自分が成長すると時には親友の存在もウザくなってしまうもの。



それだけ成長した私をまずは承認することが大事。
そして、自分の気持ちを優先して(自分軸)、その上で、どういう付き合い方をするかを創作していくのがベストだと思います。
その時々で付き合い方が変わるのは無理ないですよね!

ずっとずっと根本さんのブログ、コラムなどを読んで助けられてきた根本さん大好きな者です。
2年ほど前には、主人との関係に悩み、夫婦問題のセミナーなどいくつかに参加して、自分を見つめ、犠牲をやめたらダメダメで何もできなくなりましたが、その時期も自分を許し続け…なんだか私を取り巻く世界はゆったりしてきて、主人との関係もとても良くなりました。

今日の相談が主人の事でないのが自分でも不思議ですが、新しい段階の私は今、親友の事で悩んでいます。
幼馴染で、身内のように私を心配してくれてきた親友。
主人の浮気でパニックの時も、病気になった時も、私を支えてくれました。

でも、そんな緊急事態の時以外の普段は、私がいつも不安定で悲観的な彼女を励まし、アドバイスし、支えてきたように思います。彼女に寄り添い、一緒に苦しむ事が喜びでさえあったように思います。

でも…ゆるくなって行く過程で、そういう事一切が面倒くさくなり、その後、彼女への怒りで一杯になりました。
もう、犠牲はまっぴらだ、勝手に苦しんでくれ、巻き込まないでくれ…という思いに。
それでも、無理をせず自分を見守り、少し彼女と距離をとって過ごしていました。
そうしたら、たまに彼女と電話や会ったりした後、普段が穏やかになった分、ハッキリと心身のバランスがおかしくなると気付くようになってしまいました。
ひどいときはその後一週間以上も、自分に覚えのない不安定な感情に振り回され、苦しそうな彼女の顔がチラチラと頭に浮かび、思い余って主人に話すと、「生霊飛ばされてんじゃない?」と言われる始末。
彼女も私の変化に気づき、私の前でそんなに重い話はしなくなったのですが、それでも彼女の中からいつも苦しそうなものを感じてしまうんです。
先日、また久しぶりに彼女と話した時に、彼女の旦那さんが鬱になって辛い…と助けを求められました。
またぐるぐるしています。正直私は、もうその世界に行きたくない…。薄情でしょうか。
大事な友達にこう思ってしまうの…キツイです。
でも、もうウンザリ、と思っている自分もいます。
根本さんは常に重いものを背負った私どものエネルギーに被爆したりしませんか?
そうならないのがプロという物?
それとも私の人間がちっちぇーだけでしょうか。
どうかご教示下さいませ。
(Yさん)

確かに生霊飛ばされてるのかもしれませんねえ。特別な除霊が必要となりますので49万円(税別)の請求書を飛ばしてあげますねっ!笑

という冗談はさておきまして、Yさんのように成長意欲が旺盛な方は、ひとつの問題をクリアすると、早速次の問題を引っ張り出して来て「うーむ・・・」と悩みたがる傾向があるようです。
さすがです。
見事です。

ご主人の問題が緩やかになり、気分も穏やかになり、関係性が良くなってくると、それまでは気にならなかった別の問題が浮上してくることはよくあることです。
以前もブログで触れたことがあると思うのですが、

<以前>

夫との問題度:■■■■■■■■■■■■■■
親友の問題度:■■■■■■■
お金の問題度:■■■
両親の問題度:■■■

↓↓↓

<現在>

夫との問題度:■■■■
親友の問題度:■■■■■■■
お金の問題度:■■■
両親の問題度:■■■

てな感じですね。ほんとは旦那さんとの問題が軽くなれば、その他の問題も軽くなることが多いのですが、ここでは敢えて考慮しないことにします。

問題の認識ってのは相対的なもんでして、「なんでこんなに問題ばかり起こるのよ!!」と怒りを感じるのも無理ないのですが、実はよくよく思えば、前よりもずっと楽になってることって多いんです。

Yさんも思い出してみて欲しいんですけど、ご主人との関係で思い悩んでいた頃と比べると今の苦悩っていかほどなのでしょうか?

