受け取り方ひとつで善意が悪意に！？

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こちらは善意のつもりで伝えた言葉が、相手には悪意として伝わってしまうすれ違い、人間関係では良く起きることです。
それを怖れて無口になるよりは、いつかは通じると思って伝えることの方が大切だと私は思うのです。

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よく講座などでも「善意が悪意に伝わるってこともあるんですよ」というお話をします。
具体的には？という質問をよく頂くので、ちょっと説明させて頂きましょう。

ある方からこんな相談を受けました。

「上司から、『もうそろそろ休みを取ったらどうだ。ずっと働き詰めで有給もたくさん残っているだろう？』って言われたんです。それって、私のことがいらない、役に立ってないってことなのでしょうか？」

一瞬「え？」と耳を疑ってしまったものです。
どうしてそういう風に解釈ができるのか信じられなかった、というか。

でも、このブログをお読みの方の中にも「ああ、分かる、分かる」と思われた方もきっといらっしゃると思います。

「休みを取れ」→「お前は不要」

って聞こえてしまうんですね。
なんと自分に厳しい、というか、自分の価値を受け取れてない、というか。

でも、慎重にその言葉を受け止めることにしました。

Ｑ．今、仕事は大変な時なんですか？忙しいの？
Ａ．いや、そうでもないです。一山超えたところ、ですね。もちろん、やることはたくさんありますが。

Ｑ．その上司とはうまく行ってるの？それとも合わない人？
Ａ．とてもいい上司で、人望も厚く、正直、自分がマネジャーになったら、彼のようになりたいと思っている人です。

Ｑ．じゃあ、優しいというか、ちゃんと思いやりのできる人なんだよね？
Ａ．そうですね。チーム一人ひとりのことをちゃんと見てくれる人ですね。

ここまでのやりとりをして確信しました。

「その言葉通りに受け取っていいと思いますよ。彼はきっとあなたの頑張りを認めてる人です。そして、仕事も一山超えたことだし、一息入れた方がいいんじゃないか？と思ってくれたんじゃないでしょうか？あなたのことを要らないと思っているどころか、むしろ逆で必要な人材だと思ってくれていますよ。だから、その気持ちを受け止めて、休みを取られてはいかがでしょうか？」

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受け手側の話ですが、私たちの関係性ではよくこうしたすれ違いが起こるものです。

上司としては善意で、その部下のために伝えた言葉が、その部下本人には全然違う意味で伝わっている、というような。

夫婦間、家族間でもほんとうによく起こっているすれ違いですね。

・褒めているつもりが嫌味に聞こえる。
・叱咤激励がダメ出しに聞こえる。
・相手を承認する言葉が上から目線に受け取られる。
・気遣いが、不信感の表れに受け取られる。

お互いの関係性の中ではそういうことってすごく起こりやすいんですよね。

また具体的にお話しできればと思うのですが、相手があなたに対してコンプレックスを抱いていると、あなたが相手を良かれと思って褒めると、それが傷つける言葉に相手には伝わってしまったりするんです。

（例）結婚が決まったＡさん。ずっと仲良くしていた同僚のＢさんが「私にはそんないい人いないわ」と言うので「私にもできたんだからＢちゃんにも必ずいい人いるよ！Ｂちゃん、すごく性格いいんだもん。絶対大丈夫だって！」って励ましたら、「慰めなんていらない」と拗ねてしまった・・・。

伝える側の立場で言えば、「悪意ではなく、善意であれば問題ないですよ」とお伝えします。
こちらが善意のつもりが相手に悪意で伝わってしまうのはある意味しゃあないと思った方がいいんです。
そのリスクを冒しても、ちゃんと伝えることは伝えた方がいいですね。

だから、Ａさんの行動は全然問題ないと思います。
むしろ、Ｂさんのそういう行動を思って何も言わない方がかえって空気が悪いです。

それが善意であれば、いつかはその人に伝わりますよね。
それにＢさんはＢさんで、そんな拗ねてしまった自分にすごく嫌悪してるはず。
だから、Ａさんとしては、今まで通り“ふつうに”Ｂさんに接してあげるといいかな、と思います。

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こういう話を伺うたびにコミュニケーションって難しいな、と思います。
カウンセリングってコミュニケーションですから、私も同じような経験たくさんあります。
そうした誤解やすれ違いが起きないように注意しているつもりですが、やはりなかなか難しいものです。

だから、こちらが心から善意であれば、それでいいか、と思うことにしました（開き直りですね）。

でも、言葉や態度よりも深い部分でも私たちはコミュニケーションをしています。

だから、こちらが本当に相手を思って表現したのであれば、その意図は必ず相手に通じてると思うんです。

自分の良心に素直でいること、これがコミュニケーションでは大切なことではないかな、と思うのです。