「他人軸」と「サレンダー」の違い


誰かに任せることと、誰かに依存すること(他人軸)の違いは意外と見分けがつかなくなり、自立している人にとっては葛藤の原因になるものです。
しかし、そこに自己肯定感を注入し、自分軸に移行していくと、できないことは人に任せる、というサレンダーができるようになります。
依存はすべてを相手にやらせようとする姿勢ですから、そこは全然違うのです。

根本先生こんにちは!
新刊発売おめでとうございます。
沸騰キーワードである「自分軸・他人軸」について質問させて下さい。
以前「依存とサレンダーの違いについて」の記事があり何度も読ませていただいております。

それでまた重複することになりそうですが…今度は「他人軸」と「サレンダー」の違いについて、ご教授願えませんでしょうか…?

自分の中でまだサレンダーを消化出来てないのですが、そこに「他人軸」というキラーキーワードが颯爽と登場しまして知恵熱な今日この頃です。

長いこと、私の中に二つのスタンスがあります。
それは自立的(自分軸??)なスタンスとサレンダーか依存か曖昧な(他人軸??)なスタンスです。

元来はとても拘りが強く何でも把握しておきたいタチなので(根本先生風に言えば職人?)自立的な性格だと思います。
でも、完璧主義ゆえにそれがきちんと長期間保つことが出来ずに、崩れやすく、やがて拘りを手放すことを覚えました。
そしてまた手放すほど人生が好転したという成功体験があります。

でも、完璧主義で職人気質の自分もウソではなしいし、だからといってサレンダーの持つ癒しや繋がりの大きな力は人生を通して実感済みです。

他人軸とサレンダーの違い、そして完璧主義な職人タイプがサレンダー精度を上げていくヒントを頂けませんでしょうか?
(Hさん)

ありがとうございますっ!
ちなみにHさんがこのリクエストをくださったのは3月下旬ですので、ここでいう新刊はまた今度出るライフワーク本とは別なのですが、タイミングはぴったりですねっ!(笑)

さて、ものすごくいいテーマを頂きました。
あざーっす!って感じです(笑)

ちなみにHさんが文中で書いてくださってるのはこちらの記事です。

「依存」と「サレンダー」(頼る、任せる)の違いとは?
https://nemotohiroyuki.jp/everyday-psychology/16250

>そしてまた手放すほど人生が好転したという成功体験があります。

お!!素晴らしい!!まさにそうなんですよね。
大人になると「手放す」方がうまく行くことがほんとうによくあります。

「手放すほど好転する」

自立系の皆さんはぜひ額縁に入れて飾って欲しい文言です。(私も含め、です(笑))

>でも、完璧主義で職人気質の自分もウソではなしいし、だからといってサレンダーの持つ癒しや繋がりの大きな力は人生を通して実感済みです。

私も似たところがあるので分かりますが、そうするとHさん、けっこう葛藤が生まれませんか?ここは手放すべきか?それともこだわるべきか?みたいな。
(あ、そういえば私もHさんです(笑))

私が学んできた心理学では人や関係性の成長プロセスは「依存→自立→相互依存」という段階を踏みます。相互依存というのはwin-winの関係のことです。

そこに「他人軸」と「自分軸」というのがどうハマるか?というと、「依存~自立」が「他人軸」、「相互依存」が「自分軸」という感じです。

ちなみにこの話はオンラインスクール2018/04/23号「依存・自立・相互依存という成長プロセスと、自分軸・他人軸の関係について。」にて詳しくご紹介しています。

http://www.mag2.com/archives/0001677732/

また、こちらの本の71ページから説明しています。
「敏感すぎるあなたが人付き合いで疲れない方法」(フォレスト出版)

そして「サレンダー(委ねる、任せる、信頼する)」というのは、自立を手放して相互依存(win-win)の関係に移行するときの方法ですから、たいへん「自分軸」な在り方なのです。

だから、Hさんが感じられるように「自立」の人が「これは他人軸なのか?サレンダーなのか?」と迷われるのはある意味、自然なことかもしれません。
どちらも目の前にあるものですから。

他人軸というのは一言で言えば主語が他人になっている状態を言います。

「私が」ではなく、「親が」「彼が」「会社が」「お金が」という主語が蔓延しているのです。

他人軸が辛いのは、人生の主人公を他人に預けてしまっているので、自分に選択権がなく、相手に振り回されるからです。

バラエティ番組でも時々ありますが、いきなり目隠しされて、どこに連れていかれるのかも分からないまま車に乗せられるようなものです。
怖いでしょ?不安でしょ?「え?何々?どうなるの?」って思うでしょう?

