*
自分では解決したいと思っている問題があるがなかなか進展がない!
そういう時って意外と「より優先順位が高いものに満たされている」とか「より優先順位が高いものに問題がある」などのケースが見受けられます。
*
過日、こんなカウンセリングをしまして話を聞きながらハッと気付いたことがあって、「これはネタになるぞ。くくくくく」と思ったできごとを今日はシェアしようと思います。
その後、グループカウンセリングでも、講座でも話しまくっているし、ツイッターでも呟いたあの話。
「セックスレスを何とかしたいと思って1年以上経つのですが、全然進展がないんです。」という奥さんをカウンセリングしていました。
(そして、名前とかを伏せてもらえるならネタにしても良い、という許可を頂きました。Mさん、ありがとう!!)
聞けば、あれやこれやと試されてるし、セミナーにも参加されてる模様。
そういう時、私は「やれることをやってるんだから、そのことをまずは承認しましょうね~」という入りをするのですが、「友達みたいに普段は仲がいい」とか「お互い好きなことを仕事にしているので尊敬し合っている」とか「二人とも趣味が多くて彼は最近ワインと燻製づくりに、自分も料理や乗馬にハマり始めた」などのお話を聞いていました。
「子どもを作りたいね」って話はずっとされてるそうですが、結婚以来、レス気味というかほとんどレスなんだそうです。「独身時代はそうでもなかったんだけど・・・」とも。
で、話を広げるためにあれこれと質問していると、やはり私のブログの熱心な読者だけあって情熱的であり、自立系であり、もちろん、武闘派であることが分かってきます。
その時、ふと「ん?ほんとにレスを解消したいのかな?」という疑念が沸いたんです。
「Mさんの話を聞いてると順位は仮ですけど、こんな感じがするんですよね」とメモ帳にこんな書き物をしました。
<私の優先順位>
1.夫婦が仲良く話ができること(趣味とか仕事とか)
2.好きな仕事を頑張る
3.お互いの趣味を尊重する
4.家事をちゃんと分担する
5.結婚しても友達との関係は継続する
6.将来に向けてちゃんと貯金する
7.セックスをする(レスを解消する)
8.子どもを作る
9.週に1度は外食する
「こんな感じじゃね?」って言うと彼女、「あっ、そうかも。おもしろーい」なんて言いやがりましてですね。「面白いじゃねーよ!」とツッコミを入れるわけです。
「じゃあさ、レスを解消するために行動してさ、この1位~6位までが崩れるとしたらどうする???例えばさ、子作り頑張ろう!!ってことにして、その分、趣味の時間削ったり、仕事制限してセックスする時間作ったりってどうよ?」
そうするとMさん曰く
「え?あ、私はいいかもしれないけど旦那は嫌がるかも。でも、私も仕事を制限するのってやっぱり限界あると思う。」
とのこと。さらに追い打ちをかけるように、
「それでさ、雰囲気悪くなって夫婦の会話がギクシャクして、ワインと燻製の時間が気まずい雰囲気になったらどうよ?」
って聞いたら、
「えー、それはヤダー。旦那に話聞いてもらうのって私にとってはストレス解消の時間だしー」
って言うので、
「でしょ?今度旦那の作った燻製ちょうだいよ。ついでにワインも一本。やっぱり赤?」
「うん。赤。って違うでしょ?そういう話じゃないでしょ?」
「え?そうじゃなかったっけ?最近、俺、ナッツの燻製にハマっててさー旦那さん作の食ってみたいって・・違うか?」
「そっちじゃない。レスの話。」
「あ、そっちか。でさ、レスが7位ってことはそれだけのモチベーションしかないわけ。つまり、1~6位の方が当然大事だから、なかなかレスを解消するためのエネルギー投資がしにくいのよ。」
「あ、そうか。」
「それでね、大事なのはここからでね。1~6位って満たされてるわけよ。で、人間って欲張りだから、上から順番に満たされてるとだんだん順位を下げて行って“満たされてない問題”ってのを見つける仕組みになってるわけね。
で、Mさんの場合、1位OK,2位OK,・・・ってやっていって、ようやく7番目にセックスって項目があって『おお!あった!ここに問題あった!』って気付くわけ。
でも、やっぱり7番目なのよ。だから、問題意識はあるんだけど、で、もちろん、問題だからあれこれ考えるんだけど、もっと順位が上の大事なものを犠牲にしてまで取り組む気力はないわけですよ。」
「そうか。確かに。でも、やっぱり何とかしたいって思ってるんだよ、あたしは」
「いえーす。もちろん、セックスを軽視してるってわけじゃないんだけどさ、いかんせん、1~6位で満たされてるからさ。モチベーションが上がらないっていうか『是が非でも何とかしない限りは我が家は崩壊でござる!!』ってならないわけよ。
