悲劇のヒロインで居続けても幸せはやってこない。

ラブ・カウンセリング

失恋クリニックで、ちょっと痛い話なんだけど、避けては通れないテーマがこの「悲劇のヒロイン」にまつわる物語なんです。

失恋して、傷ついて、自分が否定されたような気がして、そして、将来が見えなくなり、周りの人も信じられなくなり・・・そうすると、その痛みや悲しみ、さらに何よりも恨み辛みや怒り、憎しみの感情があなたを悲劇のヒロインに仕立てていきます。

私だけなんでこんな辛い目に合わなきゃいけないの?
彼以上の人はもう現れないし、もう一生誰も私のことなんて愛してくれない。
こんなに頑張ったのになぜ報われないの?
周りの人はみんな幸せなのに、私だけ不幸のどん底。
みんな私の気持ちなんてどうせ分からない。

そんな悲しみや痛み、恨み辛みの中にどっぷり浸かってしまっている状態。

痛々しい部分もありますが、でも、徐々に周りには呆れられてしまいます。


こういう時は、どれだけ感情を感じているつもりでもすっきりすることはありません。
「浸りこみ」というのですが、その悲劇のヒロインでいることにどっぷり浸かっているので、そこを出ることができないのです。

いや、ほんとうのことを言えば、出たくないし、出ちゃったらまずいのです。

なぜかと言うと、悲劇のヒロインになるにはある目的があるんです。

「こうしていれば、いつかはあの彼が『こんなに傷つけてごめん。俺が悪かった』と言って戻ってきてくれるんじゃないか」という。

つまり、彼とよりを戻したい一心で、悲劇のヒロインになっているのです。
そうすると、彼が戻ってこない間に悲劇じゃなくなったら困るんですね。
彼を取り戻す方法がなくなってしまうわけで。

だから、こういう心理が働いていると、頭では「手放そう、次に行こう」と思っても心は付いてきてくれません。

また、もう一つ理由があって、「あたしがこんなになったのは、あなたのせいなのよ」という復讐心であるケースも少なくありません。

復讐というと、相手に報復するスタイルを思い浮かべるかと思うのですが、自分を傷つけることによって相手を攻撃するスタイルも案外メジャーなのです。

つまりは、表立って攻撃できないがために、自分自身を悲劇のヒロインにすることによって相手を心理的に攻撃しようとしているわけです。

これも先ほどと同様、攻撃が完了する前に悲劇のヒロインじゃなくなってしまったら復讐が遂げられませんのでいつまでもその状態に居続けてしまいます。

もちろん、こうした心理は無意識的なものですし、多かれ少なかれ誰の中にもあるものです。

失恋すると、どっぷり依存心が動き易くなります。
依存心が強くなると「私には何もできない、彼に何とかしてもらわなければ」という心理になりやすいんですね。

そうして、自分を悲劇のヒロインにすることで、彼の気を引こうとしてしまうし、彼に復讐しようとしてしまうのです。

客観的に見ると分かるんです。そんなことしていても、いや、そんなことをしている間は彼は戻ってこないと。
でも、この態度は癖になってしまいます。

それに、こういう状況にいる間は、他の人の愛を受け取ることができません。
それは恋愛感情はもちろんですが、友だちからの、家族からの優しさも無下にしてしまいます。

それどころか、周りの人の愛に気付けないので、どんどん孤独感ばかりが深まり、ますます悲劇的にならざるを得ないんです。悪循環ですよね。

じゃあ、どうしたら抜け出せるのでしょう?

一つ目は、素直さ。素直な気持ち、本音を取り戻すことです。
彼のこと、好きですよね?そうまでしてよりを戻したいわけですから、それくらい好きなんですよね。
痛いかもしれませんが、その好きって気持ちに素直になってみるんです。

そこでは「でも・・・」は禁句。それはニーズ(依存心)の囁きであることが多いから。

好きなんだなあ・・・
寂しいなあ・・・
一緒にいたいなあ・・・
あんなに幸せだったのになあ・・・

そういう気持ちに素直になることです。

二つ目は、周りの人に感謝すること。これはちょっと頑張るところ。
ありがとう、ありがとう、と言い続けてください。

私のそばにいてくれてありがとう。
こんな私を励ましてくれてありがとう。
話を聞いてくれてありがとう。

これは攻撃的な気持ちを手放してくれるのと同時に、意識を周りに向けてくれる効果があります。

三つ目は、自分の価値、魅力、美しさを改めて知ること。
自分はどんな魅力があるのか?を知ることなんです。
この段階ではよくこんな宿題を出します。
「周りの人に聞いてみてください。私の魅力ってどんなところ?特に異性の友人がいたら、女としての魅力もついでに聞いてみてください。真剣に聞いてみれば、真剣に答えてくれるはずだから」と。

四つ目は、いよいよ、その焦点となっている彼を手放していくこと。
彼の幸せを願い、彼の幸せを喜べる自分になることです。
これは同時に自分自身が幸せになることを許すプロセスでもあります。

いきなりこれをやろうとしたら失敗しますからね。
ある程度、手順を踏まないと、空回りしたり、傷口に塩とレモンと唐辛子を塗りこむようなことにもなっちゃいます。

・・・お気づきでしょうか?
実はこれ、失恋から立ち直るプロセスそのものなんです。
悲劇のヒロインも失恋の痛みが生み出した幻想だから、同じなんです。

参考になりましたら幸いです。


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