男女の話し合いが不毛に終わる訳(その2)



未来志向の男性は、過去にこだわる女性の話についていけません。覚えていないからです。何とか向き合って話をしようとするんですが、嘘や矛盾が出て来てしまい、ますます不信感を与えてしまうんです。

さて、なぜ男女の話し合いが不毛に終わるのか?昨日は感情vs思考の話をしましたが、今日は過去vs未来の話です!

2.男女の違いが原因になる場合(2)~過去に生きる、未来に生きる~

男女の話し合いが不毛に終わる原因、その2は「視点の違い」とでもいいましょうか。
これはガッツリ新刊の中に出て来るので簡単に済ませたいと思います(笑)

「彼女とどんなことがあったのか、ちゃんと正確に話してくれて、どうしてそういうことをしたのか説明してくれたら、もう終わったことだし、許してあげてもいいと思ってるんです」

こういう話を女性から伺います。
女性は「傷ついてもいいから全部知っておきたい」と思う人が大多数です。
知らない、とか、嘘をつかれてる、というのがすごく嫌で、辛いことでもきちんと事実を知りたいと思うんです。

ちなみに男性は「早く忘れたい」です。もう済んだこととして切り捨ててしまいたいと思うんです。女性との違いが明確です。

だから、女性としては浮気されたとしても、その相手とどうしてそうなったのか、どんな気持ちだったのか、何があったのかを正確に知りたいと思うんです。
そして、彼がちゃんとそれを話してくれたら、それを誠実さと見なし、もう一度、信じてみようと思っているんです。

でも、残念ながらその思いが叶えられることってあまりないのです。

女性は過去のことを良く覚えています。
「どうしてそういうことが起きたのか、ちゃんとそこと向き合って、何が悪かったのか、どうしたらいいのかをちゃんと考えて、それから未来を見なきゃ意味がないでしょう?」と考えるのです。

一方、男性は過去のことをあまり覚えていません。むしろ、都合の良い風に解釈していることも多いんです。そして、未来志向です。
「済んだことはしょうがないじゃないか。これから気を付ければいいんだから、どうやってこの関係を立て直して行こうか考えようじゃないか。」と考えるのです。

「そうは言ったって、過去を振り返って反省しなきゃ、未来なんて描けないんでしょ?また同じこと繰り返しちゃうでしょ?」と女は思い、「過去のことを振り返っているうちに時間は過ぎていくんだよ。これからどうしたらいいのかを考えた方が賢いだろ?」と男は思うのです。

さて、浮気した彼氏に事情聴衆をする彼女。
彼は思い出したくない上に、もう都合の悪いことは忘れているし、でも、彼女の手前、ちゃんと答えなきゃいけないし、と震える想いの彼。

「いつ、どこで、彼女と何があったの?」という質問に、その時の思いを巡らせて答えます。
でも、あいまいなんです。記憶が。
彼女に「そんなわけないでしょ?どうしてそんな大切なこと忘れてるわけ?」と突っ込まれると、慌ててそこで覚えていない過去を「ねつ造」して彼女の期待に応えようとします。

当然、それは嘘なわけです。

で、しばらくたって彼女からまたそのことを問われると、前回と違ったことを言っちゃうんです。だってその場でねつ造した話だから覚えてないんですね。

「前はその時はキスしかしてないって言ってたのに!なんでそんなウソ付くわけ?もう信じられない。本当のこと話してくれたらいいのに。そんなに私のこと嫌なの?」

「(え?そんなこと言ったっけ?やべーな・・・どうしよ。)ご、ごめん。間違えてた。」

そういうわけで、過去に何があったのかを「ちゃんと」知りたい彼女の思いはなかなか満たされることってないんです。
それは彼が悪いとか、不誠実とかではなく、そういう「仕様」なんです。

「過去のことをあなたが望むように話せ、というのは、彼に子ども産んでみろ、と言うくらい難しい物なんですよ」

そういう話すらします。

彼はそんな苦手なことでもちゃんと話をしてくれています。逃げ腰だけど、矛盾するけど、嘘も付くけど、でも、話してくれています。
それを「誠実さ」と言うんです。

切れずに、逃げずに、いること。
いい加減な受け答えじゃなく、ちゃんと答えようとしてくれていること。
つまり、中身は嘘だったかもしれないけれど、姿勢は嘘じゃないってことです。

それではなかなか納得できないのかもしれません。
けど、それはもう価値基準が違うとしか言いようがありません。

もし、あなたがスイーツが大好きだとしたら、スイーツに興味がない人の気持ちって分からないですよね?
「あ、俺、甘いモノいらないから、どうぞ」って言われたら嬉しくて、きゃー!ありがとう!!ってなるけれど、でも、「甘いモノいらない」て気持ちは理解に苦しみますよね。
どうして?こんなに幸せな気持ちになれるものなんて他にないのに!と思うでしょう。

似たようなもんなんです。「違い」ですから。

だから、違うことを分かった上でコミュニケーションを図る必要があるんです。
過去のことを知りたいのはやまやまです。
何があったのか全部知っておきたいのは女子として当然です。
でも、その基準に彼を当てはめてしまうとしたら、それは彼をオネエにしようとしてることになっちゃうんです!!
それでいいんですか???(笑)
次のデートから彼が口紅塗ってミニスカート履いて内股で現れてもいいんですか???

特に感情的になったり、被害者になったり、痛みが強かったり、怒りでいっぱいだったりするとやっちゃうんですね。
そして、お互いの溝をまた深く掘ってしまうんです。

何に対しても同じことが言えるんですが「自分基準」「自分ルール」を手放しましょう。
もし、ネガティブな感情でいっぱいになってるな、と思ったら、その感情は彼を使わずに手放していくこと、考えましょう。

そうして、心に余裕ができていくと、過去のことも受け入れられるようになっていくんです。

男女で見てる基準が違うんです。
だから、ここでも話が食い違います。

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