先日、母が亡くなりました。どういう風にその死と向き合っていけばいいでしょうか?



できるだけ今の気持ちに素直になることです。
いい感情も悪い感情もどっちも正直なものですから、それをただ感じてあげるんです。
そのとき「こうすべき」「そんなこと思っちゃダメ」などの思考はできるだけご遠慮いただくことにしましょう。
そのために今の気持ちと向き合う時間を作る、ということをまずはしていきましょう。

いつもお世話になっております。

相談させてください。
先日母が亡くなりました。いつかこんな日がくるとは分かっていましたがあまりにも急で子育てや仕事で忙しく、何もしてあげられなかった後悔や悲しみでいっぱいです。

色々母のことを思い出すのですがキレイな思い出よりも嫌な思い出が浮かび、悲しみに加えなんだかとても辛い気持ちになっています。
母は過干渉でわがままで自由奔放でクレーマー気質があり何かにつけて文句を言う絶対友達になりたくないタイプでした。
母の友人たちに亡くなったことを伝えると、明るくておしゃべりでみんなの中心で~と母のいい面を教えてくれる方が多く、私だけが悪者になった気分です…

こんな状態なのですが、母の死や今の気持ちとの上手な向き合い方などあれば教えてください。
よろしくお願いします。
(Aさん)

まずはお悔やみ申し上げます。

誰にとっても「母」という存在はとても大きなもので、亡くなられたとなるとほんとうに様々な感情が出てきてとても一言では言い表せないものだと思うんです。

また、母と娘の関係と、母と周りの人たちの関係というのは「表と裏」というくらい別々のこともよくあるものです。

特に世間体を気にする方ですと、外ではいい顔をして、そこで溜めたストレスを内で吐き出すことで、世間の評判と家族の評判が真逆なこともあるものです。

じゃあ、どっちがほんとうの母の顔なのか?と言えば、両方なんだろうと思います。

そして、やはり「後悔」は付いて回ると思います。

子どもにとって親というのはいつまでも元気でいてくれるもの、と勝手に思い込んでる節がありますし、いてくれて当然という風に感じているものです。

それが加齢や病などで少しずつ弱っていく姿を見てそれを受け入れていき、来るべきそのときを覚悟していくものです。

しかし、そのときが急に訪れるとなると心の準備ができていなかった分だけその「後悔」は大きくなりますが、仮に傍についてお世話をし、看取ることができたとしても、全く後悔のない別れというのもなかなか難しいものだと思います。

その「後悔」は愛情の分だけやはり強くなるものですね。

つまり、それくらいAさんはお母さんを愛していらっしゃったという証になります。

とはいえ、やはり自分の家庭を持っていればそちらの方に意識が向くのも当然で、家事・育児・仕事等に時間も体力も取られるのは仕方のないことだと思ってください。

つまり、してあげたかったことがあったとしても、してあげられる状況ではなく、それは決して責められるものではない、ということです。

カウンセリングでも大切な方の死と向き合うことがよくあります。

中にはあまりに突然のできごとで、その死をまだ受け入れられない方もいらっしゃいます。

でも、やることは基本的には同じ。

「今感じている気持ちに素直になる」ということです。

始めはショックで、喪失感が強く、悲しみを感じるよりも呆然としてしまうことがあります。

また、そのショックで一滴も涙が出ないこともあります。

そういうときに「自分は冷たい人間なんじゃないか?」と思われる方も少なくないのですが、いえいえ、そんなことはありません。むしろ、愛情が強いがゆえに、ブレーカーが飛んでしまったようなものなのです。

