平和主義者の心理~揉めるくらいならば我慢するし、ほんとにヤバければ回避しちゃう他人軸の生き方~



平和主義者は争いを好みません。自分さえ我慢すれば丸く収まるなら、平気で我慢します。
そうして人に合わせ、自分をあまり出さず、基本的に肯定してくれるので安心な相手です。
けれど、何を考えているか分からないし、ヤバくなったらすーっと回避しちゃう平和主義者は実は頑固者で怒ったら怖いんです。

「平和主義」という心理があります。

別に反戦運動に参加し、、、、というわけではなく、

・争いが苦手、嫌い
・自分が我慢すれば丸く収まるなら我慢する
・人に迷惑をかけるくらいなら嫌なことも我慢する
・揉め事が起こらないように相手に合わせる
・反対意見があっても述べずに、その場を流そうとする
・常に周りの空気を読んで争いにならないように配慮する
・意見が対立している場合は折衷案を何とか絞り出す
・揉めそうなときはピエロになるなどして場を和ます
・相手の言葉を否定せず、同調する
・ヤバい状況になったらその場を離れる
・誘いを断らなければならないときは罪悪感がすごい。
・相手の気に障らないように慎重に言葉を選ぶ
・周りに神経を使い倒すので、一人の時間が必要
・一人になるとドッと疲れる

みたいな感じ。当てはまるところ、ありますでしょうか?
もしくは、みなさんの周りにそういう人はいませんか?

そういう背景があるので、周りから見ると「事なかれ主義」とか「回避型」として見られることもあります。

また、特に尖った発言とかもないので存在感が薄く、それに悩む人もいます。

こうした平和主義者は多くの場合、「争いの中で育ち、心を痛めまくったので、争いのない平和な世界を望む」ようになったのです。

・両親が日々喧嘩ばかりしていて、それがすごく辛くて嫌だったから、自分は誰かと喧嘩するなんてまっぴらごめん。

・受験や習い事、スポーツなどの激しい競争社会に放り込まれてすごくしんどい思いをしたので、誰かと競争する(争う)ことを避けるようになる。

・両親(もしくは一方)が平和主義者で、文句も怒りも不満も全部我慢してニコニコしていたので、自分もそれを真似てしまった。

要するにそうしたトラウマ的な過去があって、処世術として平和主義を身に着けた感じです。

従って平和主義者は周りから見ると「すごくいい奴」です。
優しいし、否定しないから安心できるし、なんでも付き合ってくれるし、自分のことを肯定してくれるし、とってもいい奴です。

じゃあ、その関係がうまくいくか?というと、、、意外とそうはならないのが人生の難しいところですね。平和主義者と長く付き合っていると、

「つかみどころがない」
「個性がない」
「何を考えてるか分からない」
「ほんとに喜んでくれてるのか分からない」
「存在感がない」
「いい奴だけど、それだけ」
「なんか怖い」

みたいな感覚が出てくるものです。

だから、平和主義者は周りから軽く扱われちゃうこともあります。

恋愛ならば、

「ほんとに私のことが好きなの?」
「将来のこと真剣に考えてる?」
「なんで肝心なときに逃げるの?」
「ほんとにこれでいいの?」
「本音を話してよ!」

みたいな思いを相手に抱かせてしまいます。

平和主義者は「No」が言えません。

黙ってその場を立ち去る(回避する)ことはあっても、明確に自分の意志を示せないんですよね。

嫌だと思っても嫌だと言えないんです。

そうすると好きでもない人に言い寄られて付き合っちゃったりしますし、それが元で気が付けば何人もの彼氏ぽい人ができたりします。

でも、別れ話もうまくできないから、無視をするか、フェードアウトを試みようとします。

しかし、それがイケイケなお兄さんだったら場の空気なんか読まずにずけずけと入り込んできますから、フェードアウトしようとした矢先に首根っこを掴まれて戻されたりするんです。

だから意を決して別れ話をしたのに、相手に論破されて、それを取り下げてしまう、なんてこともあるんです。

それで、大好きな人と誠実にパートナーシップを築きたい、と本音では思っているのに、それがうまくできなくて、あまり好きじゃない人とずーっと一緒にいる、なんて事件も起きてしまうし、不誠実な行動に出ちゃうこともあるんです。

そんな平和主義者ですから、「私はコレ!」というものを持てません。

仕事でもほんとうにしたいことをしているのかが分からなくなる時もあります。
そもそも「何がしたいのか?」が分からないことも多いです。

角が立たないように周りの人に同調してあまり興味が持てない業界を志望することもあります。

基本的に家族や先生などの勧めに従って進路を選びます。

それで「医者になりたいわけじゃなかったのに、親も医者だし、や周りの人がそれを望んでいることを知っていたので頑張って医学部に入ったんです。でも、ほんとうは文系科目の方が好きで、今でもこんな自分が医者になってよかったのか疑問なんです。」みたいな悩みが生まれるんです。

