感情的で自己主張の強い人との上手な距離の取り方



なぜ、感情的で自己主張の強い人が苦手なのか?嫌なのか?
その理由を考えたことがありますか?

いつも根本先生のブログを楽しく興味深く拝読しております。
ネタの主旨は「感情的で自己主張の強い人との上手な距離の取り方」です。

今の職場は社長と奥様とアルバイト数人という少人数の職場なのですが、副社長である奥様が非常に自己主張が強く、常に「私の話を聞いて!私を1番に優先して!すごいって言って!」みたいな方です(笑)

何となく周りの人からの情報によると、すごく女王様的な態度とは裏腹に、学歴や性格などコンプレックスも強くて…という感じです。

また、感情的なのですぐにカッとなってワーッとまくしたてたり、暴言を吐くなどもあり、女性従業員は1年以上続かないとも聞きました。

私自身は彼女に対しては冷めている部分もあるのですが、話はしっかり聞くので(聞くフリをするので)、何となく気に入られているような感じです。

ただ、彼女の欲求のはけ口になるとどうしても疲れますし、業務が止まってしまうため、何とか上手に距離を保った関係性でいたいと考えております。

自立系武闘派女子が大半のブログ上でこのようなネタはつまらないかもしれません。

しかし、私も自武女であることから、私のように厄介な敵と日々戦っている読者の方も多いのではないかなと思います。

根本先生のアドバイスをいただけますと幸いです。
(Mさん)

なるほど、Mさん“も”秘儀「聞き流しの術」を体得されているのですね。
スバラシイです!!

副社長みたいなタイプの方は当然自分から人が去っていく姿ばかりを見ているため、自分の話を聞いてくれるMさんのことはいたくお気に入りになって懐かれますよね。
逆に「こいつは離さん!」と執着心を見せてくる場合もあるでしょう。

こういう方にはどう接したらいいのか?多くの方は悩んでおられることと思われます。

1.その攻撃に耐えられず辞めていく
2.その攻撃を受け流しつつ、懐に入るスキを狙う
3.圧倒的武力をもって反撃して相手を打ち負かす

これらの戦法を取られる方が多いかと思います。
もちろん、

4.この人がいるならあかん、とさっさと退散する
5.副社長以上にハードなおかんに鍛えられてきたため何とも思わない。
6.こういうタイプの人が実は大好き、かつ、得意

というパターンもあろうかと思いますが・・・。

ふつうの人は「1」が圧倒的に多いですよね。
戦略家であるMさんは「2」を採用なさっているのだろうと思います。
武闘派女子でも好戦的な部類に属する方々は迷うことなく「3」を選択するでしょう。

また、今回は相手が女性なので武士の情けをかけてあげてますが、これが男性上司ならば「3」を選択される武闘派女子が圧倒的多数を占めるのではないかと思います。

また、その副社長みたいな態度を取る方は

>何となく周りの人からの情報によると、すごく女王様的な態度とは裏腹に、学歴や性格などコンプレックスも強くて…という感じです。

という場合がほとんどです。

学歴、性格、外見、仕事のでき、出自、その他もろもろに関するコンプレックスが原因で、エセ女王様的態度を取るのです。

これ、とても重要な見方です。

真実の女王様というのは国民に対して深い愛情をもって接することができますので、感情的にアップダウンが激しくても支持されます。

逆に自分のコンプレックスを他者承認や他者を支配することで満たそうとしてしまうと、副社長のような態度になってしまうんですよね。

彼女からすれば権限を使って人を支配するしかないと思っており、それゆえ、自分から離れていく人を見ると見捨てられたと感じ、さらなる支配を強めようとします。

彼女に限らず、ワンマン社長にも多くみられますよね。

不器用だったり、コミュ障だったり、ツッコミどころが満載の人物です。

心理学のよい教科書となる素養をたくさんお持ちなので、冷静に観察してみると面白いのですが、火の粉を浴びる立場になると「やってられんわ!」となるのがふつうです。

いろんなレベルでこの問題を捉えることができると思います。

1.投影の法則並びに自分軸を活用して一線を引く。

一般的に「人に対して言う文句、愚痴、不満、指摘などはすべて投影の産物である」という見方がここでは役立ちます。

つまり、あなたに対してギャーギャー言うてくる人がいた場合、もし、そこに相手の愛があるならば、あなたの心に響くので、素直に聞くことができます。もうちょっと言い方が何とかならねーかな、とは思うものの。

しかし、ギャーギャー言われてただ気分が悪いだけ、正論なので反撃できないだけ、という状態は、相手が抱える何らかの苦しみをそういう形で自分にぶつけてきているだけなのです。

だから、傷つくには値しません。
嫌だけど感情をぶつけたいんだな、怖いんだなあ、という風に見ることができると、まともにその言葉を引き受けることはありません。

だから、すんなり流せるようになるので大丈夫なんです。

ここでは「私は私、相手は相手」という自分軸が成り立っていることも大事なことは言うまでもありません。

自分軸ができていないと、相手の言葉に振り回されますし、まともにその言葉を引き受けてしまいますよね。

2.相手の言葉で傷つくのは自己攻撃がそこにあるから

副社長に何か言われて傷つく、刺さる、痛いのならば、そこに何らかの自己攻撃があることが分かります。

自分をそのまま否定している人は、相手の否定的な言葉によって自分が否定されたように思えます。

仕事ができない!というコンプレックス(=自己否定)を抱えてる人は、それを指摘されると傷つきます。

また、自己攻撃があると、他者攻撃も同時に生まれます。
副社長から感情的に攻撃されたときに、その場は黙って聞いていても、心の中で「この野郎、ひでえことを言いやがって!」と思っていたり、友達や家族に悪口を言うならば、間接的に副社長を攻撃していることになりますよね?
副社長に面と向かって言ってないだけで、その関係は交戦状態にあるのです。

