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どう見ても女性性が優位なキャラなのに、自分では男性性が優位だと思い、男性性で生きようとしている方にお会いすることが多いものです。
自武女ですから仕方がないですけれど(苦笑)。
男性性で生きるなら苦手なことも「克服しなければ」と頑張るのもアリですが、そこで苦痛だったり、燃え尽きたりしそうならば、その判断に「?」を見たほうがいいかもしれません。
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この週末、女性性とセクシャリティのグループセッションに、1DAYリトリートセミナーと2日間、濃厚かつディープなセッションを致して参りました。
リアルでのセミナーってやっぱいいですね(しみじみ)。
その両方でとあるテーマについて出て来ましたので、これはシェアせねば!と思いましてネタにさせていただきます。
それは「え?自分は男性性優位だと思ってたん?」です。
仕事をけっこう頑張ってて、論理的な思考もよくするから自分は男性性が優位だと思ってた、とか、元々リケ女だし、メーカーの開発部門でバリバリ働いてるし、周りも思考的な男性性強めな人が多いから男性性が強いと思ってた、とか。
まあ、そういう解釈も間違ってるわけではないのですが(そういう風に男性性にブーストかけてるときもあるだろうけど)、でも、どこをどう切っても「え?女性性の方が圧倒的優位じゃね?」としか思えない事例が相次いだわけです。
で、なんで女性性が圧倒的優位かと言えば、趣味の多彩さや本人の雰囲気などからも言えるのですが、その問題というのが「男性性が優位な人なら得意分野やで?」というところで引っかかっているからでもあります。
例えば、アイデアを実現していくプロセスを考えてみましょう。
学者が仮説を立てて、それを証明していくプロセスもそうだし、
開発者が新商品のアイデアを思いついて、それを実際の商品にしていくプロセスもそうだし、
イベントを企画して、実際にそれを実行していくプロセスもそうだし、
今度の旅行のアイデアを思いついて、実際にプランに落とし込んでいくプロセスもそうだし、
狙った男を喜ばせるためのアイデアを実践していくところもそうだし、
日常の様々な場面で現れるものです。
女性性ってのはインスピレーションを“受け取る”とか、そのアイデアを“想像したり”、“おしゃべりしたりしながら”膨らませるとか、感情的にわくわくするよなアイデアに作り上げていくというプロセスにおいて必須の要素です。
わー、フランスに行って、あのパリの街並みの中を歩いてみたい!おしゃれなカフェにふらっと入ってパリジェンヌに交じってお茶してみたい!でも、やっぱりルーブルとかオルセーとかの美術館もめぐりたいし、ヴェルサイユ宮殿にも行ってみたい!おしゃれなお店で服やアクセも見てみたーい!でも、やっぱり高いのかな?でも、見るだけならいいよね!あ、スイーツだって外せないよね!それにちょっとレトロな建物のホテルとかに泊まってみたいし!わー、わくわくしてきたー!すぐにでも行きたーい!
・・・って感じです。
ところが、それを現実化しようと思ったら、3次元の、地球のレベルに落とし込まなきゃいけないわけですね。
・予算は?
・日程は?
・どのエアライン使うの?
・ホテルはどこに取るの?
・どうやって美術館のチケット取るの?
・いつルーブル美術館に行くの?
・その近くにおしゃれなカフェはあるの?
・おしゃれな服はどこで変えるの?
