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頭で考えると矛盾ばかりだし、感情的には揺れまくるし、ということでなかなか決めきれないものですけれど、いろいろとお話しする中で「流れ」が生まれ、そうすると「ああ、本心はこういうことなんだな」「でも、そのためにはこれが課題なんだな」ということが分かってくるものです。
その流れを作るための質問をいっぱい投げたいと思います。
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いつもブログやご著書を通じて、心の整理のヒントをいただいています。今回どうしても相談したくなり、投稿させていただきます。
私はアルコール依存の父と、共依存・低自己肯定感の母のもとで育ちました。10代で両親が離婚し「一人っ子としてしっかりしなきゃ」と受験はがんばりましたが、就活では目標が定まらず、今も「成果が出せないこと」へのコンプレックスがあります。
現在はそこそこ稼いでいますが、仕事は不安定で精神的にはしんどいです。
恋愛もこじらせ続けていましたが、母を強く嫌いになったタイミングで(今は一応仲直りしています)今の夫と出会いました。夫は優しいけど放任主義の父と、情緒不安定な母に育てられ、他人には優しく現実的。
学歴や年収も高く穏やかな人ですが、内心では人を評価・分析している節があり、本人の「人を評価しない主義」と矛盾して見えることがあります。
私たちは結婚前から「子どもは欲しいよね」と話していましたが、私は
・経済的に自立して万が一の離婚に備えたい(フェミニズムや家庭環境から)
・一方で「専業主婦になって裕福に暮らしたい」という願望
・妊娠出産への不安と「私の理想を叶えてくれないと子どもは産めない」という気持ち
などが入り混じっており、夫と子どもの話になると毎回ケンカになります。
でも夫は、そういう“条件”を使うコミュニケーションには実母で慣れているようで、冷静に距離を取ってきます。「子どもがいなくても、まずは2人の関係を見つめて大事にしよう」と言ってくれるのですが、私は「いや、年齢的に時間ないんだけど!?」と1人焦ってしまいます。
自分の中に「戦う私」「養われたい私」「稼いで自立していたい私」「姫でいたい私」など矛盾したパーツが多すぎて、自分で自分がよくわかりません。根本さんのブログを読んでいても、いろいろ当てはまりすぎて何が自分の課題なのか特定できない状態です。
今の私は、まず何を見つめ直すべきでしょうか?
(Yさん)
おそらくカウンセリングでも同じような話を頂くことが多く、読者のみなさまの中にも「分かるー!!」とテーブルを叩いて叩き割ってしまった読者さまが多数いらっしゃるのではないかと思います。
正直、どうするかという結論を出すのはすごく難しい問題だと思うんです。
正解はないですし、どれを選んだとしてもうっすらと後悔することが予想され、そもそも「え、Yさんって決断するのって得意だったっけ?」という話もあると思いますから、「もうサイコロ投げて決めちゃいなよ」と言ってしまうだろうと思います。
で、そうした「理屈」や「感情」でどうすればいいかを検討しても答えが出ないどころか、矛盾する候補ばかりが上がってくるときは「流れ」を見ることにしています。
この「流れ」というのはいろんな質問を投げかけて、その答えを聞きながらYさんの本心を探る、というほどの意味でして、「ああ、たぶん、こういう方向を求めてるんだろうなあ」ということを“感じ取る”ことをしていきます。
例えば、Yさんの文章を見れば「賢い方なんだな」ということはすぐに分かります。
ということは、ある程度、頭で納得する答えが必要だと考えます。
逆に言えば、感情に流されて決めるタイプではなく、きちんと考えてから選びたい人で、それで結果的に「流される」ということになっても、理屈で説明が付けば納得感も高まるってことです。(日本語がややこしいのですが意味は通じてますでしょうか?)
