放任主義の母親の元で育った子どもはどんなパターンを持ちやすいのか?



母親からの愛情ってものすごく大事なものですからそれが与えられなければ孤独感はもちろん、居場所のなさ、そして、存在意義まで心理的な影響は大きいものです。
その痛みとどう向き合うか?それと同時に、逆にそれをどう活かすか?という方向でお話したいと思います。

根本先生!お世話になってます!
いつもブログ拝読しています。

「過干渉な母親」というのはこのブログでよく出てくるキーワードだと思うのですが、
逆に「放任主義の母親」はあまり見かけないように感じました。

母親が放任主義だった場合、どのような心理的パターンを持ちやすいといえるでしょうか?

自分の話で恐縮ですが、私の母親は放任主義でした。
特に私は第一子で、下に2人兄弟がいたため、母親はいつも下の子たちの世話で忙しく、構ってもらったり抱きしめてもらったりした記憶がありません。

自分が幼稚園児だった頃、お母さんに抱きつこうとしたところ「暑苦しいから離れて!」と怒鳴られ、以降二度とスキンシップを取ることはありませんでした。
(この出来事は印象に残っており、現在の親密感への恐れに直結していると感じています。)

小学生以降、普段の生活で何か言われることは基本的に一切なく、偏食しようが長時間ゲームしようが夜更かししようが自由でした。
何か相談しても常に「あなたの好きにしなさい」という対応だったので、自分のことは自分でする、自分で考えて自分で決める、ということが良くも悪くも早いうちから身に付きました。

母親の関心やスキンシップに飢えていたことが、大人になってからのパートナーへの依存心につながっているように個人的には感じています。

根本先生の見解もお聞きしてみたいです。
(Nさん)

放任主義の母ってあまり出てきてませんでしたっけ?
私の中ではそれなりにメジャーだと思っていましたけど、確かに過干渉な母の方がインパクトがありますよね。

ただ、真逆の母親のように見えて抱える問題はけっこう似たものがありまして、過干渉な母に支配された娘も、放任主義な母に放っておかれた娘も、どちらも親密感への恐れを持つ可能性が高くなるものです。

要するに「近すぎても遠すぎても問題が起こる」ということで、じゃあ、ちょうどいいバランスってどの辺やねん!というとそこは「中庸」なるものでして、たいへん難しいものです。

そもそも私たちは母親との心理的距離が一番近いわけですね。

そりゃ、母親のお腹にいるときは「ゼロ距離」だったわけですから。

そして、へその緒が切れた瞬間から物理的にも心理的にもその距離は「ゼロ」ではなくなります。

だから、赤ちゃんは母を強く求めるわけですよね。

ところが母は母でずっと子どもを抱えているわけにはいきませんから、距離を取ろうとするわけです。

だって揚げ物をしているときに子どもが横にいたら危ないでしょ?
ずーっと抱っこしたままスーパーで買い物とかできないじゃん?

それで放任主義な母の場合、子どもとの距離をだいぶ遠くに置こうとするわけです。

理由としては様々なものがあります。
Nさんのお母さんはどんな理由だったのでしょうか?

・仕事や家事が忙しくてかまってられない
・ほかのきょうだいを構わねばならず、手が回らない。
・自分の世界を持っている
・子どもがあまり好きではない
・罪悪感がめちゃ強い
・メンヘラで男(父)を追いかけてる
・親密感への恐れを大量に持っている
・母自身が親と癒着している(大人になれてない)

ともかく、そうした事情により、「暑苦しいから離れて!」みたいなことが起こるんです。

言われた方がたまったもんじゃないんですけど、言う側にもそれなりに事情があったわけです。

ただ、「暑苦しいから離れて!」なんて言われたら子どもとしては大変傷つくわけで、それがきっかけで母親に近づけなくなっちゃうのも仕方はありません。

とはいえ、そう言われたのは1回きりなのでしょうか?
何度も似たような体験があったのでしょうか?

ふつう子どもは1回くらいじゃ引かないものでして、何度も何度も言われてようやく受け入れることが多いものです。

Nさんの記憶に残っているのが1回なのか、それともすでにそれまでも「近寄るなオーラ」を存分に感じており、その上でのその1回だったのか。

どちらにせよ、母に愛されてない、母は自分を好きじゃない、自分は母にとって迷惑だ、自分は母に近づいてはいけない、自分はいらん子なんだ、という思いが付きまとうことになるでしょう。

そこでNさんはどう感じ、何を学んでしまったのでしょうか?

>自分のことは自分でする、自分で考えて自分で決める、ということが良くも悪くも早いうちから身に付きました。

そうなんですよね。
必ずしも悪いことばかりではないんです。

が、早くに自立しちゃったことに間違いはないでしょう。

そして、当然ながら心の中には大量の寂しさが募りますよね。

Nさんにとってはこの「寂しさ」(孤独感)は大きなテーマになると思います。

ちなみにその寂しさをNさんは今、どんな風に処理されてるでしょうか?

