*
セミナー会場に向かうために御堂筋線に乗って心斎橋の駅に降りると、そういえば15年くらい前は毎日こうして会社に通っていたな、ということを思い出しました。
当時の私は葛藤をしまくっていて、全然自分に自信がありませんでした。
仕事は面白くないわけではないけれどそんなにやる気満々というわけではなく、期待されて配属された部署だっただけに、その思いを裏切れないなどのプライドだけで頑張っていた時期だったと思います。
毎朝新大阪始発の地下鉄を待ちながら、自分はいったい何をしているんだろう?これでいいのか?と思っていたのです。
どうして毎日同じ時間に会社に行かなければならないのか?
頑張っても頑張らなくても給料が変わらないのはなぜなのか?(もちろん、査定によって翌年の給与が変わることは分かっていたけれど)
年に2回支給される賞与っていったい何なのだ?
そもそも有給制度ってどうなの?
私の両親は自営業で、親戚のおじさんも工場を経営していて、祖父母も神道の教会を切り盛りしていて、周りにサラリーマンがいなかったことも大きかったかもしれません。
けれど、周りの社会人たちはそれに疑問を持たず、むしろ、感謝しながら仕事をしています。
そういう風に思えない自分のことを「まだまだ学生気分が抜けない劣等生」のように思っていました。
新人の頃、田坂広志さんという著名な方と食事をする機会に恵まれました。そこで、「働くってどういうことなんですか?いまいち分からないんですよ」って不躾な質問をしたことがあります。
鰻を突きながら田坂さんが「君は面白い発想をしているね。人事部なんかにいないでうちの部署に来るかい?」と笑顔で語って下さったのを今も覚えています。
けれど、こんな何もできない自分は田坂さんの元に行っても迷惑をかけるだけだと流してしまいました。
とはいえ、その言葉はその後もずっと支えになっていました。
自分に全く自信がなく、劣等感の塊で、プライドだけは人一倍高く、会社の中でも浮いていたと思います。
とはいえ、如才なく振る舞うこともできるし、いい人に囲まれていて職場ではうまいことやっていたと思います。
結果的に会社を辞めることにしたときもみんな「根本くんならいつかそうなると思ってたよ」と誰一人咎める人はいませんでした。
仕事は別に嫌いではない。むしろ好きだ。
けれど、苦しい。
どうしたらいいんだろうか?
もっとちゃんと馴染めるにはどうしたらいいんだろうか?
着任と同時に出張族になった私は毎週のように新幹線で移動するとき、そんなことをあれこれと考えていました。
当時、私の面倒を見て下さった先輩たちは会社人としてキラキラとしていました。
10歳くらい離れている彼らはある人は家族を大切にし、ある人は遊びを充実させ、ある人は仕事に没頭しているエリートたちでした。
10年後、自分がそうなれるか?と言われたら、全力で首を振っていました。
そして、私はやがてある時の気付くことになります。
「その仕事の仕方が自分に合ってないだけ」
そして、
「自分は不器用な人間で、やりたいことしかできない人間なんだ」
ということに。
それは劣等感をさらに強めることになる一方で、希望にもなりました。
それで、カウンセラーという仕事を本業にしようと決意するのです。
*
以前所属していた会社でもかなり自由にさせていただきました。
自分が考えた企画はほとんど通して頂きましたし、好きなようにやらせていました。
これが自分の生きる道だ!と確信して、何年も夢中になって「変態」と呼ばれるほどのスケジュールをこなしていました。
とても楽しかったし、幸せでした。
けれど、それもやがて限界を迎えてしまいます。
今から思えば燃え尽き症候群でした。
やはり何年か何のためにこの仕事をしているのかが分からなったのです。
好きな仕事をして、自由にさせてもらっているのに、です。
なんて我儘な奴なんだと思っていたところ、我が家に大事件が起こります。
ずっと支えてくれた妻が病気になってまた人生について考えさせられたのです。
幸い、その病気はよいご縁に恵まれて快方に向かいます。
そして、妻は今までの人生を変えるべく「好きなことをして生きる!」と自分の道を歩き始めるのです。
そこで多分焦ったのは私の方です。
じゃあ、お前は何がしたいんだ?
ほんとうにしたいことって何なんだ?
