自分と他人と比べるのは悪いことなのか?~「で、その目的は?」が超重要!~



よく「比較は良くないよー!」という発信をしている私ですが、その理由は「自己否定につながってる」からです。
そして、この「比較→自己否定」の流れはクセになっていて自分でもそのことに気づきにくいからややこしいんです。
結局は自己肯定感の話になるんですけどね・・・。

誰かと自分を比べることってみんなもやってしまうと思うのですが、じゃあ、それって悪いことなのか?という話をしたいと思います。

カウンセリングをしていても、誰かと雑談していても、けっこうこの「比較」ってのは出てくるものです。

先日も行きつけのバーでおしゃべりしてましたら「あの店はうちと比べるとモルトの数が多いからウィスキーが好きって人はうれしいでしょうねー。うちはご覧の通りバックバーが狭いからあんまり数は置けないんですよね。その分、こだわってますけどね」なんて話題になりました。

これも「比較」ですね。

また、先日とあるクライアントさんとカウンセリングしていましたら「私もけっこう頑張って数字上げてるんですけど、去年中途で入ってきたAさんはあっという間にいい成績出してるんですよね。それにすごくいい刺激もらってて自分も頑張らなきゃ!って思えてありがたいんです。」と話してました。

これも「比較」ですね。

さらに、別のクライアントさんは「私も先輩みたいに自分の言いたいことをちゃんと主張できるようになりたいんですよね。ついつい周りに合わせちゃうし、いざ意見求められても何が言いたいのか分からなくなっちゃって。ほんとダメだなあって思うんですよね」と嘆いてました。

これも「比較」ですね。

皆さんはいかがでしょうか?
誰かとの会話の中で、あるいは、頭の中で「誰かと自分を比べる」ということをどれくらいしてるでしょうか?(比較してること前提の問い。笑)

ブログでもセミナーでも本の中でも「比較」は良くないことだぞ!やめたほうがいいぞ!というニュアンスで語っているんですけど、ほんとに「比較」って良くないことなんでしょうか?

で、すでにお察しの方もいらっしゃると思うのですが、「比較」そのものは悪くないと思ってます。けど、その先になにがあるか?によって良いの悪いのが決まると思ってます。

他人と自分を比較するのは「自分の座標や現在地を知る」という目的があります。
自分がどの位置にいるのか?を知るために他人と比べるわけです。

フリーランスの人などは自分の単価を決めるためには自分の座標を知る必要があるんですよね。だから、「あの人はキャリアがこれくらいで自分はこうで、それで業界内の評価はああで、こうで、じゃあ、自分はこれくらいの単価がいいんじゃないか?」という風に。

自分を客観視して戦略を定める目的に使うわけですね。

これが悪いことか?というと、むしろ必要なことだと思います。だから、むしろ大事な「比較」ですね。

婚活にしても「自分の現在地を知る」ために他人と比較することもアリだと思います。

年齢やキャリア、年収、居住地、性格などで、自分の立ち位置が分かればやはり戦略も立てやすくなるでしょう。けっこう自分から積極的に行った方がいい、とか、待ってても大丈夫、とか。

また、他人と自分を比較して「やる気になる。励みになる。」という場合もありますね。
2例目のクライアントさんの例はそんな感じですね。

自分と相手の数字を比較して、それが刺激となり、励みになっているわけで、これもまた良い比較だと思います。

ところが、他人と自分を比較して「自分を責める」という技を得意にしている人がめちゃくちゃ多いわけです。

あの人のいいところと自分の悪いところを比べる。
あの人ができてるところと自分のできてないところを比べる。

そして、その先にあるのが「自分はダメだなあ」「自分はまだまだだなあ」「自分は全然できてないなあ」という自己否定です。

つまり、比較するのは悪いことではないけれど、その先に自己否定が待ってるならそれはやめたほうがいいよね、という話です。

でも、これってクセになっていることが多くて自分でも気づかないことが多いのですよね。

この間もそんなことを指摘したら「あ、確かにそうです。自分を責めてました。でも、全然自分では気づいていませんでした。」とおっしゃる方がいました。

その「誰かと自分を比べる」→「自分にダメ出しをする」の流れがクセになってしまい、頭の中でも常にそういうことが起きているので、自然と口にも出てしまうわけです。

以前、あるクライアントさんがカウンセリングを録音されていて、あとでそれを聴き直したら、自分の発言のほとんどが誰かとの比較ばかりであることに気づいて、めっちゃ凹んだって教えてくれました。

自分では全然気付かなかった上に、私にそれを指摘された後もずっと比較し続けてたようで。

だから、誰かと比較しているクセってのは録音してみないと気づかないくらい日常化してしまっているのかもしれません。

ちなみにカウンセラーや周りの人に指摘されなくても自分で気づくには、やはり自分を客観視する環境が必要で、録音もその一つですが、「友達とのラインのやり取りを振り返る」「日記をつけてみて後日読み直してみる」「自分が今考えていることをノートに書き出して後日振り返る」などの方法がお勧めです。

そういうわけで、私が「比較はよくないよー。やめた方がいいよー」という場合は、この「自己否定」につながっている部分を指してると解釈してもらったらありがたいです。

そもそもなぜ他人と比較して自己否定するクセが生まれたのでしょう?

