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例えば「いい人」という役割を担っている人は、「いい社員」「いい恋人」「いいお客さん」などもこなします。それができるってことはほんとに「いい人」であることは間違いないのですが、それが「役割」になった途端、どんどん自分の首を絞めるようになっていきます。
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私たちは何らかの「役割」を持って生きてるものです。
「いい子・優等生」という役割はよくうちのブログに出て来ますが、「人に迷惑をかけない」「周りの人と調和を取る」「空気を読んで行動する」「優しく振舞う」みたいな行動を取りますね。
似たものに「調整役」というのもありまして、周りの人たちが気分よく過ごせるように、みんなが楽しめるように「調整」をするんです。
「誠実な人」という役割もあります。
誰に対してもまっすぐに、誠実な態度を心がけていて、誰からも好かれるキャラを作っています。
「助ける人」はうちの読者にもたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか?
家族を助ける役、同級生や友達の役に立とうとする、周りの人たちのよき相談役でいる、みたいな行動をします。
「大人しい役」というのもあって、あまり目立たないように振る舞い、人と人との緩衝材になることが多く、誰からも嫌われません。
「ピエロ役」というのもあって、おちゃらけで場を盛り上げ、いじられ役で場を和ませ、いつも笑顔でみんなを喜ばせてる役割です。
「耐える母(妻)」という役割もありますね。
これは皆さんというより、皆さんの母に当てはまるかもしれません。
「正義の味方」という役割もけっこうメジャーかもしれません。
不正を許せず、理不尽な態度にはたとえ上司でも食ってかかる、周りからあてにされる役割です。
「お姉ちゃん、お兄ちゃん役」を常にやっちゃう人もいます。しっかり者の長女に見られる傾向で、職場でも趣味の集まりでも何かと「お姉ちゃん」になり、弟や妹の面倒をよく見てあげるのです。
他にも「まじめな会社員」「明るくて面白い人」「いつも優しくて怒らない人」「いつも元気なお兄さん」「ダンディなイケオジ」「天然キャラ」等々、無限と言っていいほど役割ってありますね。
そもそも心理学には「家族の5つの役割」という考え方があり、こちらの本に書いたのですが、
*「兄弟姉妹の心理学 弟がいる姉はなぜ幸せになれないのか」(WAVE出版)
※家族の5つの役割:ヒーロー/殉教者(犠牲者)/傍観者/問題児/チャーマー
その5つの役割をより細かく見ていくと上記のような、そして、それ以外にも多くの役割があることが分かります。
私たちはそうした役割をいくつも担って私たちは生きているのです。
みなさまは今、どのような役割を各方面で担っていらっしゃるでしょう?
もちろん、ひとつではなく、またシチュエーションによって変わると思います。
家庭では「いい妻・いい母」を演じ、職場に行けば「バリキャリの姐さん」、友達との関係では「意外と天然なピエロ」、実家に帰れば「甘えん坊な末っ子」を演じる、など。
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今日お話ししたい「役割」は、その役割を担うことによって「愛される」「嫌われない」「必要とされる」といったポジティブな効果を得ようとするものです。
いわば「処世術」のひとつと言ってもいいでしょう。
ネガティブな役割を担うこともありますが、今日はそれはちょっと横に置いておきたいと思います。
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その役割は自分がそこにいるための大切な理由になるものです。
裏を返せば、その役割を失ったらそこにいられなくなる恐れがやってきます。
「ずっと家族を助ける役割をしてきたから、その役割がなくなったら家族とどう接していいのか分からない」とある人は言いました。
家族への接し方が「助ける」という方法になっていたのです。
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母親から電話がかかってきたら「どうしたの?なにかあった?」と聞いてしまいます。
すると母親が例によって父親や近所の人の愚痴を言い始めます。
内心うんざりして嫌悪感があるのですが、「助ける人」が自分の役割なので、頑張ってその話を聞き続けます。
あるとき思い切って母親の電話を早めに切ってみたこともあります。
「ちょっとごめん、忙しいから切るね」って。
でも、その後にすごい罪悪感に襲われました。
母親をすごく傷つけてしまったような気がして、電話を切ってしばらくは何も手が付かなかったのです。
当の母親はどうやら何も思ってないらしく、その日は不満だったものの、また何食わぬ顔で次の日に電話をかけてきました。
彼女はちょっとホッとしました。
ウザい電話であることが分かっていても、また母親が電話してくれたことで安心したのです。
とはいえ、もちろん内容はいつもと同じ誰かの悪口や愚痴で占められます。
ほんとに嫌な気持ちがして、時間を無駄遣いしているような気がするのですが、もう電話を切る勇気は出て来ません。
そんな彼女は人との接し方が「助ける人」になっていました。
職場でも困っている後輩がいたら「どうしたの?」って声をかけ、話を聞いてあげたり、励ましたり、仕事を手伝ってあげたりしています。
上司が扱いに困っている案件を目にすれば「わたしがやりましょうか?」と声を掛けてしまいます。
