癒しの計画=セルフコントロール。



セミナーなどで一日中立っていると「腰に来るなあ」ということもあります。
そうするとこう思うんです。
「こりゃあ、○○さんに揉み解してもらわなきゃいけないな」と。

そして、疲れやストレスが溜まって来ると「そろそろ温泉に行ったり、マッサージに行ったりしなきゃいけないな」と。

腰の疲れはストレッチでも取れるし、疲れやストレスの取り方もほかにいろいろあります。

マッサージや温泉が好き、ということもあるけれど、どこか私の中に「こうでなければ癒されない」という思い込みみたいなものもあるようです。

そんな風に“癒しの計画”を自分の中に持ってしまうことがあります。

マッサージや温泉は方法論ですが、もっと具体的な要素にまで計画が及ぶこともあるようです。
「こういう時は食塩泉が効くなあ」みたいな感じで。


「カウンセラーさんに良く言われるんです。お父さんとの関係が原因です、と。だから、お父さんとの関係を癒さないと幸せになれないんです。」

そういう話を耳にすると、正直、心が痛いです。
私たちカウンセラーがよくやってしまうことかもしれません。
心理分析して、お父さんとの関係が大きく影響していると分かり、それを指摘する・・・一人ならともかく複数のカウンセラーにそれを言われる・・・すると、お父さんとの関係がすべてなような気がしてしまい、上記の発言に至る・・・。

だから、こういう発言を聴くたびに、ちゃんと伝え方も考えなければ、と反省する次第です。

幸せになる方法は本当はそれだけじゃないんですよね。
パートナーが癒してくれることもありますし、カウンセラーとの関係性が間接的にお父さんとの関係を癒すこともあります。
同じように今の上司との関係を良くしてもいいし、お金との付き合い方を見直してもいいんです。

でも、そういう思いを持つのは何もカウンセラーさんに言われたから、だけではないことも良くあります。

セミナーに参加して、あるいは、HPを読み込んで、そこで自分で考えて「お父さんとの関係を良くしなければ幸せになれない」という思いを作ってしまうんです。

こういうの“癒しの計画”て呼んでいます。
これは一種のコントロール。自分で自分を縛ってしまう方法なんです。
元々「~しなければ」という思いを強くして生きている方には特に顕著で、中には問題探しが趣味のようになってしまうケースもあります。

また、癒しマニアな方々もこのパターンに引っかかりやすいですね。
私も「次はこれを癒さなきゃ、次はここを良くしなきゃ」と気付けば問題ばかりを見つめてる、なんて罠に何かとハマっておりました。

これはあくまで「観念」であり、「思い込み」なことに気付くことも大切です。
幸せになる方法はそれだけじゃないですよ・・・と。

コントロールの背景には怖れが隠れています。
「お父さんとの関係を良くしないと幸せになれない」という思い込みは「お父さんとの関係を良くすれば幸せになれるんだ!」という前向きな気持ちとは裏腹に「お父さんとの関係が良くなっても幸せになれなかったらどうしよう?」という不安や、「お父さんとの関係が良くならなければ幸せにならなくてもいいんだ」という“幸せになることへの怖れ”という思いを作ることもあるんです。

自信がない、不安、幸せになることが怖い、変化すること、成長することが怖い・・・そんなときに人はコントロールをしやすくなります。
癒しのルートを見定めて、こうしておけば大丈夫、という安心感を得たり、逆に、それ以外の道はダメだ、と限定したりするのはそうした怖れからなのかもしれません。

どんな方法でも癒されますし、幸せになります。
お父さんとの関係が良くなかったって、幸せになれます。
問題を抱えながらでも、幸せは感じられます。

自分が癒しの計画を立ててるな、とか、しがみついてるな、と思ったらそれを手放しましょう。
それだけじゃないよ、と自分に言ってあげるのです。

カウンセラーとしても気を付けようと思います。

参考になりましたら幸いです。
いつもありがとうございます。

心理学ミニ講座


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