距離のある人には甘えられるのに、距離の近い人には甘えられない心理~自立と、親密感への怖れの問題~



近い距離、すなわち家族とかパートナーとの関係で深く傷ついてきた歴史もあり、それで自分を守る鎧も着てるし、甘えることをダメ!と強く禁止してきた歴史もあるものですから、近い人に甘えようと思ってもすぐには難しいものです。
そもそも経験がないから慣れてないしね。
だから、どうやって親密感への怖れを緩めていくのかを改めて考えてみました。

根本さんこんにちは。
先日はカウンセリングありがとうごさいました。

あれから教えてもらったアファメーション、「私はちゃんと守られている、私はちゃんと愛されている、私にはいつも味方がいる」を唱えたりノートに書いたりしています。

今日見守ってくれてる人を思い出しながら胸に手を当てていたら、距離のある人には何でも話せたり甘えられたり、女の自分を出せたりするのに、息子や元旦那にはそれができないしそんな甘えた自分は気持ち悪いし恥ずかしいって思ってる事に気づきました。

カウンセリングの時根本さんから「離婚して旦那と離れてから受け取れるようになってるね」「彼氏と京都と京橋で離れてたからいっぱい受け取れてたんやね」って言われて、そんなに親密感の恐れがあったんか!ってびっくりしたんですが、近い存在に「甘えたり頼ったりする自分キモい」と感じるのもまた、親密感の恐れですか?

息子が前に、「生活費困ったら僕が稼ぐ、でも良いしな」って言ってくれたのに、恥ずかしく?なって話そらしてしまった事を思い出しました。
(本当は涙出るほどうれしかったんですけどね)

頼るのが恥ずかしいんですよね身内に。

結婚生活でもそうやって旦那の男性性を傷つけてきたんやなって反省してます…。

身近な人に頼ったり守ってもらって女らしく振る舞う事を、そんな自分をキモいと感じるのを手放せる方法はどんな物がありますか?

できることは何でもやるので教えてもらえたらうれしいです。
(Yさん)

最後の一文に武闘派臭がぷんぷん漂ってくるんですけど、それゆえに親密感への怖れも出やすいのだろうと思われます。自立とそのキモさってつながりますので。

>近い存在に「甘えたり頼ったりする自分キモい」と感じるのもまた、親密感の恐れですか?

はい!Yes!Oui!Ja!Si!好!ネ!

で、遠くの人には甘えられるのに、近くの人には甘えられない、というのはそれくらい「近くの人に愛されることに慣れていない」のかもしれないんですよね。

子ども時代はどうだったでしょうか?
10代の頃はどんな恋愛していたでしょうか?

例えば、こういう家庭環境だったとすると、甘えられないし、甘えること自体に嫌悪感を感じやすくなるものです。(Yさんの家庭がそうだった、というわけではなく、一般論な話です。)

* * *

子どもの頃から親は甘えさせてくれる存在ではなく、むしろ自分がしっかりしなければ、親を助けなければ、という立場だった。
つまり、早くに精神的に自立し、子どもながらにして「母の母役」みたいなことを担ってきた。

甘えたい気持ちなんてけっこう昔に封印し、自分のことを自分でやるのが当たり前になっていて、学校でも先生や友達に頼るということもしてこなかった。

はじめてできた彼氏もどっちかというとダメ男で私が世話をする、面倒を見る側で、甘えた経験はなかった。そうしたい気持ちもなかったわけではないが、そんなことをしちゃダメなんだ、と思っていた。

結局、身近な人に対しては「与える」側にずっといたから、「受け取る」なんてことは発想になかった。

* * *

つまり、距離の近いところで「甘えることを我慢するのが当たり前」になっていたわけです。

そこで、ひとつずつ気持ちの動きを追っていくことにしましょう。

「私は、近い人に甘えることを、ずっと我慢(禁止)してきた」と思ってみてください。

ほんとうはすごく欲しかったものだけに、それを我慢(禁止)するのはすごく辛かったと思います。もちろん、辛かった、なんて記憶もないと思います。

すっごく甘えたい気持ちがあった分だけ、すっごく頑張って我慢します。
そして、すっごく我慢するときに子どもたちは「甘えちゃダメなんだ!」と“禁止”を使います。
そうして、甘えたい気持ちを封印するわけです。

で、恋人など近い存在の人が「甘えさせてくれる」ということが分かったとします。

そしたらどんな気持ちがすると思います?

