エゴの声とは何か?真実の声とは何か?



今回も真面目に心理学講座をしてみました!笑
エゴの声というのは傷ついたマインドが生み出す、自分を幸せにしないための罠。
だから、自分を癒してあげるとそのエゴの声は小さくなっていきます。

根本先生

こんにちは。
いつも先生のブログを読んで、くすりと笑いながら自分を大切にすること、本当の幸せってこんな、ということを学ばせていただいています。

質問:
エゴも自分の気持ちのひとつではないですか?
だとすると、大切に、でもどうするべき感情ですか?

今まで自分の感情を無視して頑張り続けて恋愛し、体調を壊して数年、根本先生のブログやセミナーでようやく反省できてきて、自分をまず愛してあげられるよう、方向転換真っ最中です。
感情をそのまま感じ、辛い、嫌だ、我慢したくないなどの気持ちをちゃんと感じてそれを大切に物事の判断をするように気をつけています。まだまだつい我慢したり気持ちそっちのけで人の話を聞いちゃいますが…

現在、別れたばかりのモラハラ彼に対し、私は彼との関係が苦しく自分の幸せではないと分かり、多くの執着を手放そうとしつつ、一方でまだまだ別れるのが辛い、よりを戻せないかという望みを抱いている自分の気持ちも感じます。
これも自分の正直な気持ちでしょうし、彼と離れたくないのも正直な感情なのだとは思います。

以前先生のブログで、エゴの声が聞こえてきます、という文章を見ました。離れなければ寂しくないじゃん、みたいな声をエゴと書かれていました。癒着のお話だったと思います。

もしや、私の復縁を望む気持ちは、エゴというものですか?
自分の気持ちを大切に行動し、イコール今の自分を認めてあげることがまずは大切と思いますが、相反する気持ちが存在してて、本当はどうするのが自分を大切にすることなのか、マジメに分からなくなります。
なぜなら、自分の感情とは、もともと自分を守るために生まれるものばかりですよね?
エゴだとすると、それは一体どう向き合うべき感情なのですか?エゴの正体はなんなのでしょうか?

まだまだ分かってないことばかりです。
でも以前より自分の気持ちに向き合えているせいなのか、妙な辛さ、胸苦しさで体調を崩したりせず過ごすことがてきていて、辛い状況なのに不思議な感覚です。
そして、大人になってからほとんど泣くことなく過ごしてきたのに、20数年振りにたくさん泣いてるのも、泣きながらびっくりです。

まだ根本先生のとこの一年生なんですが、セミナーとブログのおかげです。
心からのお礼と、これからもどうぞよろしくお願いいたします!
(Sさん)

「エゴ」という言葉は心理系のブログではよく耳にするものですね。
「自我」と訳されたり、「我」という言葉で表現されることもあります。

「エゴの声」というのは「本心ではないまやかしの思い」という風に解釈され、その声に惑わされると本音と違う方向に物事が進んでしまいますよ、という警告として使われます。

「天使の声と悪魔の声」というイラストや漫画、見たことないですか?

天使:「今日は晩ご飯たくさん食べたからもう甘いものはやめた方がいいよ」
悪魔:「でも、ちょっと口寂しいし、ちょっと甘いものが欲しい気分」
天使:「あ、ダメだよ!そんなことしたらまた太るし、明日後悔するよ!」
悪魔:「今を楽しみたいの!いいの!甘いもの食べるの!」
天使:「えーっ!!ほんとにいいの?知らないよ!」
悪魔:「いいもーん!だって今週も頑張ったんだもーん!!」

というやり取り。
ちなみに昨晩、この葛藤を体験した方は推定2000万人ほどいると言われています(当社調べ)(笑)

この場合、悪魔の声が「エゴ」という風に一般的には捉われます。
とはいえ、天使の声が「本心」かというと、必ずしもそうではないのですが。

自分を良くない方向に引っ張ろうとする悪い存在としてエゴは語られます。
それはより自分が傷つく方向に、より自分が惨めになる方向に、より自分が罪悪感を抱える方向に誘導するのがエゴの声という風に。

また、「エゴの声は大きく、真実の声は小さい」とも言われます。
真実の声というのは心の奥の方から聞こえてくる自分の幸せを願っている存在から発せられるものです。
エゴの声は「欲求」として出てくることが多いので、とても大きいんです。

さて、このエゴの正体というのは何か?というと、あなたの中の傷ついた心です。
それは、あなたの中の「誰からも愛されない私」「見捨てられた孤児のようなマインド」「罪を背負った少年・少女」「膝を丸めてぽつんと蹲っている私」のようなもの。

たとえば、ひどい失恋をしたとします。
大好きだった彼が「もう好きじゃなくなった。他に好きな人ができたし」とあなたの前から去っていきます。
大好きだった分、傷も深いです。
毎日泣いて暮らしました。

でも、そこは武闘派。
しばらくすると「こうはしておれん!」と立ち上がり、再び、次の戦場に向かいます。
もちろん、武闘派である証拠に仕事は一日たりとも休まず、また、仕事中はいつものようにビシビシと仕事をこなしています。
一人泣くのは家に帰ってから。

そうすると、次の恋をしたい、また新たな出会いが欲しい、と狩りに出かけるのですが、その元カレとの別れによって傷ついた心、すなわちエゴはこう囁くんです。

「どうせまた傷つくで」
「そんな男なんて信用したってあかんて」
「あんたは都合のいい女にすぎひんて」
「また次の男もあんたを捨てるに決まってるで」
「自分が幸せになれると思ってるん?能天気な奴やな」
「鏡、見てみ。そんな男が寄ってくるような顔してへんやろ」

