うまく行かないやり方のまま、物事を解決しようとしてませんか?~夫婦問題を例にとって~


過干渉タイプの奥様が、離婚問題に置いても、旦那の行動を束縛して解決しようとする、とか、受け身タイプの奥さんが、旦那が戻ってくるのをじっと待つ、など、それが原因で問題が起きたんじゃ?と思われるやり方を続けてしまうことがあるようです。
見方を広げる、変えることで、解決していく方法を事例を用いて紹介します。

例えば、夫婦がうまく行っていた(と思っていた)頃にやっていたことが、夫婦仲がこじれた後も引き続いてしまっていて、関係性を改善の妨げになってしまってることがあります。

これは無意識にやってしまっている行動のため、なかなか自覚できなくて、よくよくお話を聞いている第三者の私が「あっ」と気付くくらい“自然な行為”に見えるものだったりします。

でも、その行動が決して「悪い」とは言い切れないんですね。
見方を変えれば「長所」にもなるものです。
だから、その行動を変えるというよりも、違う角度から扱うことで問題を解決していくことが多いんです。ただ、ちょっとそれを慎んでもらうことはありますけど(笑)

例を挙げましょう。

例えば、A子さんはついつい旦那さんの行動に口出ししてしまう“過干渉タイプ”の奥様でした。ただ、その旦那さんも特に自分の意見を持つわけではなく、奥さんに従うタイプで、「ねえ、赤と青とどっちがいい?」って聞いても「A子のいい方がいいよ」とあまり自分の意見も言いませんでした。
そういう関係が長年続くうちに、いつしか主従関係ができあがり、A子さんは旦那さんをすっかり支配するようになっていました。
朝着ていくスーツとネクタイがちょっとでも合わないと「何そのセンス。恥ずかしいわ。こっちのネクタイに変えなさいよ」とか「何そのスーツ、よれよれじゃない。妻の私がだらしないと思われるわ。早く脱いでマシなのにしなさい」などと、まるで過干渉なお母さんのような行動をしていました。

その結果、たまりにたまった不満が爆発し、旦那さんは「女性」というオアシスに逃げ込んで離婚問題になりました。

A子さんはそこで旦那さんへの愛情に気付き、自分が今までやってきた態度を反省し、改め、何とかやり直そうと努力します。
旦那さんも奴隷制度に長年浸っていた名残があるので、A子さんから呼び出しがかかると素直に話し合いの席に座っていたのですが、そこでA子さんがやることというのは、今までと同じような「自分の思いを彼にぶつけて、彼を従わせる」という方法なのです。

A子さんからすれば、飼い犬に腕を噛まれたようなもんですから、「こいつー、何、ご主人さまに逆らってるんだ!!」という思いもあったのでしょう。
“話し合い”というよりも、“A子による旦那説得作戦”という独演会が延々と続くことも多かったようです。
しかし、そもそもその支配的な態度に「もうダメです。もう無理です。」と逃げ出した彼なんですから、A子さんのそのやり方にはびくともしないんです。
話し合いの席には付いて、うんうん、て聞いてくれるけれど、悲しそうな顔をして「もう僕を放っておいてくれ」「僕は君の期待に応えられるような男じゃない」「A子には僕なんかよりもずっと合う人がいる」「A子は僕がいなくてもいいけれど、彼女は僕がいないとダメなんだ」等々の言葉をぽつりと言うだけでした。

支配的な行動で破たんした関係を、支配的な行動で修復させようとしていたのです。
そして、自分がそんな行動を採っていたことを彼女自身は気付いてはいなかったのです。

その後、彼女には「自分から彼に連絡を取らないこと」「彼への執着を手放して自由にしてあげること」「彼を信頼すること」「彼の考え方、価値観、生き方等を尊重すること」「彼を師匠として彼の生き方を学ぶこと」「女としてもう一度自分を磨き直すこと」などのたくさんの課題を出して行きました。

でも、彼女の支配的な態度は見方を変えれば「面倒見がいい」「責任感がある」「リーダーシップが取れる」「頭が良く、よく物事が見えている」「説得力があり、説明が上手」などの魅力でもあります。
そもそも悪気があって出た態度ではなく、夫婦関係にとって良かれと思うことをやってきた結果ですから、「その支配的な態度があかんから直せ」という話はほぼしてきません。
「ああ、やり過ぎちゃったね、踏み込み過ぎちゃったね」という“結果”には触れましたけど「やっちゃったものはしょうがないねえ、また次、次」と“自分のパターンに気付くこと”に留めました。

