旅をするといつも相手と喧嘩になるのはなぜ?~その裏に潜む親密感への怖れ問題~



旅は非日常な分だけリフレッシュできたり、刺激を受けたりすることができる一方、同伴者との心理的な距離が想定外に近づいてしまい、結果、ふだん我慢してることが噴き出して喧嘩に至ることがよくあるものです。(典型的なのが成田離婚ね)
ということで、やはり親密感に何か問題があるのかな?という見方をしていくことにしました。

根本先生

いつも素晴らしい心のお話をありがとうございます。
夫のモラハラと自身の不倫に悩み愛読させていただいております。
おかげさまで少しずつ自己肯定感が上がってきて、以前のように夫から攻撃されてもかわせるようになり、怒り奮闘することがほとんどなくなりました。
これは私の中ではものすごい成長で嬉しいです(^ ^)

不倫相手ロックマンに対しても会えない日々に悶々としていたのが、他人軸で相手に依存していた事に気付き、まぁ気が向いた時に会ってくれたらいっか、くらいの感じに落ち着きました。

そんな中、先日私の誕生日に夫が家族旅行をプレゼントしてくれました。
本来ならすごく喜ぶところなんですが、あまり乗り気になれませんでした。
というのも、結婚してから夫と旅行に行くと必ず大喧嘩になるんです。
いつものモラハラが酷くなる感じです。
今回のバースデー旅行は以前のような大喧嘩にはなりませんでしたが、やはり後半は不穏な空気が漂っていました。
家に帰ると、やはり反省会のような(笑)私の態度が悪かったなどと文句の嵐でした。

どうしていつもこうなるのかと考えていましたが、よくよく考えると、私は昔から友人と旅行したり、部活の合宿などでも、だんだん一緒にいる相手にイライラしてくる自分を思い出しました。
いつも旅行で喧嘩になるのは夫のせいではなく、私の心の問題かも、と思い始めています。

ですが、なぜそうなるのかさっぱり分かりません。
いったいどうすれば、今後楽しく家族旅行が出来るのでしょうか?
自分が原因で喧嘩して子供たちや夫の楽しみを奪ってしまっていたのかと思うと申し訳なさでいっぱいです。

ネタとして取り上げて頂けると飛び跳ねて喜びます(^ ^)
どうかご指導ください。
(Mさん)

お!めちゃくちゃ変化してますねー。すばらしいですー!!
その成長を実感できていることもすばらしいですし、自信になりますねー。

とはいえ、ひとつ問題がクリアになると再び「そういえばあれが気になる」と新たな問題に気づくのは成長意欲旺盛な情熱系武闘派女子にはよくあることで、「これで、あたし、また成長しちゃう(はあと)」とニヤニヤしておかれるのが良いかと思います。

どうしたって「不倫」と「ロックマン」がセットになれば「彼軸」になってぶるんぶるん振り回されるのが常でして、そこで地に足着けて「自分軸」になれたらけっこう最強の部類に入るんじゃね?という気もします。

で、「旅行にいくと、なんかイライラすんのよねー」という話なのですが、これは意外とあるあるなんじゃねーか?と思いまして、しかも、けっこう深い話につながりそうなんでネタにさせていただきました。
「家族旅行がなんで楽しめないのか?」だけに収まらないと思うんで。

家族とは言え、誰かと旅に出ると実はいろいろなストレスが溜まります。
非日常空間に身を置いて気分転換になったり、ふだん見聞きしないものに出会って刺激を受けたり、上げ膳据え膳に家事なども楽できたりするメリットも大きい一方で、ふだんとは違う空間、勝手の分からない設え、人との出会いによるストレス、知らない場所に出会うストレスが生じるんですね。

しかも、旅の仕方によっては行動も制限されたりしますね。
あまり興味がない場所に一緒に行かなきゃいけないなど相手に合わせる機会が増えたり、長時間、車や電車や飛行機に閉じ込められたり、食事の時間やタイミングを周りに合わせなきゃいけなかったり、

例えば、根本家な人々は旅好きなのですが、先日、久しぶりに家族で旅館に泊まったんですね。で、美味しい料理を朝晩いただいたのですが、私たちにとっては「明日の朝食は何時にしましょうか?」とか「昼間は外出されますか?お部屋の掃除は何時ごろお伺いしましょうか?」がもうストレスだったんです(笑)

思い返せば我々の旅は下の息子が大きくなってからは一棟貸しの宿を借りることが多く、朝ごはんも晩ごはんも気が向いたときだし、昼間はテキトーに宿で過ごしているので、そこに「何時にいたしましょうか?」なんて聞かれると思わぬストレスがかかってしまうのです。(自分でもびっくり!笑)

旅の仕方って人それぞれ楽しみ方があって、朝から晩まできっちり予定を立てて名所旧跡名店をめぐるのが好きな人もいれば、その場その場で予定を決めて行き当たりばったりに過ごすのが好きな人もいれば、ゆったりと旅情を楽しむべく宿でのんびり過ごすのが好みの人もいます。

当然、その好みによって宿のチョイスも「寝られればいい」というビジネスホテルから、部屋付き露天風呂がある2食付きの旅館から、ホテルライフを楽しめる広々としたお部屋のあるシティホテルから、様々な選択肢が生まれます。

