共依存の彼と彼のお母さんの関係が気になるときは、自分の母親との関係を見つめるとき。



「彼」が話題の主人公であるうちは何も変わらないんですね。
「私」を主人公にするために、目の前に起きていることをヒントにして、自分自身にフィードバックしていきます。

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結婚前提でお付き合いしている彼がいます。一緒にいると居心地が良く、自然体でいられるので相性はいいと思います。

ただ、彼とお母さんの距離の近さに抵抗を感じ、嫉妬してしまい別れようか迷っています。彼はお母さんと同居しています。兄弟はそれぞれ家庭を持ち別々に暮らしています。お父さんがご健在だった時は、父母彼の三人で休みの日はドライブや旅行に行くほど仲良しでした。

私が嫌だと感じるのは、お母さんと彼がお互い依存しあっている所です。彼は反抗期がなく女性経験もありません。お母さんは、「この子はこの家の世帯主だから何でも頼っているの」と言ってきたことがあり、買い物やショッピング、病院など全てお母さんのリクエストに彼が応えています。
お母さんは子ばなれできていないと言っていました。

お弁当やお菓子を渡すと、お母さんと一緒に食べるよと言って、後に二人のコメントを聞かせてくれます。○○行きたいと具体的に話してきたので、てっきり一緒に行くものだと思ったら、後日お母さんと行ったことを知り、嫌でたまらなくなりました。お母さんと付き合えば?!と言いそうになりました。

彼は、自分の意思を持っていて、何か決断するときにお母さんに頼る…という面はありません。結婚後の同居を譲らなかった彼にどうしても無理だと伝えたら別居に譲歩してくれました。それは嬉しかったし、彼も結婚に向けて努力したと言っていました。お母さんにも期待をさせてはいけないと、同居不可について伝えたそうです。

しかしながら、過去から現状までお互いべったり状態なので、結婚後もそれが続くのではと懸念しています。彼にそれを伝えると、お姉さんに買い物をお願いしたり、母親の彼への依存心をなくすためにサ-クルの数を増やしてもらおうと考えている、急には無理だけど少しずつ環境は変わっていくと言われました。

果たして本当にそうなるのか疑ってしまいます。彼に誘われてもお母さんのことが浮かび、私なんかよりお母さんと過ごした方が楽しいでしょと複雑な気持ちになり、断ってしまいました。

どうしていいかわからなくなり、今は、距離を置いて1週間になります。

親孝行なのは立派だと思いますが、度を越して二人は恋人同士に見えます。それを考えるとモヤモヤ嫉妬心でいっぱいになります。

私が悩みすぎてるので同棲を提案されましたが、飛躍しているようで断ってしまいました。
彼のお母さんに対する気持ちはいずれ変わるものなのでしょうか?
二人の濃密な関係を受け入れられるまで我慢した方がいいのか。それとも潔く別れた方がいいのか。

答えが出ないまま、時が過ぎていき、自然消滅になってしまいそうです。

相談した友人からは難しい問題と匙を投げられました。根本先生のご助言をいただけますと大変助かります。

どうぞよろしくお願いいたします。
(Yさん)
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お気持ちは分からなくもないですね~
彼とどうしようか悩むのも無理がないことだと思います。
でも、別れを決断できないのは彼のことがそれだけ好きだし、相性がいいし、居心地が良いから?

もしかすると、彼のお母さんも同じ気持ちなのかもしれないですね。

息子と相性がいいし、居心地がいい。もちろん、大好き。
だから、「子離れできてない」と自覚していても、離れられないのかもしれませんね。

それに今は結婚前提に付き合ってる彼女もいますからね。
お母さんもまた嫉妬の炎を燃やされてるのかもしれません。

そういう目で見ると、Yさんとお母さん。同じ気持ちでいるかも、と思うのです。

>過去から現状までお互いべったり状態なので、結婚後もそれが続くのではと懸念しています。

もちろん、続くでしょう。(続くと思った方がいいでしょう)
「結婚したら変わる」というのは結婚に対して過大な「期待」をしてる証じゃないかとよく思うんです。

多くの方から「結婚したら変わってくれると思ってたのに」というお話を聞きます。
でも、その「変わってほしいこと」って「自分にとって都合のいいこと」なんですよね~。
いわゆる「コントロール」なわけです。