でも、やっぱり問題だし、子ども作るってこと考えると焦りも出てくるんだけど、それってさ、頭のいい人が良くやる“思考で問題を拡大する”ってことでね。
問題解決に命をかける情熱女子が良くやるんだけど、常に問題探しをしちゃう癖てのもあるのよね。」
「ああ、分かる、分かる。なんか常に問題ないとヤダみたいなところある」
「でしょ?つまりはね、実は今の生活、けっこう幸せってのが結論なのよ」
「え?あ?そうなの?うん。そりゃ、根本さんのブログ見てたら離婚とか別居とか浮気とかケンカとかの話たくさん見るけど、うちはそんなことないし、幸せだな、ありがたいなって思うよ。」
「うん。それでええねん。ああ、今、幸せなんだな~って思っとくことが一番やねん、きっと。」
「え?じゃあ、レスはどうなるの?このまま?それも嫌なんだけど」
「だからって急にモチベーションなんて上がらないでしょ?」
「そりゃ、まあ、そうだけど。」
「今のままで幸せ~ってうっとりして、旦那に感謝して、今の生活にも感謝してみることが大事なのよ。」
「それでいいの?そんなんじゃレスのままにならない?」
「Mさんが本当にセックスが好きだったり、大事だったり、あるいは、子どもを作ることがお互いにとって重要なテーマになったら解消するでしょ。だって、自動的にこの優先順位が上がっていくもの」
「ええ?それを待つの?でも、今だって性欲もあるし、セックスは大事なもんだって意識あるよ。あ、でも、それが7番なんだ。そうか。」
「うん。そうなの。問題を作って、拡大して、わちゃわちゃしてても所詮は7位だとしたら、やっぱりうまく行かないんだわ。だってホンネではそんなにモチベーション高くないんだもん。」
「え?じゃあ、何もしなくてもいいの?感謝するだけで?」
「そう、感謝するだけでいいの。まあ、これはレスの問題に直結する話でもあるんだけど、旦那に感謝して、今の生活に感謝して、幸せだなあ~って思うとするじゃない?そうするともっと旦那と近付きたい、くっつきたい、知りたい、愛したい、愛されたいって気持ちになるんじゃないかな?と私は思うわけだね。」
「まあ、確かに」
「そうすると、セックスしたいっていうか、深く繋がりたい、もっと愛し、愛されたいって気持ちが強くなるわな。そうするとこの7位が1位とドッキングしたりするねん。
セックスもコミュニケーションの一つだから、仲良く話をするのも大事だけど、そのまま肌と肌もくっつけたいって思いになるかもしれんしね」
「なるほどー。そしたら1位になるからもっとレスの解消に必死になるってこと?」
「そう、感情的にもっとセックスしたくなるんだな。ま、セックスに飢えた女になるってわけだね」
「なんかヤダ、その表現。分かるけど。」
「がるるるるるるーって、旦那のスキを日夜狙い雌の狼になるんだよ」
「なんで狼なん?せめて猫にしてよ」
「ライオンもネコ科だしな」
「うるさい。」
(このやり取りには多分にフィクションが含まれております(笑))
なかなか問題が解決しないなあ、カウンセリングも受けたし、セミナーにも行ってるし、本もブログも熟読してるのになあ、根本さんの腕が悪いからかなあ、と思ったら、ぜひ、この<人生の優先順位>について考えてみてください。
Mさんの場合は1~6位が「満たされてるから」でしたが、この1~6位に問題がある場合はもっと分かりやすいと思うんです。
例えば、うちの夫婦は会話がなくて、そもそも
>1.夫婦が仲良く話ができること(趣味とか仕事とか)
これが満たされてない!これを何とかしたい!!って思ってるとしたら、当然ですけど、7位のセックスよりも、1位の話の方が重要だからそっちの解決を優先したいと思うはず。
また、
>3.お互いの趣味を尊重する
これを大事にしたいと思ってたんだけど、予想以上に旦那が趣味にのめり込んでしまって家庭を大事にしないとなると、やはりこっちの方が優先的な課題となるはずです。
*
夫婦の問題に限りませんよね。
婚活中の方は自分の中で大事にしているものを“慎重に”選び出してみてください。
Mさんのように「満たされているもの」は問題意識を持てないので、自分としては「結婚!!」を1位にしているつもりで、実際は「日々の生活」や「自分の時間」を上位にしていることもあるのです。
また、そこには忘れられないトラウマも出てくる可能性もあります。
<婚活中の私の優先順位>
1.生活のために今の仕事を続けること
2.ヨリを戻したいとは思わないけれど、ちょっと忘れがたい元カレ
3.将来のために貯金
4.初めて付き合って熱烈な恋をしたんだけどひどい別れ方をした元々々々々々彼
5.けっこう頑張ったんだけどやっぱり苦しいだけだった不倫の元々々彼
6.お母さんの体調
7.婚活!!結婚!!
