本人の前ではいいことを言って、私の前ではその人の悪口を言いまくる表裏のある人の心理とは?



お母さんのことを許せていない分だけ、お母さんに似た人が人生に現れます。
実はその字人はお母さんを許し、自分を許すために現れてくれたボランティアさんと言えるのです。

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いつも、記事を楽しみにしています。今日はリクエストをします。

私は褒めてもらえても、「ありがとう」となかなか言えません。「そんなことないよ」と言ってしまいます。でも、根本さんの記事をみていると、受け取りましょう、と書かれています。

自分なりに受け取れない理由を探してみると、母の事が思い当たりました。
母は外と内の顔が違いました。外では良い顔・いつもニコニコ。お上手も言う。でも、内に入ると(私の前では)、さっきまで褒めていた人の事を、「何なのあの人」と罵っていました。
だから私は、本人の前で褒めたり良いようなことを言っていても、陰では何を言っているのかわからない、本心はわからない、と思ってしまいます。
私が褒めてもらえても素直にありがとうと言えない理由はこれか?と思います。

今も会社に母と似たような人が居ます。私には色んな人の悪口を言いまくるのに、本人の前・その人に近い人(同じ部署の人等)の前では、褒める。で、また私の前でその人たちを悪く言うのです。
正直うんざりですし、「本心は何なの?それに、私に色んな人の悪口ばかり言うけど、どこか他の場所では私の事も悪く言っているのでは?」と思ってしまいます。

(1)こういう裏表のある人が、どうしてそうなってしまうのか?と、(2)そういう親の元で育ち、相手の言う事を疑ってしまうようになった私が誰かの褒め言葉を素直に受け取れるようにするにはどうしたら良いかご教示願います。
(Rさん)
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ものすごく上手にまとめられていますね!
そして、ちゃんと理解されていて素晴らしいです(^^)

今日はけっこうディープな心理のお話です。これ有料にした方がいいかなあ?と思うくらい(しませんけど)!

受け取れない自分、その背景にお母さんのことがあること、そして、会社で似た人がいること、それにうんざりしてしまうし、また自分も陰口を言われてるのでは?と不安になること。

「職場の年上の女性ですごく苦手な人がいる」というご相談の時に、私はよく「お母さんとの関係はどうですか?」ってお聞きするんですね。

職場の女性にお母さんを投影しているのでは?と考えるんです。

お母さんって少なくても今生ではお腹の中からの付き合いですし、そこから人間関係を学び始めますからものすごく身近で影響の強い人なんです。

そして、心理学的に見れば、お母さんのことが許せていない限り、そのお母さんを許す目的でお母さんに似た人が次々人生に登場する仕組みになっています。
いわゆる「歴史は繰り返される」ということで、それを私たちは「パターン(心の癖)」と呼びます。

だから、職場の女性とうまく行かない→お母さんとの関係はどう?という質問に繋がるんですね。

それで、提案としては「職場の女性はお母さんの“代理人”。だから、その関係性を何とかしても、その背景にあるお母さんとの関係を癒さないと、今の人がいなくなってもまた次の人が現れます。だから、お母さんを許す、というテーマで取り組んでいきましょう」となるんです。

・・・なんて今日の根本くんは正統派なのでしょう!!!(笑)

Rさんとしては、表裏のあるお母さんにまずは「うんざり」していたんだろうと思います。
そして、そんなお母さんに不信感を抱き、娘である自分のことも本音としてはどう思っているのか分からなかったんだろうと思うんです。

その思いを似た態度を取っている職場の女性に投影するわけですね。
(ちなみに、投影する先は女性とは限りませんが、女性の方がお母さんを重ね合わせ易いですよね。)

だから、まずはお母さんに対する気持ちを整理していくといいでしょう。

1.職場の女性に対してRさんが感じている正直な気持ちは何でしょうか?

2.お母さんに対して、かつてのRさんが感じていた正直な気持ちは何でしょうか?

