グループカウンセリングってどんなことしているの?(レポート)



1月に企画して3月1日からスタートした東京でのグループカウンセリング。
好評を頂いて、他の地域でもやって欲しいとの声をたくさん頂いています。

さて、グループカウンセリングで、どんなことをしてるのか?疑問に思われる方もいらっしゃるかと思います。

初めての人の前で話せるのか?浮いてしまわないか?そんな思いをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
そんな方は続々感想を頂いていますので、参加された方の生の声をお聞きくださいね。
少しでも安心して参加いただけたら幸いです。

さて、どんな風に進めていくのか?という点について、3/1に実際にどんなことをどんなふうにしたのかを、ちょっと不思議な話も交えてお伝えしたいと思います。

<グループカウンセリングの案内ページに戻る>


私自身、2005年からグループでのカウンセリング/セラピーをしています。
1DAYワークショップもそうですし、母体の神戸メンタルサービスのトレーナーもしていますので、ヒーリングワークやフォローアップセミナー等の場で経験を積んできました。

だから、グループカウンセリングという1対8のスタイルも形としては経験済みなんです。
でも、カウンセリングルームの一室を使い、3時間という時間を思えば、どんな風になるのかわくわくを禁じ得ませんでした。
会場を準備し、お出迎えをし、遅刻された方に電話したり、道案内したり、と裏方作業も楽しいものです。

さて、そんな中で集まってくださった8名の方。どんなご縁なのかな?と思うのです。
関東以外の遠方からいらしてくださった方もいらっしゃいましたし、お仕事を休んできてくださった方もいらっしゃいます。
また、初めてお会いする方が半分くらいだったでしょうか。
男性は午前・午後合わせて御一方のみ。もう少し増えてくれると嬉しいですが、徐々に、というところでしょうか。

まずは、一通り自己紹介から始めていきました。今日来られた目的に触れられた方もいらっしゃいますが、その内容はもちろん、強制はしません。
「話せる範囲でいいですからね。無理に話さなくていいですからね」というお願いをよくします。

次に「何かシェアしたいテーマをお持ちの方、いらっしゃいますか?」とお聞きしていきます。

何人かの方が手を挙げられたので、一人ずつ今の状況について少し語っていただきました。質問をさせていただくことはありますが、そのことについて私からはまだ意見は述べません。メモを取りながら、お聞きする一方にしました。

「ほかにシェアしたい方いらっしゃいませんか?」とお聞きしながら、他の方からお話を伺います。

その後、まだ手を挙げられていない方に「何かありますか?」とお聞きしたこともありました。
ちゃんと話せるか自信がないという方もいらっしゃるでしょう。それは僕の仕事なので、単語を繋いでくださったらそれでOKなんです。

「もちろん、話せなければNoとおっしゃってくださいね」とお伝えしながらね。

今回は午前の部も午後の部も何らかのテーマを持ってきてくださった方ばかりでした。
もちろん、そうでないケースもありだと思います。こういう場が好きだから来てみました、とか、カウンセリングの臨床体験と思って来てみました、などの理由も大歓迎です。

そうして、なるべく無理なく皆さんのお話を一通り伺いました。

この時点でちょっと不思議なことが起こるんですね。それはシンクロニシティ(共時性)と言うもので、皆さんの抱えているテーマが不思議な一致を見るんです。

今回、昼の部ではなぜか「遺産相続」というキーワードが何名もの口から発せられました。もちろん、プラスの遺産、マイナスの遺産、親族の争いなど、掘り下げれば違うものですが、でも、不思議ですよね。
こういう展開になるとわくわくしちゃいます。

この辺になってきますと、雰囲気もだいぶ和んできます。
参加者同士で会話が始まったりね。

そして、今度はもう少し掘り下げるべく、私の方から皆さんに個別の質問させていただきました。
例えば「もう少し詳しく教えてもらえませんか?」とか「上司にそんなこと言われてどんな気分がしたんですか?」とか「そういう経験って初めてですか?」みたいに。

そうすると、さらに面白いことに「参加者みなさんの共通テーマ」みたいなものが浮かび上がってくるんです。
すなわち、皆さんが、今、抱えている問題の本質ってこれではないかな?というもの。

それが今回この8名が偶然集まった理由とも言えます。

ちなみに今回、昼の部のテーマは「向き合うものに目をそらしてきませんでしたか?勇気を出して今日は向き合ってみましょう!」でした。

それぞれ「仕事」「親」「パートナー」と向き合うべきものは違います。
でも、今ちょうどそこに向き合わなければいけない時期に来ているようです。

こう表現すると、それって誰にでも当てはまるのでは?と思われるかもしれませんね?
確かにそうなんですけど、ちょっと違うんです!うまくニュアンスが伝えられないんですが、何かその場独特の空気なんです。
だから、現場ではある意味「おぉ、まさに!!」と、皆さんの中にグッと一体感が芽生えます。

また、午後の部は「まさに超自立の女たち」でした。「え?ふつう、そんなこと一人でやる?」ということをやってこられた方ばかり。
故に「誰かの助けを受け入れること。誰かを心の中に入れること」というテーマが出てきます。もちろん、自立の女たちはこぞって抵抗を示しますが(笑)

もう一人でするのはしんどくないですか?
誰かの助けを受け入れませんか?
誰かにあなたを助けさせてあげませんか?

