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相手を「信頼」しているつもりが「期待」になっていたり、相手を「信頼して待つ」つもりで実際は「放置」とか「逃げて」いたり、なかなか自分では分かりにくいところがあるかもしれません。
ということで心理学講座的なお話を今日はお届けしたいと思います。
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いつも拝読しています。
少しずつ自分のことを理解できてゆき、お守りのように読ませていただいてます。
信頼すると放置するの違いは何でしょうか?
私は彼氏とギクシャクしたときに、彼の機嫌が戻るまで放っておこうと思います。
ほとぼりが冷めたら連絡が来るか、私から連絡しようと思ってます。
ですがある程度経って連絡すると、そのままフェードアウトされたり、「○○(私)の心のなかに俺はいない」「好きな人にする態度じゃない」と言われしまいます。(ちなみに私が相手のことを好きじゃないと言われフラれたことは他にもあります。)
前みたいな関係に戻りたいと思っていたので、そんなつもりじゃなかったのにと思ってしまいます。
男の人は一人の時間が大切だとよく聞きますし、時間を置けば彼も機嫌を立て直すだろうと考えてしたことなので、別れる結果になるのはとても悲しいです。
ただ私が、時間を置いても気持ちが戻りたいと思うほどのではなかったかもしれないのですが、私のほとぼりが冷めるまで放置するは信頼して放置するとは違うのかな?と思いました。
よく思い出してみると、彼と関係が悪くなってしまうと、嫌な気持ちを感じたくないので彼のことを考えないようにしていました。
めんどくさい、どうしていいかわからないと思ってしまっていました。
私から心の距離を作ってしまっていたのでしょうか?
相手には「お互いちゃんと向き合っていきたい」と言っていたのに情けないです…
これからの恋愛では心から繋がれる関係を作っていきたいのですが、私が心がけることはなんでしょうか?
正直、私の気持ちを違うふうに受け取られることが続いており、自信をなくしています。
もし拾えるところがあり、ネタとして扱っていただけたら嬉しいです。
(Yさん)
「信頼して待つ」のと「放置」。
「信頼」と「期待」。
けっこう似てるんですけどけっこう意味が違うものがよく比較されます。
>私は彼氏とギクシャクしたときに、彼の機嫌が戻るまで放っておこうと思います。
この戦略も確かに有効なシーンは多く、特にロックマン氏相手にはかなりよい方法として、昨日の個人セッションでも力説しておりました。笑
ただ、この「放っておく」というのが時に「無関心」だったり、「逃げ」だったりすることもあり、そうするとちょっと「信頼」とはズレてしまうものです。
なので、実は依存的な側面を持つ野良猫君タイプには「放置プレイ」はYさんが経験されてるように「俺には興味ないんでしょ?俺のことなんてどうでもいいんでしょ?」と拗ねられてしまうことも多々あるものです。
難しいですよねー。
そして、「放置」や「期待」や「逃げ」ではなく「信頼して待つ」をしていれば彼がご機嫌良く戻ってきてくれるなんて保障もありません。
>男の人は一人の時間が大切だとよく聞きますし、時間を置けば彼も機嫌を立て直すだろうと考えてしたことなので、別れる結果になるのはとても悲しいです。
確かに「一人の時間が大切」ということは間違いないですし、時間が経てば機嫌を直してくれることもあるでしょう。
なので「放置する時間」というのがけっこう大事なんですけど、そこをどう読むか?はなかなかプロでもうまくいかないものです。
そういうわけで放置プレイをする際も「返事のいらない連絡」とか「生存確認」などをSNSやメール等で行っておくことをお勧めしているわけです。
ケンカなどでちょっと距離を置くことにしても、その間に何も連絡がなかったら寂しくなっちゃう人は少なくなくて、自分からは連絡しないくせに相手から連絡がないとプンプンと怒っちゃう人もいます。これは男女関係なく。
だから、完全なる放置プレイというのは、相手が情熱系武闘派女子であればいい刺激になるかもしれませんが、メンタル弱めで中身は5歳児な野良猫男子&ロックマン氏にはちょっと過酷なのかもしれませぬ。
>よく思い出してみると、彼と関係が悪くなってしまうと、嫌な気持ちを感じたくないので彼のことを考えないようにしていました。
>めんどくさい、どうしていいかわからないと思ってしまっていました。
たぶん、これは誰にでもあることですし、ちゃんとそのことに気づいてるYさんは偉い!!と思うんですね。
でも、ここから言えるのは「彼のことも放置してるけど、自分の気持ちも放置してるんじゃない?」ということです。
なので「ほとぼりが冷めるまでの時間」というのは「自分のイヤな感情を感じなくなるまでの時間」なのかもしれません。
そして、彼がどうのこうのというよりも、自分のそのイヤな気持ちとか面倒な気持ちとかはちゃんと向き合っておいた方が良くて、そうじゃないと同じことを何度も繰り返すことになります。
感情ってちゃんと向き合ってあげないと解放されないので、見えなくなったとしても心の中に居続けるものです。
そして、似たようなシチュエーションになったときに再び浮上してきて、同じことを繰り返す結果になるのです。
なので、Yさんにとっては「自分の感情と向き合う」ということも一つ大事なことかなあ、と思います。
