「自分の気持ちを知りたいとき」



*「こんなとき、どうしたらいいの?」にお答えする心の処方箋シリーズ*

人間関係、特に男女関係ではもっとも大切で、しかし、もっともないがしろにされているのが“気持ちのコミュニケーション”なのかもしれません。
日本は長らく、「言わなくても分かるだろう」という阿吽の呼吸を大切にしてきました。
しかし、情報が増え、関係性も多様化した今、それはちょっと通用しないことも少なくないでしょう。


気持ちを表現するには、何を感じているのかをちゃんと認知する、キャッチする必要があります。
しかし、感受性が豊かな方にはごくごく当たり前なことも、感情を抑圧して自立的な生き方をして来た方にはとても困難なことに感じられてしまうこともあるでしょう。
何が「愛情」で、何が「怒り」で、何が「嫉妬」で、何が「寂しさ」なのかが分からなくなってしまっているのです。

だから、まずは自分の気持ち、心と繋がることを心がけてみましょう。

朝、駅まで向かう道すがら、昼休み、ちょっとした外出のとき、ちょっと一息入れられるときに

「今、自分はどんな気持ちなんだろう」

と思ってみるのです。

しかし、自立的に生きてきた方には、感情すら思考の対象となります。
頭で感情を作り出したり、自然と分析機能が動き出したりして、「今はこういう気分であるべき」とコントロールしてしまうのです。

だから、頭で考えてしまってるな、と感じたら、空、雲、木、花などの自然なものを見たり、あるいは、鏡やガラス戸に写る自分の姿を見てみましょう。

空を見て、何を感じるか?
それがあなたの今の気持ちかも知れません。

思考が「楽しいな、と思え!」と命令してきたとしても、空を見た瞬間、あなたは「寂しそうな空だな」と感じてしまうかもしれないのです。

あるいは、街を歩きながら、ふとガラスに映った自分の姿を見てみましょう。
それが疲れているように見えたのだとしたら、あなたが今どんなに頑張って前向きにやろうとしていたとしても、とても疲れているのかもしれません。

もし、そうした気持ちが分かったら、誰に言うでもなく、ただ「寂しい」とか「疲れた」とか言葉を発してみてください。そっと呟くように。

何も起こらなくても構いません。
そうすると、少しずつあなたの「心」と「思考」が繋がり始めます。

こうしたちょっとしたことを繰り返していくと、やがては心と思考のつながりが太くなり、あなたは心の動きに敏感になっていけるのです。

それは自分自身との上手な付き合い方に他なりません。
また元気になったり、前向きになったり、明るいオーラを発したり、そして、自分自身を生きる方法に他なりません。

まずは、自分の心と繋がりを持つこと。
それがまずは始まりなのです。

心の処方箋

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