等々。
考えること、決めることがたくさんあるわけです。
この時点で、それまでのわくわくがすーっと冷えていくのを感じるのが女性性。
自分で考えて決めようとすると、あれもいいし、これもいいし、選べなーい!決められなーい!となってパニックになるのが女性性。
そして、「もう勢いで行く!!」とかすると、「午前中にルーブル美術館に行って、そのあとにオルセー美術館に行って、ランチはその間にある適当なカフェに入って済ませる!疲れたらオテル・ド・リッツでお茶して、夜はディナークルーズだ!」みたいな無謀すぎるプランを立ててしまうわけですね。
そうすると空港でも街中でも美術館も移動はすべてダッシュしなきゃいけなくなるし、モナリザもムーラン・ド・ラ・ギャレットも人だかりの外からチラ見するしかないし、おかげで靴はボロボロになるし、何度もこけて膝を擦りむくし、ランチもお茶も時間がなくてお腹は減るし、そもそも午前中だけルーブルとか無理だし、そこからオルセーも近いけどダッシュしたら息が上がる距離だし、もうディナークルーズにたどり着くころには「何しに来たの?」という状態になるわけです。
ところが、男性性というのはこの現実化プロセスにおいて力を発揮するんです。
限られた予算内でエアラインとホテルを検索し、その中で自分の要望に合うクラスのものを選択し、ルーブル美術館のデカさにおののき、「これは1日がかりでも足りないくらいだ」と悟ってとりあえず見るべき所蔵品を絞り、そこをめぐる最短ルートを考える、ということにわくわくするわけです。
そして、AIや検索サイトを駆使して最も効率的に予算を消費するプランを立てるし、ホテルからルーブルへの最適な移動手段を検索し、ホテルを出発する時間まで逆算して計画するということに喜びを覚えるわけです。
ところが、そうした男性性のみで思考すると「ロボットのように淡々と決められたルートをめぐる」ということになるので、当日「わー、この絵、好きー!」となってもその絵にかじりつくこともできないし、「歩き疲れたから休みたーい!」となってもそんな暇はねーし、と言うことになりかねません。
そうすると女性性としては「なんかつまんない。面白くない。つかれた。もう帰りたい。」とぶーぶー文句が出てくるので、その男性性の思考したプランに女性性が彩りを添える必要が出て来ます。
「うちらは朝苦手だし、朝食もクロワッサンをドカ食いしたいから、ホテルを出る時間は少し遅いくらいがちょうどいいし、のんびり街を散策しながら美術館まで歩いてもいいから、お昼前くらいに美術館に着けたらいいよねー。で、絶対見たい絵以外は館内の装飾とかも見たいし、グッズショップにも寄りたいから、ゆっくりめぐりたいのよね。」みたいな感じで、「じゃあ、ルーブル美術館に滞在できるのは5時間くらいだけどしょうがないねー」と納得するものです。
そうして、自分が満たされるプランが完成していくんです。
つまり、浮かんだアイデアを膨らませて実行に移し、それを現実化するまでのプロセスは女性性と男性性の共同作業によってなされていくものなのです。
これは「商品の開発」でも「イベントの実施」でも「制度改革」でも何に対しても同じことです。
男性性が色濃く出たプランは味気なくて、素っ気なくて、面白みに欠けます。機能的で効率的かもしれないけど人間的な味わいが薄くなります。
一方、女性性が色濃く出たプランはわくわくするし、面白いけど、現実性がなくて、そもそも決められないのでなかなか具体的にならず、最後はもうえいやっ!でテキトーに決めちゃって当日えらい目に会うことになってます。
だから、それぞれが手を取り合うことが必要なんですね。
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で、ここからが問題なのです。
みなさまの中には男性性と女性性がどちらも成長しており、バランスを取り合っている方もいらっしゃるでしょう。
根本先生から「両性具有だわな」とかとか揶揄されるみなさまです。(決して、悪口を言ってるわけではありません。)
そんな方々は自らの内なる男性性と女性性を駆使してプランを現実化していくプロセスを描くことができるでしょう。
しかし、多くの方はどちらかが優位になっていることが多く、そうするとこうしたプランを現実化していくことが「苦手」だったり、「苦痛」だったりすることになります。
そうすると「アイデアはガンガン浮かぶんだけど、それだけで終わってしまう」(女性性優位)か、「計画性や実行力はあるけど、アイデアが浮かばない」(男性性)という問題が出てくるのです。
でも、ここでみなさまはこう考えるわけです。
「それくらい自分ひとりでやり切らねばならない」
「全部自分でやってこそ、一人前だ」
「苦手なことは克服しなきゃいけない」
そうすると、必然的にどこかのプロセスで悪戦苦闘し、途中で心が折れてしまって未完に終わるか、無理やり現実化しようとして面白くない結果を出してしまうか、になるのです。
うちの読者様はグループセッションやリトリートで出会った方々のように、「そもそも女性性が優位なんだけど後天的に男性性を鍛え上げてきたタイプ」が多いですよね?