1,2は一応区別していますが、2に収束していきます。つまり、1で出てくる気持ちもかつてお母さんに対して抱いていた気持ちと同じと推測できるんです。

それで1,2を分けているのは今はお母さんと仲良しだけど、学生時代まではそういうお母さんをひどく嫌っていた、というケースも少なくないからで、2の質問をするとイマイチ思い出せない方もいらっしゃるからです。

で、そこでちょっと嫌なことに気付くかもしれません。(この辺から、正統派じゃなくなっていくのかも・・・苦笑)

Rさんは表裏のある態度が嫌だから、決して人前で人の悪口を言ったりしないと思います。
また、褒められても受け取れないだけでなく、人を褒めるのもあまり得意ではないのかもしれません。

でも、心の中ではどうでしょう?

お母さんやその職場の人に対する悪口が渦巻いていませんか?
「なんで、本人の前ではいいことばかり言って、裏ではあんなボロクソ言うの?ひどいわ。最低!」
「あんな風にひどい悪口を言って、本人の前でよくニコニコできるもんだわ。もう信じられない!」
「表裏のある態度を取るなんて人としてどうかと思う!最悪だわ。絶対、私はそんなことしないわ」
「そんなひどいことを平気でできるなんて信じられない。絶対仲良く何てしない」
「私に対しても表面的には良いように言ってるけど、裏で何を言われてるか分かんない。不安だし、逆に、そんな人は大嫌い」

言わないだけで、心の中にはあるんじゃないかな?と思うんです。
いかがでしょうか。

言う、言わない、は確かに大きな違いかもしれませんが、「心」という目で見ていくと、実は同じことが起きてることが多いのです。

カウンセリングやセミナーでも、この問題はすごく微妙というか、変な空気を伴い、また、非常に抵抗が多いのでなかなか扱いづらいのですが、

『大嫌い!と思う人は、実は自分とすごく似ている人』

という法則(?)があるのです。

ああ、すごく嫌な気持ちになったでしょう?
この人に相談なんてするんじゃなかったってチラっと思わなかった???(笑)

つまり、職場の人にお母さんを投影しているだけでなく・・・・実は自分自身をも投影しているのです。

だから、お母さんを許しましょう・・・の先に何があるのか?というと、自分を許す、という究極の目標が見えてくるんです。

そっか、自分もあの人と同じなんだ・・・という風に見えるようになると問題の本質に近づけるようになります。
けれど、ものすごい抵抗がありますよね?

もし、本当に人生を変えたい、今のこのパターンを抜け出したい、と思われるのであれば、ぜひ、職場でその女性を見るたびに「あれは私なんだ」と意識するようにしてみてください。
けっこう過酷なので向き合うためには強い覚悟がいりますよね。

「私は表裏のあるお母さんを許せない。すごく嫌な気持ちをしたし、私に向かって悪口を言うのも気分が良くなくてすごく嫌だった。
それで、私は人の悪口を他人に言うなんてことはしないようにしてきた。
けれど、それは言わないだけで心の中にその悪口はずっと渦巻いていたんだ!
だから、職場の女性が同じことをするとすごく嫌な気持ちがするんだ。
私が悪口を言わないように、その人も我慢して言わないべきだ、と思っているんだ。
それくらいお母さんが悪口を言うのが辛かったんだ・・・」

そんな風に気付けたら許し(癒し)は一気に加速していきます。
そうすると、あることにまた気付かされるんです。

「でも、なんでそんなお母さんが悪口を言うのが辛かったんだろう?
人のことを悪く言うのが嫌だったんだろう?」

それは・・・それくらいお母さんのことが大好きだったから。ではないでしょうか?
大好きな人がそんな嫌なことをするのが辛かったんです。

そこに、Rさんの愛情があるんです。
許しのプロセスには必ず「愛」が必要です。それに気付くまでが肝心なんです。

そして、もう一つ。
Rさんはそういう経験を通じて、お母さんが悪口を言ってる相手、職場の人が悪口を言ってる相手に対して同情したり、弁護してあげたくなったりすると思うんです。
表裏のある態度を取って心を痛めているRさんがいるんですよね?
それはRさんの「優しさ」なんです。
人の気持ちを考えられ、その人に配慮ができる優しさなんです。
これ、すごい長所ですよね?
気付いてました???