だから、他人軸から自分軸への移行は自分の人生を生きる上でとても大切な方法なのです。

サレンダーというのは「相手を信頼して任せること」で、主語は当然「私が」で、自分軸です。

究極のサレンダーというのは「自分ができることはすべてやった。だから、ここから先は誰かに任せる他ない」という状態で、これが完璧主義な人や職人気質な人にとっては葛藤を生む原因となります。

完璧主義な人は「全部を完璧にしたい。全部自分でしたい」という思いがありますから、それを誰かに委ねることには強い抵抗を感じるのです。

しかし、ここで改めて「完璧主義」について目を向けてみましょう。

完璧主義というのは思春期くらいから強くなってくる思いで、自分を成長させてくれる力もある一方で、自分を追い込み過ぎてしまうことも少なくないものです。

完璧主義の背景には様々な怖れが隠れています。
「完璧でないと愛されない」
「完璧でないと成功しない」
「完璧でないと否定される」
「完璧でないとうまくいかない」

すなわち、完璧主義というのは他人軸なんですね。

「完璧でない自分」を許せないので、何でもかんでも抱え込んでいっぱいいっぱいになってしまいます。
Hさんの文章にもそのことが描かれていますね。

完璧主義には「自己肯定」がやはりとてもよく効くお薬です。

「自分が素晴らしい存在であること。
 完璧でなくとも愛される価値があること。
 今の自分にできることがたくさんあり、それはとても価値があること。
 できないことがあっても大丈夫なこと。」

自己肯定感はそういう思いを抱かせてくれます。

そうして自己肯定をしていくと、自分にできることとできないことが分かるようになります。
さらには、「自分がしたいこと・できること/したくないこと・できないこと・しなきゃいけないと思っていること」の区別も付くようになってきます。

これが「自分軸」ですね。

そうして、自分が「したくない・できない・しなきゃいけないこと」を誰かに任せたり、委ねていくことを「サレンダー」と言います。

もちろん、サレンダーする場面にはいっぱいいっぱいになって自立が行き詰まり、もうこれ以上は無理だ!助けて!という状態になってなされることも多いですね。

完璧主義や自立を手放すことはとても怖いことです。
その陰に依存があり、自己否定があるから、しがみついてしまうこともよくあるでしょう。

だからこそ、自己肯定感をあげることが重要なんです。

自分はそのままで素晴らしい、ということを知ること。

Hさんにも多くの価値や魅力があると思います。
職人気質ということは仕事などでの実績も積み上げられているかもしれません。

そうした自分の素晴らしさを正当に評価してあげることがとても大事なんです。

完璧主義は常に完璧さを求めますから、必然的に自分のダメなところばかりが目につきます。
しかし、今はそれでいいんです。
それに気付いたときに「おっと、またダメなところを見ていた。よっしゃ、いいところを見てあげよう」と意識を変えてみてください。

あるいは、「おっと、またまた自分を否定していた。完璧主義ちゃんだなあ、私って。そんな私もまた素晴らしいんだぜ!」って宣言してみてください。

完璧主義な人は完璧主義を完璧に手放そうとするんですね(笑)

だから、そうして、意識を変えていくことがほんとうに大切なことなのです。

完璧主義な職人はそれだけ素晴らしいものを生み出しますが、自分に意識を向けてばかりいる依存時代には望む成果物も生み出せないことが多いのです。

「一皮剥ける」

という表現がありますよね?(注:これは下ネタではありません。)

Hさんもそうなりたいと思うこと、ありませんか?

完璧主義な職人さんは、自分軸になって自分が創りたいもの、与えたいものが明確になればなるほど、誰かの手を借りざるを得なくなっていきます。

そうして、誰かに任せることでより素晴らしいものを創造していくのです。

カギは自己肯定感です。
そうしてますますHさんらしい世界を創造していきましょうね。

そんな皆さんにお勧めの本。

「つい「他人軸」になるあなたが7日間で自分らしい生き方を見つける方法」(あさ出版)

そして、自立を手放し、本当の自分の戻る2日間。

7/7,8 札幌リトリートセミナー
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/24249


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