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個人セッションでお伺いすることが多いんですが、「夫が素晴らしい人すぎて、かえって自分が惨めになる」というテーマはけっこうあるあるなんですよね。
彼が光なら、自分は影になってしまうのですが、そこに見えるのは「比較競争の罠」です。
それをどう乗り越えればよいかを考えます。目指せバカップル道ですね。
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私の恋愛講座では最後の方は質疑応答の時間を必ず作るようにしておりまして、それで、講座の内容とは関係ないものでもいいですよー!って質問や相談を受け付けてます。
昨日の講座でいただいた質問で、「これってあるあるだけど、ちょいと相談しにくいし、あまりうちのブログでネタにしてないなあ」と思ったので、今日はそんな話をしたいと思います。
ただ、うちの読者の8割以上を占める「野良猫・ロックマン愛好家」ならびに「ダメンズメーカー」の皆様におきましては、あまり興味がないっていうか、他人事にしか感じられない内容だと思いますので、予めお断りしておきます。ごめん!
そのテーマというのは「旦那が素晴らし過ぎて自分に価値があるとは到底思えない」というもの。
どうやら私の読者の中には少数ですけど、同様の思いを抱いている方がいらっしゃるようで個人セッションなどではよく出てくる話なんです。
ほら、うちのブログを彩るテーマって、たいがいが「逃げられた」「壁にぶち当たった」「何考えてるか分からん」「女の影しかない」「今どき、昭和の男か!」「なんだかんだヤリモクだったらしい」みたいな話が多いじゃないですか。
そうすると「うちの旦那は神で、性格も素晴らしく、稼ぎもよく、見た目もかっこよくて、家事もできて、友達からもすごく慕われていて、実家の家族もすごく良くしてくれて・・・」なんて話ってし辛いですよね。
もちろん、武闘派な女子たちはそういう男には興味がないので、ひたすら「影がある男が好き」「問題がない男とは男とは言えん」「障害がない恋なんて燃え上がらんわ」と道なき道を開拓することに精魂込めていらっしゃるわけで、今日の話はもしかすると退屈かなあ、とか思っちまうわけです。
でも、ほんとのところ、その質問をしてこられた彼女が武闘派女子ではないか?というと、本人は認めないでしょうけど、かなりの武闘派とお見受けいたしましたけど。
だから「旦那が素晴らしすぎて、自分に価値があると思えん」と自らを問題児に仕立てていらっしゃるわけですね。
そう、「旦那が問題ない人だから、あたしが頑張って問題作ってんのよ!えらいでしょ!」という戦略を取られたんだろうと思います。
そもそも武闘派女子の大多数がなぜ問題のある男に行くか?っていうと、「素晴らしい彼なんてまぶしすぎて受け取れんわ」という心理があるからで、そういう意味で、彼女は果敢にもそんな男に挑んだ勇者と言えるのかもしれません。
さて、本題から大きく外れてしまいましたが、「素晴らしい彼を持つと彼女は惨めになる」って話をしてみたいと思います。
きっとうちの奥さんもそんなことを常日頃から感じられていることでしょう!!(願望)(希望的観測)(本人には確認してない)(もちろんするつもりもない)(でも、そう思ってる旦那はけっこうたくさんいそう)(ってことはほんとは違うの?)(えっ!?)
・・・どうも話が脇道にそれてしまいます(汗)
さて、『パートナーシップはバランスを取りたがる』という法則があります。
旦那が素晴らしければ、あたしは全然ダメな女で、
旦那が正しければ、あたしは間違っていて、
旦那が良い人なら、あたしは悪人で、
旦那が光なら、あたしは影で、という風に思えちゃうんですね。
つまり、そうやってバランスを取ろうという心理があるんです。どこに?そう、自分の中に。
「こんなすごい人の奥さんなんてあたしに務まらない」という不安を常に持っていて、「いつか嫌われるに決まってる」「そのうちあたしのことなんて飽きて捨てられると思う」という信仰にハマります。
奥さんから見て「この人はほんとに素晴らしい人だ」と思うと、当然ながら「それに比べてあたしは全然ダメだ」と思うものでして、そこにあるのが「比較」「競争」という心理です。
夫婦ってとにかく「競争が激しい」のです。
明らかにマウントを取ってくる夫・妻もいれば、彼女のように自分を落として相対的に相手を持ち上げる戦法を取る夫・妻もいます。
もちろん、武闘派女子であればあるほどその競争心は激しいのですが、そうじゃないふつうの女子の中にも少なからずあるものです。
夫婦関係は勝ち負けじゃないって分かっているのに、何かと勝ち負けを意識しちゃうものなのです。
それを「主導権争い」(パワーストラグル)と呼びます。
「素晴らしいのは旦那であって、あたしじゃない」という思いを持つことによって、自分を惨めなポジションに落としてしまうわけですね。
そして「どうせ私なんて何の役に立たない」「私がすることなんて意味がない」などとひたすら自分を責め続けた結果、病気になっちゃう人もいます。
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そして、あまりにその惨めさ、無価値感、無力感、罪悪感などに駆られた結果、「あんな素敵な旦那さんがいるのに、なぜか私は居心地が悪く、家に居場所が感じられなくて、逃げ出したくなっちゃうんです」という思いを抱く方もいます。
そして、自分が安心する別の男の元に走っちゃうわけです。
どんな男か分かりますよね?
