子どもが生まれてから夫婦関係がどんどん悪化していきます。~夫をこれ以上嫌いにならないためにまずは自分自身のケアを~



子育てという一大事業はそれまでの人生では経験し得なかった新しい体験であり、肉体的にはもちろん、感情的にも強い負荷を感じるものです。
しかし、そうした思いも夫婦間では温度差があり、価値観も異なるので、出産を機に夫婦関係がそれまでとがらりと変わってしまうケースはものすごく多いものです。
そんなときの意識の向け方について考えてみます。

こんばんは。夫との関係がどんどんと悪化していくので、相談させてください。

私は37歳、夫は8歳年上の45歳です。子どもが生まれてから、夫婦関係がうまくいかなくなりました。

夫はもともと仕事人間で、ワーカホリック気味です。夫婦2人だけの頃は、私にもやりたいことがあり、忙しくしていたので、夫が家にいないことがむしろちょうどよい部分もありました。

でも子どもが生まれてからも、夫の生活はあまり変わりませんでした。夫が家にいない分、私は育児を多く担うことになり、自分のやりたいことが思うようにできなくなりました。その不満が少しずつ溜まり、最近では人生に意味を感じられなくなることもあります。

産後はセックスレスです。年齢的に、もし2人目を考えるならもうかなり急がなければいけない時期だと思います。夫は2人目をほしがっていますが、私は今の状況で2人目を考えることはできません。

また、住む場所についても考え方が違います。夫は自分の実家(山間部の田舎)の近くに住みたがっていますが、私はもう少し街に近いところに住みたいと思っています。ところが最近、夫が勝手に住む場所を探しているような気配があり、それにも強い不信感があります。

思えば、これまでもずっと私が夫に合わせてきたように感じています。夫の仕事、生活ペース、住む場所、子育ての負担。いろいろな場面で私が折れてきたのに、夫は自分のペースを変えないままです。

最近は夫に腹が立って仕方がありません。
この怒りをどう扱えばいいのか、夫婦関係をどう考えればいいのか、2人目や住む場所の問題についてどう向き合えばいいのか、ご相談したいです。
(Mさん)

Mさんに限らず「人間関係」というのは環境が変わると変化を余儀なくされるものでして、今まで「良好」だと思っていた夫婦も、お子さんが産まれたり、家を建てたりすることで「悪化」してしまうことは実に多いのです。

というか、「悪化」したように思えるのですが、それは以前は「良好」だからこそ感じるもので、実は「変化」に過ぎないものですね。

そして、その「変化」が起きたときにまた新たに良い関係になれるよう、それぞれが尽力・努力するかどうかが、今後を決めるのです。

そこには時に残酷なほどの「現実」が起きることもあるものです。

実際、子どもが生まれてからの夫婦関係の変化についてのご相談、家を転居もしくは購入してからの変化についてはほんとうにご相談頂くことが多いものです。

ということでMさんの今の状況を整理していくことにしましょう!

まず、レスや2人目の問題も重要なのですけれど、優先順位としてはまだそんな高くないと思います。

住む場所の問題もまた大きいのですが、それも同様に、喫緊の課題までとは捉えられないと思います。
確かに、勝手に家を決められてきたのであれば早急に何とかしなければ!となりますが、それ以前に、お子さんが産まれたことでの関係性の変化の方が重大だよね、と思うんです。

ということで、そこをまずは軸に見ていくことにしましょう。

お子さんが産まれるまでは関係は「良好」だったんですよね?

お互いワーカホリックで、Mさんにもやりたいことがあり、「亭主元気で留守がいい!」という状態でもあったわけですね。

その頃って夫婦の時間ってどれくらい取れていたのでしょうか?
そこでのコミュニケーションってどんな感じだったのかな?
レスではなかったと思いますが、性生活の頻度や満足度はどうだったのでしょう?

たぶん、ここが一番の肝となるのですが、

>思えば、これまでもずっと私が夫に合わせてきたように感じています。夫の仕事、生活ペース、住む場所、子育ての負担。いろいろな場面で私が折れてきたのに、夫は自分のペースを変えないままです。

ということは、「Mさんが夫氏に合わせることで夫婦関係が成り立っていた」という風に見ることができるのでしょうか?

結婚して何年くらい経ちますか?

その間、夫氏から見れば「自分がしたいようにして良し!」という状態であったと解釈できますが、それで構いませんか?

そして、Mさんとしては「少なくとも子育て前までは、夫に合わせることもそれほど苦ではなかった」ということでしょうか?