「旦那の問題に比べたら親友のことなんてそない深刻じゃない」って気付くかもしれないし、逆に「いやあー、ほんとうの問題はこっちだったのかもしれない!」って思うかもしれませんが、以前の自分と比較してみることは案外価値のあることだったりします。

だから、皆さんにお願いしたいのは以前の問題を克服して、また新たな問題が出てきたときには胸を張って、腰に手を当て、夕日に向かって、むほほほほほほほー!と笑いながら、

「わしも、成長したもんだのー。新たなステージに突入したってことじゃな。ぬほほほほほほーっ」

と雄たけびを上げて頂きたいのです。

はい。どうぞ!!

で、そういう目線で自分を見つめてみると、今回のことからまた様々な気づきを得ることができるんですね。

例えば、

「ああ、私はそうやっていつも人の悩みに付き合ってあげて来たなあ。優しい女子だなあ。バズーカをぶっ放すだけの私じゃないんだぞ!ちゃんと優しく、愛情のこもった母性的な付き合いだってしてきたんだぞ!」

とか

「昔から親友に対してだけでなく、身近な人にはちょっと距離を縮めすぎるところがあったかもなあー。その人の問題を背負い込んで楽にしてあげよう!ってなんて、ボランティア精神にあふれた武闘派女子なんだ!偉いぞ、私」

よく「今ある悩み(問題)はあなたの長所、価値、才能を教えてくれる」って言います。
私もそういう目でカウンセリングをするので、目の前のクライアントさんが目を点にする景色をよく見てきたわけですが、それだけ親友思い、人思いな私もいるんです。

だからこそ、今の状況に対して「薄情だ」と感じられるんです。

つまり、自分のことを薄情な奴と言えるくらい、愛情深い女性なのです。
知ってましたか?
その価値、受け取りましょうね!

で、さらに言えば、成長して自分が次のステージに入ると、以前のステージで仲良くしていた人がウザくなるのも無理ないことです。あるあるなんです。
これはほんとうによくあります。
ある種、寂しいことですが、住む世界が違う、と言えばそれまでなんです。

よく例え話に出しますが、ある社長さんは起業して死に物狂いで働いて3年が過ぎ、余裕が出て来たので、以前の会社で仲良くしていた同僚と久々に飲みに行ったんですね。
そしたら、同僚たちはネガティブな話題に終始し、その社長さんのことを羨み、彼としてはものすごく気分が凹んでしまったんです。

「オレが変わったのか、あいつらが変わったのか、その両方なのか。でも、ほんとショックでその夜は眠れなかったっす」なんて話をしてくれたのですが、人の成長段階においてはよくそういうこともあります。

だから、Yさんも自分の成長をちゃんと受け取る必要があるんです。
親友の彼女のことがウザくなるくらい、自分が成長しちまったんだな~って。

成長を受け入れることができれば、“前向きに”付き合い方を変えることができます。

「以前の私なら共感して、朝まで愚痴に付き合ってあげたけど、今の自分はそれができない女になっちゃったのよね~」ということを悪びれることなく受け入れることです。

だって世界が変わっちゃったんだもの。

そうして、自分の変化と成長を承認して自信にした上で、じゃあ、彼女とどう付き合うか?を考えて行けばいいんです。

人の成長はまったく同じタイミングで起きるものではないですから、そこにいて「彼女の成長を待つ」ということもできます。
パートナーシップでもよくこういうことが起きます。
そうすると離婚したくなることも多いのですが、そこで改めてパートナーの価値を見て、「成長を待つ」という選択もできるんですね。
子育てなんてある意味、その連続だと思いますしね~。

逆に、彼女との関係はここまでだな~、残念だけど縁を切ろう、ということも選択できます。
Yさんも書いてらっしゃるように、親友と言えるほど距離の近い人ですから、Yさんの変化を彼女も感じていらっしゃいます。だから、態度が変わってくるわけです。
そうすると、以前のYさんとは違う態度や雰囲気に、その親友自身もまた苦しんでたりするんです。
だから、縁を切ったり、距離を置いたりすることが、自分のわがままとか勝手ではなく、お互いにとって必要なことである可能性も高いんです。

そこでYさんが気付いたように以前と同じような関係性を続けようと思って「犠牲」するのは、お互いに苦しいだけですね。
ここは一旦、距離を置いてみよう、というのも勇気ある選択なのです。
それは気付きにくいですが、お互いのためになるものでもあります。

