どうして二人の距離が縮まるとケンカや不満が増えるのか?~依存的態度と鏡の法則~



自己肯定感が低いほど、近い人に不満を持つようになります。
だって、それは他人ではなく自分自身だから。
そして、依存的態度が強まるほど不満が強くなります。
相手を変えようとするからですね。

始めの頃は仲は良かったのに、付き合ってる期間が長くなるとだんだんケンカが増えて来て、それはそれでいいことかと思ってたら、どんどんそれがひどくなっていってやがて口も利かなくなるようになる・・・。

好きじゃないわけでもないのに・・・
どうもすれ違いばかりで・・・
口を開けばケンカばかりになって・・・
全然分かり合えてる感じがしない・・・

そういう体験ってしたことありませんか?

これは夫婦関係、恋愛関係でよく起きるものですけど、それだけじゃなくて会社との関係で、あるいは、友人関係でもふつうにあり得ることです。
お笑い芸人のコンビも長年やっていると口を利かなくなる、なんて話を聞いたこともありますが、それも当てはまるのかもしれません。

そういうことって人間同士であれば当たり前のことかもしれないんです。

付き合いが長くなると心理的な距離がお互い縮まります。
そうすると利害関係がより強くなります。
だから、文句が出てきます。

「なんで○○してくれないの?」
「どうして○○するわけ?」
「え?○○って何?それどういうこと?」

他人と距離が近づくにつれて新発見がいっぱい出てきます。
それが楽しめるうちはいいのですが、だんだん自分のやり方とぶつかって相手を否定したり、コントロールしたりしたくなります。

「なんで私ばっかりがご飯作らなきゃいけないわけ?あんたも作ったらいいじゃない」
「どうして勝手に自分の給料使っちゃうの?将来のこと考えてる?」
「え?なんでこんな高いもん、すっと買えちゃうわけ?理解できない」
「何でもいちいちガミガミ言うてくるなあ。うるさいわ」
「なんでそうやって自分の考えばかりを押し付けてくるんだよ。鬱陶しい」

そういう思いをどんどん積み重ねていくわけですね。
愛情があるうちはそれがケンカになります。

でも、ケンカしても相手が変わらない、となると、ケンカしても意味がない、となります。
それで燃え尽きてくる、というか、そんなケンカする気力も湧かなくなるって「亭主元気で留守がいい」となるわけです。

でも、これは誰でもそうなります。違う人間同士が一緒にいるわけですから当然です。
だから、職場でも習い事でもどこでも起こり得るものです。
ただ、夫婦ってのはその中でも格段と距離が近い関係ですから余計に目立つだけですね。

実は自己肯定感が低く、自分のことを愛せていない人ほど相手への不満が大きくなります。

旦那や奥さんの悪口をよく言うてる人。
会社の悪口を何かと口にする人。
先生や先輩の悪口を言ってる人。

思い出してください。
彼らは見た目と違って、かもしれませんが、とても自己肯定感が低く、自分のことを愛せていないのです。

心理的距離が近づくと、相手はどんどんあなたの「鏡」になっていきます。
夫婦のような近い距離ならなおさらです。

そうすると常々自分に対して不満を持っていたり、自分のことを嫌っていたりする人が鏡に自分を映し出したらそこに何が見えるでしょう?ってことです。

そう、自分が映ってるんです。

だから、自分にダメ出しをしているように相手にもダメ出しをしたくなり、自分の細かい言動をチェックしてる分だけお相手の言動もチェックし、自分がこうすべきああすべきと思っている分だけ、人に対してああすべき、こうすべきって言いたくなります。

つまり、その文句、自分に言ってるわけですね。

これはなかなか受け入れることに抵抗が出ると思います。

「車を運転してるとき、普段なら急に割り込まれるとイラッと来るんだけど、沖縄に旅行してるときに割り込まれてもあまりイラッと来ない」

そのような体験ってしたことありませんか?

同じ「割り込み」というできごとなんだけど、沖縄に旅行して気分が良くてハートが開いてるときだと、そんなにイラッと来なかったりします。

「ま、ウチナンチュだしね」なんてむしろニコニコしちゃうかもしれません。

「普段だったら旦那がダイニングテーブルの上を散らかしてたらイライラって来るけど、さっきいつもより熱いエッチをした後でご機嫌だから、散らかしててもあまりイラッて来ない」

そんな体験はしたことありませんか?

