かつての世界とは全然違う穏やかな毎日を失うのが怖いのです。



しんどい、つらい時代を抜け出して幸せな日々を迎えると、当然ながら、それを失うのが怖くなります。でも、なんでそう思うか?というと、まだその時代が「過去」になっておらず、現在進行形だからなんです。
そこで「過去を過去にする方法」などをご紹介したいと思います。

根本先生、お久しぶりにメールします。「主体的に人間関係を作っていけると感じた矢先に激しい自己嫌悪に襲われるようになりました。」の件の者です。取り上げて頂きありがとうございました。

私は長年人間関係作りに悩んでいましたが、いまではだいぶ自然体で過ごせています。
勤め先で「あなたがいると皆前向きになる」「チームのコミュニケーションの軸」と言われたり、上司や家族が初対面の人と合う時に会話を円滑にするため付きそったりします。
先生がよくおっしゃる「コンプレックスに才能が眠っていた」ということかもしれません。私がいて嬉しく思ってくれる人がいること、周りに何かを与えられていることをとても嬉しく思っています。

今回は最近の悩みについてもしネタになれば、と思いメールしました。長文になりごめんなさい。

(1)縁起でも無いのですが、旦那さん、家族、親族、会社の人、友だちがいきなり事故で死んでしまう想像を毎日して怯えてしまいます。そんな想像をしてもどうにもならないのですが‥ どうしたらやめられるでしょうか。

(2)(1)の悩みは「また自分が独りぼっちになってしまった時の備え」として持っているような気がします。二十なん年間いた過去の世界とは別の世界に来てしまったような、穏やかなコミュニティにいる現在です。失うのが怖い。自分に安心感を与えてあげるにはどうすれば良いでしょうか。
(Kさん)

よく戦場から平和な街に戻ってきた武闘派女子たちが、「退屈じゃー。平和は退屈なのじゃー。」とのたまい、再び戦場に戻るべくネットで「傭兵募集」の記事を読み漁っているシーンがそこかしこで見られるのですが、Kさんもそんな感じなんですかね。

ほら、朝起きて指が5本あることを確認しなくていい、とか、朝目覚めて隣に見知らぬ男が寝ていないことを見てホッとする、とか、ベッドから降りるときにライフルを腰だめにしなくてもよい、なんて生活って慣れないですよね?

昔からこんな話をたとえ話に出します。

「迷子になっている女の子。お母さんを見つけた途端、ホッとして大号泣!」って想像できるよね?

ほんとうに怖いのは迷子になっている最中なんだけど、その時はあまり泣けないんです。
でも、そのときお母さんの姿を見つけると安心して、それまで我慢していた恐怖が噴出して、大号泣となるわけです。

「渦中」って当たり前になっているし、緊張感もあって、その感情(恐怖心)がそれほど感じられません。お母さんの姿を探すのに必死ですしね。怖い、怖いって言ってられないわけです。

それが「安心」が手に入った瞬間に、そのとき感じられなかった「恐怖」が解放されます。そして、大号泣です。
さらに、その「安心」は「考える余裕」なんかも与えてくれちゃいます。「もし、あのままお母さんと出会えなかったらどうなるんだろう?」とか「見知らぬおじさんに連れていかれたらどうしよう?」とか。
そうすると、「安心」がもたらしてくれた「余裕」によって生まれる「想像」が、またその恐怖を掻き立てちゃったりするんですね。

で、そういうことは大人にもありますし、なんせ、今現在、まさに進行中でもありますね。

※本編の話とは関係ないですけれど、現在の話。緊急事態宣言が解除されたり、コロナちゃんが終息して安心感がやってくると、それまで感じないようにしてきた恐怖心やストレスがドッと出てくる可能性があります。
(今までも感じていたけれど、緊張感によりマヒしちゃっている可能性が高いです)
つまり、無気力になって鬱っぽくなったり、情緒不安定になったり、夢見が悪くなったりします。そんなときはぜひそんな状況をカウンセラーなどに話してみてくださいね。

で、だいぶ脱線したわけですけれど、Kさんがかつていた世界がしんどくて、今が平和で幸せだとすると、敢えて不安や恐怖をあおるような出来事を思い浮かべてしまうのかもしれません。

>「また自分が独りぼっちになってしまった時の備え」として持っているような気がします。

ということですね。

(1)のような想像をしてしまうわけですから、かつてKさんがいた世界はそんなにも恐怖心に満ちたものだったのでしょうか?

だから、そのかつての時代を改めて振り返ってみるのもよいかもしれません。

例えば、カウンセリングだったらこんな風に話を進めるでしょう。

・何が怖かったの?何に恐怖心を抱いていたの?
・どんな世界に住んでいたの?
・どんな人間関係だったの?
・そこであなたは何を感じていたの?何を我慢していたの?

