完璧ではない自分のままで生きて行く。



欠点を直したり、誰かに合わせたりしても、案外うまく行かないことが多いんです。
それでもっと頑張ったり、自分を否定したりするんだけど、やっぱり辛いだけではないでしょうか。
自分を知り、自分に合った人生を創造する、という意識がとても役立つと思います。

グループカウンセリングやコンプレックスの心理学講座を通じて気付いたことでもありますが、「完璧ではない自分を受け入れ、生きて行く」というテーマがとても大切に思えます。

私たちはつい問題探し、をしてしまいます。
特に何かがうまく行かないとき。

恋がうまく行かないとき、私の何がいけないんだろう?って考えるでしょう?
旦那との関係が行き詰っているとき、私のどこが悪いんだろう?何を変えたらいいんだろう?って思うでしょう?
仕事で思うような成果が出せないとき、自分の実力のなさを責めたり、もっと頑張らなきゃ、と思ったりするでしょう?

それを悪いことだとは思いません。
向上心と捉えることもできるからです。

でも、そのいけないところを見つけて直そうとしたり、自分を責めたり、頑張ったり、何かを変えようとしたりしなくてもいいと思うのです。

完璧主義、という罠があります。

完璧でなければ愛されない。
愛されるためには完璧でなければならない。

私自身もついハマってしまうこの罠ですが、実は私たちは完璧になることなどできない、と知ることも大切なことだと思っています。

「欠点は直さない方がいい」という話もよくします。
欠点は誰かの役に立つものだし、それによって人とのつながりができるし、また、欠点は自分自身や周りの人の気分によってそう判断されるものだし、そもそも直せるものなのか?というとそこも微妙なところだからです。

こういうお話を最近、よくしています。

女性の皆さんなら特に思春期に自分の髪質に悩んだ経験がある方も多いんじゃないでしょうか。
ウェーブがかかっていたり、髪が太かったり、逆に細かったりして、綺麗にセットができなかったり、くせ毛が邪魔して朝起きたときは頭が爆発していたり。

それで長年かけて自分の髪質と付き合っていく上で、自分に合う髪型やセットの仕方を学んでいくと思うんです。

くせ毛をうまく纏める方法を研究したり、太い毛を魅力的に見せる髪型を美容師さんと相談したりしながらね。

でも、その髪質そのものを変えようとしたことってありますか?
変えたいと思ったとしても、それは生まれ持ったものだから仕方ない、とある意味諦め、開き直り、その髪質とうまく付き合っていく方法を考えるようになりませんでしたか?

「ああ、この髪、めんどくさい!」とか言いながらもドライヤーで丹念にセットするでしょう?

これ、自分自身の付き合い方と同じだと思うんです。

自分の性格や癖、考え方、価値観、感じ方、感性。
どれも自分の思い通りになるものではないのかもしれません。

時にはメリットに働くことがあっても、ある時は「生きにくさ」を感じることもありますよね。

例えば、自分は頑固で、わがままだ、という性格があるとすれば、分かっていても相手の意見を受け入れられず人と衝突することもあるでしょう。
そして、ついつい自分の思いをぶつけてしまい、相手を振り回してしまうこともあるかもしれません。

それによって恋が終わってしまったり、友人が去ったり、仕事上のトラブルに発展してしまったり、旦那を追いつめたりしてしまうこともあるでしょう。

その時、私たちは自分を呪うわけです。自分をすごく否定し、嫌うわけです。
そして、その頑固さやわがままさを直そうとするでしょう。
そんな性格だと恋も仕事もうまく行かないし、生きにくいだけだから、と。

でも、それはくせ毛でなかなか思うとおりにセットさせてくれない髪と同じなのかもしれません。
ストレートパーマをかけて一時的に補修することはできても、また新しい髪が生えてくれば同じことが繰り返されます。

だとするならば、その頑固でわがままな私を「知り」、それを直すことなく「生かす」ことや、それを「理解」したうえでうまく「対応」することを学ぶ方が得策ではないのかな?と私は思うんです。