うちの読者さんならびにクライアントのみなさんはそういう場面ではおもむろに御恨み帳を取り出して、うりゃーーーっ!!と絶叫しながら死ね死ね団を結成されることが多く、彼女たちの怨念が日々、罪のないノートに書き写されていると聞きます。
★【保存版】御恨み帳(お恨み帳)の書き方~心の健康を維持するための素敵なノート~
そうして、少なくても自分の感情と向き合って、御恨みもちゃんと解消してあげることができると自分の気分がスッキリするだけでなく、なぜか不思議なことも起こるんです。
人間って目で見えないところでつながってるんだなあ、と思わされるできごとなのですが、御恨み帳を書いて気分がすっきりして、彼へのわだかまりもだいぶ解消された頃に彼から連絡が来る、そして、今まで通りふつうに付き合える、とか。
だから、彼を放置するのであれば、その間にがっつり自分の感情と向き合っておきたいですし、その喧嘩やわだかまりの原因をチェックして自分を見つめ直したりすることで、確実に自分も成長しますし、彼との関係もより良いものにしていけます。
だから、「彼とちゃんと向き合える関係を築きたい」と思うのであれば、まず自分自身の感情とちゃんと向き合っておくことが大事です。
特に自立系な男性は自分の感情と向き合うのが苦手ですぐに逃げたがります。
また、自立していればいるほど感情を抑圧しているので、自分の感情と向き合うことがなかなかできません。
だからそういうときは彼女の方が自分の感情とガンガン向き合って、彼をリードしてあげることが役立つわけです。
そういうわけで、Yさんの内面を掘り下げるべく自分の正直な気持ちをノートに書き綴ってみたり、カウンセラーに聞いてもらったりすることをお勧めしたいところです。
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さて、Yさんがそういう放置プレイを多用するタイプだとしますと、パートナーシップのバランスの法則により、彼はどっちかというと感情的になりやすくなるかもしれません。
それゆえ、余計にYさんのプレイによって彼が寂しさを感じ、拗ねてしまうことも予想されます。
となると、やはり自分の感情と向き合うことで、そんな彼を上手に転がせるようになると思うんですね。
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さて、「信頼」(信頼して待つ)と「放置」、「期待」「逃げ」の違いについて改めて解説しておこうと思います。
テキトーな図を掲げているわけですが、これをまとめますとこんな感じになります。
「信頼」・・自分にとって良い結果、悪い結果になろうともそれを受け入れる覚悟ができている状態。つまり、相手のことを丸ごと受け入れている状態。
「期待」・・自分にとって良い結果のみを望んでいる状態。つまり、相手を丸ごと受け入れているわけではない。
「放置」・・そのままの言葉だけを取れば「無関心」とも言える状態。
「逃げ」・・相手、または結果から目をそらしている状態。
つまり、「信頼」ってのは相手、もしくはその状況、結果のすべてを受け入れる覚悟ができている状態で、これは「自己肯定感」にも通じるものがありますね。(正確には「他者肯定感」というのかもしれませんが)
そして「信頼して待つ」というのは、相手の行動や相手が選択する結果がどのようなものであってもそれを丸ごと受け入れる覚悟で「待つ」ことを指しています。
どうしたって自分にとって良い結果を望む私たちにとってはたいへん難しいことと言えますねー。
一方、「期待」というのは、実は「欲求」の一つに分類されても良いもので、「自分にとって都合のよい部分」だけを“求める”状態になります。
だから「期待は裏切られる」という言葉も生まれるわけですね。
ほとぼりが冷めるまで放置するというのは、どちらかというと「逃げ」の姿勢に近く、かかわりを避ける、考えないようにする、見ないようにする、という状況です。
確かに時間と共に人の気持ちは変わりますが、「なかったことにする」ということは難しいし、むしろ、無関心な態度を取られた結果、相手の心象がさらに悪化する可能性もあるので、けっこうリスクがあるのですね。
ただ、この放置にしても逃げにしてもこれが「悪い」と決め付けるのは早計で、相手が冷静に話し合える状態になるまで、あるいは、自らの怒りを表現する手段の一つとして、さらには、その関係性、状況があまりに自分にとって負担である場合などはむしろお勧めすることが多いものです。
しかし、その際も「放置」あるいは「逃げる」ことによって、相手との関係性がこじれて、最悪、断絶になることも覚悟しなきゃいけません。
ということで、皆さんもある対象に対して自分が「信頼」なのか「期待」なのか「放置」なのか「逃げ」なのかを見つめ直してみると良いですし、さらには「自分自身」に対してはどうなのか?についても向き合ってみると良いかもしれません。
もしかすると「彼のことを信頼しているつもりだったけど、それは期待だったのか!」と愕然とするかもしれないし、「人のことを信頼できないのは、自分を信頼できないからなのか!」と発見があるかもしれませぬ。

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『「信頼」と「期待」の違い。』
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