*
長年自分を支えてくれたものがなくなったのであれば、へたり込んでしまうのが自然なことですよね。
そこで無理に自分を奮い立たせて未来に向かおうとしても、そう簡単に心は付いて来ないんじゃないでしょうか?
そういうときは「自分の心とただ一緒にいる」ということ。
その時代を振り返りながら、気持ちを整理していくんです。
そのためのイメージワークも紹介します。
*
ただ、それ以上に大きかったのは、自分の内側に何を乗せていたのかに気づいたことです。
私は幼少期から虐待やネグレクト、転校などがあり、安心できる家庭や頼れる大人がいませんでした。ずっと「尊重されない自分」を抱えながら生きてきて、「この目標を達成できれば、ようやく安心できる、幸せになれる、自分を救ってあげられる」と、仕事以上の意味をそこに託していたことに気づきました。だから長期的に見れば、この出来事によって自分の人生観や世界観が明らかになったことは、むしろ良かったとも思っています。
この十数年、ブログや本を読んだり、カウンセリングを受けたりしながら、家族の問題や生い立ちとはかなり向き合ってきました。以前だったら「親のせい」で止まっていたと思いますが、今はそこへの抵抗感はあまりありません。一方で、その目標を人生の支えにしていたことが分かった今、支えそのものがなくなってしまいました。
振り返ると、私はずっと「一人で頑張って登り詰めるしかない」という生き方をしてきました。気づけばかなり孤立していました。でも今回の出来事をきっかけに、「一人で考えられる世界はもう終わった」と感じています。同僚とランチに行ったり、友人と連絡を取ったり、これからは周りの人の意見や力を借りながら生きていきたいと思うようになりました。人を頼ることへの抵抗感もなく、見事に相互依存に移行しました。
ただ、その一方で思うことがあります。
もし人生には保証も救いもなく、「もう十分苦労したから、これからは安心していいんだよ」と言ってくれる存在もいないのだとしたら、この先の人生は本当に良くなっていくのでしょうか。今まで信じてきた希望を手放したあと、新しい希望がまだ見つかっていません。頭では「好きなことをして、できるだけ幸せに生きればいい」と思えるようにもなってきました。でも心のほうはまだついてきておらず、正直、気力が出ません。
こういう「人生を支えていた前提が崩れた後」の時期は、どう考えながら過ごしていけばいいのでしょうか。
(Kさん)
長年自分を支えていた目標がなくなっちゃったんですよね。
しかも、失敗という結果におわっちゃったのであれば、ふつうは気力が湧かないどころか、燃え尽き症候群に陥ってぐったりしてしまうものだと思います。
それを何とか前向きに捉えられ、生き方を変えようとなさっているのは素晴らしいことです。十数年前から自分と向き合い続けた効果でしょうか。
さて、支えがなくなったわけですから、立っていられないのが重力の法則ですから、しばらくは「あかん、もうダメ、もう無理」とかぶつぶつ言いながらお布団と仲良くしておくのがいいかもしれません。
あるいは「傷心旅行」というのもお勧めでして、時間を作ってどこかゆっくりできそうなところにしばらく投宿するのもいいと思います。
かつては女子の傷心旅行と言えば京都がメッカでしたが、最近はインバウンド客の増大で寺を見に行ってるのか、人混みを見に行ってるのか分からない状態らしいんですよね。(筆者は仕事では行くけど観光ではずいぶん行ってないんです)
それでも不思議と心を休ませてくれる街なのでお勧めです。
あるいは、東京でも京都っぽい雰囲気を漂わせる神楽坂なんかにセミナーを受けに来るというのも・・・どうでしょう???(満面の笑みで手もみしながら)
*
僭越かもしれませんが、Kさんの文章を拝見すると、ちょっと頑張っちゃってる感が伝わってくる気がしました。
頭で考えて何とか前向きに行きたい!とふんばってるような状態。
自立系武闘派女子のみなさまにあるあるな傾向なのですが、そうすると心を大事にしているつもりでも、心を置き去りにしてしまってることがよくあるんです。
燃え尽きたときは燃え尽きたと認めよ!
しんどいときはしんどいと素直に言え!
頑張れないときは、頑張りたくない!と叫べ!
