あなたは何を敵にしているの?あなたは誰と戦っているの?



平和で争いごとが好きじゃない人でも実は心の内側では戦っているのかもしれません。
思い通りにならないできごと、うまくできないこと、自分のルールに反することに対して「敵」を作っていませんか?
時にそれは「正しさ」を用いて正当化しようとするのですが、でも、そこには争いが起きているのです。

喧嘩している相手がいるとしたら、そいつを敵にして戦っているわけですし、会社の待遇に不満を持っているならば、あなたは心の中で会社を敵だと思っているわけです。戦っているかどうかは分からないけれど。

思い通りに行かなければ、それを邪魔した奴らはみんな敵なんです。
赤信号も敵だし、なかなか進まないレジの行列も敵だし、賞味期限が切れた納豆も敵になるのです。

職場にもいっぱい敵がいるかもしれません。
仕事が遅い後輩や、決断力のない上司、ちゃんと自分を評価してくれない人事部、意見を急に変えるクライアントなど。

時には自分の体が敵になることってありませんか?
運動不足でちょっと階段ダッシュしたら疲れちゃったら両脚が敵になることもありますし、病気になったらやっぱり自分の体を敵とみなします。
“闘病”って言葉があるくらいですから、病気は敵に違いはありません。

100点取っても全然褒めてくれなかった父親も敵だし、自分の思いを押し付けてくる母親も敵だし、勝手なふるまいをしているパートナーも敵になることがあるでしょう。

そう見ていくと周りは敵だらけです。
誰も味方がいないように感じます。

心理学を少しでもかじったことがある方なら、「ということは最大の敵は自分自身ということですな」と思うでしょう。

でも、そんな風に周りに敵をたくさん作りながらも表面上は「平和主義」に過ごしていませんか?

いやいや争いごとは嫌いなんです、って言ってませんか?

でも、そう思いながらも日々何かと、誰かと戦っていませんか?

私の話。
このところ本の締め切りが迫っているのでちょっと夜更かししてたんです。
そのとき「ああ、なんでもうこんな時間なんだよー。もう寝なきゃー」と思ったんです。
そこで「ああ、“時間”を敵にしちゃったな」と思いました。
同時に今までのうのうと過ごしていた“自分”も敵になりました。

だから、とりあえず、時間と自分に謝っておきましたけど。すまぬ!と。

平和がいい、争いごとは見たくない、とみんな思っているのだけど、心の中を覗いてみると、いつも誰かと、何かと戦争をしている自分に気づきます。

あるときは自分を正当化しますね。
またあるときは相手の不正を罰しようとしますね。
ときには感情に流されて戦争を始めちゃうかもしれません。

なかなか自分の内側を平和にすることって難しいです。

みなさんの心の中はどうなっているでしょうか?
頭の中はどうでしょうか?

そして、実際に戦ってみて、戦績はいかほどでしょうか?

けっこうなあなあなまま終わっていることもあるかもしれません。
でも、賞味期限切れの納豆をゴミ箱に捨てたとき、勝者は誰なのでしょうか?
それを判定するのもちょっと難しそうです。

審判もいないですしね。

心理学には「正しさの罠」というテーマがあります。

自分が正しいと思えば、誰かが間違っているのです。
そして、「正しい」は強いように思うのです。

そうすると自分が正しさを主張した瞬間に、誰かを、あるいは、何かを敵に仕立てる必要が出てきます。

自分は時間通りに到着したのに相手は遅刻する。

そしたら時間を守った自分が正しくて、遅刻した相手は間違っていることになります。
そしたら、相手はあなたに「遅刻してすいませんでした。」って謝ることをあなたは要求することになります。

でも、それはあなたが「時間を守らなければならない」という観念を持っているから、それが正しいことになるのです。

つまり、正しさの裏には何らかの観念やルールが存在することを表しています。
自分が当たり前だと思っている観念・ルールが、正誤を作るんです。

そこで、遅刻した相手がその観念を持っていなかったらどうなるでしょう?

「時間を守らなきゃいけないだろ!」とあなたが主張すると、相手は「え?なんで?」と答えます。

そしたらその相手は敵になり、戦いが始まります。

人間関係がぎくしゃくするのはたいていここです。
自分のルールに基づいて相手を敵とみなしたから。

だから、「正しさと幸せは反比例する」と言います。

あなたが正しくあればあるほど、幸せじゃなくなっちゃうんです。

だって、あなたは間違っている相手を敵とみなし、敵とみなされた相手はあなたの元を去るか、あなたを敵とみなすからです。

仮にその戦いに勝利して喜んでいるうちに、相手は次こそは負けないぞ!とあなたを敵としてしまいます。

だから、「正しさの“罠”」と言うんです。

そうは言っても私たちは数え切れないほどあるルールの中で、正しくあろうと生きています。

そうすると常に私たちは「敵」を作り続けてしまうのかもしれません。

「健康は正しい」
「貯金があることが正しい」
「仕事があるのが正しい」
「締め切りを守ることが正しい」

だから、病気は敵だし、貯金がないのはおかしいし、働いていないのはダメだし、締め切りを守れない・・・のはまあ、いいっすよね?ね?笑

さて、あなたはどんなルールに従って、どんな正しさを持ち、そして、誰を、何を敵とみなして戦っているのでしょう?

それはあなたがほんとうに望むことなのでしょうか?

もしかすると、安心感を感じられないのは、居場所がないと感じるのは、人の好意を受け取れないのは、喜びを感じられないのは、知らず知らずのうちに敵を作り続けているからかもしれませんね。

心の中で戦争してたら、そりゃあ、安心なんてできませんもの。

今、書いてる本が「観念」に関するものなので、こういう話をさせてもらったんですけど、これこそ、本に書いても良い内容かもしれませんね。

だから平和って難しいですね。
自分の心の内を平和にするのって難しい。

そもそも敵を作る素になってる観念に気づくことも難しい。

だから注意深く心の内を眺めていくことが重要なんです。

イラっとするのは観念に触れたときの反応です。
そこで自分がどんな観念を持っているかに気づけます。

もし、そこで平和を選ぶのであれば、その観念を手放すチャンスが来たわけです。

もし、そこで戦いを選ぶこともときには必要かもしれません。
それならば正々堂々と戦うのもアリですね。

ただ、そこでも「戦ってはいけない」とか「平和が正しい、戦争は間違い」という観念が出てくるわけですけど。

ややこしいですね。

自分がどうありたいか?

それに基づいていらぬ観念を手放していけたらきっと楽に、そして、自分らしく生きられるようになると思うんですけどどうでしょうか?

まずは、自分は誰を敵にしているのか?何と戦っているのかに気づくところから始めてみましょう。

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