また、悲しみや寂しさがあまりに強く、食事をしても味がしないどころか、そもそもお腹も減らない状態になることもあります。

そういうときも基本、体に従っているのが良いと思います。

ぼーっとして何も手に付かなくなって食欲すら湧かなくなったとしても、それは全身でその死を受け入れようとしている最中で、そこにあらゆるエネルギーを注いでいるんです。

そして、ただ悲しみや寂しさだけでなく、無力感、罪悪感が出てくるものです。

助けられなかった、何もしてあげられなかった、もっとできることがあったんじゃないか、あのときこうすればよかった、という後悔や自責の念ですね。

それは先ほどもお話しましたけど、愛情の分だけ強くなります。

だから、そうした感情が出てきたときは「自分はそれくらい母を愛していたんだ」という風に解釈なさるのが良いかと思います。

というか、まあ、あんまりそういう思考的な解釈ってのは入れなくてよいもので、ただただ今感じている感情に意識を向けておくのがいいんです。

そして、怒りも出てくるものです。

これは少し死を受け入れた後にやってくるもので、愛情や寂しさや悲しみとは真逆で、恨みつらみなども出てきて、「ひどい親だった」とすら思うこともあるものです。

Aさんにとっては「絶対友達になりたくないタイプ」だったわけですから、そりゃあ、お恨み帳が大量に積みあがっても無理はないでしょう。

もしそういう気持ちが出てきたとしても自分を悪者にする必要は全くありません。

その気持ちを誰かに話したり、お恨み帳にガンガン書き出したりして、ただ解放してあげましょう。

そんなときに自分を悪者にしたり、亡くなった人にそういう思いを抱いてはいけないなんて考える必要はなく、「ムカつくもんはムカつくんじゃー!!」と堂々と怒りを感じることを許可してあげていただきたいんです。

とはい、育児・家事・仕事は待ってくれないと思いますので(特に育児は)、「できることしかできない」と思いながら、粛々と時間を過ごしていくのがいいかと思います。

その死を受け入れたくないがゆえに、ふだん以上に頑張って仕事しちゃう方も中にはいますが、それはやはり感情を抑圧することになりますから結果的に長らく引きずることになります。

感情ってのは感じれば感じるほど解放されるものです。

思考したり、抑圧したりすれば心の中に溜まって行ってしまうものです。

だから、何らかの方法で吐き出してあげる、感じてあげることが大事なんです。

だから、やはりお恨み帳と言わず、いろいろな気持ちをノートに書き出していくことをお勧めしたいな、と思います。

「今、感じている正直な気持ち」をただ書き綴るわけです。

怒りもあれば、後悔もあるし、愛情もあれば、嫌悪感もあり、罪悪感もあれば、喜びも出てくるかと思いますが、よく「感情とうんこは同じ」と言いまして、出てくるものは素直に出してあげる方が健康的なわけです。

私事で恐縮ですが、千里山のセッションルームに到着する数分前よりなかなかの便意がやってきまして、軽くダッシュしてトイレに駆け込み、事なきを得たところです。

怒りであれ、感謝であれ、出てきたものは出せる場所で素直に出す、というのがやはり望ましいわけです。

それゆえ、お恨み帳のことを「厠」などと呼ぶこともあるくらいです。

カウンセリングでも、こういうときは何も言わずにただお話を伺うようにしています。

あなたにとってどんなお母さまだったのでしょうか?

もし今、お母さまとお話しできるならどんなことを伝えたいですか?

お母さまとの思い出は何か出てきますか?

ムカつくこと、嫌だったことってどんなことですか?

お母さまにとってあなたはどんな娘だったと思いますか?

お母さまに対してやり残したこと、してあげたかったことって何か思いつきますか?

お母さまとに感謝できることって何か浮かびますか?

そんなシンプルな質問をしつつ、涙が出てくればティッシュ箱をお渡ししまして、じっくりと泣いていただこうと思うわけです。

忙しい日常ですと、しっかり自分の気持ちに向き合う時間もなかなか取れませんから、そういう機会を貴重なものとして受け止めています。

感情って地層のように折り重なっているものでして、悲しみの層もあれば、怒りの層もあり、罪悪感の層もあれば、愛情の層もあります。

そうして遺跡調査をするがごとく、丁寧にその感情の層と向き合っていきますと、次々と感情も変わって行きます。

さっきまで怒っていたのに、なんか急に悲しくなってきた、みたいに。

でも、最後は必ず「愛と感謝の層」に行きつくものです。

そこまでたどり着くことができれば、ひとつのミッションは終了します。

とはいえ、一度その層にたどり着いても、また怒りや悲しみ、寂しさが出てくるものでして、そのたびに、ひとつひとつ感情の層を掘り下げていき、再び愛と感謝の層にたどり着くことを繰り返していきます。

そうして、その死を受け入れ、徐々に立ち直り、また笑顔になれる日が来るわけです。

そのときには「まあ、母なりに頑張ってたと思うし、嫌なこともいっぱいあったけど、いい母だったと今なら思えるんだよね。」という状態になっているかと思います。

まずはそのために、今感じている気持ちに素直になる時間を作ってみましょう。

一番身近な存在である母ですから、その死を受け入れるのに時間がかかっても全然かまいません。

ひとつひとつできるだけ丁寧にその感情を受け入れ、解放していきましょう。

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