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癒着があると価値観も共有してしまうものですが、そもそも私たちはみんな親が持つ価値観をコピーして自分のものとしているので、この見分けはなかなか難しいものです。
そこはやはり自分の感覚を静かに見つめていくことが役立ちますし、自分らしさを追求していく中で見えてくるものでもあると思います。
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これに関連して最近浮上している疑問がありご相談します。
癒着してきた親の価値観が自分の中にもある場合、それは私のものなのか、という事です。
私は老人ホームで准看護師をしていますが、母は周りに私が病院で看護師をしていると話しています。たまたま数ヶ月病院の研修に行く機会があったのですが、毎日刺激的でやりがいがあり、学生時代の猛烈人間スイッチが入る仕事環境でした。
医師と話すだけでとても誇らしくなる自分に気づき、これでは母と一緒じゃないかと少し恥ずかしく思ったと同時に、このステータス主義みたいなものが自分の中にも確実にあるのだとわかった瞬間でした。
病院に就職したり、看護師になれば母が私を自慢に思ってくれるというのは自明です。
病院での仕事が面白かったのに、これは私が望んでいることなのか、母を喜ばせたい気持ちが全ての根源なのか、わかりません。
今年前半までは、来年からは経済的に困らない程度に勤務時間を減らして家のことをしたり夫と子どもたちとの時間を増やしたい、3人目も欲しいかも、のんびり生きたいと思っていたのに、今は病院で日勤夜勤バリバリ仕事に生きる!子どもが巣立った後の人生だって長いんだからやりがいあるキャリアを積みたい、というビジョンもチラチラ見えてきました。
やはりまだ癒着が切れていないのでしょうか。どうしたらこれが私の大切にしているもの!という自分軸がもっと明確になっていくのでしょうか。ご教示いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。
(Hさん)
その「夫は母!?」の記事はこちら。
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とても素敵で繊細なテーマなのでひとつひとつ丁寧に(揚げ足を取りながら!?)話を進めてまいりましょう!
>物理的も相当離れているし、執着の本やブログに書かれていたワークもやったし、母との癒着はほとんどないんじゃないかと思っていた矢先にこのブログを読んで自分のことのように感じ、まだまだ修行が足りないのだと思い知らされました。
癒着、執着というのは物理的距離は実はあんまり関係ないんですね。
癒着を切るために親と離れて暮らすことをお勧めすることも多いのですが、それは「きっかけ作り」であって、物理的に離れることで癒着を切りやすくするための方法なんです。
で、ちょっとややこしい話で、Hさんのケースというより一般論として読んでもらった方がいいんですけど、「母と癒着している状態で、潜在的に母を求めて夫との結婚を選ぶ」ということがあるわけですね。(上記の記事参照)
で、そこから夫婦関係をスタートさせ、出産、子育てというプロセスを経ていらっしゃるので、もう何年も経つわけですよね?
その間、夫に母を投影しつつ(夫を母代わりにしつつ)、でも、夫婦という側面もあり、また、子どもたちのパパとママという部分も生まれて今に至っているわけです。
さらにHさんの場合はワークもけっこう取り組まれたわけで、「母との癒着はほとんどないんじゃないか」と思うまでに変化されたんです。
それはとても素晴らしいことです。
日常生活では母との癒着を感じなくなったのですから。
それはめちゃくちゃ快挙です!
ブラボーです!
確実に成功してることに間違いはありませんっ!
ということで「あたし、めっちゃ偉いわー。めちゃくちゃ偉いわー!」とご自身を褒めたたえる儀式を厳粛に執り行っていただきたいです。
ところが、夫を母として見るクセってのは結婚生活の当初からあったわけで、ある意味それが土台になり、それがクセになってしまっているとみることができます。
そうすると例えばですが「母との癒着は切れてきたけど、その分、夫との癒着が強くなっている」とか「夫が母役を見事にこなしてくれているので、夫を母のように扱うことが当たり前になってしまってる」みたいな状態になり得るのです。
とはいえ、母との癒着が切れてきた分、癒着の総量(?)としては減っていると思うので、母に癒着しているのと同じように夫と癒着しているとは考えにくいです。
だから、これからは夫との関係性に着目していかれるといいかもしれませんね。
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という前提の元で仕事のお話。こっちがメインですよね?
