知っていることと実践することは違う



つい「知ってる」「分かってる」つもりになってしまうことってありませんか?
「知ってる」と「実践する」は全然違うもの。
やはり実践(行動)してナンボだと思うのです。

先日もあるセミナーに行ってお話を聴いてきたんですね。
ビジネスに関するセミナーだったのですが、意外と“心”に関するお話がたくさん出て来てまして、それは私にとっては専門ですから、つい「ああ、知ってる、知ってる。その通りその通り」って聞いてたんです。

でも、ふと我が身に立ち返りまして、それを実践しているか?と問われたら「あれ?」と思ったんです。



「そうそう、ちゃんとお客さんには感謝の気持ちを持って接することが大事で、しかも、それをちゃんと形にして表現しなきゃ伝わらないよね~」

「機能ばかり主張したって顧客の購買意欲は動かない時代なんだよね。どんな風な効果があるのか、お客さんにとってどんなメリットがあるのかを明確に示さないと、そりゃあ、買ってもらえないよ。当然当然」

「お客さんにとってはこの一瞬、一瞬が大切な時間。あなたにとっては多くのお客さんの一人かも知れないけれど、いかに、その気持ちに寄り添えるかがカギなんだよねえ~。意外とこれ、難しいのよね!」

大袈裟に言えば、ふんぞり返って講演者のお話を「そうだ、そうだ」と偉そうに聴いていた私がいたのですね。
まるで評論家のように。

で、気付いたんです。自分は実践しているのか?知っているだけじゃないのか?と。

お客さんへの感謝の気持ちをちゃんと伝えているのか?
心に訴えかけるような話をしているのか?
理屈ばかりを伝えていないか?
お客さんの立場になって話を聴けているのか?

“できてるつもり”“そのつもり”ではあるけれど、思わず赤面するくらい恥じ入ってしまいました。
天狗になってるのかもしれないなあ、といたく反省しました。

大人になって来ると、けっこうこういうことってあるみたいですね。
「知ってる、知ってる」「分かってる、分かってる」って人の話を聴いてしまい、「できてる、できてる」と思い込んでるケースが。

よくよく観察してみると意外とできてないこと、抜け落ちてるところがあって、それが問題を作っていることも多いようです。

仕事だけじゃなく、人間関係でも同じなんですよね。
本を読めば「そうだそうだ」と思うこと、たくさん書いてあります。
(私も書いてます(笑))

セミナーに行けば、なるほど~と言う話を耳にします。
(私も言ってると思います(笑))

でも、それを“実践”できてるかどうか?というと・・・うーん・・・。

「こじれたココロのほぐし方」の前書きにも書いたのですが、私の師匠の教え、「心理学は使ってナンボ」。

そう、実践して初めて意味があり、効果があり、結果が出るんですよね。
頭の中で分かっていて、シミュレーションしているだけでは何も変わらないのです。

もちろん、実践するには“工夫”が必要です。

例えば、料理教室に例えてみましょう。
料理教室では材料を用意してくれて、先生がいて、きちんと整備されたガスコンロや包丁で作ります。
でも、そこで作った通りに家でやろうと思えば、火加減も違うし、材料や調味料だって違うし、自宅仕様に合わせた工夫が必要になりますよね。
先生もいないから、「あれ?ここどうするんだっけ?」というのも試行錯誤が必要で、失敗することもあります。
でも、そうして失敗したり、あれこれ悩んだり、試行錯誤したりすることでその料理を自分のものにしていくことができると思うんです。

心に関してもやはり同じで、例えば、顧客の心に商品の素晴らしさを訴えるとします。
それは講師の先生がおっしゃる方法以外にもざっと100万通りもあるそうですから、あれこれ試行錯誤しながら見つけていくしかないんですね。
実践し、どうしたらもっと響くかな、と思って工夫をし、そして、また実践し・・・
そうして自分のものになっていくんじゃないでしょうか?

先日、嬉しい報告を聞きました。

「1日5つ自分を褒める、というのを仙台のセミナーからずっと毎日やってみたんです。そしたら、一か月くらいで自己嫌悪が無くなったんです!それまでは毎日自分に『死ねばいいのに!』とかきついこと言ってたのに、それが無くなったんです!」

私はその5つを書くことをお勧めしているのですが、彼女は夜お布団に入ってからあれこれ一日を振り返って褒めるところを5つ探したそうです。
自分が続けられそうと思って工夫してくれたんですね。

素晴らしい~!!

私も、学んだことを「知ってる」「分かってる」「できてる」ではなく、工夫して実践することでより成長していきたいものです。

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