そうすると鍛えに鍛えた男性性が目立つので「自分は男性性優位だ」と思いがちなんだけど、実のところはそうじゃないので、なかなかうまく行きません。
それで、
「いつも中途半端に終わってしまう」
「いつも誰かの手を煩わせてしまう」
「自分一人では何もできない」
「自分ってダメな奴だー。もっと頑張らねばー!」
「自分ってほんと才能ないな、って感じる」
みたいな状態に陥りやすいわけです。
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で、どうしたらいいのか?
「自分の得手不得手をちゃんと認識して、不得手なところは誰かにアウトソースする」
つまり、女性性が優位だったら、女性性を活かせるところは自分がやって、男性性が必要なところはそれが得意な人にお願いして任せる、というのが理想なのです。(男性性優位な人はその逆ね。)
もちろん、女性性が優位ったって男性性がないわけじゃないので、自分の男性性を発揮できそうなところではそれを活かせばいいんです。(例えば、ホテル探しは得意だし、予約システムも熟知してるから、ホテルは自分で好きなところを選ぶ、みたいな。)
旅行の計画であれば女性性が作り出したアイデアを現実化するために、男性性の部分を旅行代理店にお任せするってことです。
そして、代理店の方と“打ち合わせ”して、わくわくする上に現実的なプランに仕上げていきますね。
仕事でも何でも同じなんです。
「プランを考えてラフデザインを作るところまでは得意だけど、それを現実的な設計図に落とし込むのが苦手」ならば、設計図を作ることが得意な奴にお願いすればいいんです。
そうした方がより良いものができて会社もお客様もうれしいと思いませんか?
お願いされた相手も自分の力を発揮して役立つことができるからうれしいと思いませんか?
自分も得意分野に集中すればいいから楽しいと思いませんか?
まさに三方良し!というか四方良し!ですね。
ここで、プライドが邪魔したり、頼ることが苦手だったり、自立心が旺盛だったりすると、このアウトソースに多大なる抵抗を覚えます。
でもね、考えてみてください。
苦手なのに自分でやらなきゃいけないし、人にお願いするのが苦手だからって全部自分でやろうとしたらどうなるか?
おそらく、その経験も今まで何度かあるんじゃないでしょうか?
自分ひとりでやろうとして、結局、ワケが分からん状態になって、周りの人たちの手を借りなきゃいけなくなって、みんながバタバタしなきゃいけなくなって、「もっと早く言ってくれよー」ってことになったり、「誰やこんな無茶な企画立てたのは!」ってお客様から怒られたり、自分も全然楽しくなくて、苦しいだけで、自分はこの仕事向いてないのかな?と思ったりしたこと。
もう自己嫌悪の嵐で、周りの人の信用を失うし、あちこち謝って回らなきゃいけなくなって、超屈辱的な思いをしたこと。
それなら、無理に苦手分野を克服しようとするよりも、お願い上手になるほうが簡単だと思えませんか?
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だから、そういう方々はアイデアが浮かんでそれが膨らんで「ああ、これを実行したい!」と思ったら、先に考えるのは「誰にお願いして手伝ってもらうか?」です。
つまり、「誰を巻き込むか?」「誰なら巻き込まれてくれるか?」を考えるってことです。
「ごめん、この企画実行するのにちょっとマーケティングのデータが必要なの。忙しいの分かってるけど、ちょっとだけ力貸してくれない?」って言える相手。
「やりたいアイデアはあるんだけど、それを企画書にまとめる段階で詰まってるの。手を煩わせて申し訳ないけど、ちょこっとだけ手伝ってくれない?」って圧をかけられる相手。
そういう相手がパッと浮かぶくらいになるためには、それまでに職場の人間関係を良くしておくことが大事でもあります。
自分の苦手分野を得意とする人たちとふだんからコミュニケーションを取っておくこと。
たまにはランチを一緒にしたり、カップコーヒーをおごったり、旅先のお土産を渡したり。
そう言えば、某お弟子(男子)が昨日言ってました。
「自分のデスクに戻ってきたらロッテのチョコパイが1個置いてあって、付箋に『おつかれさま。いつもありがとうございます!』って書いてあって、それだけでHPが全回復した。」
まあ、男性性が優位な奴ってとても単純なんです。笑
投資額もかなり少なく抑えられます!笑
でも、そうした人を巻き込んだり、ふだんから職場の人間関係を良くしたりってのは女性性が本領発揮するところでして、男性性よりも女性性の方が優位だから、女性性を活かして仕事しよう!と思えば、意外と上手にできたりするんです。
