誇大妄想的なタイプの人が自分を褒めるのはかえって自惚れを増長させませんか?



誇大妄想的なタイプの人は実は自信のない人。だからそういう態度を取ってしまうんです。だから、そういう方にも「自分を褒める」は有効に働きます。でも、実際は「まずは地に足を着ける」ことが最初のテーマかな。

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「自分を褒めることについて」
根本さんのコラムに何度かとりあげられている「自分を褒めること」はどんなタイプの人にも有効なのでしょうか?
 例えば客観的にはもっと謙虚になった方が良かったりする誇大妄想的な自信がある人などがやったら、さらに自惚れを増長させる恐れはありませんでしょうか?
 落ち込みの原因が自己評価の低さではなく、実は逆の高い自己評価と現実のギャップだとしたら必要な対策もまた逆の例えば自分のことを褒めるのではなく、反省することを日常に取り入れるなどが有効でしょうか?だとしても元々誇大的な傾向があるとしたら、反省もポイントがだいぶずれるなど難しいように思えます。
 自信がないタイプが正当な自己評価に修正するのに「自分を褒めること」が有効なのは理解出来ます。逆のベクトルの人が自己評価の修正をするには果たしてどのような手段が有効なのでしょうか?
 お知恵お聞かせ頂けたら幸いです。
(ドンキさん)
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ありがとうございます~!

>逆のベクトルの人が自己評価の修正をするには果たしてどのような手段が有効なのでしょうか?

そうお考えになるのはよく分かります、分かります。
確かに「自分を褒める」というのは、自己肯定感が低い方には有効で、逆に、ちょっと誇大妄想的な、自惚れ屋のような、自信家のような人には逆効果ではないか、という風に思いますよね。

実際、誇大妄想的な自信のある人の場合、自分を褒めるよりも「地に足を着ける」ということが最初のテーマだったりするんですね。
今、ここに生きられず、ファンタジー(空想)や現実を否定しながら生きてることが多いので、「今、ここに戻るための方法」を模索していきます。
それは呼吸法だったり、瞑想だったりでもありますが、「今あるものに感謝する」というのはよく使う方法ですね。今、関わりのある人、今、自分が持っているものの価値をちゃんと認めて感謝していきます。

ただ、実は、誇大妄想的なタイプの方ってとても自己肯定感が低いのです。つまりは自信がないのですね。
自信がない自分を受け入れられず、許せず、認められず、そんな自分ではダメだから、と逆にベクトルを振って誇大妄想的な言動を取っているのです。
それが周りの人を不快にさせたり、ドン引きさせたりってことになるんですよね。

本当に自信のある人って謙虚で、穏やかで、自己主張をあまりせず、でも、その場で存在感を放っていられます。
自信のない人ってそれを主張しなければ周りから認められないと思っているので、そんな言動を取るんですよね。
だから、『自信家の人は本当は自信のない人』って良くお話しするんです。

そういう点から見ると本当は自信がないのですから「自分を褒める」ことは有効です。
ただし、それを人に言うと大げさに振舞ったり、心に無いことを発してしまうのであまり効果は見込まれません。
こっそり自分を向き合うレッスンとしてはいいんじゃないかな、と思います。

ただ、先ほど書いた通り、最初は地に足を着ける、という目標になるので、まずこの宿題を最初に出すことはないと思いますが・・・。

誇大妄想的な自信家の場合、ちょっと付き合うのがしんどいと感じてしまうこともあろうかと思います。
でも、そんな自信家の部分も「補償行為」なんですよね。自分を低く見られないための、愛されるための。

だから、その背景にある自信のなさ、怖さなどに注目してあげると、付き合い方も変えられるんじゃないかな?と思っています。

参考になりましたら幸いです。

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