他部署の同期が「ちょっと相談があるんだけど」と連絡してきたら、「どうしたの?話を聞こうか?」と仕事終わりに飲み屋に付き添います。
部署でも何かしら困ったことがあれば、彼女は「助ける人」としてその存在感を見せるので、気が付けば「名もなき仕事」のほとんどが彼女の仕事になっていました。
職場の人たちにとってなくてはならない存在なのですが、残念ながら人事考課上のポイントにはなりません。
だから、全然昇給も昇格もできないままでした。
そんな彼女は恋愛をしても「助ける人」です。
「助ける人」には「助けられる人」が必要ですから、いつも彼女がお付き合いするのは何らかの問題を持っている人でした。
過去に大きなトラウマを抱えて人間不信に陥ってるロックマン。
彼女のことよりも仕事や遊びを優先させる自己中な野良猫男子。
ちゃんと付き合いたいと選んだつもりがセフレ止まりの関係でした。
もちろん、寂しさを抱えた既婚者にはつい優しくしてあげたくなるんです。
「都合のいい女なのかな?」とか「助けたい症候群なのかな?」と思うようになりました。
そして、「自分ばかりがいつも頑張ってしんどい思いをしてるのに誰もそれを分かってくれない」と不満を持つようになり、「なんか自分ばかり損してる」としか思えなくなりました。
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その彼女は「助ける人」という役割で生きていました。
「誰かを助ける」ということが自分の存在意義でした。
「誰かを助ける」ことで、自分の居場所を確保していました。
でも、気が付けば、彼女の助けを必要とする人たちばかりが周りにいるように見えてきました。
そこで気づくんです。
「わたしを助けてくれる人は誰もいない」
「わたしはみんなの話を聞いてあげるのに、わたしの話を聞いてくれる人は誰もいない」
とても孤独であることに気づきました。
*
彼女はある人にこう尋ねられました。
「助ける人」の役割を捨てたら、どうなると思う?
そんな想像はしたことなかったですし、そもそも意識して「助ける人」をやってたわけじゃないから、どうやったら手放せるのかも想像できませんでした。
でも、それが存在意義だったから、それを手放したら「自分はどこにもいられなくなる」という恐怖が襲ってきたのです。
今も孤独だけど、もっと孤独になってしまう。
でも、薄々気づいてたんですよね。
それなりの年数生きてきたら、この生き方(助ける人)はとてもしんどい、と。
「わたしは相手のことを一生懸命考えているのに、その相手はわたしのことをそんなに考えてくれていない」
そんな不満と寂しさ、虚しさはずっと前からあったんです。
けれど、「助ける人」をやり続けなければ、人とどうかかわっていいか分からないし、それでしか人と接する方法が分からないので、いつしか「諦め」と「絶望」が心の中に育っていました。
そして、それらはやがて「燃え尽き症候群」という状況を創り出すんです。
* * *
「役割」は自分を守ってくれるものです。
その「役割」をこなしていれば、周りの人から必要とされますし、居場所だって与えられます。
安全っちゃ安全です。
けれど、ここで紹介した彼女のように、それは犠牲や我慢と同義ですから、やがて諦め、絶望、燃え尽き症候群というプロセスをたどります。
彼女にとって「助ける」というのは価値魅力、そして、才能の一つでしょう。
だから、強みであることは間違いないんです。
しかし、それを「役割」としてしまうと、それに縛られてしまうんですよね。
なんぼ「助ける人」でも、仕事でミスしちゃったときは凹みますし、生理痛がひどいときには期待に応えられないことも多いはずですし、彼氏と喧嘩した後なんて、そんな気分にはなれないものです。
でも、そこで、頑張っちゃうんです。無理しちゃうんです。犠牲しちゃうんです。
しかも、すごく疲れますよね。
でも、そこで、頑張っちゃうでしょ?やりたくないなあ、と思っても無理しちゃうでしょ?
そしたら、ますます疲れますよね?
でも、そこで、、、、の繰り返しなんです。
どこかで息抜きができればまだ良いのですけれど、でも、表じゃそんなことはできないから、アンダーグラウンドを求めちゃったりします。
「不倫の彼の前では自分を出せるんです。泣いて暴れてわがまま言って彼を困らせて、思い切り甘えて振り回して・・・」
いやいや、それは「自分を出せてる」とは言えないです。
ストレスを解消してるだけです。はい。
それが「自分」だと思うとますます「自分」を見失っちゃいます。
バフがかかってる状態ですから。
そうしてだんだん燃え尽きえ行くんです。
*
だから自分が今、担っている「役割」を見つめなおしてみませんか?
自分が今、ひとり何役やってるのかを確認してみませんか?
まずはそこから。
「どう手放すか?」はちょっと横に置いときましょう。
そして、次の質問に答えてください。
〇その役割はいつ頃身に着けたものでしょうか?
〇なぜ、その役割を身に着ける必要があったと思いますか?
〇その役割はどんな場所で使っているのでしょう?
〇その役割はどんな風にあなたの役に立っていますか?
〇その役割を手放す覚悟は何パーセントくらいありますか?
まずは、現状把握から参りましょう。
●3人の自立系武闘派女子が自分と向き合って幸せになっていく物語。
「ひとりで生きちゃう武闘派女子が頼って甘えて幸せになる50のトレーニング: 「頑張らないこと」を頑張りたいあなたへ」(小学館)
●この記事を読んで「ああ、自分の場合はどうだろう?」と思われた皆さん。そのネタ、聞かせてください!もしかしたらブログ上で回答させていただけるかもしれません!(不採用になっちゃったらごめんなさい!何度でもチャレンジ可!です)
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