やりたいこと、好きなことをやっているはずなのに幸せでない自分に気付いたのです。
贅沢な悩みだなあ、と思いました。
けれど、気付いたものはしょうがありません。
そこから「本当に自分がしたいことは何なのだ?」という問いかけを何度も何度もして、あちこちをさ迷うようになります。
ウダウダして、なかなか自分からは行動できない私は妻に導かれるように自分が本当にしたいこと真剣に考え始めたのです。
そして、「旅が好きだからもっと自由にあちこちに出かけたい」「文章を書くのが好きだから本を書きたい」という思いにたどり着きます。
そしたら、その時の環境がものすごく窮屈に感じられました。
スケジュールは1年先まで確定していました。やりたいことをやろうと思ってもそれができるのは早くて1年後です。
新たな企画を通すにも周りの人たちとの調整が必要です。
あまり自分勝手なことはできません。
だから、そこを卒業して、新しい道に踏み出そうと思ったのです。
2度目の転機です。
もっと自分らしく、もっと好きなことを好きなように、自分に合うスタイルで、やっていくことにしました。
今でも覚えていますが、フリーになって信じられないくらい心が軽くなったのを覚えています。
それだけのものを背負っていたのか、とびっくりするほどでした。
時間に縛られるのは嫌だから、スケジュールはあまり先々まで決めないようにしました。
今、私は8月のスケジュールをだいたい決めているところ。
9月すらまだ曖昧なままです。
やろうと思った企画も面白くないと思えば、途中でやめました。
そういう生き方が自分にフィットしているからです。
自由に、好きなことをやって生きる。というのは私にとって大切なテーマです。
だから、自分にとってあまり乗り気じゃない仕事は周りにお願いすることにしました。
税理士さんに数字のことを丸投げしているので、私は自分の売上も全然知りません。
ウェブ関係も専門の方にお任せしているので、私はこうして好きなことを書いてブログやメルマガにアップするだけです。
だから、私はメルマガの読者数もブログのアクセス数もよく知りません。
細かい管理業務も当然得意ではないのでスタッフにお願いしています。
東京でセミナールームを運営することになった時も真っ先に人集めをしました。
お弟子さん制度を作るときも、一人ではできないので協力者を集めました。
やりたいことをやって、やりたくないことは誰かにお願いしています。
それでも妻には「抱え込み過ぎだわ」とあきれられているのですが。
*
そして、いつしか私が抱えていた葛藤がセッションやセミナーにも反映されていくことになります。
恋愛や夫婦関係のご相談にいらした方に「ほんとうにしたいことって何?」と問いかけ、仕事や趣味を充実させることを提案したり、仕事の相談でいらした方に「もっと遊んだ方がいいよ」と提案したり、おそらくクライアントさんが聞きたかったこととは全然違う話をしています。
自分らしく生きようとすれば、自然と恋愛だって仕事だってうまく行く。
それが私のコンセプトになっています。
ライフワークと真実のパートナーは同時にやってくる、という心理学の教えも支えになってます。
「本当にしたいことは何?」という問いかけは視野を広げる役割も担います。
「自分の人生全般を自分らしさでコーディネートしたら、夫婦関係ってどうなると思う?」みたいな視点を与えてくれるんです。
また、自分が好きなことややりたいことをやって日々楽しんでいると、心の状態が変わるので、問題に対する意識も変わるし、不思議とかつての悩みが消えていきます。
「なんか、最近やりたいことばっかりやって楽しんでたら仕事も面白くなってきました」みたいな感じ。
そう、そして、そんな世界観に読者を導く本が今日発売になるんです!知ってました?(笑)
『つい「他人軸」になるあなたが7日間で自分らしい生き方を見つける方法』
あさ出版より本日上梓されます!
amazon>「つい「他人軸」になるあなたが7日間で自分らしい生き方を見つける方法」
楽天ブックス>「つい「他人軸」になるあなたが7日間で自分らしい生き方を見つける方法」
そう、今日は壮大なるステマでございました!
発売日だから許してね(笑)
講演会・ワークショップもありまっせ。
講演会「自分らしい幸せな人生を生きる方法~ライフワークの見つけ方・生き方~」
大阪・東京・名古屋・札幌・広島・福岡・那覇で開催。
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/24779
東京:8/7(火)13:30-16:30
大阪:8/10(金)13:30-16:30
大阪:9/1(土)14:00-17:00
東京:9/9(日)13:30-16:30
『自己肯定感をあげて自分らしく生きるためのあり方・やり方ワークショップ』
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/25116