そして、また彼女も変化し、Yさん自身も成長していったときに、どこかで再会し、今までのような親しい関係に戻ることもあるんですよね。

だから“今は”距離を置く、ということもOKです。

さらには、「大人の付き合い」というとちょっと微妙な表現になってしまうのですが、自分の成長を受け取った時点で、「今できることをする」のもアリです。
自分が会いたいなあ、と思ったときに会って話を聴いてあげる、というものです。

これに関連するお話は「敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法」(あさ出版)の中でも触れています。
5日目の「自分のペースで人間関係を築く」という章の中に出てきます。
少し長くなりますが、引用してみましょう。

例えば、あなたが友達から「ちょっと相談したいことがあるんだけど、今日、時間あるかな?」という連絡をもらったとします。

他人軸で生きていると「最近の彼女は彼とのことで悩んでいたし、話くらい聞いてあげなきゃ」と思い、すぐに「うん。いいよ。じゃ、仕事が終わったらいつものカフェでお茶しよう」と返事をしてしまいます。

これが自分軸で生きられるようになると、まずは自分の気持ちをチェックできるようになります。

「話は聞いてあげたいけど、最近ちょっと忙しくて疲れてるんだよな。それにちょっと風邪気味で仕事が終わったらゆっくり自分を労わりたいんだよね」

このような心の声を聴くことができるようになるのです。相手の気持ちを考えてすぐに返事をしたくなる気持ちもわかりますが、まずは自分の心の声を聴くことから始めましょう。

すると、そこで「友達だから話を聞いてあげたい」という気持ちと「私もゆっくりしたい」という気持ちとで葛藤が生まれます。
ここでのポイントは、自分の心の声を軸にして、自分を優先する選択肢と相手を優先する選択肢の2つを頭の中で思い浮かべることです。

【選択肢A(自分優先)】
「友達の話を聞いてあげたいけれど、正直自分も今しんどい。だから、今日は断って、週末などの時間に余裕があるときに話を聞いてあげよう」

【選択肢B(相手優先)】
「自分も疲れているし、早く帰って寝たいけれど、大切な友達の力になりたいから、ここはひとつ頑張って話を聞いてあげることにしよう」

相手優先の選択肢Bでも「友達の力になりたい」という自分の心の声が軸になっています。このとき、「嫌われたくないから」とならないように注意しましょう。
自分を軸にした選択肢を二つもつことで、あとは自分の状態を見ながら自分の行動を選択すればいいのです。

自分軸で生きている人は、「自分優先」の選択をしたとしても、自分を責めません。
友達に「ごめんねー!」という思いをもちながらも、「私も今疲れてるから、そういう状態では友達の力になってあげられないもんね」と罪悪感にかられることもなくなりますし、さらに選択肢Aを見ればわかるように「代替案」を示すことができます。
無下に断るのではなく、「じゃあ、週末はどう?」という提案ができるのです。

以前の自分とは変わった、成長した、すげーなあ、私!!と自己承認ができ、そして、自分軸でモノを捉えられるようになると、親友のことを無下にすることなく、自分の気持ちを優先して行動ができるようになります。

「まずは自分の気持ちを大事にする。その上で親友との付き合い方を創作する」

そんなイメージで捉えてみてはいかがでしょうか?

以前助けてくれたことには感謝する!でも、だからって犠牲する必要はない!のです。

>根本さんは常に重いものを背負った私どものエネルギーに被爆したりしませんか?

ありますよ、普通に。根本さん、ものすごくいい人なんで(笑)
でも、まあ、言うても17年もこの仕事をしているので、そういう機会はあまり多くありませんし、なったとしても対処方法はあれこれ知ってます。

距離を必要以上に縮めすぎると被爆しやすくなります。
その距離感を適切に保つことが難しいのですが、その辺も訓練ですね。

で、その距離感というのは自分の気持ちに左右されるもので、「何とかしてあげたい」と思えば思うほど、相手の中に入り込み過ぎてしまうんです。

でも、それって悪いことじゃないよなあ、とも思うので、ま、しょうがないよね、なんて思うようにしてます。
そうすると、たとえ被曝しても意外と被害は小さいもんです。

私の場合はカウンセラーとクライアントの関係ですので、親友とかパートナーシップとはまた違います。

いい人ほど、相手の気を受け取ってしまうので、リトリートセミナーとか1DAYセミナーでは「不義理非人情」とか「鬼畜生道」みたいなお題目を掲げて「いい人を手放す」ってことにエネルギーを向けたりしてるんです。

ということで、文中で引用した本はこちらです。

>「敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法」(あさ出版)


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