そうすると、そのエゴの声に惑わされてせっかく新たな獲物を見つけようと見に着けた武器の数々もみすぼらしく見えて来て、「確かにそうやな」と家に引きこもろうとしてしまいます。

その時、真実の声はあなたを励ましているにも関わらず。

「あなたは本当は優しい子。だから大丈夫」
「あなたももう幸せになっていいのよ」
「あなたってすごく魅力的で素敵な女子なんだから大丈夫」
「きっと次の狩りはいい獲物を掴められるわ」
「いっぱい勉強して、上手な獲物の捕まえ方学んだでしょ?」
「いざとなれば助けてくれる友達だっているんだから安心して」

そんな真実の声(天使の声)は小さく、優しい声なので、無視されてしまうのです。

何よりエゴの声の方が的を得ているように感じます。
なぜかというと「自分を責めてるモード」すなわち、まだまだ傷ついているからです。

要するにエゴの声というのは、傷ついた心がこれ以上傷つかないようにあなたを警告する声であり、また、その傷から生まれた自己否定的な感情があなたをより惨めにする方向に誘う声なのです。

だから、そこに惑わされるとより自分が幸せにならない方向に進んでしまうんです。

とはいえ、これがエゴの声なのかを見極めるのは非常に難しいです。
上の「武闘派女子の失恋話」は分かりやすいのですが、現実はそんなシンプルではないでしょう。
もっと複雑な感情が蠢いているはずです。

心の声に耳を傾ける、とよく言いますが、それは自分を幸せに誘う心の声(ハイアーマインド、ハイアーセルフとか言います。)に耳を傾けることなのですが、それがまた難しいんです。

時にエゴはこんな語り掛けもするんです。

「な、今日はほんとに頑張った。今週も忙しかっただろ?だから、ほんのちょっとチョコレートでも食べて、ホッとして、それで眠ったら気分がいいだろう?」

なんて誘惑してくるわけです。しかも、優しい声で。

「その考え(思い)はあなたを幸せにしますか?」という問いかけをよくするんですね。

感情に惑わされず、一歩引いて、その思いが自分を幸せにするものかどうかを見極めるのです。・・・が、それもまた難しい(笑)

だから、これはエゴの声なのか?ってことはあまり気にしない方がいいと思っています。
「自分がしたいようにしたらええやん」といつも言ってるのは、そういう背景も踏まえてのことです。

エゴの声だろうが、真実の声だろうが、自分が良かれと思った方を、自分の意志で、選択して、行動したとするならば、そのプロセスなり、結果なりの責任を自分で取ることができます。

「あちゃー失敗だった~!」と思っても、それは単に学びなんです。

それに何が失敗か、成功かなんて誰にも分からないわけで。

だから、「今幸せを感じる方を選ぶ」として、エゴの声に結果的に飲み込まれて「チョコを1ダース食べちゃった」としても、それが幸せを感じる瞬間だった、という方が大切だと思います。
そして、その分、また頑張ってランニングしましょう!笑

エゴの声は自分を傷付けようとする声です。
だから、翌日「またチョコ食べちゃった!ダメなのに!」と思うこともまたエゴの声と言えます。

このブログでいつもお伝えしてるのは「自分を責める必要なんてない。どんなことがあっても自分を肯定してあげることが大切」ということなのですが、エゴの声に惑わされて失敗したとしても、

「それが人間だもの」

で片づけちゃいましょう。カウンセリングなどでも、そういう話をお聞きすると、

「ああ、よかったですね。これであなたも地球人ってことですね」

なんて話をしてお客さんを引かせてしまうわけですけど。

だから、Sさんの

>もしや、私の復縁を望む気持ちは、エゴというものですか?

というのは、私には分かりません(笑)
そして、どっちでもいいじゃないですかね?と思います。

復縁を望むのであれば、復縁ができるように戦略本部を設定し、さまざまな武器を仕入れ、そして、次なる戦闘に備えればいいと思います。
そこに必ず成長があります。

>自分の気持ちを大切に行動し、イコール今の自分を認めてあげることがまずは大切と思いますが、相反する気持ちが存在してて、本当はどうするのが自分を大切にすることなのか、マジメに分からなくなります。

相反する気持ちが生まれて迷う時は、

1.気分のいい方を選ぶ
2.そのまま気持ちを見守って、相反する気持ちのどちらが残るかを見る

などがいいかと思います。

そして、自分を大切にすることは何だろう?って問いかけ続け、その答えに素直に従えばいいと思います。
間違えてもいいんですから。

>でも以前より自分の気持ちに向き合えているせいなのか、妙な辛さ、胸苦しさで体調を崩したりせず過ごすことがてきていて、辛い状況なのに不思議な感覚です。
>そして、大人になってからほとんど泣くことなく過ごしてきたのに、20数年振りにたくさん泣いてるのも、泣きながらびっくりです。

こういう風に自分の成長を感じられてるのが素晴らしいですよねー。
ほんと頑張りましたよね。
そうして、たくさん感情を流せるのもいいことです。

だいぶ、心に素直になれてきたんじゃないでしょうか?

それでいいんですよね。
これがエゴの声なのか真実の声なのかなんて見極められなくても、そこで葛藤しつつも、成長を実感して、自分を認めてあげる、肯定してあげることができれば、それでいいんです。

ちなみにリトリートセミナーや1DAYセミナーでは「エゴの声に惑わされず、幸せを選ぶ」というロールプレイのセッションをよくやっています。

自分は幸せを選びたい、と思っても、エゴの声を聴いてしまい、足止めを食らってしまうので、それを乗り越えて幸せを選ぶレッスンをします。

実は「エゴの声に従った方が楽」というマインドが人には存在してるんです。
それくらい幸せを選ぶことが、私たちは怖いのです。


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