『人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本』(大和書房)
早速、感想を頂きました!!ありがとうございます!!
目次を読んで、瞬間的に1㎝目が開き、しばらくそのままになった。第1章の実際のケース紹介をはじめ、書かれている事例のほとんどが私の日常だったためだ。「お察し力が陥る幻想」の《自分が我慢すれば丸く収まる》《これだけ頑張れば、喜んでもらえる》については、いやいやそれが普通だから!と反射神経並みの速さでつっこんでいた。しかし、読み進めていくうち、見開かれた目がいつもの大きさに戻ると同時に、これって本になるくらい重要なテーマだったんだ…と肩の力が抜けた。
『人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本』はその名の通り、人のために頑張りすぎて疲れた時に読むといい。でも、疲れたという自覚がない場合もあるし(私)、人のために頑張っている自覚がない場合もある(私)と思う。なので、自覚がなくてもこのタイトルにちょっとでも何か感じたり、あなた頑張り屋さんねと言われたことがあったり、単に表紙がカワイイと気になったり、動機はなんでもいい。とにかく何かピンと来たら、ぜひ読んでみてほしいなと思う。読み終わった後、変化がきっとあるから。
私の読み終わった後の変化は、部屋の中に丹下段平がいたことだ。(ご存知ない方のために注釈:丹下段平とは、ボクシング漫画「あしたのジョー」に出てくる矢吹丈のセコンドのおじさんのこと)ボクシングの試合の時、いつもそばで見守ってくれ、戦法についてアドバイスをくれ、励まし、流れる汗(時に涙)を拭いてくれるセコンドの存在が、私の隣にいた。そんな気がしてくる読後感。私がかつて、文句を言いやすい&叱りやすいという意味で、サンドバックというあだ名を職場でつけられていたことも、今なら腑に落ちる。
この本には、仕事や恋愛だけではなく、家族、友達、学校、趣味の仲間など、あらゆる人間関係に悩んだり、疲れた時に役立つ事柄がたくさん載っている。すぐに実践できるものもあるし、ワークと題して日々少しずつ取り組んで、自分を見つめる宿題のようなものも丁寧に教えてくれている。一方でいわゆるハウツー本と全然違う点は、心に染み入る言葉が至るところに散りばめられている点。これも、この本の特徴だと思う。読む時期やタイミングによって、染み入る言葉が変わっていきそうなところも興味深い。
今回、特に染みた言葉をあげるみると、
「そんな悲しいこと(自分の気持ちや行動を否定すること)をする必要はありません。」
「相手が喜んでくれようが、くれまいが、自分がやりたいからやる」
「人に嫌われてもいい」
「自分のこの行動の裏には、どんな愛があるのだろうか?という前提で見る」
第5章(「いま、とっても幸せ!」と気づく)は何故だか泣きながら読んだ。私をサンドバックにしていたのは周りではなく、自分自身だったことに気がつき、視界が明るくなった。だったら、自分を信頼して、自分の手や足や頭や心を使って進んでいけば、もっと明るい景色を見ることができるんだ。こんなふうに思わせてくれた素敵な本である。
最後に誤解を解いておこう。この本は、決してあのボクシング漫画のように泥臭く熱気に満ちた戦いの本ではなく、デザインもすっきりと綺麗で、やさしい言葉づかいの読みやすい本である。シンプルゆえ、読む人それぞれの立場で、その人なりの印象がまったく違う本になっているような気がする。私はあしたのジョーが浮かんだけれど、それは私の風景。他の人がどんなふうに読んだか、どんなふうに感じたかを聞いてみたくなる。とってもおすすめ。
(SAさん)
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