。

さて、ご主人に限らず、ですが、

【別にコミュニケーションしたくない】

という本音があるの、お気づきでしたか?
頭では夫婦の会話が重要だって分かっていますが、心では同意してないって。

「コミュニケーションって何をしゃれべばいいんだ?そんな話題ないぞ。そんなキャッチボールとか俺、苦手なんだけどな。しかも、女房と今さら何を話すって言うんだ?」

まあ、旦那様方の本音ってのはそんなものでしょうね。
しかも、ゴルフや友達を優先してあまり家にいらっしゃらない方ですからなおさらです。

つまり、スタート時点ですれ違いが生じてるんです。注意しましょう。

【私が大切だと思っているものを旦那も大切だと思っている可能性は低い】

そこからのスタートです。
そういう時は、相手に【話をするのって楽しい・・・かも】って思わせてあげる必要があります。

そのための鉄則は【話す<<<<<聞く】です。
一言も話さなくてもいいから、相手に話をさせてあげる、ということです。

【例】
夫「うーん、土曜日はゴルフで、日曜日は友達とご飯食べに行く」
妻「最近、ゴルフの方はどうなの?ハンデ上がった?」

(帰宅後)
妻「今日はどうだった?」

人はよく「自分の話を聞いてほしい」って思ってます。
だから、ついつい奥様も【自分の話ばかりをしてしまいます】。
でも、「人の話を聞きたい」と思っている人は少ないです。
だから、ついつい二人の会話は成り立ちません。

けれど、「この人は話を聞いてくれる」となって、安心していろいろと話してくれるようになったら、「で、お前はどうなの?」って聞いてくれるようになります。
そしたら、自分の話をしてください。

お気づきでしょうか?
Aさんがオープンになる!!!というのと、夫婦のコミュニケーション!!!というのは少し分けて考える必要がある、ということですね。

残念だけど。

さて、後半

> 私「え~(先週も居なかったこともあり)夫くんなかなか家に居ないの寂しい~」→1
> 夫「・・・・(無視。手元の雑誌を読み始める)」→2
> 私「無視されると悲しい~」→3
> 夫「・・・・(無視。雑誌を読んでいる)」→4
> 私「・・・・(落ち込む)」
> 夫「(私をチラ見して)どうしたの?」→5
> 私「いや、無視しないでくれると嬉しいけど」→6
> 夫「はいはい(雑誌から目は離さない)」→7

Aさん、よく頑張ってる図、です。
とりあえず「ようやった!!」ってハグしてあげます!(希望者のみ)
世の奥様方が「そーそー、ほんと、こういう旦那、軽く首しめてやればいいのよ。ねえ、奥様?」って会話で盛り上がる箇所ですね。

さて、ここで男性心理を見ていきましょう。
まず、その基本編。
拙著「頑張らなくても愛されて幸せな女性になる方法」の一番最初(18ページ)に書いてあるくらい重要な法則。

【男は役に立ちたい】

何とかしなきゃいけないって思っちゃうんですね。
目の前に問題があれば、それを解決しなきゃ、と。

だから、「1」のセリフは

「え~、夫くんなかなか家に居ないのが寂しい~。どうしてよ~、ねえ、なんとかしてよ~」

に聞こえます。(もちろん、そういうつもりで言っていなくても、です)
だから、罪悪感を刺激されて何も言えなくなり、行き場がなくなり雑誌に手を伸ばす(「2」)わけです。
きっと「うわー、土日家空けて嫁ぜったい怒ってるよ。」って思ってます。
テストで悪い点数を取ってきてそれを隠していて「あのテストどうだったの?」とお母さんに問い詰められてる小学生とあまり変わらない反応です。
(たいていの大人男子は小学校低学年男子と感情的反応に差はありません。なお、このブログの筆者は小学生どころか4歳男子とあまり変わらないとの認定を得ております。うんこ!!(涙))

ここで「ごめん」って仮に言われたとしても「え?そういうことじゃないよ。責めてないよ」「そう?じゃあ、なんでそんなこと言うわけ?」「ただ気持ちが分かってほしいだけ」「それってやっぱり責めてるってことじゃないの?」という不毛な会話が展開されたりします。

そして「3」で彼はさらに追いつめられます。「寂しい~」+「悲しい~」ですからね。
「おいおい、それを俺になんとかせいって言うのかよ~。無理だよ~。自分で何とかしてくれよ~」って思います。
(もちろん、奥様はハナからそういうつもりで言ってるんですけど、それが分からないんですね。)

で、「4」となります。「無視」ではなく「何もいえない」のです。(この違い、とても重要ですよ!)

で、「5」でチラ見してるのは気にしてるんですね。実はこれ、旦那さんの優しいところです。罪悪感などから無視してぷいっと部屋を出て行っちゃう人も多いですから。
ちゃんとAさんのこと、彼は気にしてるんだな、と思います。

気付いてました?難しいでしょ?

そして、「6」で奥さんが【怒っていないこと】が確認できて安心し、「7」の反応へと繋がります。

Aさんの意図とはまったく違う方向に流れて行っていると思います。

> 私はただ、知ってもらいたい、聞いてもらいたいだけで気持ちを軽く伝えているつもりです。

それをご主人、知らないのです。
ふだんから「ただ、聞いてもらいたい、知ってもらいたいから言ってるの」って伝えていますか?
とりあえず、1万回くらいは伝えた方がいいですよ。

だって・・・ここだけの話・・・私自身も時々分からなくなります。。。。
妻に「私の気持ち、聞いてほしいだけなの!全然責めるつもりなんてないの!」って10日前にも言われましたし・・・・・。(ぽっ)

> 寂しいから家に居ろと言っているわけでも
> あんたのせいで!と怒っているわけでもないのに
> なんで「寂しい~」とひとこと言っただけで
> こんなにどよよ~んとした空気になるのか。。

彼、感情苦手でしょう?
それに、男らしいでしょう?(そうは見えなくても)

「寂しいから家に居ろよ、あんたのせいで寂しいんだよ」って彼には思えてしまうんですね。

それを知っておく必要があるんです。

で、話を戻します。
夫婦だから「安全」て思わないでくださいね。
コミュニケーションに関してはまだまだ信頼関係が取れないんです。

大事なのは「聞く」ということ。
聞いてあげることでご主人は奥さんを感情的コミュニケーションの面でも信頼し始めます。
この人はちゃんと自分を受け入れてくれる、理解してくれる存在だ、と。

だから、とりあえず3年、旦那さんの話を聞き上手になって、あれやこれやと引き出してください。

気の長い話でしょ?
でも、3年後はめちゃくちゃ楽しいですよ。

彼の表情で感情が読み取れるし、無視の様子で何が言いたいか分かるし、もしかしたら一緒にゴルフのラウンドしてるかもしれないし、彼の友達に交じって飲み会に参加してるかもしれないし、、、、ね。

で、それまでの間はちょっと自分の話を聞いてもらうのは我慢して、友達や実家の家族で処理しておきましょう。

あ、そういえば某カウンセラーが「聞く技術」って本、監修してるみたいですよ!
一度、読んでみるといいかもねっ!!

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