文系科目の方が得意なのに医学部に入れちゃうのもすごいことなのですが、実は、こういうご相談は実に多いものです。医師に限らず、弁護士も、エリート官僚、大企業の総合職から専門職まで。

しかも、20代までは何とか頑張ってやってるんですけど、30代になって今の自分に疑問を持つようになる方が多いんです。

「これをやりたい!この進路に進みたい!」というと角が立ちます。
それならば、自分の思いは抑えてでも、周りの人の顔を立てようとするんです。

この辺は「期待に応える人生」ともかぶりますね。

また、平和主義者はコレといった趣味もあまり持ちません。

とはいえ、趣味がない、というのも角が立つので、一般的な「読書、音楽鑑賞、旅行、ヨガ」あたりを趣味欄に書くことが多いですね。

そもそもヨガを始めるにしても友達から誘われたり、勧誘を断れなかったりしたケースも多いものです。

そうすると当然「推し活」も微妙です。

とはいえ、やっぱりそれだとちょっと不都合なコミュニティに属している場合(=友達が熱心に推し活をしている、職場の人が推しの話で盛り上がってる、等)は、一応、あの人を推してる、というテイにしている人もいます。

なんせ、コレ!という趣味や推しを持ったら誰かと対立することは避けられませんよね。
坂道グループを推したら、カワラボ推しからバカにされたりするわけですし、バイク乗りになろうとしても「そんな二輪車なんて危ない!うるさい!」という親戚のおばちゃんの怪訝な顔が浮かびます。

それで、趣味を選ぶにも「それならいいんじゃない?」とみんなが納得するものを選ばざるを得ません。

だから、あんまり情熱を感じないままその趣味に興じることになります。

それで「アイドルがほんとに好きかどうか分からない」と自分でも思うんです。
でも、「興味ない」「いやだ」「嫌い」とは決して認めないんです。

つまり、仕事にせよ、恋愛にせよ、趣味にせよ、夢中になる、没頭する、ということができなくなってしまうのです。

平和主義者のみなさん、それってけっこう悩みになりませんか?

それくらい平和主義者は「自分」ではなく「他人」を見てしまっているのです。

つまり、平和主義者というのはどうしたって他人軸な人生にならざるを得ません。

そして、自己喪失な状態にならなざるを得ません。

自分を持ったら誰かと対立するからです。

だから、自分でも自分のことを「つまんねー奴」と思いますし、「没個性」と評価しています。

友達は一見たくさんいるように見えるけど、「ほんとうの友達って誰だろう?誰もいないかもしれない」と思いやすいものです。

自分が合わせているから付き合えている相手がいっぱいいるんです。
誘われるから出かけていくだけで、自分がその人と会いたいか?なんて考えないようにしています。

だから、どれだけ優秀な成績を残しても、周りから「すごい!」と言われても、全然自信が付きません。自己肯定感は意外と地を這うのです。

だから、平和主義者はどこかでそのツケを払わなければいけなくなります。

それでアンダーグラウンドにどっぷり浸かっちゃう人もいますし、メンタルを崩したり、病気になっちゃったりする人もいます。

ここからは平和主義者の影の部分を見て行きましょう。

「自分さえ我慢すれば丸く収まる」という平和主義者ですから、ネガティブな感情はすべて腹の中に仕舞いこみます。

自分が辛くてもそれを出したら人に迷惑をかけるから全力で飲み込みます。
ハラワタが煮えくり返るような怒りを覚えても必死にそれを抑え込みます。
寂しいときもそれを無視して平気なふりをしてニコニコしています。

子どもの頃からそういうトレーニングを重ねてきたので、感情を感じなくなっちゃってる人も多いです。

友達から「そういうときは怒るべきだよ」と言われても全然ピンと来ないものです。

辛いことがあってもみんなが悲しんでいても自分はあまりそれを感じないので「自分って冷たい奴だな」と思いながら、周りの人を慰めにいきます。

寂しさなんてとうの昔に麻痺させたので、何なら「ほんとは一人でいるのが一番楽」とまで思います。実際ひとりならば人に気を使わなくて済みますからそれは事実なんですけどね。