だから、副社長に対して攻撃的な気持ちになるとしたら「ああ、まだ私は自分自身を攻撃しているんだ」と気付くことが大切です。
そうしないと延々と副社長との戦争が続くことになります。
もちろん、それは彼女とだけでなく、身近な人に対しても起こりうることなのですが。

そして、そこで出てくるのが毎度おなじみ「自己肯定感」です。

ああ、もっともっと自分を愛し、自分を丸ごと肯定することが求められているんだなあ・・・と自分を労い、癒し、愛していきましょう。

自己攻撃をやめれば辞めるほど、他者からの攻撃が減っていくものです。(正確には、気付かなくなるもの、です)

3.愛をもって接する。

副社長の中に孤独、不安、自信のなさ、コンプレックスなどが満載されていることが分かり、「口ではああ言ってるけど、実際は人が怖くて仕方がないんだな」という部分に気付けば、「ああ、ほんとは悪い人じゃないんだなあ」ということが分かります。

その人の痛みや弱さを見て、愛してあげると、ギャーギャー言われても全然傷つきません。

子育て中のママは多く似た経験をされてると思います。
自分の愛する子どもの中に価値や魅力をたくさん見ているので、子どもがママに文句を言っても受け止めることができます。(もちろん、自己嫌悪している部分を直撃されたらつい反撃に出てしまいますけど)

そして、その人の弱さを愛する、というつもりで向き合ってみると、意外と早く飼い猫のように懐いてきます。

でも、そのためには当然ながら「自分自身の弱さを愛する」ということができていないとできないことなんですよね。

今回は副社長との関係性ですが、パートナーや家族、大切な友達に対しては「その弱さを愛してあげたい」と思うでしょう?

そのためにも「自分の弱さを愛する」ということは大人にとってから迎える大きなテーマと言えるのではないでしょうか。

つまり、こういう難解な人との出会いは自らを成長させてくれる大いなるチャレンジになりますし、また、そういう人と出会うということは「ああ、私の潜在意識は今私を成長させたいんだな。」と見つめることができます。

「相手」ではなくて「自分」なのです。

4.あなたはどうしたいの?

これも毎度おなじみの質問ですが、その副社長とどういう関係を築きたいか?という主体的な目標を持つことがおすすめです。

もし、この仕事が生活費を稼ぐ目的に過ぎないのであれば、副社長とがっつり向き合うだけのモチベーションってかかんないと思います。

そういう時はサクッと敵前逃亡するのが良いでしょう。
(武闘派女子は逃げることを恥と捉え、すぐに切腹したがるのですが、逃げるのもまた前向きな戦法ですからくれぐれも早まらないようにお願いいたします。)

また、その仕事に意義を感じていたり、お給料や待遇に喜びを感じていたりするのであれば、やはりその副社長をいい意味で克服することが目的となるでしょう。

実際、自分軸で自己肯定感をあげていき、その弱さを愛そうとしていたら、副社長の感情的態度に動揺せずに冷静に対処することができます。

つまり、これは「そんな副社長を信頼する」ということでもあります。

そうすると副社長がぎゃーぎゃー言っていても、「ああ、また猫が盛りがついて騒いでるだけなのね~」と聞き流せます。

仕事の妨げになりそうならば「すいません!この書類、今日中に完成させなきゃいけないんです!お話はあとにしてもらってもいいですか?」なんて言ってみると、すでに飼い猫モードの副社長は「あ、そう、ごめん、邪魔したわね」と立ち去るようになります。

もちろん、一朝一夕にそんな芸当ができるわけではありませんが、もし、この仕事や関係性があなたにとって重要なものであるならば、取り組む価値は大いにあるでしょう。

その副社長は自身のコンプレックスを投影し、私が自分を嫌っているように従業員にも嫌われる、という確固たる思いを持っています。

だから、「お前らはどうせ私のことが嫌いなんだろ?」という態度を取り、嫌われるような態度を取ってしまうのです。

それで「自分以外はみんな敵」と思い込むんです。

しかし、それは承認欲求の裏返し、コンプレックスの表面化なわけですから、この人が味方であると分かった瞬間に、攻撃の強度はどんどん減っていき、やがてはなくなります。

彼女が本当に欲しいものは自分を必要とし、受け入れてくれる存在だからです。

繰り返しになりますが、これは副社長が相手の時に起きる問題ではありません。
パートナー、親、子ども、親友など、たいせつな人との間にも起こりうることです。

さて、あなたはどうしたいのでしょうか?

そのモチベーションに沿って今後を考えてみると良いかと思います。

ちなみにそういうお話を書いた本がコレです。

「敏感すぎるあなたが人付き合いで疲れない方法」(フォレスト出版)

自分を愛することで問題解決を進めるセミナーはこちらです。

大阪:8/4(土)10:00-18:00
「根本裕幸の1DAYセミナー~問題を解決して幸せな自分になる~」
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/23795


あわせて読みたい