いい加減、嘘つき、だらしがない、体にしか興味を示さない、お金もない、仕事ができない、中身が空っぽ、、、、みたいな男です。
旦那>>>>あたし、と思っているならば、あたし>>>>彼、という図式を求めるんです。
旦那の元にいると自分はすごく惨めで情けない気持ちになるので、自分が優越感を感じられるようなダメンズを求めるようになるわけです。
そこで、旦那の前では出せない「ダメな自分」「弱い自分」「ヒステリックな自分」「性にどん欲な自分」などを出していくんです。
これもまたバランスの法則です。
もちろん、旦那の前で「弱い自分」を出しても受け入れられることは頭では知っているのですが、でも、そしたらますます競争に負けて、すごく惨めになるじゃないですか。
「あんたにあたしの思いなんてどんだけ分かるのよ!」と言いたくなるんです。
例えば、旦那の家族はみんな仲良くて素晴らしい人たちばかりなのに、うちの実家としたら戦争状態が続いていて悲惨な関係だとすると、自分の家族のことを恥じる一方で、「あたしの寂しさや辛さ、痛みはきっと夫には理解してもらえない」と感じるでしょう?
例えば、旦那はエリートコースを順調に歩んでいて挫折なんて知らないと思えば、「人を見たら敵だと思え!」という教えを叩きこまれ、戦場を駆けずり回ってきた自分の人生を彼の元に晒そうという気にはならないのです。
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でも、その惨めさとか寂しさとか甘えられないのとか無価値感とかって旦那と出会って生まれたもんなん?と思うんです。
その前からずーっとあったん違うの?それが旦那という光の下で明らかになっただけちゃうん?と思うんです。
なので、そういうご相談をいただけば「じゃあ、あなたの人生をもう少し見ていきましょうよ」という風に、過去を語っていただくもんです。
それは「じゃあ、そんな風に感じちゃうのも無理ないよねー」という理解を深めるためであり、「そしたら、あなたにはこんな才能があるんだわなー」を見つけるためであり、できるならば「だとしたら、旦那みたいな人に愛されるのも分かるわねー」という結論を見出すためです。
例えば「旦那はあなたのその柔らかい雰囲気がいいみたいだね。ただ居てくれるだけでいいとか言われない?きっとあなたといる癒されるんよ」とか「あなたはほんとはすごく自由な人でしょ?彼は自由に見えて不自由な人ですよね?だから、あなたが自由にしているのを見ると嬉しいだと思うよ」とか。
とはいえ、たいがいこのパターンにハマる人は、「絶対旦那が素晴らしくてあたしはダメだ!」という思いが強すぎるので、なかなか頑固なもんです。
「ただ居るだけでいいって言ってくれますが、それじゃお人形さんと変わらないじゃん!」とか「自由にしたらいいって言ってくれるんですけど、でも、やっぱり旦那さんが稼いだお金だし、気を使うに決まってるでしょ?」とか。
自分の価値は絶対に認められない・・・もし、自分に価値があるとしても旦那よりはずっと下だ・・・と思い込みます。
これらの思いはすべて「競争心」です。
競争があると、パートナーの愛を受け取れません。
もちろん、パートナーに愛を与えることも十分できません。
受け取れなくても、与えられなくても、そこに罪悪感が生まれます。
その罪悪感が夫婦の間に壁を作ります。
そして「私のせいだ」「私がダメだから」として、ますます旦那に対して自分を惨めに落としていきます。
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ってことで、どうしたらいいんでしょ?って話なのですが、どうしたって自分の価値が認められない、旦那と比べて自分に価値があるとは思えないって風に思ってしまうので、結論から言うと「アホになりましょ!」ということになります。
それが難しいんですぅ、というわけですけど、まあ、それは目標だから。
そもそもすべてのパートナーは「対等」です。
そう思えないだけで、パートナーシップを築いている以上、「対等」であることは揺るぎません。
そして、心理的にもっとも近い距離にいるパートナーは完全なる「鏡」です。
パートナーが素晴らしければ、鏡に映る自分の姿が素晴らしいってことで、つまり、自分も素晴らしいのです。
だから、本当の問題は「私は全然ダメなんです」ではなく、「自分のすばらしさが受け取れないんです」ってところにあります。
・・・って話をするといつまでもロックマンや野良猫を追いかけてる女子は「え?じゃあ、あたしもやっぱりロックウーマンということか」とか「野良猫の野良猫好きってほんとだったんだ」とショックを受けられると思うので、なかなか公開記事では書きづらいんですけど・・・笑
とはいえ、「そんなの信じられないですぅ」という話になるので、セッションの中では深掘りしていくんですよね。
改めて、自己肯定感をあげていくようなワークに取り組んでもらったり、過去の関係性で嫌な思いがあるならそれを手放そうとするでしょうし、両親との関係に問題があるならばそこを扱っていくでしょうし、セクシャリティの問題があるならそこを見つめていくでしょうし、できることはいっぱいあります。