で、仲の良い家族や友達と旅行すると言っても、実はその感性は人それぞれ違うものです。

それがたまさか一致すれば全然問題ないんですけど、その価値観が思い切りずれていると旅行に行く前からストレスを覚えてしまいます。

だから、三十路を越えた自立系な女子たちの中には「旅行は一人でするもの。人と一緒だと気疲れするから」と悟りを開いたものも多くいらっしゃるわけです。

そうした楽しみ方がMさんとほかの家族、友人では異なるのかもしれませんね。
それを無理やり周りに合わせてくると、旅行の後半にはストレスから不穏な空気を漂わせてしまうのかもしれません。

それは旦那さんも同じでしょうから、そこでふだんよりもモラハラ度がアップしてしまうのかもしれないですよねー。

「旅行は好きだけど、好きな旅の仕方が違うから喧嘩になる」と思って見るとよいかもしれません。

さて、ここまでは旅行の話なんですけど、ちょいと深掘りしてみると人によっては「えー、やだー。ここでもそれが出てくるの?」とうんざりするテーマが出てきます。

それは「親密感への怖れ」というか「親密感への抵抗」という奴ですね。

一緒に旅行をするとなるとたとえ1泊2日であっても、何なら日帰りであっても、非日常で一緒に過ごす時間は増えるものです。

家にいるときはそれぞれにテリトリーみたいなものがあって、「自分の席」「自分の本棚」「自分のクローゼット」のようなものがあり、そこが居場所であり、逃げ場になっています。

主婦の方などにとってはキッチンとドレッサーが我がテリトリーになっていて、旦那から不穏な空気を感じたときはキッチンに非難される方も多いんじゃないかと思います。(あとはひとりでゆっくりできるお風呂ですかね。子どもがいないか、大きい場合ですけど)

でも、旅にでると「自分のテリトリー」(いわゆる「縄張り」)がなくなります。
移動中も、観光中も、食事中も、就寝時も、いつもと違う環境の中で、ずっと一緒に過ごす時間が多くなると思います。

そうすると「心理的距離」は普段以上に近づいちゃうんですね。

家にいるときはモラハラ夫の様子を伺いながら、ヤバいと思えば安全地帯(=キッチン)に逃げ込めたり、あるいは、家事をするふりをしながらやりすごすというテクニックも使えますが、旅先ではそれは難しくなります。

となると、今までだったら交わせていた相手からの攻撃もまともに受けざるをえなくなってしまうわけですね。

それはお互い様だし、モラハラ夫が相手じゃなくても同じことが起こります。

これが絶賛ロマンス中のカップルならば大いに関係性を深め、絆を築くのに旅は有効なんですけど、それなりの期間過ごしてきてロマンス期をとっくに抜け出しちゃった方々にとっては「ついうっかり普段以上に親密な距離になっちゃった」ことが喧嘩の元になるわけです。

ここでおさらいにもなりますが、日常生活だと「お互いに心地よい距離」(言い換えれば「お互いに刺激しあわない距離」)を保つことがある程度できています。

ところが、何かの拍子に心理的な距離が縮まると、それだけ相手を近く感じますから、そこでふだん抑え込んでいた感情が噴き出しやすくなります。

距離が近づいた分だけ、ふだんなら気にせずにいられたことが気になったり、ふだんなら我慢してやり過ごせることが我慢できなくなったりしてしまうんですね。

これは「旅」というきっかけによって表面化しただけで、本質的にはふだんからMさんの心の中にはいろいろと溜め込んでいるものがあるのかもしれません。

そして、さらにMさんの場合には「モラハラ夫」だったり「ロックマンな不倫相手」というアイテムをお持ちなわけですから、カウンセラーとしては「そりゃあ、親密な距離にいったい何があるのじゃ?」と興味津々になってしまうものです。

モラハラは相手の問題も大きいですが、それを引き寄せてるのが自分だとすると、自分の内側にそれ相応の自己攻撃があるとみなします。

つまり、表面化してないところで相当厳しく自分を攻撃してませんか?という視点が成り立ちます。

そして、救いを外に求めて出会った相手が「親密感への怖れの本家」と称されるロックマンなんですよね。(不倫に走ること自体が親密感への怖れの表れでもあります)

モラハラ夫もロックマン彼氏も意識上は望んでいるものではありませんから、気が付けばそうなっちゃったってことで仕方のないことなのですが、それを心理的に掘り下げればそこに「親密感への怖れ」という自分自身の問題が眠っているのかもしれません。

※なので、こうした問題は「彼らが私の心の中にそういう問題があることを気付かせてくれた!」という風に解釈します。

となると、ここから先はなかなかディープなエリアになっていきます。

家族とはどんな関係だったの?
親はどんな人?
きょうだいとはどんな関係?
過去にはどんな恋愛をしてきたの?
セクシャリティの問題って感じたことある?
罪悪感に何か心当たりある?
ほんとうのMさんってどんな人なんだろう?

そんなお話をお聞きしたくなるわけですね。

そして、きっとその問題をクリアしていくことが次なる成長に結びつくと同時に、より自分らしく幸せな人生を創造していくことになるんですね。

まあ、この辺の話になっちゃうと個人セッションへどうぞ~♪みたいになっちゃうんですけど、自分なりにそのあたりを振り返ってみるだけでも変化があるかもしれません。

いやあ、ひとりでやるのはなかなか大変っす!とか、一人ではなかなか乗り越えられませんわー!と思ったらそんなセッションの利用も考えてみてくださいな。

ということで、旅行先でイライラするのを避けようと思えば、自分や家族それぞれが快適な旅ってどんなスタイルなんだろう?と考えて、その通りにしてみればよいのですが、それが親密感への抵抗から来るものであれば、ずいずいと心の中に踏み込んでみたほうがいい結果になりますよ!という話でしたー。


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非日常である旅先でカップルが喧嘩しやすいわけ。
 


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