とりあえず、これらの質問をノートに書き出してみてください。

今の穏やかな世界に来たからこそ、振り返られることですよね。
それはゴールに着いたからこそ、それまでの経路を余裕をもって振り返られるのと似ているかもしれません。

辛い過去があって、今、幸せだと、それを封印して生きていくことが多いと思うのです。
「なかったことにしよう」と蓋をしてしまうようにね。

でも、そうすると蓋の中に隠したものがやっぱり気になるので常にそこに意識が向いちゃうんです。

その結果、「またあんな風になったらどうしよう・・・。あんな辛い時代に戻るのはいやだ・・・。うん。だめだめ。そんなことは考えない、考えない。ああ、でも、考えないようにすればするほど考えちゃう」ということになるわけです。

もちろん、誰もが蓋を開ける必要があるわけではありません。
Kさんのように、今穏やかで幸せな世界にいる上で、過去の嫌な思い出がよみがえってきたり、怖い想像(妄想?)をしてしまうときはやってみたほうが良いと思います。

でも、その目的って過去を癒すことだけではなく、今に幸せと感謝をより感じるためですけれどね。

で、このプロセスは一種の手放しワークのようで、過去と現在をきちんと区別するために行います。(「手放し本」をお持ちの方は105ページあたりを読んでみましょう)

「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本」(学研プラス)
*セミナーDVD『本気の手放しワーク』

そうして、あの20何年か住んでいた世界はもう過去になったんだ、ということを自分自身に教えてあげるのです。

そのために、ノートに書き出した過去のできごとからこんなことを考えてみます。

・その経験から自分が学んだことは何なのか?成長した点はどんなところなのか?
・そういう辛い時代があったからこそ、自分が得たものは何なのか?
・その時代を生き抜いてきた自分だから分かる、今の時代への感謝。
・今の自分から当時の自分へのメッセージ(手紙を書いてみるといいでしょう)

そうすると、「ああ、あれはほんとうに済んだことなんだ。終わった時代なんだ。」ということが実感できるようになるでしょう。

もちろん、同時に自己肯定感もバンバンあがっていくはずです。

で、そのうえで、今ある幸せに感謝していきます。

「旦那さん、家族、親族、会社の人、友だち」それぞれに「感謝の手紙」を書いてみるのがお勧めです。

そんな手紙を書いてみることによって、「今ここ」に生きられるようになります。

そして、1日1日を大切に生きよう、丁寧に生きよう、という思いも出てきます。

そうして、今、この瞬間を生きられるようになればなるほど、そうした想像はなくなりますし、仮に出てきても「今できることしかできないよね。そうなったときはそうなったときだ。」と腹をくくれます。

ちなみにそんな風に「過去が過去」にすることを私は「カプセル化」などと呼んでおります。
過去のできごとをカプセルに入れて現在と切り離すというイメージです。
(この辺の話も手放し本105ページからに出てきます)

よくブログなどでもお話ししていますが、私たちはよく「過去」にとらわれ、その「過去」のデータから“産出された”「未来」を想像し、勝手に不安になり、怖れを抱きます。

でも、そのとき私たちの意識は「過去」と「未来」を行き来しており、「現在」にありません。
つまり、「今、この瞬間」を生きられていないのです。

で、それはあくまで「意識」、すなわち、「思考」が作り出した世界ですから、なんぼでも想像することができます。
自分を怖がらせたければ怖がるようなイメージを作ればいいですし、慰めたければ慰めるような妄想を作ればいいんです。

そうして、過去のデータに基づいて未来を想像している間、どんどん「今」は流れていきますから、あとから振り返ったときに「あまり記憶がない。何をしていたんだろう?あっという間に時間が過ぎていった」ということになるんですね。

だからこそ、「今、ここ」に意識を向ける習慣をつけてみることもKさんにはお勧めですね。

今、ここに意識を向けるレッスン。

体を動かす。
音に耳を澄ます。
料理を作る。食べる。
お茶を丁寧に淹れる。ゆっくり飲む。
部屋の掃除をする。
自然に触れる。
田植え。

頭よりも体を使うほうがお勧めですね。

あとはそういう不安や怖れを誰かに聞いてもらうこともおすすめです。
うちのお弟子さんたちでよければご利用ください。
けっこう評判いいんですよ。意外に(笑)

https://cocoro-marche.com/member

こんなエクササイズ本もあります。1日1つやっていくのも「今を生きる」にはいいかもしれません。

「朝9時までに1分間ください。不安が消えて、心が元気になります。」(キノブックス発行)


今日の話を無料アプリのvoicyで音声でラジオみたいに聴けます!
 
今の穏やかな毎日を失って前みたいになってしまうのが怖い心理
 
★Youtubeの公式チャンネルでも同じ内容を公開してます!(チャンネル登録よろしくお願いしますー!)
 
https://youtu.be/BGMqWkgnQ4E
 

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