「自分で全部やらなきゃ」と無理やり頑張ることをやめて、「苦手なところは誰かにお願いしてもいい」と思えるようになればいいんです。
もちろん、「自分で全部やるのが好き!!」て方は無理にそんなことしなくてもかまいません。
それは嫌だ、無理、しんどい、と思うのであれば、早々に自立を手放して、相互依存関係を築いていくほうが“四方良し”を作れるんです。
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で、そもそも女性性が優位で、自分には男性性があんまりないと自覚している方(あるいはそう自覚してなくてもそういう風に生きてる方)ってのは、はじめからお願い上手の要素を持ち、円滑な人間関係をふだんから作っていらっしゃいます。
自分はポンコツでこの業務が苦手なのでみんな手伝ってくださーい!的なオーラを振りまいていて、その段階になるとわらわらと周りの人たちが手伝ってくれる環境を作ってたりするんですね。
でも、元々女性性が豊かなのに、それを「あかん!」と思い込み、また、周りからも自立することを求められていたのでそれに応え、思春期頃から男性性を無理やり育ててきた方の場合、「自立せなあかん、もっと頑張らなあかん」と自分に呪いをかけてきたがゆえに、お願いする、頼る、甘えるということを自分に禁止してきました。
だから、本来得意なはずの環境づくりを拒否し、なんとか自分ひとりでやり遂げなければ!という努力をしてきたんです。
自分で禁止してきたんだからお願い、頼る、甘えるってことは苦手です。
でも、そういう気持ちがないわけじゃないですよね?
内に押し込まれた女性性が「頼ればいいじゃん。そんなの甘えたらいいじゃん。」ってささやきかけてくるわけですから、その声と喧嘩するのもしんどいはずです。
だから、今まで禁止してきたものをいきなり許可するってことは抵抗が伴うものでして、さらに、そうした禁止してきた時代を否定することにもなるから嫌悪感すら漂うものですね。
だから、やっぱりまずは自分を知りましょう、そして、それを受け入れましょう、ということが一手目になりますし、それを受け入れたうえでその自分に従った、すなわち、自分らしく振舞うことを目指していきましょう!と思うわけです。
もちろんすぐにうまく行くなんてありえません。
最初はむしろ逆効果だと感じられることだって起きるでしょう。
けど、それって数十年ぶりに卵焼きを作るようなもので、なんとなく作り方は覚えてるけど、要領はすっかり分からなくなっているわけで、やっぱり上手には作れません。
とはいえ、それで「ああ、あたしには卵焼きを作る才能がないんだ!」と思うこともないと思います。久しぶりなんだからしゃあない、と受け入れられるはず。
そんなイメージで女性性を活かす方向に道を選びなおし、周りとコミュニケーションを図ったり、お手伝いをお願いしたりして、徐々に感覚を身に着けていきましょう。
はじめの頃は「お願い」のつもりが「脅迫」になっていたり、「頼る」つもりで「圧」をかけてたり、「任せる」つもりが気になって「過干渉」になったりしてしまいますが、それもまたご愛敬。
プライドも横において、とりあえずは、練習であり、トライ&エラーを繰り返しながら上手になっていくプロセスを楽しめたらいいな、と思うのです。
ということで「この苦手な作業、誰を巻き込んだらええねやろ?」と舌なめずりしながらターゲットを探していただければ幸いです。
◎1DAYリトリートセミナー~ライフワークやパートナーシップと向き合い、自分を深く知る1日を~
・大阪:7/6(日)11:00-18:00 with ジュンコ
・オンライン:7/20(日)11:00-18:00
・東京:8/9(土)11:00-18:00 with 桐山慶子
https://nemotohiroyuki.jp/schedule-cat/56027
◎東京:7/11(金)12:00-17:00 「許しと手放し」のグループセッション in チャペル
https://nemotohiroyuki.jp/schedule-cat/55957s
◎ザ・リトリートセミナー in 神楽坂~生き方が、人生が、自分自身が変わる3日間~
https://nemotohiroyuki.jp/schedule-cat/51398
●3人の自立系武闘派女子が自分と向き合って幸せになっていく物語。
「ひとりで生きちゃう武闘派女子が頼って甘えて幸せになる50のトレーニング: 「頑張らないこと」を頑張りたいあなたへ」(小学館)
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