で、ちらっと書いてくださっている生育面を見ていきます。
>私はアルコール依存の父と、共依存・低自己肯定感の母のもとで育ちました。10代で両親が離婚し「一人っ子としてしっかりしなきゃ」と受験はがんばりましたが、就活では目標が定まらず、今も「成果が出せないこと」へのコンプレックスがあります。
とりあえず「今の仕事って向いてると思う?」というキラーパスを出してYさんをドキッとさせるかと思いますが(苦笑)、たぶん、「何が向いてるのかほんと分からんのです」という回答が予想されるので、「それを見つけていくのもひとつの方向性だよね」とテキトーにお答えしながら、その価値、魅力、才能の方にも意識を向けます。
で、そうしたご両親の元で育った一人っ子であるYさんはだいぶ一般論を挟みますが、次のような心理傾向があると見受けられます。
(カウンセリングの場では、そうした前提に基づいてあれこれインタビューして、修正していくのですがブログではそういうことはできないので、ご了承くだされ)
・子どもの頃からしっかり者で、両親(とくに母)の精神的な面倒を見てきた。
・つまりは「自立」が早く、たぶん同級生よりも大人びた子どもだった可能性が高い。
・その分、「子ども時代に子どもができなかった」という思いがあるので、甘えたい欲求や自分を受け入れてほしい欲求が強く、それを満たしてくれるのが今の夫氏である可能性が高い。
・幼少期から親のために生きてきた部分があり、その分だけ自分に意識を向ける時間が少なくなって「自己喪失」の傾向がみられるのでは?と思われる。
・ということは、筋金入りの自立系武闘派女子であり、「頑張ればなんとかなる領域」においては抜群の成績を収めている可能性がある。
・おそらく今も「誰かのために頑張る」ということがモチベーションになっており、何かと自分を放置しやすいのでは?と思われる。
・もちろん、筋金入りであるから「頼る」「お願いする」「甘える」という三種の神器は苦手中の苦手で、カウンセラーがその言葉を口にしようものなら死んだふりをしてごまかす可能性がある。
・そうした両親の元で育ったがゆえに、コミュ力は高く、他者との関係構築はかなり上手にできている可能性があるが、おそらくそれをご本人は認めていないと思われる。
・そうした環境は「完璧主義」の傾向を強めることが多く、仕事人としても家庭人としても“完璧な姿”“理想形”を追い求めやすいと思われ、それによってメンタルが疲弊している可能性も大きい。
・つまり、自分に厳しすぎる傾向があるのでは?と想像されるので、「あんたはもっとデキる女だよ」という自覚を促すよう説得を重ねる必要があるだろう。
・そうした環境に育つ方は一様にセクシャリティが強くなる傾向にあるので、現在、それをどのように扱っているかに焦点を当てたい。
・また、おそらくうちの読者・クライアントにあるあるな「元々女性性が相当豊かなのに、後天的に身に着けた男性性が相当強くなっている」という傾向にあると思われ、女性性がカギとなるだろう。
・となると夫婦関係においてお互いの関係が現状どうなっているかが大変気になるところで、対等性を目指していくことが問題解決につながると思われる。
という風に分析を重ねるわけですけれど、いくつくらい思い当たるものがあるでしょうか?
たぶん大筋は間違っていないという前提で勝手に話を進めますけどー、子作りに関しては一旦横に置いて、まずはそうした自分の内面に目を向けていくのが良いかな?と思うわけです。
たぶん、子どもは欲しいし、専業主婦が希望なんだと思いますが、やっぱ両親を見て育った以上、「自分の食い扶持は自分で稼ぐ」という武闘派魂が深く根付いていると思います。
だから、Yさんが「いざとなれば、あたしは仕事がデキる女だから、自分と子どもを養うくらいの金はすぐにでも稼げる」と自分を信じることができれば、遠慮なく専業主婦を選択することができるでしょう。
ということでそういう自信が持てるようになることを今の目標に定めてみてはいかがでしょうか?
とはいえ、そうした自立的傾向から仮に専業主婦を選んだとしても、数年で職場復帰する道を考えられると思うので、産休・育休が取りやすい会社にお勤めであることを祈ります。(まあ、違ったらそういう会社に転職すればいいんですけど)
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という風に大まかな流れをお話したんですけど、私が勝手に妄想を膨らませて描いた物語ですので、実際は全然違う可能性もあります。
そこで、私が気になったポイントをいくつか列挙しますので、ご自身なりに考えてみたり、あるいは、そこまで言うんだったらカウンセリング(もしくはリトリートセミナー、グループセッション)を受けてやろう!と思っていただけると幸いです。(満面の笑みで手もみしながら)
・反抗期ってありました?
・優等生だったと思われるのですが、それなりの学歴を収められました?
・「仕事は不安定」ってどういうこと?もうすでにフリーランスとか?
・趣味はありますか?推しは何人くらいいますか?
・ストレス発散法は何かありますか?サンドバッグを思い切りぶん殴ったりしてますか?
・「恋愛もこじらせ続けていました」とはどんな感じでこじらせてたの?
・夫とはコミュニケーションがけっこう取れる感じと思っていいですか?
・夫とのセックスには満足していますか?
・この夫と結婚してよかったなあ!と思うところはどんなところですか?
・逆に、夫と「合わねーな」と思うところはありますか?
・「似たもの夫婦」として見た場合、どこが似ていて、どこが似てないと思いますか?
・どれくらい仕事がハードで、また、仕事での人間関係ってどのような感じなのでしょうか?
・母親と長らく癒着していたかと思いますが、それは切れていると思っていいのでしょうか?あるいは、今もがっつり癒着が続いている感じでしょうか?
・父親のことをどう思っていましたか?ファザコンもしくは裏ファザコンの傾向はありますか?
・ご自身の「疲労感」についてはどの程度意識していらっしゃいますか?「休むこと」についてはどう思われますか?
・そもそも体調は万全でしょうか?婦人科系も問題ありませんか?
・女性としての自分に何らかのコンプレックスを感じることはありますか?
・ご自身の中に「大人になり切れない」と感じる点はありますか?あるとしたらどんな点でしょうか?
・ずっと不安や孤独感があったかと思いますが、今もそれを感じることはありますか?