その一つは「親や周りの人から誰かと比べられてダメだしされてきた」という歴史によるものです。

「お姉ちゃんに比べてあんたはだらしない」「隣の○○くんはちゃんと挨拶できるのに、なんであんたはできないの!」なんて風に親から「誰かと比べてダメ出しをされる」という経験を“たくさん”してきていると、比較→否定の流れが自分の中にも染みつきます。

また、学校での影響もけっこう大きいと思います。
「みんな一緒」が原則の学校生活では、「あの子はできてるのにお前はできてない」と先生に怒られたり、「○○ちゃんに比べてあなたはかわいくない」と同級生同士で足を引っ張りあったりすることが日本では伝統となっていますね。

相対評価で通信簿を付けなきゃいけない先生は成績にせよ、日常生活にせよ、個性を活かすよりも、比較することにエネルギーを削がれるでしょう。(だからとても大変だと思います。)

もちろん、それは受験においてもそうですよね。

そうして、みんな一律に並べられる環境に置かれて優劣を定められるとすれば、私たちは子どもの頃からずーっと比較されてきたと言えるわけです。

となると、それが自分も誰かと自分を比較するようになるのは自然なことかもしれません。
それが自己肯定感を著しく下げる結果になろうとは思わずに、です。

また、二つ目の理由としては「自分がダメな理由を他人を比べて見つけようとする」ことが考えられます。

「なぜ、自分は恋愛がうまくいかないのか?」を考えるときって、自分のダメなところを探しません?自分の何が悪いんだろう?自分のどこが間違ってるんだろう?って考えません?

そのときに基準になるものって他人との比較なんですよね、

あの人に比べてあたしは頑張ってない。とか、あの人に比べてあたしはきれいじゃない。とか、あの人に比べてあたしはできてない、とか。

物事がうまく行かないときに「自分がダメだから」という自己否定が先にあり、そのダメな理由を見つけるために「他人と比較する」というわけです。

だから、比較することが目的というよりも、自己否定するために比較する、というのが正しいのかもしれません。

そして、何らかの劣等感を抱えていたり、うまく行かないことがあったり、ストレスが溜まっていたり、不自由さや窮屈さを感じていたりするときに、この「ダメ出しのための比較」が常態化するわけです。

なので、結局は自己肯定感をあげて自己否定をやめようぜ!という話になるんですけど・・・やっぱりいつも通りの結論になってアレなんですけど・・・。苦笑

さて、この「比較→自己否定」という流れは自分にとって自信のないジャンルでよく起こるものです。

仕事には自信があるけど、恋愛はからっきしダメだ!という武闘派女子の皆さんは、仕事で他人と比較する場合は励みにできるけど、恋愛で他人と比較するととことん凹む、というわけです。

また、自信のないジャンルと言えば、初心者マークがつくものもそうですよね。

「最近、サーフィンを始めたんですけど、ほんと周りの人がすごくて。私は物覚えがあんまりよくないのか全然上達しなくて。同時期に始めた人はもう波に乗れてるのに、私は全然ダメなんです。」みたいな。

まあ、そりゃ、そうなんじゃない?上達のペースは人それぞれだしね、というわけですが、やはり自分を責めたくて仕方のない自分は、そこでも他人と比較して自分を傷つけることをしちゃうわけですね。

でも、自信のないジャンルで自分を責めてしまえば、上達しない、というか、上達した自分を認められない、というか、いつまでたっても自分はダメだって思い続けることになりますよね?

サーフィンにしたって常に「まだまだ上」がいるわけですから。
波に乗れるようになれば、うまく波を捉えられない自分を責め、波をとらえてうまく乗れるようになればすぐに落ちちゃう自分を責め、ある程度乗れるようになればもっとうまく乗ってる人と比べてダメ出しをし、という展開です。

つまり、終わりがないんです。

で、そのうち自分で自分をダメだしすることに「向いてない」「才能がない」と思うようになり、「やってても意味がない」なんて思ってやめちゃうんですよね。

これって、自分が自分の足を引っ張り続けてせっかく見つけた楽しいことを自ら潰しちゃうんですよね。もったいないと思いません?

そうしてライフワークを自ら潰しちゃってる人って少なくないよなあ、と思うのですよね。みなさんはいかが?自ら自分の才能や夢を潰してない?大丈夫??

どうせ比較するなら過去の自分と今の自分を比べましょうよ!というわけです。

前はできなかったけど、今はできるようになったこと。いっぱいあるでしょ?

その自分自身の成長分、変化をちゃんと認めて褒めてあげるんです。

これ、自己肯定感をあげる方法の一つです。

でも、そこでまたまた注意が必要です。

それは「過去の自分と今の自分を比較して成長分を見つける」のですが、そこで「過去の自分を否定しちゃう」ってことが起こり得るんです。

「あの頃の自分はダメだったよな!今はマシだけど!」みたいな感じ。

あの頃の自分が頑張って続けてたから成長したんでしょ?
そんなのあの頃の自分がかわいそうだと思わない?

こういうところにも巧みに自己否定の罠が潜んでいるわけですね。

他人と自分を比べなくなってよかったよかった、と思ってる裏に、過去の自分を否定して、今の自分はマシになったと喜んでるなら、やっぱりそれって自己否定です。

ということで、他人と比較するのが悪いのか?という問いに対しては、自分を責める目的じゃなかったら全然OK!という話でした!!

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