そんなテーマを扱いました。

この段階では私はとてもよくしゃべっています。
心理学や過去の実例に基づいたレクチャーをたくさん入れます。
自分の状況を客観的に理解したり、見つめたりする効果だけでなく、ちょっとした人間関係の秘訣もお伝えしたりして、「生・心理学講座」みたいな雰囲気にもなります。

もちろん笑いも生まれます。決して深刻な雰囲気ではありません。
やはり、笑いって重要です(^^)それだけで心が和んでしまいます。

そして、私の経験に基づいた心理分析や方法の提案、方向性の提案などを個別にやっていきます。

「人の顔色を窺っちゃうのはお母さんの影響が大きいですよね。その癒着、切っておきたいなあ。でも、そこに罪悪感や寂しさを感じてしまうんですよね。でも、今日、ちょっと勇気を出してやってみましょうか」

「離婚てことも視野に入れつつ、できることはやってみようって腹をくくりましょうか。大丈夫ですよ。もっと自分を信じてあげてください。それだけのことしてきたんですから。」

「お父さん以外の愛はいらない!ってやっているようなもんです。無意識ですけどね。お父さんにしか、私を愛させない、お父さんの愛がまず欲しい、そんな思いがあるのかな。」

「それがあなたの愛の受け取り方なんだと思います。そういう風になったときに初めて愛が感じられるというか。だから、そのやり方が手放せないんです。唯一愛と綱gる方法ですから。でもそれはとてもリスクがありますよね?新しいやり方を学びませんか?」

「一生懸命がんばってきたんですよ。ベストを尽くして、よくやってきたんですよ。でも、あなたはとても自分に厳しい。だから、それが認められず、まだまだって鞭を自分に振るっちゃうんです。だから、もう少し自分に優しくしてあげたいですね。」

こういうお話も1対1だと「ええ?そうなの?そうなのかな?」と疑問に思ってしまうこともありますが、グループの場合、周りの人も「うんうん」て頷いてくれたりするので、理解や納得感がより得られやすいんですね。

そんな反応を目の当たりにするので「そうかあ。私なりに頑張ってたのか。確かにそうだよなあ」て腑に落ちやすくなるんです。
これもグループのパワーかな、と思います。

だから、グループの方がプロセス(問題解決)は早く進みます。

さて、ある程度、皆さんの今の状況、そして、向き合うべきものが分かったら、今度はそこと実際に向き合い、癒しを作る「セラピー」の時間です。

それこそ、様々なアプローチがあるわけですが、午前の部ではイメージワークを、午後の部ではロールプレイという手法を使って、問題を癒す時間を作りました。

イメージワークでは、皆さんそれぞれに向き合うべきものをイメージしてもらいます。
ロールプレイでは、イメージではなく、人を見立てて行います。
どちらにせよ、心を開き、感情を開放する大切な方法。
面談カウンセリングや1DAYワーク、ヒーリングワークで私がずっと使っている方法です。

向き合うもの、それは人それぞれ違います。
「うまくできない自分」だったり、「お母さん」だったり、「夫」だったり・・・。
そうした対象をイメージしながら、例えば、その人に今、伝えたい気持ち、言いたい言葉を探して言っていただきます。時には声に出して、時には心の中で。

涙が出てくることもあれば、様々な感情が湧き上がってくることもあります。その感情をただ流していくのです。いらないものを川に流すように、ゴミ箱に捨てるように、火をつけて燃やすように、今まで背負ってきたものをその場に置くように。

その場にはグループならではのパワーがあります。一人だったらとても感じられない深い感情にも入ることができ、皆さん、思った以上に深い癒しを体験されていました。

その後の感想で「まだぼーっとしています」という趣旨のメッセージをくださった方が何人もいらっしゃいました。
感情を感じ、流していくと、そんな感覚になるんですね。

そうしてあっという間に3時間が過ぎました。
セラピーのあとのフォローをし、散会となります。

心地よい疲れを感じつつも、皆さん笑顔でした。
私も少し別れがたい気持ちで玄関でお見送りしました。

グループカウンセリングのメリットは、横のつながり、連帯感が生まれること。
一人で頑張らなくてもいいし、一人で向き合わなくてもいい、という安心感も芽生えます。
悩みや問題を感じるのは自分一人ですが、他にも同じように辛い思いをしている方がいることで、心はつながりを感じて安心しますよね。
しかも、それが同じようなテーマを持った方ならなおさらではないでしょうか。

そして、その仲間と一緒に問題に向き合っていくのは、また勇気を感じられると思うんです。
その感覚はきっと日常に戻ってからも続きます。

しんどいな、疲れたな、辛いな、寂しいな、と思うとき、あの場を一緒に過ごした仲間を思い出していただければ嬉しいです。
きっとみんなも今、頑張ってるし、自分のことを応援してくれている、そう思えるだけで、幾分気持ちが楽になるでしょう。

そんな体験をお手軽な値段でぜひ、体験していただきたいな、と思うのです。

<グループカウンセリングの案内ページに戻る>


あわせて読みたい