優しさであり、思いやりでもあるのだけど、自分の気持ちを素直に出せずに、自己犠牲に走ってしまう罪悪感のパターンについて。



その陰には子ども時代からの習慣の積み重ねがあり、罪悪感があるのです。
だから「休む」ということも素直に自分に許可が出せず、子どもの体調不良を理由にせざるを得ないのかもしれません。

根本先生、こんにちは。
これはもしや?と思うことがあったので、先生の見解をお聞きできたら嬉しいです。

先日、何だか疲れてしまったので、1週間くらい家に籠もってストレッチをしたり映画を見たりして過ごしたいなぁと思いました。
でも、専業主婦で未就園の小さい子どもがいるので、節約や健康のために手料理を作ったり、子どもを外へ遊びに連れて行ったりするのはサボる訳にいかないな、誰か料理と遊び相手を代わってくれないかな、はぁ、と思っていました。

その直後、子どもがインフルエンザになったんです。
かなりの高熱が出て、私が離れると泣いてしまうので、私は看病に専念し、家事は夫や親にやってもらうことになりました。
看病は大変でしたが、子どもが寝ている間にストレッチをしたり、少し元気になってきた頃には抱っこしたまま映画を見たりすることができました。
食事も作ってもらったものを美味しくいただきました。
そして、子どもが回復するまでの1週間、病院へ薬をもらいに行く以外は家に籠もっていました。

これは、私が引き寄せたのでしょうか?
子どもが体調を崩せば家に居られるのに、なんて考えたこともありませんでしたが、看病という大義名分を得て休むことに成功したのでしょうか?

もしくは、子どもが私の願望を察知して、一生懸命、体調不良になったのでしょうか?
もしそうだったら申し訳なさ過ぎます。

私は自分が子どもの頃から、何だか疲れて休みたいと思うことが時々ありました。
「体調が悪い」と言って学校を休む許可をもらう際に、母は「休むの?どうすんの?」とイライラしていました。学校を休むことよりも、じゃあ休んで良いよと言ってもらおうとしていることにイライラされている感じでした。

また、母は職場の人間関係の愚痴をよく言っていたので、母は嫌な仕事を休めないのに自分は学校をサボろうとしていることを申し訳ないと思っていました。
なので、するべきことをしないで休むことに罪悪感があります。

罪悪感を手放すことができたら、大義名分というか、するべきことができなくても仕方ないと思える理由がなくても、堂々と休むことができるようになるでしょうか?
(Mさん)

お子さん、元気になられましたか?
かなりの高熱ってことはだいぶ心配でしたよね。

けど、その代わりに欲しかった「休み」が手に入った・・・さて、それは自分が引き寄せたのか?それとも母を休ませるために子どもが熱を出してくれたのか?

何が正解か?って考えると・・・答えは出ませんね。

ただの偶然ってみてもいいし、どういう解釈を自分の価値観に照らし合わせて決めるのがいいんじゃないでしょうか。

例えば、こんな解釈も存在します。

「たまには流行に乗ってインフルになった方がいい。体が気合を入れて治そうとするから免疫機能がめちゃくちゃ活性化されるし、それが体中のお掃除になるからより元気になる。」

熱が出てるときはしんどかったけど、平熱に戻ったときに「なんかめちゃくちゃすっきりした!」という体験をお持ちの方も多いと思います。

「正解」を探すと混乱しちゃいますよね。

だから、いろいろな解釈があるなあ、と思っておけばいいですし、ピンときたものを答えだと思ってもいいですし、そこは自由に決めるのが良さそうです。

>もしくは、子どもが私の願望を察知して、一生懸命、体調不良になったのでしょうか?
>もしそうだったら申し訳なさ過ぎます。

こういう風に解釈しちゃうのもMさんの価値観なんですよね。

「自分のせいで体調不良にさせちゃった・・・」なんて思えば罪悪感がめちゃくちゃ出てきます。

でも、それを「ママを助けるために病気になってくれた」と思うと、罪悪感の他に、愛も感じられると思います。

とはいえ、その裏側には「体調不良は良くないこと!」「インフルエンザはよくないもの」という価値観があるのかもしれないし、親だからこそ「子どもにつらい思いはさせたくない」「しんどそうな子どもを見るのは辛すぎる」という“母の愛”を見ることもできます。

そんな風にMさんのお子さんとの関係を見るだけで様々な価値観があって、その思いが作られていることが分かるんです。

そして、ここがポイントなのですが、私たちは「起きた出来事」と「気になっていたこと」を結び付けて考えやすいのです。

もしあなたが「親の言うことをききなさい!きかなかったらひどい目に遭うよ!」と日々脅迫されていたとします。

あるとき、お母さんから「夕方6時までには必ず帰って来なさい!」という言いつけを無視して夕方7時に家に帰ってきたとします。

お母さんから怒られたのですが、ご飯はちゃんと食べさせてもらえました。

すると翌朝、お腹が痛くなってトイレから出られなくなりました。
食あたりかなにかでお腹を下しちゃったみたいです。

そのとき、あなたは思うのです。

「お母さんの言いつけを守らず昨日遅く帰ってきたからこんな痛い思いをするんだ」という風に。

多くの方は「そんなことないよ。門限を守らなかったこととお腹がいたくなったことは無関係だよ」と思うかもしれません。

しかし、「お腹がいたくなったのは、お母さんの言いつけを守らなかった罰だ。罰が当たったんだ」と解釈する人もいるかもしれません。

あるいは、「お母さんの言いつけを守らなかったことで強い罪悪感が生まれ、そこで自分を罰するためにお腹が痛くなった」という解釈をする人もいるかもしれません。

やっぱり、どれが正解か?ってのを考えるのはナンセンスだと思うのです。

2つめ3つめの解釈のように、私たちはそのたまたま起きたような2つの事象を何とか結び付けたい気持ちになることがあるんです。

特に思いの強い相手(この例でいえば母)に対しては。

Mさんのお話に置き換えるとこんな見方ができるんです(←これが正しい!てことではないのでご注意くださいね。)