スケジュールを埋める、たくさんの友人を作る、ハードワークをする、蓋をしてみないようにする、もう麻痺しているので寂しさは感じない。

そして、この「寂しさ」と同様に強く出てくるのは「え?あたしって必要なん?」という問題です。

つまり、自分は生まれてきて良かったのか?という疑問をずっと抱えることになると思うんですけど、Nさんの場合はどうでしょうか。

これはやはり様々な方面で問題を作る思いでして、お察しの通りパートナーシップでは大きな影響を与えますね。

そのほか、人間関係でも親密感への恐れが影響して人と近づけなかったり、人間不信になっていたりすることも多いものです。

これってやっぱりほんと強烈な思いなんですよね。

「母」って子どもにとっては「ホーム」だし「居場所」です。

それがなかったならば、どこに行っても「ここにいていいの?」という気持ちになりやすいでしょう。

また、自分が必要とされている感覚って今はどれくらいありますか?

多くの場合「仕事」はそれを叶えてくれるでしょう。

実力があったり、実績を作れたり、頑張り屋だったり、武闘派女子だったりすると「仕事は嘘つかへん」ってことになって居場所を作ることができます。

ただ、いつも心の中に「居場所を失う恐れ」が出てきますので、ハードワークしすぎるきらいがあるんですけどねー。

そうした心理背景からNさんのこのパターンが生まれてるのかな、と思います。

>母親の関心やスキンシップに飢えていたことが、大人になってからのパートナーへの依存心につながっているように個人的には感じています。

パートナーシップにおいてはどうしても「得られなかった母の愛」を求めるようになると思います。

また、逆のパターンとして、「愛に飢えた彼にとことん尽くす」という形をとる場合もあります。

そして、それが同時に起こる相手だと癒着とか共依存って言われる関係になりやすいでしょう。

こういうとき「心の中に今も母の愛を求めている小さな女の子がいる」という風にとらえます。

早くに自立して大人になったNさんと、幼稚園のときに母に拒絶されて成長を止めてしまったNさんが同時に存在しているイメージです。

パートナーができて親密な距離になっていくと、その子が心の中で騒ぎ出すんですね。

小さな子供ってスキンシップが大好きですよね。
無理もありません。ちょっと前はお母さんのお腹の中にいて24時間スキンシップがあったわけですから。

でも、それを拒絶されると、そのスキンシップを求める気持ちは強く抑圧されます。

だから、それが大人になって出てくるとセックス依存症みたいな状態になることもあるわけです。

依存症ではないか?という方をカウンセリングしていると、やはり幼少期に様々な事情で母とのスキンシップが取れてない方が多いんです。

彼女は別にセックスがしたいわけではなく、人肌を感じたいだけなんですよね。
体が密着している状態を渇望しているんです。

でも、大人になるとただ抱っこされるだけでは済まないですよね。
そこでセックスをするんです。

だから、みなさん、セックスが終わった後に裸でくっついているのが一番好き、とおっしゃるのです。

日本人はお辞儀の文化で、ハグをする文化はありません。

そうするとスキンシップに飢えている方はなおさらそのチャンスが少なくなるんですよね。

そうするとどうしてもセックスやその相手に依存しやすくなるものです。

そうした上で、その心の中にいる小さな女の子を救ってあげることが必要なのかな、と判断します。

で、ここでポイントなのは「その女の子の面倒は自分が見る!」と決めることなんです。

母に愛されたい女の子ですから、つい自分以外の誰かを求めたくなります。

しかし、母の代わりは誰も務められないですし(だから依存が強くなる)、外側から満たしてもらうと次もまた外から満たさなければならなくなります。

そうするとずっと自分を満たしてくれる誰かを求め、その人に依存する生き方になってしまうのですね。

ただ、これは誰もが多少は持つものです。

だから、この問題は多くの方に共通する問題とも言えますね。

そこで、大人の自分が子どもの自分をちゃんと受け入れる、愛する、ということを決意することが大事なんです。

だから、この部分を扱うにはNさんに成熟性が求められる(つまりは大人になっておく必要がある)とも言えます。

一般的にはインナーチャイルドワークというセラピーが使われます。

まさに内なるその子どもを大人の自分が救いに行く、つながりに行く、というセラピーです。

それはまたカウンセリングの場などにゆだねてください。

ご自身でやる場合もいろいろな方法がありまして、例えば、ぬいぐるみやクッションを内なる子どもとして話しかけたり、抱っこしたりするものです。

一見、怪しい感じがしますが、意外と効果的な方法です。

その子が感じているであろう気持ちを代弁してあげたり、ギューッと抱きしめてあげたり、大好き!って言ってみたり、逆にごめん!って言ってみたり。

さて、そうした内なる子どもを救ってあげるアプローチも有効ですが、さらに別角度から「才能」を見ていくこともできます。

その才能ってのは例えば「居場所を作る」であったり、「与え上手」だったり、「面倒見がいい」だったり、「セクシャリティが豊か」であったり、いろいろあるものです。

それをより開いていく方向でカウンセリングを進めていくと、子ども時代の寂しさが恩恵として作用していくんです。

他にも母を許すプロセスを取り入れたり、親密感への恐れと向き合ったり、手はいろいろとありますので、その辺はまたカウンセラーと相談しながら進めていくといいと思います。

最終的には母親がスキンシップを拒否したことが「痛み」ではなく、「恩恵」に感じられるようになることが目標です。

まずはそこを目指してひとつずつ取り組んでいくことにしましょう。

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