好きな人やものが次々と自分から離れてしまうルールを作ったのはもちろん自分。



ショックなできごとがあると、その痛みから自分を守るために「傷つかないルール」を作ります。
そして、そのルールに基づいて現実社会を作り出しているのが私たちの心なのです。

根本先生こんにちは。
いつもメルマガを楽しく読ませていただいています。
 私は28歳のときに8年間付き合い、結婚の話も決まっていた人から、Nは一人で生きていかれるとある日突然別れを告げられました。
そこからは仕事に打ち込もう、頑張ろうと思っていたら、仕事も不当に解雇され職を失いました。大好きな職場であり、尊敬する方々と働けなくなったことは精神的に堪えました。
そんなときになぜか既婚者2人からアタックされました。その1人に私はどんどん惹かれ、彼も心から私のことを愛してくれました。
しかし今度はその彼の奥様が癌だと分かりました。彼はとてもショックを受けており、私は彼には奥様のそばにいてほしいと思っています。
ただこのように自分の好きな人やものが次々と自分から離れてしまうことに恐怖を感じています。
この状況は自分自身が作り出しているものなのでしょうか。
ネタにしていただければ幸いです。
(Nさん)

もし、自分自身が作り出しているとしたら、どうしてこの状況を必要としているのだと思いますか?

深く、深く、自分自身に問うてみる時間を持ちたいですね。

私としてはお伝えできることはたくさんありますが、まずは、自分で「自分が作り出している」という前提で見てみることです。

もちろんそれは「ネガティブ」な原因ではなく「ポジティブ」な原因であることを忘れてはいけません。

っと、これで終わってしまうと皆さんが吉本新喜劇並みの豪快にコケてくれると思うのですが、私もさすがにこれだけで終わるのは寂しいので、もっと語らせて頂こうと思うのです。

正直言うともう少しNさんの人生を見たいです。

その8年付き合った彼とのこと。
なぜ8年なのか?ずっと前に結婚という話にはならなかったのか?
どんな彼だったのか?

そして、その前はどんな恋をしていたのか?

両親は仲良かった?不仲?
両親との関係はどうでした?
きょうだいは?仲良かった?

お父さん、お母さんはどんな仕事をしていたの?

子どもの頃、印象的な思い出って何かある?

大切なものを突然失う、とか、好きなものが自分から離れていくって経験は8年付き合った彼が初めて?
それ以前はなかった?仲良かった友達が急に転校する、とか、大好きだったおばあちゃんが突然病気になっちゃう、とか。

ふふふ。
これだけ質問項目を用意してるあたり、「根本さん、さすが、カウンセラー!」って目を輝かせてみるといいですよ。

とはいえ、質問しながらも、その答えを軽くスルーしていることはよくあるんですけどね。
「えーっと・・・さっきも聞いたけどお父さんの仕事って何だったっけ?」とかね。

もし、8年付き合った彼との別れ以降に「好きなものが自分から離れていく」という体験を繰り返しているのであれば、その彼との別れのショックがその新しいパターンを作り出したってことになります。

そう、何も思考パターンや感情パターンは子ども時代だけに生まれるんじゃないんですね。
大人になってからもバンバン生まれます。

でも、それなりに大きなインパクトのある出来事に限りますよ、もちろん。

それで、その彼との別れがこのパターンの原因であるならば、Nさんがその別れをきっかけに新しく作った法則があると思うのです。
これは心の痛みが作り出す法則で、観念とか思い込みとかビリーフとかルールとかいろいろ言い方があります。

「Nは一人でも生きていける」

このセリフは自立系武闘派女子の皆さんにとっては登竜門とも言える言葉でして、中にはその言葉を機に武闘派として覚醒なされた方も多いでしょう。

Nさんももしかしたらその一人かもしれませんね。

「一人でも生きていける」

大好きだった彼からの言葉はすごくNさんに重要な意味を与えていませんか?

「一人でも生きていける」
 ↓
「仕事なんてなくても私は強いから一人でも生きていける。そう、田畑を耕し、山野を跋扈してジビエを調達し、時には海に潜って伊勢海老を素手で捕まえる。そう、私は強い女。」
 ↓
「男なんていなくても生きていける。私は強い女だから。彼に愛する妻がいるのであれば、そっちに行けばいい。私はいい女だからいつでも男は調達できる。そう、築地市場に並ぶマグロをセリにかけるように。いや、もちろん、その気になればインド洋にまで狩りに行くこともできる。そう、私は強い女。」

まあ、これはほんと単純な話でございますけれど、その彼との別れの前後で、Nさんの性格、人格、思考、性癖、男の趣味などが全然変わっちゃったってことはありませんか?

その変化が大きいほど、そこで受けた痛みが大きいことを表しています。

そのセリフで一人ぼっちにされるとね、「親密なもの、大切なものって私から離れていくんだ。こんなにも大好きだったものは自分の元にいてくれないんだ。」という法則が生まれます。

それが仕事、彼などに影響を与えているのかもしれませんね。

ちょっと難しい話をすると、婚約者との別れによってNさんが「大切な人やものは私から離れていく」というルールを確立したとするでしょう?