そんな大ショックなことがあれば、心は沈むのが自然の摂理なわけですから、その沈んだ心にしばらく付き合ってあげなさい!というのが私がいつもお伝えしていることです。
心をコントロールしようとしないこと。
その心にただ寄り添ってあげること。
これがすごく大事なルールなのです。
もちろん、Kさんがそんな落ち込んでるようには見えるわけではないのですが、心には正直に従ってあげてほしいと思うわけです。
傷心旅行も「私は傷ついた!燃え尽きてる!だから、そんな心を癒しに行くんだ!」という、堂々とした気持ちで挑んでいただきたいのです。
ちなみに旅行先ですが、気持ちを解放したければ海へ、自分と向き合いたければ山へ、が基本です。
*
「一人で考えられる世界はもう終わった」と感じて、友達や同僚とランチ行ったり、しゃべったりするのはとっても良いことと思います。
今回のショックなできごとのことも話せているでしょうか?
色々と聞いてもらえるといいな、と思います。
カウンセリングの現場でもKさんと似たような状況の方がよくいらしてくれます。
長年目指していた目標・夢に破れてしまった場合もあれば、希望叶わず離婚・失恋になってしまったお話もあり、あるいは、大切な人が看病の末に亡くなられたというお話を聴くこともあります。
Kさんにとっても今回のできごとは一つの時代に終わりが来て、また新たな時代が始まる分岐点だと思います。
これは心理的に見れば「死」を体験したことになります。
カウンセリングとか心理学というのは実はこうした「死と再生」というのをかなり深く扱います。
Kさんは「ある目標に向かってチャレンジする時代」に死が訪れたわけです。
人が亡くなれば葬式を出し、しばらく喪に服します。
同じようにひとつの時代が終わったのであれば、きちんと卒業式を行い、その後に向かうための「春休み」を取るのが“マナー”なのです。
だから、カウンセリングではそんな時代を振り返ることから始めていきます。
そのチャレンジはKさんにとってどんな意味があったのか?
そのためにどんな努力をしてきたのか?
そのプロセスの中でKさんが何を感じ、どう成長してきたのか?
今回、そのチャレンジが終了するにあたってどんな気持ちが動いているのか?
「これから先」のことについてはまだまだ話はしません。
今までのことを振り返り、気持ちを整理していく時間がとても重要なんです。
そのプロセスを軽く済ませてさっさと未来に向かってしまうのは、自立した思考的な人にありがちで、それは自分の感情に蓋をしてしまうことになるので、ずっとそのショックを引きずってしまうことになります。
だから、辛いかもしれないけど、悔しいかもしれないけど、悲しいかもしれないんだけど、この振り返りは心にとって大事なプロセスと言えるのです。
堂々と傷心旅行に行け!というのも、そのためです。
「ちゃんと自分の感情を感じてあげる」ということです。
*
自立していると思考的になるものですから、これからどうすればいいのかを「考える」んです。
「こういう風にすればいい」というノウハウを集めてきて、そのやり方を採り入れようとします。
「すべてに意味がある!その意味をきちんと考えろ!」と本に書いてあげれば、前向きな意味を考えようとします。
思考だから当然、その答えを出してくれます。
今回のことはこんな意味があった、自分はこういうことを学んだ、だから次はこの方向に進めばいい、と。
また、ノウハウや方法論を求めることは「形」を整えるくらいの効果はありますが、だからと言って傷ついた心が癒されることはありません。
「もうあのことは気にしていないよ!」と笑顔を作ったつもりでも、でも、全身から醸し出される「ほんまはしんどいねんオーラ」は隠せないものです。
でも、そうした思考や形に“逃げてしまう”のは、あまりにそこにある感情を感じるのが辛いからです。
感じたくない感情があるから、無理に前向きになって笑って何とかそこを抜け出そうと頑張っているのです。
そうして前向きになれたとしても、それは形だけですね。
心はついてきてないわけですから。
だから、ちゃんと沈みましょう、ちゃんと悔しがりましょう、ちゃんと泣きましょう、とカウンセラーは言うんです。
心に寄り添う、ということで。
*
そうして心に寄り添い、「しんどいなあ、辛いなあ、嫌だよな、最悪だよな、不安だよなあ」と自分の心に共感してあげます。
共感だけ、です。
励ましたりしてはいけません。
そこで手を引っ張って無理やり前を向かそうとかはしちゃいけません。
もちろん、そんな自分に怒ったり、がっかりしたりするのも違います。
“ただ自分のそばに居てあげる”だけ。
だから、あんまりひとりでやらない方がいいですね。
友達や家族に話を聴いてもらう、カウンセラーに話を聴いてもらう、という方が安心でしょう。
自立系なみなさまは「待つ」ということが嫌いですから、ただ傍に居るって感覚はすごく中途半端な感じがするかもしれません。
何かしたくてうずうずしてしまうかもしれません。
Kさんもそれで何とか早く立ち直って、希望を見つけて、その方向に進みたいと考えちゃうんだと思います。
それは「焦り」なんですよね。
今は、立ち止まって、自分の心に寄り添ってあげる時期だと思ってください。
*
ひとつイメージワークをお伝えしましょう。
これならおひとりでもできるかな、と思うものを。
* * *
目の前に夢破れて呆然とし、落ち込んでいる自分が立ってると思ってください。
どんな表情をしてますか?