いわゆる、「夫氏がしたいようにして、それがMさんの許容範囲だったから、夫氏に合わせられた」という状態ですよね、きっと。

それが、出産・子育てを機に、Mさんの許容範囲を超えてしまった!ということではないかと思うのですがいかがでしょうか。

お子さんが産まれるまではMさんも自分のペースでやりたいことをし、ハードワーカーの名に恥じぬ仕事っぷりでいらっしゃったんですよね。

でも、そこにお子さんが産まれたら、生活が一変しますよね。

睡眠時間も十分確保できないし、ミルク、オシメ、沐浴などの慣れぬ作業も始まり、予防接種やら定期健診やらお散歩デビューやら子育てグッズの購入(or レンタル)等々、新しいことがわんさか降りかかってきたかと思います。

夫は何も変わらない、ということは、それらをワンオペでこなしている感じでしょうか?
それとも夫氏も彼なりにちょこっとは手伝ってくれる状態でしょうか?

少なくとも、Mさんの時間のほとんどをお子さんに取られてる上に、自分のペースで過ごせる時間がほとんどない状況かと思うんです。

それだけでもストレスですよね?

お子さんがものすごくかわいく、ほっぺの匂いや、腕や足のぼにょうぽにょ感、そして、笑顔に心から癒され、自分の存在価値が大いに証明される一方で、猛烈な心労を伴うのが子育てという“難行”だと思います。

「赤ちゃんはストレスの元であると同時に、それの最高の癒し手でもある」と言われるほどですから。

で、出産・育児が始まるとMさんの心理にも大きな変化が現れるかと思うのですが、そこはいかがでしょうか?

今は産休中でしょうか?

仕事に対する意識は以前と今とで変わりましたか?
例えば、ある方は「出産前は2か月で職場復帰する気満々だったけど、産んでみたら可愛すぎて2か月で復帰するのは無理。産休ぎりぎりまで休む!」と方針を180度転換されていました。
仕事でワーカホリックだったMさんは今はおそらく子育てにワーカホリックになっているかと思うのですが。

また、生活における重要度・優先順位もどれくらい変わりましたか?
お子さんが一番重要かつ優先であるかと思いますが、例えば「おしゃれに興味がなくなった。ほぼすっぴんで子どもと出かけても平気になった」「出産前は夫のことが好き好きだったけど、あれ?その気持ちは・・・てへへへへ」みたいな感じ大きく変化した方もいます。

また、ご自身に対する意識(自己肯定感等)も変化しましたか?
「絶対わたしじゃなきゃダメ!という存在が現れたことで、自分の存在価値、存在意義がめちゃくちゃ認められるようになった。」という報告も多数です。

ちなみにこの変化が「子どもができてから妻が怖くなった、強くなった」という夫たちの証言につながるんですけどね。

「夫」に目が向きがちな昨今ですが、まずは、Mさん自身の変化について目を向けてみてください。

「出産を機に自分が以前とは180度変わったんだなあ」みたいに思えるなら、夫氏との関係も180度変わることになるでしょう。

「自分が変われば、相手が変わる」わけですから。

つまり、夫氏は出産を前後して、ほとんど何も変わってないんですね。

それにムカつくのは、Mさん自身が変わってしまったからです。

そうすると「以前は許せたことが、今は許せぬ。むかむかむか」となるわけです。

それと同時にMさんの中には「わたしが変わったんだから、あなたも変わってほしい」というニーズ(欲求)も生まれることでしょう。

それを正当化すると「子どもが生まれたのだから、あなたも変わるべきだ。当然でしょ?」という主張になります。

ところが、ここで問題なのは、夫氏からすれば、「子どもが生まれた」という現実はあれど、その実感が薄い、ということです。

この温度差はものすごくデカいんです。

とある方が言ってました。

「女はお腹が出てきて、体調が変わって、すごく痛い思いをして子どもを産む。それは体験であり、体感である。だから妊娠中から母親としての自覚が芽生えてくる。しかし、男はそれを傍で見ていたとしても、体験・体感が伴わないから想像で父親になっていくしかない。それはすごいことだ。」

もちろん、この発言は女性からのものです。

つまり、子を産んで親になるというプロセスのリアリティはママとパパで雲泥の差があるんですね。

振り替えれば、私自身も自分が父であるという実感が出てきたのは娘がパパをパパとして認識して反応するようになる6か月頃からでした。

それゆえ、父親側は早くに「親」になった妻を追いかけて、何とか頑張って自分も「親」になろうとする必要があるのですね。

つまり、それは自然にそうなる部分よりも、頑張って親になろうとする意欲が必要なのです。

この温度差が夫婦間の深く、大きな溝になるものです。

そして、それは昭和までの時代の方がより濃かったんですね。
“イクメン”という言葉ができるくらい、男性の育児参加って最近のできごとです。

しかし、かつてはそこで「実母」や「義母」などが育児に協力をしてくれ、そして、「男にそれを期待しちゃあかんよ」と諭してくれることも多かったのですが、現代はなかなかそのような存在もなかったりして、いきなり「初めての子育てをワンオペでなんとかしなければならない!」という、めちゃくちゃハードな状況になることも多いわけです。