「私ね、こう見えてけっこう頑固でわがままなところがあるんです。それでちょっと融通が利かなくて迷惑をかけることがあるかもしれないけれど、ごめんなさいね」

「私さ、頑固だからさ、なかなかあなたの言う言葉を受け入れられず、否定したり、はねつけたりすることがあるんだけど、後から考え直したり、時間をかけて理解して行こうと思っているから、気長に付き合ってね」

そういう意識でいた方が、よりクリエイティブかつ自由な生き方ができると思うんです。

完璧主義なのはあなただけではありません。
問題探しが得意なのはあなただけではありません。

あなたの周りの人も同じなんです。

だから、あなたの周りの人はあなたの完璧でないところを見つけ、あなたの問題だと決め付け、そして、「それを直しなさい」と言うかもしれません。
そして、それが「躾」や「教育」という名の下で行われているかもしれません。

しかし、その人もまた、自分が完璧でないところを呪い、問題探しに躍起になっているからこそ、そういう態度をあなたに対して取ってしまうのです。

だから、人から「ここを直した方がいい」と忠告を受けたとしても、それはその人のあなたへの愛だとして受け取るだけで十分なんです。
あなたのことを思って言ってくれてるんだから、そこに愛があるんですね。

でも、その通りにしないとその人から嫌われるようになる、なんて考えなくてもいいのです。

思春期以来、あなたが長年かけて自分の髪質を理解し、受け入れ、それに合ったセットやカットの方法を模索してきたように、あなたの性格や価値観を理解し、受け入れ、それに合った生き方を模索する方が理にかなっていると思いませんか?

しかも、あなたの性格との付き合いはきっと髪型と格闘するよりもずっと長い歴史があるはず。
だから、あなたは本当は自分自身のことを良く知っているのかもしれません。

ただ、それを直さずに生かす、ということをやってこなかったり、それを直さずにうまく生きることを創造してこなかった分、苦手に思うだけなのです。

頑固でわがままな性格だとすれば、それをどうしたら生かせるのか?長所に変えられるのか?を創造することがおすすめなんです。

私ならそういう方に「あなたはほんと職人気質だから、自分のこだわりを活かす生き方をした方がいいだろうね。」と言うでしょうし、また、「組織の中では生きにくいでしょう?だから、ある程度責任を与えられたうえで自由に動ける職種の方がいいよね」と提案するでしょう。

完璧主義というのは、自分が定めた型に自分自身をはめ込もうとする苦しい生き方を強制します。
完璧でない自分を許す、というのは、自分に合った服を着て、自分に合った髪型にすることを意味します。

最近、私はファッションコンサルなるものを受けたんですね。
で、今、絶賛スーツを新調中です。

その時、カラー診断というのを受けるんですけど、どうやら私は青系は似合うけれど、茶系、黄色系はあまり似合わないそうなんです。

だったら、青系の服を着ればいいし、黄色でも青が少し入った色合いなら大丈夫らしいので、その色を選べばいいんですね。

「黄色が合うように整形する」という必要は必ずしもないわけです。
だって、服はいっぱいあるし、その中でファッションを楽しむことは十分可能だからです。

そのファッションコンサルさんも「自分の個性を活かす」という主眼で私のことを見てくださるわけですが、これ、実は私のカウンセリングでクライアントさんに伝えていることと同じなんです。

「それを直すんじゃなくて生かす道はいっぱいあるんですよ」
「そんなあなたにもフィットする男っていっぱいいますし~」
「そういう風にならなきゃ旦那が戻ってこないなんてことはないんですよ」

もちろん、事例もいっぱいあげられます。

だから、ダメ出しをすることも、何者かになろうとすることも、理想の自分じゃなきゃ愛されないと思うことも、ほんとうは必要ないのです。

だから、自分を知り、その自分を活かす道を探せばいいんだ、と思えば、少し肩の荷が降りませんか?

「だって、それが私だもんな」と思いながら、自分自身を抱きしめてあげてください。

それが完璧主義を手放す簡単な呪文になります。

今の自分のままで生きやすく、楽しめる、そんな人生を創造していきませんか。
もちろん、今までそういう考え方をしていないのであれば、あなたが朝起きて爆発している髪を見て呆然としている状態と同じです。

これを何とかまとめてきれいにしよう、と試行錯誤していきましょう。

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