1)「え?ほんとにいいの?」ってまずは思うでしょう。
でも、同時に「ダメダメ!」という否定(禁止)が出てくるでしょう。
長年我慢してきたわけですから。

でも、そのとき「ほんとは甘えたい」という気持ちも出てきます。

そこで「葛藤」が起こります。
「甘えたい私」vs「甘えちゃいけない私」という矛と盾みたいな葛藤です。

たいていそのときは長年の癖で「ダメ!」が勝ちます。
だから、「甘えてもいいよ」と言われても「No!!!!!」と言ってしまいます。

2)そして、次に湧き上がるのが「えーっと、どうやるんでしたっけ?」。

長年、甘えることを禁止して自立してきたわけですから、そのやり方が分かりません。
これはほんと長年私のカウンセリングで出てくるネタなんですよ。
「甘えたい、頼りたいのにその方法が分からない」という。

ここで今度は「混乱」します。
甘えるってどうするの?これって甘え?いやいや、それはダメだよね。じゃあ、これは?これも違うよね?えーーっ、甘えるってどういうことなの???ってパニックになります。

そこでまた甘えることを拒否してしまうことになります。

3)さらに、先ほども触れた「慣れ」の問題もあります。
甘えることに慣れてないのはもちろんですが、甘えていいよ、という空気そのものに慣れてないんです。

慣れてないので挙動不審になります。
はじめて訪れた華やかなパーティのようにどうしていいのか分からなくなります。
だから、その雰囲気に押されて壁の花になってしまいます。

4)そのとき感じている気持ちは「怖い」です。

ずーっと禁止してきたものをいきなり許可されたら、感情的には「怖れ」が出てきます。

その怖れも様々な形で出てきます。

ほんとにいいの?信じていいの?だましてない?とう疑いという形で。
あるいは、ずっと我慢してきた分だけ止まらなくなってしまったらどうしよう?と不安という形で。

そこで逃げてしまうことだってあるでしょう。
いわゆる「野良猫属性」とか「回避型」とかいう形になります。

5)そして、恥ずかしくなる。

恥ずかしさってのは怖れと近いものでして、慣れてないし、怖いし、けど、うれしいし、でも、どうしていいのか分からないし、という中で、恥ずかしくなるんです。

だから、やっぱり逃げてしまいたくなります。

6)そして嫌悪感が出てくる。

そうして恥ずかしがってる自分もキモい。
いい大人なのにちゃんと受け取れない自分もキモい。

そういう気持ちもあれば、欲しいけど欲しくない、という葛藤も気持ち悪いし、どうしていいのか分からなくなるのも嫌だ・・・みたいな気持ち。

さらに、甘えることを禁止してきた分だけ、甘えてる自分が許せません。つまり、甘えてる自分にも嫌悪感が出てきます。

そういうわけで、「甘えていいよ」と言われるだけで、とにかく気持ち悪くなってしまうんです。

>身近な人に頼ったり守ってもらって女らしく振る舞う事を、そんな自分をキモいと感じるのを手放せる方法はどんな物がありますか?

まずは「頼っていい。甘えていい。受け取っていい。」と自分に言い続けてみましょう。(アファメーションがまた増えちゃいましたね!笑)

それから「慣れ」も大事です。
息子からの愛をただひたすら感じましょう。
「うれしい」という気持ちはもちろん「恥ずかしい」「怖い」「キモい」と感じてしまう自分も受け入れましょう。

無理はないんです。そんなこと言われたことないですから。

そして、ここから「受け取るレッスン」をしていきます。

両親や今までの男たちが私に与えてくれた「愛」って何だろう?

それを想像したり、思い出したりしながらただ感じてみます。

父親なりの愛し方、母親なりの愛し方がきっとあったはず。彼氏たちもそう。ひどい男もいたけど、その人なりの愛もあったかもしれない・・・という想定で。

もちろん、息子が生まれてから今日までに、息子が与えてくれた愛も受け取ってみましょう。

まずはそうしてひとりでできることから。

慣れってのは経験が必要です。
息子にいきなりそんなこと言われてリアルタイムに受け取れるにはまだ経験が足りませんよね。

だから、あとからでいいんです。「うれしい」って素直な気持ちを胸に抱きしめる感じでいいんです。

そうして少しずつ「愛されること」に慣れていきます。

カウンセリングだったらさらにできることは増えます。

・甘えたいのに甘えることを我慢してきた幼い私と向き合って、その子を今の自分が甘えさせてあげること。

・「守られている」の延長で「愛されている」ということを感じること。

・「頼る」「甘える」ということを感覚的に実践・イメージしてみること。

・サレンダー(身を委ねる)という実習をやってみること。

・傷つかないように着てきた鎧を脱ぐこと。

・「ありのままの自分でも大丈夫!」という体感を得ること。

・その鎧を着込むことになった痛みを癒していくこと。

「うれしい」と気付いていることは大きな強みです。
キモいだけだとそこに触れることは難しいから。

「ほんとうは甘えさせてもらえてうれしい」という素直な思いを認めることも効果的ですね。

今日お話ししてきたプロセスは主に「受け取る」ということを軸にしています。
女性性ですね。

そして、同時に「自立を手放す=一人で生きていくことを手放す」ということにもなります。

大切な人との「つながり」を感じられるようになっていくことが目的です。

そうすると親密感への怖れは溶けていき、親密感に喜びや幸せを感じられるようになります。

その辺も「イージーモード」(たぶんうちのクライアントさんたちは誰も選ばない)から、「ハードモード」(武闘派女子が喜んで選ぶ)、さらには「スーパーハードモード」(武闘派女子垂涎の!)まで様々なバージョンでご用意しておりますので、Yさんもまた同志のみなさまもぜひご利用いただけたら幸いでございます。(営業モード)

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