自分の気分がいいと、ふだんなら爆発して暴れることも、ニコニコできたりするんです。

そう、人間なんてゲンキンなものですね。

自分の気分がいいとき=自己肯定感が上がってるとき、です。
自分を否定していない、自己嫌悪していない、わけですから、それを鏡に映し出せば・・・ってことなんです。

自分のご機嫌取りがいかに大事か?ってお話ですね。

昨日のお話の続きになりますが、「依存的態度」を取ると、相手を変えよう、相手が悪い、となりますから、常に不満を抱えるようになります。

この依存的態度の時は「感謝できることよりも問題点を探そう!」というスローガンを抱えることになるので、「できてることよりも、できてないことを!」になります。

自分の気分も良くないですから、相手にもそれを何とか伝えようとしてしまいます。

また、「自己正当化」という状態になることが多く、「私は正しい。私は間違ってない。」という立場に執着するようになり、よって何が何でも「相手が間違ってる」という状況を作り出そうとしてしまいます。

要するに「自分の気分が悪いのはあいつのせいだ」とやってしまうわけです。

そうしてどんどん「主体性」や「人生の主人公の椅子」を相手に明け渡してしまうようになるんですね。

それはお互い同時に起こります。
つまり、できればどっちも動きたくないわけです。
自分は楽をして、相手に汗をかいてもらいたいわけです。
それを正当化する理由も持っています。

それでコントロール合戦となるとケンカばっかりになります。

特にこの争いは「依存の競争」と言い、「どっちがどっちの面倒を見るか?」というドロドロした争いになります。

相手を変えようとする争いなわけですから、当然、成果はあまり上がりません。
次から次へ文句も出てきますし、相手の態度に不満しか感じられなくなります。

お互いそうなんですから仕方ないですよね。

その結果、戦うことに疲れてしまいます。

「あの人は言っても無駄無駄」
「どうせ言ったって分かってもらえない」
「あの人は自分のことしか考えてないの」
「どうせ、自分の言い分なんて聞いてくれない」
「俺が何やったって会社は変わらない」
「ま、言うだけ無駄ってことだね」

それで「冷戦」という状態になるんですね。

その依存的態度を自立的態度に改めて行く、ということが大切なのです。
主体的に、自分が今、どうしたいのか?を見つめて行くやり方です。

「夫が、ではなくて、私が、だわ」です。

 私はどうしたいのか?
 私はどうすると笑顔になるのか?
 私は何が好きなのか?
 私は何を愛しているのか?

夫が変わらなくても、私が変わると心は一気に解放されます。

不満を持つのは悪いことではありません。
でも、それを気付きに変えて行きましょう。

不満が持てる、ということは、相手に期待がある、ということです。
相手に期待してる、ということは・・・その相手は自分にとって特別な存在だ、ということです。
じゃあ、どんな特別な存在と言えるんでしょう?

そう、愛すべき相手、愛している相手、と言えるんじゃないでしょうか。

はい。

ということで、私は不満を感じている相手に対して「愛してる、って伝えましょう」と課題にするんです。

まあ、そういうと「え?いやです」という表情をされるのですが、そこはドSとしてはたまらないんですよね(笑)

ま、直接伝えられなくてもいいですから、「愛してる」って言ってみるだけでもいいです。

自立的態度が取れるようになると、口から出てくる言葉が変わります。

「ありがとう」と「愛してる」「好き」がメインになります。

だから、最初からその言葉を言うようにすればいいのです。

さて、あなたは今日何回「ありがとう」を言いましたか?
また、「愛してる」「大好き」って何人に伝えましたか?

相手の反応を期待するのは「依存的態度」です。
自分が愛してるからそれを伝える、というシンプルなレッスンを今日から意識してみましょう。

人に対してだけでなく、ものに対してもぜひお試しください。
その意識で今いる部屋を見渡してみると、景色が違って見えますよ。
ほら、輝いてるでしょう?

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