>癒着してきた親の価値観が自分の中にもある場合、それは私のものなのか、という事です。
これをきちんと見極めようと思えば、Hさんを取調室に連行してかつ丼でも食わせながらあれやこれやと尋問を繰り返す必要がありそうです。笑
つまり、それくらい微妙な問題になるんです。
母親と癒着してる状態ってのはどういうことかというと「感情を共有する」というのが一番シンプルな説明になります。
自分の感情と母親の感情が同一化してしまい、この感情が自分のものなのか、母のものなのかが分からなくなってしまうんです。
そうすると「母のことをまるで自分のことのように語る」という現象が起きまして、カウンセリングでもよく目にする光景になるものです。
「この間、体調があんまりすぐれないので病院に行ったんですけど、どうも入院して検査する必要があるようで、めちゃくちゃビビっちゃったんですよ。すぐに呼び出されて延々と不安を聞くことになりましたし、検査のときも同席することになったんです。」
この文章を読むと「ん?え?あ、誰が?」となりません??
前半部分は「ああ、この人のことかな。そりゃ大変だったなあ」と思って聞いていたら、後半急に「呼び出されて」という表現が出て、え?誰の体調がよくないの?呼び出されたのは「わたし」だよね?と混乱しますよね。
癒着している状態ってのは会話はもちろん頭の中がこんな状態になっていまして、自分と相手との区別が付かなくなっちゃってるんです。
もちろん、癒着してるからって必ずこうなるわけではないのですが、典型的な状態なんですね。
でも、それが頭の中でもそうなってるから自分としては違和感がなく、自分が「母のことを自分のことのように語っている」ということには気づきにくいのです。
で、そういう状態になっているときは当然のように「価値観」も共有されるものです。
だから、親の価値観と自分自身の価値観の区別が付かなくなるんです。
が、ややこしいのは「価値観」という部分です。
そもそも私たちは癒着してようがしてまいが子どもの頃から親の価値観を無意識にインストールしながら育ってきました。
だから、私たちが持っている価値観はほとんどが親のものをコピーした状態なんですね。
それを土台として社会の中でいろいろな価値観と出会うことで「親の価値観よりもこっちの価値観の方がいい」と選択し直すんです。
また、思春期には問答無用に親に反抗して自立しようとするものですから、とりあえず親の価値観はすべて否定する!なんてこともしちゃいます。
とはいえ、ベースとなる価値観は親のコピーであることは間違いないのです。
だから、Hさんのその価値観が親譲りのものであったとしても別に何ら不思議ではないですし、変なことでもないのです。
ただ、それが自分の本質に合わなければ違和感を覚えて苦しくなるし、逆に、それにフィットしていれば、問題としてとらえなくても大丈夫です。
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というのが「前提」です。
その上で、個別論になるのですが、「ステータスにこだわっちゃう!」という価値観が自分のものなのか、母のものなのか、というお話ですよね?
准看から正看になることは母を喜ばせたいからなのか?自分がそうしたいのか?で迷ってらっしゃるんですよね?
ということでその葛藤をまずは整理してみましょうか。
(A)
・病院の研修は毎日刺激的でやりがいがあった。
・学生時代は猛烈人間だった。
・医師と話すだけで誇らしい(ステータス主義)
・病院での勤務は母がうれしいこと
・病院で日勤夜勤バリバリ仕事に生きてキャリアを積みたい
(B)
・勤務時間を減らして家のことをしたり、夫と子どもたちとの時間を増やしたい
・3人目も欲しいかも
・のんびり生きたい
この(A)の部分が母との癒着が疑われるところなのですね?
ここで確認したいことはそれまでのHさんのことやお母さんとの関係です。
・母が教育ママだったり、躾が厳しかったり、監視されたり、干渉されたりしてきたのでしょうか?
