あいまいな二人の煮え切らない関係(2/2)



ラブ・カウンセリング

さて、今週はあいまいな関係性を築いてしまう深い理由とその対処方法についてお話したいと思います。

カウンセリングの場合、その“あいまいさ”を作る理由を掘り下げていこうとします。
仕事とか家族というのは表面に出てくる“原因”ですけれど、もっと深いところに、もっとリアルなものはないかな?という目で見ていくんですね。

あいまいな関係というのは、二人の間に少し距離がある関係性です。
いつも不安になってしまうのは、その隙間を感じるからなのですが、逆にカウンセラーとしては、「なぜ、二人にはこの距離が必要なんだろうか?」と考えたりするんです。


あるケースでは、過去の大失恋が引っかかってるいました。
婚約寸前まで行った元彼がいたのですが、突然破談。以来、人を心の中に入れることに抵抗を感じるようになっていました。だから、常にあいまいな距離でしか恋愛ができなくなっていたのです。
「またあんな目にあったら、今度は立ち直れないかもしれない」という潜在的な恐怖が、あいまいな関係を作り出していました。

一方、それと同じ経験を持つ彼氏と付き合っていた彼女。よくよく見つめていけば、自分にまったく自信がありません。小さいころからあまり褒められたことがなく、特に女性としてのコンプレックスがたくさんありました。
「私なんて愛されるはずがない」という無価値感がいっぱいあって、だから、そんなあいまいな彼を受け入れざるを得ません。潜在的には「私なんかを愛してくれるのは彼みたいな傷のある人だけ」みたいな捉え方をしています。

また、育った家庭がとても複雑で、あまり家族にいい思いを持っていなかった方。結婚して幸せな家庭を築きたい、という夢はあるものの、でも、そのモデルがないので潜在意識に強い不安を持っていました。
だから、二人の関係が近づくとつい怖くて距離を取ってしまうようになり、結果的にあいまいな関係を築くに至っていました。

あいまいな関係を築いてしまう場合、特に育った家庭環境はすごく大切で、両親が離婚されてる場合は、やはり大きなハートブレイクになっている場合が多いですし、離婚していなくても、両親の不仲は自身の恋愛観に大きな影響を与えています。(うまく行く関係がイメージしにくくなるんです)

また、お母さんがいつもお父さんの愚痴を語っていたり、お父さんが仕事ばかりしていて家庭を顧みなかったりするケースや、良く言えば自由で放任、でも、悪く言えば放っておかれた育ちをしているケースでは、人と距離を取って付き合うようになります(なぜかというと、近い距離での幸せな関係、親密感の素晴らしさを知らないばかり、むしろ、近い距離での辛い思いばかりが先に立つからです)。
逆に、過保護・過干渉な家庭ならば壁を作って人と近づかないようにしていたりします。

一見「普通」に思える家族にも、様々な要因が隠れていることが少なくないんですね。「両親揃っていますし、特に虐待とか、浮気とかそういう問題もなかったんですけど」という方でも、よくよくお話を伺っていくと、「そういうことだったんですね」という理由がちらほら浮かび上がってきたりするんです。

では、そんなあいまいな関係性を手放して、より親密な関係を築くにはどうしたらいいのでしょうか?
先に挙げた様々な要因を解決していくことも効果的かつ大事なことなのですが、まずは「自分がこのあいまいな状態を望み、自らがこの状態を選んでいる」と受け入れることだと思うんです。
そして、「こんな関係はいらない、本当に結びついた、親密感のある関係性を選ぶ」と決めていく(コミットメントする)のです。

要は、問題をきちんと受け止めて、前向きに取り組む、ということなんですけどね。
“あいまいさ”はそれを感覚的に拒否することが多いので、特にこの意識付けは大事なんですね。

「ちゃんとした関係を築きたいと思いつつ、どこか彼のせいにしている」
「煮え切らない彼を手放したいと思いつつ、でも、彼に執着している」

というケースもすごく多いですし、潜在的な痛みに触れることも多いので、抵抗を感じる方も少なくないんですね。「彼や誰かのせいにするのではなく、自らが望んでいること」として、前向きに捉えたいのです。

だから、よくこんな宿題を出します。良かったら皆さんも取り組んでみてくださいね。

Q1.改めて、今の関係を望んでいる理由を20個以上探してください。

Q2.Q1をやった上で、彼への感謝と謝罪を込めた“別れの手紙”を書いてください。(彼には見せないように!)

Q3.「結婚したらどんな家庭を築きたいですか?」という質問の答えを30個作ってください。

Q1は現状を受け入れるために、Q2はあいまいな関係を手放すために(彼と別れるため、ではありません)、Q3はヴィジョンを描くための宿題です。

皆様の参考と気付きになりましたら幸いです。


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