もし、結婚後もこういう状態ならば結婚しませんか?
もし、それくらいの愛情ならば私は結婚することをお勧めしません。

文章を読み直してみると分かると思うんですけど、Yさんもまた彼に依存していますよね。
しかも、だいぶ。

彼がお母さんとお互いに依存し合っているのと同じように、Yさんもまた彼に依存していることに気付く必要がありますね。

それは話題の主語を見れば分かるんです。
「彼は・・・」「彼のお母さんが・・・」

そして、Yさんのおっしゃっていることは確かに「正しい」と思います。

お母さんと近すぎる息子はけしからん!
お母さんはさっさと子離れすべき!
彼はさっさとお母さんから自立して私の方に来るべき!

・・・。

で、私の方に来たらどうなるか?というと、彼にもっと依存したいんじゃないでしょうか?
彼のお母さんがやっているように、自分もしたいんじゃないでしょうか?

だから、嫉妬するんですよね~。
羨ましいんですよね。

彼のこと、旦那さんのこと、不満を持ってる方はその不満を正当化することがとても上手です。
時には自分を被害者にし、彼を加害者にして同情を求めたりします。
また、ある時は、彼の行動を社会的、法律的ルールから否定し、改めるべきだ、という主張をします。
また、あれしてくれない、これしてくれない、という「依存言葉」を連発して自分を悲劇のヒロインにします。

でも、私は思うんです。

「そういう彼を選んでるのって自分じゃん」って。

だから、私のブログやカウンセリングでは「彼が○○なんです」という話にはほとんどお付き合いしません。
「なんでそういう彼がいいの?」って聞いていきます。

今日の記事も私の文章はほとんどがYさんを主体にしたお話になってると思います。

Yさんは彼やお母さんがどうしたら変わってくれるのか?を教えてほしいのかもしれませんが、残念ながら私がお伝えするのは「Yさん自身が変わること」なんです。

「それを選んでいるのは私自身」という意識がとても大切です。
「彼が・・・」ではなく「私が・・・」と自分を人生の主人公に据えることが大切なんです。

そういう彼、そういう彼のお母さんがいて、彼らはそのままで変わらないとしたら、私はどう変わるのがいいだろう?って考えていくんですね。

まずはYさん自身の自立が今、求められているのです。
彼が自立、するのではなく、Yさんが自立、するのです。

これは意外でしょう?

Yさんがおっしゃることは確かに正しいことかもしれませんが、正しさは幸せを破壊します。
正しさを主張すると、どうしても、「間違っている人」が必要になり、その間に対立、争いを生みます。
「あなたは間違ってる!」って言われ続けてる彼の気持ちってあまり考えたことないでしょう?

とても平和、幸せな状態は作れないのです。
だから正しさを盾にすると問題の本質が見えなくなってしまいます。

Yさんが自分のお母さんに望むことって何でしょうか?
理想のお母さん像ってどんな姿でしょうか?

それをまずは考えてみませんか?

子どもの頃、我慢してきたこと、してほしかったこと、分かってほしかったこと、思い出してみてください。

お母さんのために頑張ったこと、お母さんに喜んでもらいたくてしたこと、何かありませんか?

彼と彼のお母さんの関係が気になる、ということは、自分と自分のお母さんの関係を見るといいよってメッセージです。
そこを見たくない分だけ、お母さんのことがすごく気になってしまうのです。

同時に、彼や彼のお母さんに対して「羨ましい」と思っていることを探してみてください。
自分もしてほしかったな・・・
自分もこうなりたかったな・・・

嫉妬の感情の中に入っていきましょう。

そして、それが欲しいこと、を認めていきます。
私はこうしてほしかったんだ、って。

それだけでもだいぶ心は落ち着いていきます。

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