しっかりものの長女が不倫にハマりやすい理由。



いい子を頑張ってしてる分、悪い子が出せなくなります。
その悪い子になって自分を許せる瞬間が必要になって来るんです。
本当はその悪い子はある人に受け容れ、許してもらいたいのです。

あるクライアントさんが「不倫ばかりじゃないけれど、いつも幸せになれない恋愛を選んでしまう」というお話をされてました。
今も別れなきゃと思いつつずるずる2年ほど既婚者との関係を続けています。誰にも言ったことないけれど・・・とかつて少しだけですが風俗で働いたことも告白してくれました。

彼女は子ども時代からしっかりしたお姉ちゃん。妹、弟の面倒もよく見たし、お母さんのために家のことも手伝ってました
お母さんからは「本当に○○ちゃんがいてくれて助かるわ」と言われ、そう言われるのも嬉しかったので、ますます頑張っていたんです。
学校でも、優等生の学級委員タイプ。
勉強もできたので大学も就職でも名の通ったところへ入って活躍しています。

友達だって多いし、何ら問題がなさそうなタイプ。
面倒見役として仕事でもサークルでも上司や先輩からの信頼も厚いのです。
相談する側というよりもされる側って感じなんですよね。

「子ども時代、お母さんに甘えられてた?」って聞くと、「妹と弟がいたので十分に甘えられなかったと思いますが、それでも、お母さんは私のこと受け入れてくれたし、お父さんも優しかったので、私は恵まれてるな、って思っていました。」との答え。

頑張っていい子をしてきた、優等生をしてきた、というよりも、それが自然に近い形だったんだな、ということが分かります。

「相談できる相手っている?不倫のこととかも」と聞くと「うーん。実はそれがいない、というか、一応、話を聞いてくれる子はいますけど、何かそういう話はし辛いので」

この話は実話を元にしたフィクションなんですけど、兄弟の下りなんか「私、思い当たるかも・・・」という方、少なくないんじゃないでしょうか。

「いい子」「優等生」などをやってくると、弱いところ、ダメなところを表現することが苦手になります。いや、できなくなります。

でも、人ってきれいなところだけじゃないですよね?
例えば、いつも明るく前向きでニコニコしてる人にだって、ネガティブなところがあるし、暗い日だってあるんです。
だから、“自然に”明るく、前向きに振舞ってる方は「今日は、うち、あかんねん」って暗い日を隠しません。自然だからね。
でも、人に好かれるように(嫌われないように)“頑張って”明るく、前向きに振舞ってる人は、暗い気分の日も頑張って明るくしようとするので、その分、ストレスが溜まるんです。

いい子、優等生タイプの人って周りの期待に応えることが好きだったり、楽しかったりする分だけ、つい無理して頑張ってしまいます。
いい子にしてるのも、人に迷惑をかけたくないからで、だから、人に相談することが苦手にもなります。

そうするとどんどんネガティブなものがヘドロのように心の中に溜まってしまうんです。

そのヘドロは何らかの方法で解消しなければいけません。
でも、「表」では「いい子」「優等生」ですから、そんな部分は出せません。
そうすると「裏」に行くわけですね。
アンダーグラウンドの世界。

この彼女の場合は不倫という表にはなかなか出せない関係を作ることで、ネガティブな自分を解放しようとします。

他にも「彼氏はいるけど、いつも浮気してしまう」「実は今も風俗で働いている」のような場合から、ちょっとギャンブルにハマってて・・・、買い物が止まらなくて・・・、お酒に依存してるかも・・・、クスリに手を出したこともあって・・・、実は借金があって・・・、セックスがないとダメで・・・などの「アンダーグラウンド」があります。

だから人によってアンダーグラウンドは違います。お酒は表に出せるけど、タバコは出せないって方はタバコがアンダーグラウンド。

表には出せない、ダメな私、情けない私、弱い私、暗い私、全然いい子じゃない私、、、そういう私を許す場所が必要になってくるのです。

もちろん、そういうアンダーグラウンドは一時凌ぎの世界。
痛み止めの注射みたいなもの。
だから、また痛みが出たら、打つ必要が出てきます。
それでなかなか辞められないし、ずるずる行ってしまいます。

だから、彼女の場合も「不倫をやめる前に、いい子をやめなきゃね」ってことなんです。
いい子をやめるって・・・勇気要りますよね。今までそういう人生を生きて来たんですから。

いい子をやめる、のは、ダメな自分を表の社会で表現すること。
「信頼できる友達にさ、恋の相談してみてよ」という場合も多いですね。不倫してること、それが辛いこと、苦しいことを友達に相談してみてねって。

そもそもカウンセリングってどっちの世界なんでしょう?
表?裏?
でも、こういうタイプの彼女にとっては「表と裏の中間の世界」です。

だから、それをまずは告白してもらうこともあります。
「実はさ、私、カウンセリングに行って来たんだ」って。

そうして少しずつ自分の秘められた世界に信頼できる人を招待していくんです。

カウンセリング中にそんなセラピーをすることもあるんですね。
ビックリするくらい気持ちが楽になった・・・って言う方、少なくないんです。

でも、本当のところは友達に相談するのは本命じゃないんです。練習(笑)
その奥に大本命が鎮座してるんですよ。

ご両親。

弱い自分、ダメな自分、頑張れない自分、汚い自分、、、そんな自分を一番許し、受け入れ、愛して欲しいのはご両親なんです。

大人になった今でもね。

だから、ちゃんと準備して、お母さん、お父さんに告白してもらうんです。
そうすると、不思議なくらい生きるのが楽になって行きます。

さて、あなたはダメな自分、弱い自分をどれくらいオープンに出せているでしょう?
誰の前なら、そんな自分を曝け出せますか?

迷惑をかけちゃいけない!って思って頑張って生きてきた人は、迷惑をかけることでこのジレンマから抜け出せます。

勇気要りますけどね。

もちろん、今回は「しっかりものの長女」でしたけど「どこでもいい人をしてしまう夫」や「自信家の彼氏」「ちゃんとしてる彼女」などでも同じことが言えます。
もしかしたら「あ、これが理由で旦那、浮気してるのかも」と気付いた方も多いのでは?

毎日使える心理学講座 
☆根本本。
根本本

あわせて読みたい