そうすると、Nさんがその彼を大好きだった分だけ、そのルールを厳守しようとするんです。

だって、大好きな彼が教えてくれたルールですもの。大切にしたいでしょう?

そして、そのルールが今にも強い影響を与えているとするならば、実は未だにNさんはその彼を手放せてはいません。
意識レベルではないところで、その彼がまだしっかり存在しているのです。

で、ここで改めて「昔の恋の名残」について触れたいのですが、もしNさんに「じゃあ、その彼ともう一回付き合いたいですか?」ってお聞きしても、たぶん、答えはNoでしょう。

もちろん、実際Nさんは「え?ガンガン付き合う気はあるで。やっぱり元カレかな、とか思ってるし」というケースも考えられるのですが、ここはNoって言っていただいた方が都合がいいので、その線で行きますわね。こういうところが一方通行のブログ/メルマガのいいところですね。ふふふ。

さて、私たちの心が執着するのは「その恋から生まれたパターン」なんです。
その恋の主人公である「彼」に執着すると思いきや、実は、その恋の中身に私たちは執着するんですね。
つまり、その恋から学んだ法則(ルール)に執着するんです。

だから「別にその彼と再会しても付き合いたいとは思わないんだけど、その彼と別れて以降、『男は信用しちゃならねえ』というルールができましたね」ということになるんです。

でも、そのルールを作ったのは彼との関係だから便宜上「彼のことをまだ手放せていませんね」なんて表現をするんです。

とはいえ、人生を支えるルールを作るほどの彼ですから、意識上はもう好きじゃなくても、潜在意識の中では「大好き!」ということもあります。
これは親子関係でも同じことが言えますね。

特にNさんは28歳でその彼と別れて「よっしゃ、仕事に生きるべ!」と頑張って頑張ってこられたんですよね?

そうすると、その失恋で得た傷の上にだいぶ「頑張る私」「仕事命の私」「男は裏切るが金は裏切らねえ」みたいな蓋をして相当頑張ってきたと思うんです。

もし、タイムマシーンに乗って28歳の自分に会いに行ったら、なんて言ってあげます?どんな風に接してあげます?

Nさん、情熱の女でしょ?
文面からあふれ出てきます。
私の部屋の温度がさっきから2度も上がっていますよ!エアコン入れます!

(ここで、そら、朝から昼に向かって気温が上昇するのは当たり前だべ、というツッコミはしないのが大人のマナーです)

で、情熱の女というのは、思いの力も強いんです。
もちろん、その強さが生霊を飛ばしたり、呪ったりするのですごく怖いんですけどね。

(ほんと、私、そんな魑魅魍魎相手にお仕事してるんですかね?気付かなきゃ良かったかな。)

だから、「こんな男のことは忘れる!仕事に没頭する!」って思い込めばそのようにできます。
28歳で大失恋した一般女性はそこで泣き崩れて仕事どころじゃなくなってしまうことが多いんですが、武闘派と呼ばれる皆さんはそこから這い上がるべくガンガン仕事できてしまうんです。

そう、崖も滝もガンガン登っちゃう習性があるんです。
困難な道にこそ「人生」を感じちゃうんです。

あ、だから、それで磨かれて洗練されてとてもいい大人女子になっていくんですよ。武闘派女子の集会と称される私のセミナーがきれいな女子で埋め尽くされるのはそのせいです。

(ほら、たまにはいいこと言うでしょう?)

で、何の話でしたっけ??

そうそう、思いの力が強い、ということなのですが、そこでNさんが「一人で生きていくもん!」という思い込みを持ったとするならば、その通りに人生をデザインしちゃうの分かります?

それが「大切な人が離れて一人になっちゃう法則」を作り出してるんです。

それは28歳のNさんの決意表明だったのかもしれません。

一般的に、自分が望まない、辛いことが起きるときってのは「本来の自分とかけ離れたことしてまんねんで、あんた」という神様からのメッセージです。

昨日も私、そんな個人セッションを2本したんですけど、「ほんとうのあなたってどんな自分なんでしょうね?」という問いかけを毎回してると思います。

それくらい「本来の自分」からかけ離れてしまってるんです。

「姐さん、そろそろ本来の自分、取り戻しましょうぜ!」と提案するのが私の仕事なわけです。

さて、N姐さんの本当の姿ってどんな姿なのでしょうか?

そのヒントは28歳以前にあるかもしれないし、それ以降の自分が「嬉しい、楽しい、幸せ」と感じてきたことにあるかもしれないし、どっちみち「気分が良いこと」なのです。

そういう意味では思いの強さを使って本来の自分に戻り、また、新しいルールを作り出していきましょう。

例えば、こんなのはどうでしょう?

「私は愛する人と共に人生を歩んでいくことが相応しい女である」

「私は自分を愛する。自分を喜びに導く。」

「私はもう幸せになっていい。愛する人と共に人生を歩んでいく資格がある」

「私は本来の私に戻り、本来の私として生きて生きていきます」

※この際、本来の私が何なのかを意識する必要はありません。心はちゃんと知っている、と思っていてください。


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