そうすると不安や怖れの中で、気合と根性と体力で何とか乗り切らねば!と壮絶な覚悟を求められるわけで、めちゃくちゃ過酷ですよね。

それを実際やって来られた方は、修験道などくそくらえな精神修行を修められたと思ってよく、自分が思う以上に強くなってしまったことを自覚していただきたいと思うほどです。

ちなみにそうした「温度差」という点で言えば、夫氏の多くは「子どもが生まれたし、妻が仕事を休んでいるから、今まで以上にしっかり稼がねばならない」という妻とは別の重圧を担っていることが多いものです。

そして、夫の口からそうした決意を語られることは少ないのは、妻の大変さが目に見える形でそこに存在しているからであり、また、そもそも言語化が苦手な夫が多いからでもあります。

ということで、そうした温度差の違いや、出産前の夫婦関係を鑑みれば、仮に夫氏が少し変化したとしても、Mさん自身の変化はそれをはるかに凌駕する規模で起きているわけで、Mさんが「夫は全然変わってない」と感じるのも無理はないことです。

それに、年齢的にも大きな変化を求めるのは酷な世代なのかもしれません。

夫氏が今のワーカホリックな生活を始めて何年くらい経つのでしょうか?
もし20代から仕事人間だとすれば、その歴は20年を超えるわけです。
20年以上続けている習慣を、体験・体感がない状態で変える、ということがどれくらい困難かは想像に難くないでしょう。

だからこそ、それを変えさせようと思えば、ちゃんと彼が理解できるような言葉で訴える必要があります。

つまり、具体的にこれをこうして欲しい、という要望を出すことです。

「粉ミルク擦り切れ一杯を40度くらいの120ccのお湯で溶かし、体温くらいになったことを確認してちょうだい」と、具体的に指示する感じです。
「ミルクの時間だから粉ミルク作ってもってきて!」だけでは不十分ですね。どうしていいか分からないからです。

オシメの換え方についても初期が大事で、できれば生まれてすぐにそれを体験させたほうが身に着きやすいですし、沐浴も同様です。

ワーカホリックな夫婦だと、そこに競争心が芽生えますから、「指示の仕方が気に喰わねえ」「なんでそれくらいのことが分からねえんだ」と本質以外のところで喧嘩になり、「それだったらやらんでもええ!あたしが全部やるわ!」と強がってしまうこともあるでしょう。

一緒に勉強して一緒に親になっていく、というのが理想なのですが、先ほどの話のように、自分の体の中で子育てを始めている母に、到底父は敵わないものです。

だからそこは、夫氏をどう手懐けるか?というのが課題になるわけですが、実はそれ、出産前に習得しておくべきスキルなんですよね。

だから、それまで「夫氏に合わせてきた」というMさんはたいへん不利なのかもしれません。

そういうわけで、慣れぬ子育てのストレス、疲労でいっぱいな状態となれば、夫氏に対する不信感や怒りはただただ増していくことになるのです。

という現状に対する解釈をさせてもらったのですけど、Mさんからより詳しい事情をお聞きしていない一般論含みの話ですので、実状と異なる部分も多数あると思います。

その場合は都度修正が必要なのですが、大筋ではさほど間違っていないかと思います。

つまり、夫婦それぞれが、違う立場になり、Mさんは大きく変わったけど、夫氏はさほど変わっていない、というところをまずは理解することが大事だと思うのです。

つまり、「ああ、そんなに夫氏には期待しちゃいけないのかあ」と思うだけでOKです。

じゃないと、無理なことを夫氏に要求し続けて夫婦関係がこじれて離婚まっしぐら、なんてことになりかねませんからね。

まず、今のMさん夫妻は忙しい、疲れてる、余裕がない、ということもあって、以前よりましてコミュニケーションの時間が取れてないと思います。

そして、慣れぬ作業はもちろん、仕事ややりたいことをMさんは我慢し続けてる部分もありますよね?

そしたら、その不満だってめちゃくちゃデカくなるでしょう。

つまり、夫氏にそれくらい不満、不信、怒りを覚えるのはごくごく当たり前のことなのです。

じゃあ、どうすればいいのか?