彼の生き方を学ぶことは意外にもA子さんを楽にしました。
視野を広げ、人の気持ちを受け止めること、汲み取ることができるようになり、以前よりは幾分か柔らかい雰囲気が出てきました。

その頃にちょうど若干逞しくなった彼が返ってきました。

ずっと受け身だったB子さん。亭主関白で俺様的な旦那さんを支えて一生懸命やってきました。
いまどき珍しい3歩下がって旦那さんについてくタイプの奥さんでした。
そんな彼があるとき、ずいぶん年下の女性が好きになり、すっかりハマってしまったんですね。
でも、B子さん。あまりにも自信がなく、自己肯定感も低いので、どうしていいのか分からずただただ泣くばかりでした。
あるセミナーに来られたのも、彼女のその状況を心配したお姉さんが連れて来てくださったのでした。(ちなみに賢明な読者ならお分かりかと思いますが、そのお姉さんは立派なA子さんタイプでした(笑))

俯いて全然自信がなさそうなB子さんでしたが、少しお話してみると実はとても情熱的で芯の強い(言い換えれば頑固な)女性であることが分かってきます。
「怒ると本当はめちゃくちゃ怖い女でしょ?」
「旦那が実はすごく弱い男だってとっくに見抜いてるでしょ?」
「B子さんが本気で呪ったら、確実に旦那の命ヤバいよね?」
そんな話を振ると、「いや、そんなことないです」って言いながらも、目は笑ってませんでしたね。「バレたか。がははははははは!!」なオーラが出てました(笑)

でも、旦那さんに対してはやっぱり受け身のままなんですよね。
女のところに行ったっきり帰って来なくても何も言えずにじっとする他ありません。
旦那さんは経営者で、彼女はそこで経理をしてるので領収書を通じて彼の行動は手に取るように分かっていますし、かといって彼はB子さんが反発する人間じゃないと思い込んでるので堂々と愛人を養っていました。

でも、やっぱり受け身というのは問題を起こす原因だったし、自己主張しない性格も旦那さんを自由にのさばらせる要因になっていたわけですが、一方で長所でもあるんですね。
だから、いきなりお姉さんや旦那さんを見習って積極的になることが必ずしも答えではないんです。

彼女には自己肯定感を徹底的に上げて、自分の生き方ややり方に自信を持つことをひたすらやっていきました。
まあ、浮気問題が絡んでいるので、センスのいいお姉さんにも手伝ってもらって外見をより女らしいものに変えることはやりました。(そしたら、本人もお姉さんもびっくりするくらい色っぽい、和風美人ができあがったのですけど)

そして、旦那に対しては「信頼を送る」ということを続けて行ったんです。
「彼もちゃんとした大人。自分がしていることは分かっている。自分のしたことの責任はちゃんと取れる男。だから、私は彼を信頼し、待っている」みたいな感じのアファメーションもやってもらいましたし、彼の目をしっかり見て話すことを意識して取り組みました。

そしたら、ある日、B子さんに「妊娠」が発覚して問題は急展開、解決に向かいました。
私、それをあるセミナーで聞いたんですが(彼女はカウンセリングとセミナーの両方に通って来てくれてました)、つい「え?誰の子?」と最も聞いてはいけない質問をしてしまったほどです。

どうもその1か月くらい前、旦那さんが酔っぱらって帰ってきて、今まで1年以上も触れもしなかった彼女に対し、急に「お前、男ができたんだろ?そうだろ?正直に言えよ」と言いながら押し倒されたんだそうです。
しかも、その日から4,5日続けてそんなことがあって、まあ、めでたく妊娠ということになりました。

彼はそれを聞いた瞬間、憑き物が落ちたように別人となり、毎日きちんと帰って来るし、家庭のこともちゃんとしてくれるいい旦那に変わりました。

問題が起きた原因を問題が起きた後も続けてしまうと問題はなかなか解決しません。
しかし、その原因は必ずしも悪いものではなく、見方を変え、自分を見つめ直すことで長所として活かすことができます。
そして、「なるようになる」のですね。

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