8.プランターの水やり
<ライフワークを見つけたい私の優先順位>
1.面白くないけれど今の仕事
2.付き合って2年半の恋人
3.アンチエイジング系の化粧品群
4.なかなか片付かない私の部屋
5.友達とのランチや旅行
6.イキイキしている憧れの起業女子のセミナー
7.ライフワーク発見のためのセミナーや内観の時間
8.プランターの水やり
<ケンカの多い夫婦関係を良くしたい私の優先順位>
1.子育て、教育
2.離婚しないこと(夫婦でいること)
3.家のローンや塾や習い事費用、子どもの服など家計を維持すること
4.ママ友との付き合い(義務的ランチ、半強制参加お茶会等)
5.ご近所付き合い
6.日々の家事(炊事、洗濯、掃除等)
7.夫婦関係を良くすること
8.プランターの水やり
どうでしょうか???
なぜ、問題が解決しないのか?ってことを考えたときに
(1)より上位が満たされているのでそれを動かしたくない
(2)より上位に別の問題があるのでその問題に目がいかない
などの理由があるのかもしれません。
*
さて、Mさんにはそのまんまでいい、感謝するだけでいいってことをお伝えしたのですが、まずは「自分が解決したいと思っている問題は自分が思っているほど優先順位(モチベーション)が高くない」ということを自覚した上で、その上位の問題によりエネルギーを注ぐことをまずはお勧めしたいのです。
うまく行っているものに対しては感謝を、
うまく行ってないと感じるものに関してはそっちの問題解決を。
そして、改めてその優先順位を見てみたときに「いや、この問題は7位ではなく、もっと上位にすべきだ」と思ったら、その上位のものを「手放す」あるいは「下位に移行する」手続きを取ります。
つまり、そこを“捨てて”エネルギーを注がない、ということなんです。
例えば、最後の<ケンカの多い夫婦関係を良くしたい私の優先順位>の例で言えば、1~6位でいらんもの、そんなに重要度が高くないものってありますよね?
例えば、
>4.ママ友との付き合い(義務的ランチ、半強制参加お茶会等)
>5.ご近所付き合い
とか。
そしたら、これらを一時的に「参加しない」「関わらない」という風にするんです。
けっこう勇気要りますよね?
でも、夫婦関係を良くする、ということと、ママ友やご近所付き合いだったら、どっちを優先しますか?どっちが重要ですか?という問いに冷静に向き合う必要があるんです。
もし、やはりママ友の方が子育てに直結するから大事だわ、ということであれば、夫婦関係を良くするというテーマを逆に一旦横に置いてみる勇気も必要です。
だって、「解決したい問題があるのに解決しない」ってのは相当なストレスですからね。
あるいは「とりあえず今は夫婦関係のことはセミナーに行った時だけちゃんと考える」なんて風に割り切っちゃってもいいかもしれません(これをお勧めすることもあります)。
この優先順位がどうなってるのかを見極めるのが難しいかもしれませんが、こういう風に考えると問題に取り組みやすくなるかもしれません。
○根本のメールマガジン
○根本のセミナー・スケジュール
○根本のカウンセリング
☆音声配信サービス
【根本の講座が自宅で、電車で聴ける!】ココロノポッドキャスト
☆DVD
・『「手放すほどの愛がすべてを変える! 今、ここから愛されて幸せ妻になる法則」セミナー』
・『10年愛されるカウンセラーになる秘密』
☆根本本。