責任とは取りたくなるもの



責任を負うのに抵抗がある、とか、責任の重みに潰されそう、というご相談、よく伺います。
責任とは本来やる気を高め、やりがいを生んでくれるものなんです。
そこに意義や意味を見出すことがカギになりそうですね。

先日、たまたま「責任」に関するご相談を頂いたので再びこのネタを挙げてみました。
タイトルを見て意外に感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。

でも、責任というのは「負わされるもの」ではなく「負いたくなるもの」「取りたくなるもの」なのです。

例えば、「何の責任も伴わない仕事」というのは楽ではありますが、どれくらいやりがいを感じられるでしょうか。
もし、その仕事をあなたが本当にしたくてやっているのであれば、すごく空虚な感じがすると思います。


緊張感も無ければ、何かミスを犯しても責められることはないでしょう。
気持ち的にも逃げが許されてしまうだろうし、逆に成功したとしても喜びは・・・あまり感じられないかもしれません。

日本代表のアスリートたちが「日の丸を背負う責任」と言う言葉を使ったりしますが、彼らにとって日の丸とはとても重たいものであるが故に、よりモチベーションに火を付けてくれるものでもあります。
だから、普段以上の力を発揮して私たちに感動を与えてくれるものだと思うのです。

簡単な事例として、あなたがビジネス上の決裁権(仕事では責任を予算や決裁権などの形で付きますよね)が100万しかないときと1億与えられている時では、より交渉事にも力が入るでしょう?
もし前者の場合、5000万のビジネスを成立させるためのミーティングにあなた一人で参加することは不可能ですよね。
先方からすれば決裁権のないあなたにどれくらい熱弁をふるったとしても、その後ろにいる上司の方に意識が向きます。あなたは窓口としての働きしかできません。
でも、もしあなたが後者で1億の決裁権があるとすれば、あなたの判断によって自社や先方に利益をもたらすことができるのです。

いわば、責任というのが決裁権という形の力として現れています。
それは重たいものではあるけれど、やる気や情熱をもたらしてくれるでしょう。

もし、あなたが部下や従業員を抱えているのであれば、彼らやその家族の将来や生活を担うことになります。
そこに責任があるが故に、少々の困難があっても乗り越えようとする気力や、諦めない力が湧き上がってきます。

責任を与えられることによって、あなたは「誰かのために」「何かのために」より大きな力を発揮することができるのです。

これは子育て中のママにも言えますよね。
責任のない他人の子どもならばそこまではしない、ということを自分の子供にはどんどん与えていくことができますし、仮に自分が熱を出して倒れそうなときにも子どものために、と自分でも信じられないくらいの力を発揮することができます。

そういう意味では責任は自分の壁を打ち破り、より自分を成長させてくれる大切な原動力とも言えるのです。

だからこそ、成し遂げたときには大きな感動をもたらしてくれるのです。
責任は感動の源と言えるのです。

しかし、この責任が「受け身」の状態になると、あなたは途端に押しつぶされそうになります。
行き詰まったり、逃げたくなったりして、回避したくなります。目を背けたくなります。
責任を負うのが辛いという方は人生に対して受け身、後ろ向きになっているときではないでしょうか?
(それはストレスが溜まり過ぎて休養が必要な時にしばしば訪れます。そういう時は、まずはそのストレスを吐き出すことが“責任を果たす第一歩”になることを知って頂きたいと思うのです。)

そこに「意義」「意味」「目的」を見いだせないと、責任は途端にしんどいもの、重圧になって、自分自身を追いつめるものになるのです。

意義とか意味というのは、なぜ、自分がそれをするのか?なぜ、自分がそこと向き合う必要があるのか?という答えを与えてくれるものです。

つまらない仕事と思っていても、それが誰かの喜びになったり、誰かの役に立つものだと意識した瞬間からモチベーションは上がって行きます。
でも、その仕事が何ら責任を伴わなければ、誰かの喜びになるとも役に立つものとも思えないんですよね。
単なる苦行になってしまうのです。

私たちは自分のためではなく、誰かのために、と思った時に力を発揮します。
その時出て来るものが「責任を取りたい」という気持ちなのですね。
もちろん、直接的にそうは感じられないと思うんですけどね。

もし、今、何かに対して責任が重たい、回避したい、と思う方は、ぜひ、その何かがもたらす意味、意義を改めて見つめ直していきましょう。
それが何のためになるのか、誰の役に立つのかに立ち返ることができれば、ふたたび情熱を感じられます。

もし、あなたが経営者、上司などで従業員、部下に責任を与える側であるならば、始めにその意義、意味をきちんと説明し、それが誰かの感動に繋がることを伝え、従業員のやる気を喚起することが大切な業務となります。

責任とは・・・
・モチベーション、やる気を高めてくれるもの
・感動を与えてくれるもの
・やりがいをもたらしてくれるもの
・自分が思う以上の力を発揮させてくれるもの
・誰かを喜ばせるもの
・誰かの役に立てるもの
そんな素敵なものなのです。

責任は取りたくなるもの。
そう覚えて頂くだけでも、見方が少し変わるかもしれませんね。

さて、この話題をするとおそらく色々な方が感じると思われるので、明日は「もし、あなたの近くの人が「責任から逃げてる」と感じたら」をお届けしたいと思います(^^)

毎日使える心理学講座

 ★好評発売中!根本裕幸の近著。
こじれたココロのほぐし方 頑張らなくても愛されて幸せになる方法


あわせて読みたい