ブランド志向。虎の威を借りたくなる心理。



自分には価値が無いから、外側を飾ることによってさも自分自身に価値があるように見せようとする、それがブランド志向のネガティブな側面です。
だから、決してそれが楽しいわけではなく、心は不安でいっぱいなのです。

無価値感が強いと自分自身に価値が感じられません。
昨日はその結果、自分が手に入れたモノにその思いを投影して価値が感じられなくなってしまうお話をしました。

これが反転すると、内からではなく外から手に入れるものによって「無価値な自分」を「価値ある自分」に変えようとします。それがいわば、ブランド志向になります。

自分自身には価値がないから、人が見て価値があると思えるものを手に入れることで自分自身がさも価値があるように飾ってしまうんですね。

持ち物はもちろん、住む場所、学歴、職歴、付き合っている恋人や友人の質など、世間一般で言う「価値のあるもの」に目が無くなるんです。
流行に乗ることもその一つです。


しかし、ブランド品の品質の良さや信頼、安定感などに惹かれていたり、流行に乗る楽しみからそれをしている場合は問題ないのですが、無価値感からの行動によってブランドに囲まれると、周りがキラキラしている分だけ、自分のちっぽけさをなお一層感じるようになります。
そうするとそのちっぽけさを隠すために新たなブランドに手を染めるというパターンが繰り返されるようになり、精神的にはものすごく疲弊してしまうのです。

外をどれだけ飾っても、内側の無価値感が癒されていないから、素晴らしいものに囲まれていても全然幸せではありません。

だから、見た目がとても華やかで、姿かたちも美しく、持ち物もセンスのいいものを持っているのに全然心が満たされず、むしろ周りの目を気にして縮こまってしまってる(本来の自分を発揮できない)のでは、どんどん辛くなってしまいます。

そもそも人にせよモノにせよ、そのものに愛を感じているわけではありません。
そのモノを手に入れた自分がどう人から見られるか?を気にしているので、常に意識は内向きです。

元来、自己評価が低く、周りの目を気にする傾向のある私たち日本人にはとてもよく見られる傾向です。

「裸の自分をもっと愛する」

という美しいテーマに取り組む必要があります。

内面が美しい人は何を身にまとっても「なんかきれい」という印象を人に与えていると思いませんか?
いつも自分らしさを心掛けている人は、ブランドではなく「これは自分らしいか?(これは好きか?)」でモノを選択するでしょう。だから、「金額以上のものに見える」着こなしができるのだと思いませんか?

ただ、私は「形から入ること」もアリだと思っています。
自分を大事にするための一つのきっかけとしてブランド品を手に入れて、それが似合う自分になるように内面を磨くことには大賛成です。

自分のためにそのブランドを手に入れられる、というのも「価値」の一つだと思うからです。
(実は私は長年、「そんなのは自分には似合わないし、勿体ない」という理由でブランドに限らず高級品を手に入れることを拒んでいました。それくらい自分には価値がないように思っていたり、ブランドで自分を飾ることに抵抗があったのです。)

個性を重視する某国では例え縫い合わせがめちゃくちゃでも「自分で作ったスカート」の方が、高級ブランドショップで買ったものより評価されるそうです。
逆に、そういうブランド品で身を固めた人を見ると「そのブランドが好きなのね」とか「個性がないから結局ブランドに着られてる」と言われるそうです。
それもお国柄ですが、さて、あなたはどんな風になりたいか?が求められているようです。

ま、かく言う私もブランド品には弱い人です(笑)
つい自慢したくなっちゃいますし、ブランドで身を固めるのも好きですし、あまりブランドとは言えないものを身に着けてると恥ずかしい気持ちもします(苦笑)
だから、戒めのためにこの記事を書いてみました。

※実はこういう心理を扱うカウンセリングって意外と多いんです。自分自身ではなく、外側に価値を求めてしまう、という心理、やっぱり多いんだと実感しています。

内面を磨くためのきっかけにしてみてください。

・あなたが今、夢中になれるものは何ですか?(もっとそれに時間とお金を投資しましょう)

・あなたが幼少期に夢中になったものは何ですか?(それを思い出してワクワク感を取り戻しましょう)

・あなたが今まで人に与えて来たもの(誰かのためにしたこと)は何ですか?(自分自身が素晴らしいことを知りましょう)

・あなたはどんな人に魅力を感じますか?(その要素が内なる魅力です)

・あなたが心を許せる人は何人いますか?その人の前ではどんな自分になっていますか?(それが今の本当の自分の姿)

・あなたの周りの人はどんなところにあなたの魅力を感じていますか?

少し時間を取ってこれらの質問に答えていくと、内なる自分に出会える確率が高くなりますね。

「裸の自分が最も美しい」と思っているので、私もその方向に向かって行きたいと思います。

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