しんどくさい子。そして、防犯対策。



この言葉が関西弁なのか、奥さんの実家の造語なのかは知りませんが、うちの子を見ていると、自然とフィットします、しんどくさい子。

先日、例によって甘えた声で「ねぇ、ぱぷぅ。ミズチは公園に行きたいな・・・」と見上げるように私に語りかけてきました。
その時私は、ホームページに掲載する原稿を書いている最中で、しかも、佳境に差し掛かった頃で、湧き上がる言葉の数々を猛然と打ち込んでいるときだったのです。


もちろん、私は父の威厳を見せるかのように、娘の言葉に反応します。

「じゃあ、着替えなきゃいけないね。今日はどんな服で行こっか?」

そして、娘のチェストを開け、服を取り出した上で、着替えさせ、ものの10分後には家を出ていたのでした。
ま、この辺が妻にはできない、男ならではの反射能力ですな。ここはパパが圧勝する領域なのです。(数少ない)(もちろん、妻はそんな夫と競り合う気はさらさらなく、「ああ、これでのんびり家事ができる」と思うだけです。)

なお、今回は「見上げてニッコリ笑って訴える作戦」だったのですが、他にも、「ちょっと半身でため息交じり作戦」「直球一発勝負作戦」「ただ目で殺す作戦」など、気がつけば我が娘も様々なテクニックを磨いてきるものです。

できれば、この技術を生かして将来は男どもを振り回してくれ!と思うのですが、練習代(=パパ)が、こんなに弱くては、自信は付けども実力付かず、の悪循環にはまる(すなわち、単なる勘違いタカビー女)のではないかとの危惧も生まれるのです。

「ここはバシッと難攻不落な男を見せなければ・・・しかし・・・あれには弱いな・・・」と公園までの道すがら、密かにひとり反省会を開くのでした。

さて、朝とは言え、さすがに炎天下の公園には人気もまばらです。

おそらく奥様達の「こんなに暑い日に公園なんか行ったら日焼けはするし、虫も出てくるし、汗でメイクも流れちゃうし、ろくなことないじゃない」との主張により、まばらな人影はほとんど、父+子、祖父+孫らしき組み合わせばかりなのです。

うん。何となく各家庭のカースト具合が覗けて素晴らしいですね(^^)

そんながらがらの公園では、ブランコもすべり台も砂場も全ての遊具が使い放題です。

そんな中、我が愛する娘は、ひたすら、走るのです。

ぐるぐるぐると延々と走り続けるのです。

お前はランナーか。

時は折りしも北京五輪開催中。男子100メートルの予選を見ていて「この人よりミズチの方が早いね!」とのたまうだけあります。

砂場の脇から、築山の周り、木々の間の散歩道を抜けて、広いグラウンドの方へ。そして、遊具の合間をくぐって、ひたすら走るのです。

それをただボーっと見ているのならば、反省会の続きも盛り上がるわけですが、娘は「ぱぷぅ、追いかけて来てね」と命令するわけです。
もちろん、それに反抗する権利は私ごときにはありませんから、ひたすら、その娘を追いかけて走るんです。

「きゃきゃきゃっきゃ、ぱぷぅ、こっちー」
「ミズチ、こっち行くから、ぱぷぅはあっちから来てね」
「ちゃんと追いかけなきゃダメやない!」

しんどくさい子だなあ・・・と思いながら、その背中を追いかける日々です。
本来は、子どもが親の背中を見て育つのではないんだろうか?と疑問をはさむ間もなく。

しかし、その娘。興に乗ってくると、

「きゃー、こっち来ないでよー」
「ねー、やめてよー」
「あっちいっといてよー」

と叫びだすんです。

私がショートカットして急に娘の前に現れたり、わざとすぐ真後ろを付いていったり、汗をふいてあげようと抱き上げたり(そして、ついでにほっぺにぶちゅーしたり)するからなんですけどね。

しかし、時に、通り過ぎるおばあちゃんが「えっ?」という目で見られたりもするんです。

ので、最近私は一計を案じたんです。

ペアルック。

今日も私と娘は、石垣島で買った水牛の角がプリントされたTシャツを着て、公園を走り回っているのです。

これなら、誰が見ても、親子だと認知してくれるに違いありません。

日々のミニコラム


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