そうすると少しずつ自分を落としてる力が弱くなってくるので、以前に比べればマシって状態が現れます。
つまり、徐々に旦那の愛が受け取れるようになるし、自分の価値も認められるようになるし、自分が彼の奥さんであることに許可が出せるようになっていきます。
そういう部分はセッションの中で扱えばよいことなので、日常はひたすら「アホ」を目指してもらうでしょう。(もしくは「エロ」を追求していくことを勧める場合もあります。その辺はお好みで)
「好きなことやりましょう」「遊びましょう」「趣味に打ち込みましょう」なんて風に。
料理が好きなら、あれこれ料理を研究したらいいし、
家計を管理するなら、投資の勉強とかをしてもいいし、
インテリアが好きなら、居心地のいい空間を自分でコーディネートすればいいし、
絵を描くことが好きなら、好きな絵を描き続けたらいいし、
TDLやUSJが好きなら、マニアになるくらい通えばいいし。
それが彼に与えられるものになるんですけど、そんなことは意識しなくてもいいです。
そして、もう一つ大事なのは「旦那好き好き病」に罹患することっすね。
むしろ、重症患者になることっすね。
旦那好き好き病は無敵なので、遠慮はいりません。
ここにチャレンジされる方は、「1日100回は旦那に『好き!』って言う」「1日10回は旦那に抱き着いてチューをする」という過酷な課題に挑んでいただきます。
ま、競争心があるとできないのですが、逆にこれをやっていくと競争心がなくなっていくもんです。なのでめっちゃお勧めです。
で、そういうことをしてると勝手に「アホ」になっていきますね。だって毎日が楽しいからね。
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「素晴らしい旦那と結婚する」という難易度の高いチャレンジをなさった方がほんとうに目指すのは「ただ存在しているだけで自分には価値がある」ということを体験することです。
何かしないと愛されない、何かしないと意味がない、という思い込みを私たちは持っていて、「ただそこに居るだけで価値がある」ということなんて、言葉として知っていても実感なんて伴いません。
これがややこしいことで「存在しているだけで価値がある」という言葉もまた曲解されやすく、「じゃあ、何してもいいんだ」と解釈して調子に乗っちゃう人もいます。
「存在しているだけで価値がある」というのは、「ありのままの自分でいる」ほどの意味です。
だから、自分が存在しているだけで価値があることを知っている人は、実はたくさん感謝します。「ありがとう」が口癖になり、いつも誰かに感謝しています。
自分が彼の妻であることの意味を知ることも大事なことです。
それは彼を信頼することでもあり、彼からの愛を受け取ることにもなります。
だから、自分を許し続けること、が自分の存在に価値を見出すことにもなるんですよね。
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素晴らしい夫に対して、自分が与えられるものって何だろう?というのは少しステージがあがってきたころに話題になるテーマです。
結局は「自分軸」というのもまた鍵になるんですけど、「今の私が夫のためにしてあげられることって何だろう?」「今のあたしが夫に与えられることって何だろう?」「今の自分が夫を喜ばせてあげるとしたら何だろう?」というテーマを持って、日々「できること」をやっていきます。
彼を喜ばせてあげたい。
彼を笑顔にしてあげたい。
って思いを意識的に優先していきます。
もちろん、そこで「あたしがしてあげられることなんて価値はないし」って思っちゃうかもしれませんけど、それは無視します。
自分の痛みより、彼を愛することを優先します。
自分の無価値感より、彼への愛を選びます。
そうすると、痛みを越えて、怖れを越えて、無価値感を乗り越えて、彼に与える(愛する)ことができるようになるのです。
ここがいわばゴールですね。
それは競争を手放せていますし、自己肯定感もあがってますし、それなりにアホになってますし、自分軸で与えることができていますし、ね?最高の妻になってるでしょう?
でも、それって別に無理することではなく、たぶん、ありのままの自分です。
それだけ素晴らしい彼があなたを妻として認めたわけですから、それが自然の姿なのです。
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ちなみに・・・妻から見れば素晴らしい旦那さん!ですが、あまり見上げすぎると彼はあなたの前で弱さを出せなくなります。保護者になっちゃうわけですね。だから、対等性を受け取り、アホになることは、それだけで彼に癒しを与えることになるのです。
でも、よくよく考えれば彼も人間なんだから不得手なところも苦手なところもダメなところもあるんです。足がクサいとか屁がクサいとかあるでしょ?別に彼の欠点を見つける必要はないんですけど、見上げてるとそういうところも見えなくなるので後々ショックを受けますよね。
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