・母自身も情熱系の人なのでしょうか?
・今まで「母を喜ばせるため」にしてきたことってどんなこと?
・看護師を目指したのは母の影響が大きい?
・看護師らしく、幼少期から自立系武闘派女子だったのでしょうか?
・刺激物が好きなのは前からだと思いますか?母の影響があると思いますか?(癒着があると刺激物を求めたくなる傾向もあります。)
・プライドが高い、ブランド志向みたいなところは昔からありましたか?それも母の影響でしょうか?
・性格的に母と合わない、母とは違うという点はどんなところですか?
・結婚前などはバリバリ働きたい気持ちが強かったのでしょうか?
・(B)の思いが出てきたのはいつ頃でしょうか?
・実際に(B)の生活は自分のキャラに合うと思いますか?
けっこう細かいでしょう?
私のカウンセリングはそんな風にあれやこれやと質問を重ねるスタイルなので、そこから先もいろいろと質問が出てくると思いますが、とりあえず、これらについてあれやこれやと考えてみてください。
そうすると「ほんとのHさんってこういうタイプだと思うんだよねー」という輪郭が見えてくると思います。
(A)がいいのか、(B)がいいのか、はたまた(A)と(B)の中間くらいなのか。
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で、先ほどもお話したように私たちは癒着してるかどうかに関係なく、親の価値観をコピーして自分のものとして生きてます。
思春期以降、価値観が変わって行くことも大いにありますが、それでもベースの部分には大量に残っていると考えたほうが良いくらい、親の影響って大きいんです。
そして、その中には自分に合うものもあれば、合わないものもあります。
例えば、親が安定を求めるタイプで就職先に公務員や会社員などがいいという価値観を持っていれば、子どももなんとなくその道を進むものだと思って成長していきます。
しかし、そうした価値観に違和感を覚え、安定よりも冒険の方が好きだ!という価値観が思春期くらいから芽吹いてくる場合があります。
それが親の価値観に反抗する思春期の思いなのか、あるいは、自分が生まれ持った価値観なのかはその時点ではなかなか判別できません。
けれど、冒険することにいつもわくわくしていて、そうして変化に富む人生の方が自分にフィットしているような感覚があるならば、それは自分自身の価値観だと思っていいと思うんです。
一方、それが親への反抗心から来るものであれば、冒険を望む一方で安定を好み、就職先もとりあえず会社員を目指す方が“腑に落ちる感覚”や“安心感”などがある場合は、親と同じ価値観を持っている、と思った方がいいでしょう。
つまり、バリバリ働くのが自分らしいのか、のんびりと家族中心の生活を送るのが自分らしいのかは、Hさんの“感覚”が教えてくれることなんです。
ただ、そこに母との癒着問題があると、その“感覚”をつかむことが難しくなるんですよね。
だから、とことん自分の感覚を探っていくことが良さそうです。
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そこで、(A)か(B)かという選択であれば、どちらがわくわくし、楽しく、自分らしいか?という風に判断してみるのがいいと思います。
文章の勢いなどを見れば(A)の方が優勢な気がするんですけどどうでしょうか?
文字数も多いですしねー。
だから母として家を守り、子育てをするなかで(B)への思いが出てきたのかもしれませんが、本質的には(A)で、うちのクライアント様の傾向から言えば(B)は退屈するかもしれないなあ、と勝手に思ってみたりしております。笑
つまりは、自分の素直な感覚でわくわくする方をその都度選んでいくのがお勧めで、そこに母との癒着の影響が入っていればやっぱり苦しい気持ちが出てくるので、そうなったらまた軌道修正すればいい、くらいに考えてみればいいんじゃないでしょうか?
それよりも「夫が母!?」の記事が刺さったのであれば、むしろ、夫婦関係を見つめなおしてみる方がプラスかもしれないですし、その辺が良く分からん!ということであればカウンセリングなども利用してみると良いと思うわけです。
参考にしていただければ幸いです!
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