質問の意味がようわからん!という部分もあるかと思うので、分かる範囲で、自分を振り返る、心を整理する目的で使っていただければと思います。
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お察しのように「戦う私」vs「養われたい私」がずっと喧嘩をしていることがよく分かります。
「自立」vs「依存」の戦いなわけですけれど、どれも本音ですよね。
だから、私が求めるのは「戦う私」「養われたい私」「稼いで自立していたい私」「姫でいたい私」のすべてを満たす解です。
そんなのない!だって矛盾しまくってるじゃん!と思われるならば、もっと意識を広げてみるといいんです。
例えば・・・「基本在宅で週休4日制を頑張って維持しながらバリバリ働き、基本、夫の給与で生活しつつ、自分の稼ぎは子どもと推し活と美容代にぶち込み、夫の愛情を心身で実感しながら子どもと一緒に昼寝をする」という生活は非現実的なものではありません。
実際、そうした生活を送ってらっしゃる方もいますしね。
※この「推し活」というのは根本先生への課金を大いに含むものとします。(願)
これで、基本養われているけど自立心は失われず、いざとなれば仕事を増やして自分が家族を養う立場にもなれるし、それでいながら自由な生活を送ることができると思われます。
ここからは完全に一般論。
同じような問題を抱えていらっしゃる方は、ブログや本でいろいろ勉強されるうちに、親との関係に注目され、自分なりに親との心理的距離を取ろうとされてると思います。
そこでお弟子のカウンセリングを利用しながら親との関係を見つめなおされる方も多いですね。ありがとうございます。
で、そんな中でやはり「なんか疲れてませんか?ちゃんと休めてますか?」とお聞きしたり、「うーん、完璧主義がちょっと邪魔してますなあ」と感じる方が多いものです。
「頑張りすぎ!」という方も少なくなくて、「分かってはいるけどどうすることもできん!」という方もいらっしゃるので、そこで「頑張りすぎないようにルールを決めよう!」なんてアプローチを取ることもあります。
例えば、自分の仕事を整理して、自分じゃなくてもイケる業務は上司や同僚に任せる、など。
こちらの小説でもそんな話をしています。
*「ひとりで生きちゃう武闘派女子が頼って甘えて幸せになる50のトレーニング: 「頑張らないこと」を頑張りたいあなたへ」(小学館)
「休む」というのも重要なので「休み方を考えようぜ!」というカウンセリングも少なくありません。
「あなたはどういうときにエネルギーが充填されたと感じる?」みたいなことをいろいろと思い出していくんです。
人によってはアクティブに活動することにその効果を見出すし、またある人は目標があると燃える!わけですし、またある人は温泉に浸かってぼーっとするのがいい!と言いますし、またある人は焚火を眺めながら茶をシバくのが好き!と答えられます。
「休み方」も人によって様々ですね。
また、「完璧主義を手放す」ってことについては、自分の「弱み」をちゃんと受け入れていくのが効果的な場合が多いものです。
そして、その弱みを「誰かに頼る、任せる」ということで解決していこうという算段です。
もちろん、そのためには「自分の魅力価値才能」を受け取ることも大事なので、たぶん、この辺で「ほめ殺し」の時間も出てくるかと思います。
自武女のクライアント様にとってはこの時間はとっても苦痛なようで、表情が固まり、シャッターが瞬時に閉まることもよくあるんですね。
もちろん、百戦錬磨である私はそんな様子を見るとより楽しくなって、そのシャッターにいっぱい価値や魅力を落書きして「あとで見といてね~」なんて伝えることもありますし、「その程度のシャッターなど小指一本でぶち抜いてやるわ」という感じで無理やり価値を押し付けることもあります。(そのあとたいてい返り討ちにあって土下座することになります。)
まあ、そこから勝手に「こんな未来はどう?」とライフワークをデザインしてお届けするので、そこでシャッターを開けてもらえることがほとんどですけどねー。
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ということで、出産年齢が気になるお年頃ではありますけれど、焦って結論出そうとせずに、まずは3か月~半年ほど自分とと徹底的に向き合う時間を作ることをお勧めしたいものです。
◎1DAYリトリートセミナー~ライフワークやパートナーシップと向き合い、自分を深く知る1日を~
・大阪:7/6(日)11:00-18:00 with ジュンコ
・オンライン:7/20(日)11:00-18:00
・東京:8/9(土)11:00-18:00 with 桐山慶子
https://nemotohiroyuki.jp/schedule-cat/56027
◎ザ・リトリートセミナー in 神楽坂~生き方が、人生が、自分自身が変わる3日間~
https://nemotohiroyuki.jp/schedule-cat/51398
●3人の自立系武闘派女子が自分と向き合って幸せになっていく物語。
「ひとりで生きちゃう武闘派女子が頼って甘えて幸せになる50のトレーニング: 「頑張らないこと」を頑張りたいあなたへ」(小学館)
●この記事を読んで「ああ、自分の場合はどうだろう?」と思われた皆さん。そのネタ、聞かせてください!もしかしたらブログ上で回答させていただけるかもしれません!(不採用になっちゃったらごめんなさい!何度でもチャレンジ可!です)
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『自立してバリバリ働きたい私と専業主婦で姫のように愛されたい私。その矛盾をどう解けばよいのか?』
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