でも、そうして自分の感情を抑え込んでいるわけですから、心の中にはそんな抑圧された感情でいっぱいいっぱいになっています。

だから、よくこんな風に言うんです。

「平和主義者が怒ったら一番怖い」と。

でも、そんなことはめったにないんですけどね。怒りを出すくらいならその場を去ってしまいますから。

そういうわけで、心の中にはめちゃくちゃ感情を溜め込んでいるんです。

だから、平和主義者は「頑固」になります。

「周りはふわふわでとても柔らかいのに、芯はめちゃくちゃ堅くてビクともしない」
それが平和主義者です。

そんな頑固な部分はふつうは出ませんから、これは長い付き合いのパートナーシップや仕事などで出てきます。

「こいつ、ふだんは付き合いいい奴なのに、何かのときはめちゃくちゃ頑固やな」という感じです。

その「頑固」を作っているのが「長年抑圧してきたネガティブな感情」です。

だから、平和主義者が珍しく「No」と言ったら押しても引いても頑固に「No」です。
積年の恨み辛みにより「別れる」と決めたのだから、それはもう絶対です。説得しても、泣き落としを使っても、脅迫しても、テコでも動かないんです。

それでカウンセリングに駆け込まれる“被害者”の方も少なくありません。

そんな平和主義者はどうしたらいいのか?

他人軸だし、自分のやりたいことも分からないし、回避癖もあるし、中途半端で、事なかれ主義で、ほんとはいい加減な奴・・・という自分はどうしたらいいのか?

やはり基本は「自分軸」を取り戻していくことですよね。

人と関係するところでは反射的に相手に合わせに行くので、まずは一人でできる範囲で。

「私は私、人は人」「私はほんとはどうしたいの?」

そんな自分軸のアファメーションや問いかけを日々意識していきます。

その上で、こっそり溜め込んだ怒りを解消していきましょう。

とはいえ、いきなりお恨み帳を書こうとしても絶対に書けないですよね。
恨みを持ってる、ってこと自体が自分に許せませんから。

だから、カウンセリングを利用しましょう。
そこで「感情とのつながり」を取り戻していく作業を始めにします。

でも、抑圧してるのってネガティブな感情だけじゃないんです。
ポジティブな感情だって抑圧してるんです。

だから、そうしてカウンセラーに話をすることで、自分の心の内を少しずつ知って行きましょう。

私の場合ははじめは呼吸を使って感情を吐き出すやり方をよく使います。

そうして心とのつながりを取り戻していくんです。

その上で、原因を見ていくこともよくやります。
親と向き合ってみたり、過去の恋人や友達と向き合ってみたり。

その方が感情がでやすいものですから。

それと同時に、自分が好きなもの、楽しいことを“掘り出していく”んです。

ヒントはたいてい幼少期にあります。まだ平和主義を発揮し始める前。

ときには幼稚園・保育園時代の写真や動画を見返してもらうこともあります。
それで思い出していくんですね。

そうじゃなくても感情を取り戻し始めると記憶も蘇ってきますから思い出せることも増えますね。

そうして改めて「自分を発見していく」ということをするんです。

言葉で書くとシンプルですけど、自分の頑固さには自分でも手を焼いてると思いますから、ほんと岩盤をハンマーで崩していくようにコツコツ作業を進める気持ちでやっていきましょう。

とはいえ、硬い岩盤もある程度崩したら一気に崩れることが多いです。

今まで自分を放置していた分だけ、自分を取り戻し始めると人生が楽しくなっていきます。

ただ、今あるもの(仕事や人間関係)を斬り捨てたくなることもありますが、それも大事なプロセスです。

ほんとうに大切なものはちゃんと手元に残るから大丈夫です。

そうしてライフワークを意識しながら自分を取り戻していく、という作業をしていきます。

そのためにはまずは「自分軸」がテーマになりますね。
そこからアプローチしていくことにしましょう。

でも、最後に言えるのは平和主義者ってその鎧を脱いでも、やっぱいい奴だし、優しい人です。そこは変わらないんですよね。

最後に、そんな平和主義者がすぐ近くにおるで!というみなさんへ。

とってもいい奴で、ノリもよく、付き合いもいいと思うんですけど、だからと言って自分の思い通りにしてばかりいると「怒り」をどんどん貯金してることになってしまいます。

一番危険なのは「こいつはこういう奴だ」と決めつけてしまうこと。

だからちゃんと相手の本質を見極めよう、相手の本音を知ろう、相手のことをもっと深く知ろう、という意識を“強めに”持ってください。

なかなか自分の内側に入れてくれないことも多いと思いますが、そこは根気よく、相手の話を聞いてあげることに意識を向けましょう。

とはいえ、相手の話を引き出そうとしても、「でも、あなたはどうなの?」って返されて、つい聞き上手だから自分の話ばかりをしてしまうことが多いと思います。なので、その手には乗らないように注意してください。

そうして、相手がなかなか見せてくれない心の内を探求するつもりで接してあげると、ほんとに心を開いてくれるようになりますので、それまでは気長に辛抱強くかかわっていくことです。

ま、自分では扱いきれない、と思ったらカウンセリングに送り込むのも手ですね。

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