「疲れているから休みたい」という思いを普段から持っていたMさん。
けど、ママ業が忙しいからなかなか休めません。

そこで子どもがインフルエンザにかかりました。
そこで看病をしなければならないので、夫や親に家事をやってもらうことにより、結果的にお休みをすることができました。

もしかして、自分が休みたいから子どもを病気にした?あるいは、ママを休ませるために子どもが病気になった?そんな風に考えてしまったのでしょう。

そういう風に解釈すれば、そういう風に見えてくる、というのが私たちが見ている世界です。

何が正しいか?を議論したくなるかもしれませんが、正解なんてほんとうはなくて、自分がどう見てるか?なんです。

ちなみにより心理学的な解釈をするとこんな風に見ることができます。

「Mさんは休みたいと思っていたが自らすすんで休みを取ることが罪悪感によりできなかった。そんなときたまたま子どもがインフルエンザになり、その看病をしなければいけなくなったので、その子どもの病気を“使って(利用して)”休みを取ることができた。」

「使う(利用する)」という心理学用語があります。
日本語でよく出てくる「使う」という意味でもありますが、心理学用語としては「ほんとうは違う理由があるのだけど、その理由と向き合うことに抵抗があるので、別の理由を作っている」という意味で使われます。

例えば

「自分がアラフォーであることを使って婚活することを躊躇している」

意味:アラフォーであるかどうかは関係なく、本心では婚活に対する怖れや不安、不信感から婚活に躊躇しているのだが、それを認められないので年齢を理由にしている。

「彼は部下の技術が未熟であることを利用して、仕事のトラブルの責任を部下に押し付けている」

意味:ほんとうは自分に責任がある部分も多いのだが、責任を取りたくないから部下の未熟さを理由にして責任を部下に押し付けている。

「小さい子どもがいて手がかかるという事情を使って、ほんとうにやりたいことから目を背けている」

意味:自信がない、怖い、失敗感などからやりたいことから目を背けているのだが、それを認めたくなくて、子どもを理由にしている。

この「使う(利用する)」という心理の裏側には罪悪感がけっこう根付いているものです。

少なくともMさんのお話からは「休みたいのだけど、素直に休めない自分がいる」ということが分かりますよね。

過去の母親の言動などから素直に休みたいと言えないMさんがいるから、子どものインフルと結び付けてとらえてしまったのかもしれません。

ということはやはり、

>なので、するべきことをしないで休むことに罪悪感があります。

という、この罪悪感が厄介みたいですね。

その罪悪感はお母さんから来てるわけですけれど、ある見方をすれば、それくらいMさんとお母さんは距離が近く、また、お母さんのことが大好きだったということが分かりますね。

Mさんのお母さんも罪悪感で人をコントロールしようとするタイプだったのでしょうか?

体調が悪いからと学校を休みたいときに、「お母さんは嫌な仕事を休めないのに、自分は休もうとしている」という罪悪感があったんですよね?

お母さんに「休むの?どうするの?」とイライラしながら言われたときにもまた罪悪感を感じてしまうのでしょうか?

そうすると「休む=悪」になっちゃってるから、やはり大義名分がないと休むことはなかなかできないですよね。

この手の罪悪感は消すのがけっこう厄介なものでして(自分のなかでしっかりと理論(?)が構築されてしまっているから)、がっつり向き合ってみる必要があるようです。

つまり、母との癒着はどれくらいあるのかな?(罪悪感は癒着関係を作りやすい)という点も見ておきたいですし、他にも母から受けた影響の強さを知っておきたいです。

その結果、「母に対して自分軸を確立し、心理的に適切な距離を取る」というところを目標とするかもしれません。

この問題は「罪悪感」という軸で見ることもできるのですが、「休む=罪悪感」という公式を作ってしまったルーツ(母との関係)から見直した方が効果もデカいな、と思うからです。

他にもいろいろと影響がありそうですしね。

Mさんがとても分かりやすい事例を上げてくださったのですが、皆さんの中にもこんな問題は起きてないでしょうか?

「別に自分がやらなくてもいいことなのに、それをやらないとなぜか罪悪感を覚えてしまう。」(名もなき仕事・家事など)

「自分だって頑張って仕事をしているのに、夫に家事を頼むのが申し訳なくて、仕事から帰ってきたあとに家事をひとりでこなしてしまう。」

「専業主婦で一銭も稼いでいないという負い目があり、欲しいものを我慢してしまう癖がある。」

「ほんとうは家事や育児を夫に手伝ってほしいのに、仕事で疲れている夫に頼むのが申し訳ない気持ちがある。」

「自分の話も聞いてほしいな、と思いながらも、夫の仕事が大変だからとその愚痴を聞いて励ましてあげてしまう。」

優しさ、思いやりでもあるけれど、自己犠牲にもなってしまっているようなケースです。

こうしたパターンの裏には「母」が存在していることも多いのですが、他人軸(夫軸など)になってしまっているとも言えるんですよね。

だから、「休む」という自分のための行動がとれなくなってしまうわけです。

「本音に気づく」というテーマも大事かもしれません。

ほんとは休みたーい!
ほんとは遊びにいきたーい!
欲しいものは欲しいんじゃー!

その本音を素直に認められることがカギかもしれませんね。

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