どんな目をしていますか?
その自分を見て、あなたは何を感じますか?
そこで感じることをただ感じてみることにしましょう。
辛い気持ちでも、怒りでも、悲しみでも、寂しさでも、ただ感じるんです。
イメージの力を使って、その自分の両手を取ってみましょう。
両手を通じて伝わってくる感情はなんでしょうか?
その感情をただやはり感じてあげます。
これが「共感」というものです。
絶望、疲労、悲しみ、辛さ、恥ずかしさ、不安、怖れ、無力感などの気持ちが伝わってくるかもしれないし、やり切った感とか充実感も伝わってくるかもしれません。
ただ感じるものを感じるだけ。
「わたしがそばにいる」
そう声に出して目の前の自分に伝えます。
そして、ただ両手をつないだまま、伝わってくる気持ちを感じ続けるのです。
しばらく続けると少しずつ軽くなったり、温かくなったりしてくると思います。
そしたら、このイメージワークは一旦終了です。
ときどき、目の前の自分を思い出して、今はどんな表情しているか、今は何を感じているか、をチェックしてみるといいと思います。
* * *
心が元気になってくると自然と「これがしたい、あれがしたい」と言い出します。
自然と笑顔がでるようになっていくでしょう。
そうして少しずつ復活していくのが私たちの心です。
私たちの心はそうして「死と再生」を繰り返していきます。
ひとつの時代が終わり、また新たな時代が始まります。
それは自然現象のようなものですね。
その移行期は「季節の変わり目」みたいな不安定な状態にもなりやすいんです。
曇りや雨の日が続く梅雨のようなときもあります。
そういうときは心に寄り添ってあげるのがいいんです。
*
そんな自分を癒すことに特化したヒーリングを次々体験できるのはこちらのセミナーです!
◎東京:8/30(日)11:00-18:00 「あのときの私を癒す1DAYヒーリング ~インナーチャイルド・セラピー & トラウマセラピー~」
◎東京/オンライン:8/29(土)13:00-17:00 自分軸を取り戻すワークショップ~頭では分かってるのに、体はまた他人軸に戻ってしまうあなたへ~
◎オンライン:8/25(火)20:30~心理学講座「“我慢していることに、気づけないくらい我慢してた”あなたへ~抑圧・我慢・忍耐の心理学~」
*「いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本」(ディスカバー21)
*セミナー動画:『私の幸せを阻む「罪悪感」を「愛」で癒して「私」を自由に解放するワークショップ』
*心理学講座動画:『罪悪感と癒着の心理』
*光の瞑想~疲れや罪悪感などを癒すイメージワーク~
◎新しい学び「どうしたらいい?」が解決する 自分と他人の心理学(池田書店)
◎11/21,22,23 ザ・リトリートセミナー in 神楽坂~生き方が、人生が、自分自身が変わる3日間~
https://nemotohiroyuki.jp/schedule-cat/51398
●この記事を読んで「ああ、自分の場合はどうだろう?」と思われた皆さん。そのネタ、聞かせてください!もしかしたらブログ上で回答させていただけるかもしれません!(不採用になっちゃったらごめんなさい!何度でもチャレンジ可!です)
>問い合わせフォームから「根本裕幸へのリクエスト(ネタ提供)」をお選びください。
また、お弟子さんたちのオンラインカウンセリング無料相談「ココロノマルシェ」でも随時ご相談を募集しています。

無料で読める根本のメールマガジン「予約の取れないカウンセラーが送る“毎日使えるココロの講座”」
*

今日の話を無料アプリのvoicyで音声でラジオみたいに聴けます!
『(準備中)』
*
![]()
★Youtubeの公式チャンネルでも同じ内容を公開してます!(チャンネル登録よろしくお願いしますー!)
(準備中)
*

★voicy/youtubeで配信した話を文字起こしして公開してます!テキストで読みたい方はこちらからどうぞ!
『(準備中)』