私がいつも提案するのは「ママの一人時間を確保する」ということです。

Mさんの今の状況をきちんと把握してない状態で提案するのは申し訳ないんですけど、実家なり、ベビーシッターなり、役所の育児サービスなりをガンガン活用して、「ママの一人時間」を確保することを最初に考えていただきたいのです。

あまりにも一人になる時間が少なすぎませんか?

特にワーカホリックをやってたMさんの場合、通常のママよりもはるかに一人時間を必要とします。だから、「育児を休める時間」を何とか捻出できないか?ということをまずは考えていただきたいのです。

そのためにお金を使いましょう。

そうした時間をとることで、少し冷静になれます。
客観的にもなれます。

そうすると今とは違う角度で夫氏のことを見ることができます。
余裕がなく、ストレスも疲れも溜まっていれば、感情的ににしか夫を見ることができません。

一番近くにいて、一番助けてほしくて、一番分かってほしい人が夫ですから、一番期待しちゃうんです。

しかし、Mさんに限らず、その妻の思いを全部受け止めて、何とかできるスーパーマンみたいな夫は残念ながら存在しません。

そうすると一番助けてほしいのに全然助けてくれないわけですし、分かってほしいのに分かってもらえないわけですから、怒りも不信感も猛烈な勢いで膨れ上がってしまいます。

それで一方的に彼をサンドバッグにしかできなくなってしまいます。
心の中で何回くらい夫氏を呪い〇しましたか?笑

だから、少しでも自分がひとりになって、好きなことができたり、好きなだけ休める時間を作って、自分の心と体を回復させることを選択していただきたいのです。

中にはプライドが高すぎてそれができない方もいらっしゃるんですけど、そうするとどんどん首を絞めることになるので、「使えるものはなんでも使う」をモットーにしてください。

夫のことを嫌いにならないようにするための一歩だと思ってくださいね。

そうすると少し気持ちは収まるんですけど、相変わらず怒りや不信感は残ります。

なのでここからは話し合い、コミュニケーションなんですが、そこはMさんのストレス度合いと夫氏の「器」との兼ね合いの問題です。

Mさんも余裕ないですけど、彼も彼で余裕がないのだとしたら、話し合いはすぐに喧嘩になってしまいます。お互いに感情をぶつけるだけの。

そしたら一層嫌いになってしまうわけで、「それなら離婚してひとりでやっていく!」とか啖呵を切っちゃう武闘派女子も大量にいるものです。

そうなると、今度は「ガス抜きできる相手」が必要になってきます。

夫氏にすべてを背負わせないために、です。

※最初の「時間を作る」提案は、自分ひとりで全部を背負わないための方法です。

おしゃべりができるママ友、友達、家族、カウンセラー等々。

ある方にお勧めしてうまくいった方法があります。

「夫に対して話したいことがあったら、まず、妹 or 友達にそのことを話し、気持ちが少し楽になったら夫に話す」というやり方です。
(その方は既婚、子なしの妹さんと仲が良く、昔からの友達も子育てをしているので、話し相手として最適でした。)

夫氏のタイプにもよりますが、基本的に感情が苦手な夫氏は多いものです。
ほんとは気持ちを聴いてほしいんですけどね。

だから、その部分はアウトソーシングした上で、「どうしても聞いてほしいこと、伝えたいこと」を箇条書きにするイメージで、夫氏に伝えます。

その通りにしてくれるかどうかは分からないのですが、喧嘩は避けられるし、夫氏もどうしたらいいのかを考える時間が生まれます。

あとは第三者の介入でして、それを拒む夫も少なくないんですけど、「その夫が話を聞ける相手」を探します。

相手の親だったり、共通の友人だったり、職場の上司とかだったり。

これはほんと人間関係によるので、場合によってはよりこじれてしまうので、この手段は慎重さが必要です。

という風に、やはりワンオペで全部頑張るのは相当厳しいですし、不満や怒りや不信感も溜まれば溜まるほど収拾がつかなくなって「大爆発」になるものです。

だから、どうにかして「ママの一人時間」を作って頂き、友達や家族にガス抜きを手伝ってもらい、その上で、大本命の夫氏に向き合うのが安全なやり方になります。

なお、今のMさんの状況も掘り下げてみれば、ご自身の価値観や、かつての親子関係、そして、夫氏との関係性などに注目し、根っこから自分を変えていくやり方も存在します。

が、そこに向き合うにはやはり日常のストレスや不満を何とかしてからじゃないといけませんから、まずは気持ちのケアについてのお話を今日はさせていただきました。

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