そして、その優しさを育んでくれたのはいみじくもお母さんですよね?
お母さんがある意味反面教師になってくれたお陰でRさんは優しい気持ちを育てることができたんです。

「お母さんが表裏のある性格だったからこそ、私は人に優しくすることを学べた」

そう思えるようになっていくと、その優しさの価値をRさんが受け取れるようになればなるほど、変な話ですけど、あんなお母さんに「感謝」ができるようになるんです。

このプロセスをたどるのが「許しのワークショップ」で私がやりたいことなのです。
すべては愛に帰結し、そして、そこから自分本来の才能(価値、魅力)が花開くのです。

さて、Rさん、ここまで読んでこられてどんな気持ちでしょうか?
私のカウンセリングはよく「狐につままれたような感じがする」とか、「すぐにはピンと来なかったけど数か月したら急に腑に落ちた」とか評されることがあるんですけど、そんな感じかな?
数か月分のプロセスを今、ご紹介してしまったのですぐには納得できないかもしれません。

さて、その上でご質問にお答えしましょう。
(1)こういう裏表のある人が、どうしてそうなってしまうのか?

もし、お母さんや職場の人と自分が「同じ」であることを受け入れられるのであれば、もうこの答えは出ていると思います。
お母さんも職場の人も、私と同じ、この気持ちでいるんです。

ただ、それを話す、話さないの違いがあるだけで。

じゃあ、その違いはどこから生まれるか?というと、それを受け入れてくれる優しい存在があるかないか、なのです。

よくこんなケースがあるんです。

「私のお母さん、いつも私に愚痴ばっかり言うんです。この間も○○で、△△で、××で、□□で、、、l」って私に愚痴を言う人。

そ、根本くんは職務上優しい振りをしてますからね(笑)

それがいけないわけじゃないですよ。愚痴を言うのも大切なことです。
お腹の中に溜め込んでいるのはあまり宜しくないので聞いてくれる人がいるならば出しちゃう方がいいときも多いです。

つまり、お母さんや職場の人にとってRさんはカウンセラーみたいなもんなんです。

「根本さんにだったらこういうひどいこと言っても許してくださると思うんですが・・・」って言っていただくんですけど、お母さんや職場の人もRさんに対して同じ気持ちなんじゃないでしょうか?

また、『ウンコと感情は我慢しきれずに漏れてしまうことがある』という法則をご存知でしょうか?
現実にウンコを漏らした根本くんが言うんだから間違いはありません!(恥)
我慢しなきゃと思っていても、肛門括約筋が「あかん、もう限界やねん」と思ったら漏れてしまうんです。(涙)

同じように、言っちゃいけない、人の悪気は良くない、と思っていても、それが抑えきれないくらいいっぱいいっぱいになってしまったら、その思いは溢れてしまうのです。

Rさんもそんなお母さんや職場の人の表裏のある態度がすごく嫌でどうしようもなくなってこうして相談してくださったんだと思います。
ただ、相手がカウンセラーということはそれを選べる余裕がある、ということですね。
いわば、Rさんは、野グソをしたり、パンツの中に解放するのではなく、ちゃんとトイレに駆け込むだけの余裕がまだあり、お母さんや職場の人はその余裕がなかった、ということなのかもしれません。

もちろん、お母さんや職場の人がRさんをきれいなトイレと認識している可能性もまた高いですけどね(この人には言っても大丈夫、受け止めてくれる、という安心感がきれいなトイレ、という意味ですね)。

※本来たいへん上品な根本くんがこうした例えしかできないのは、ひとえに師匠の教育の賜物です。

(2)そういう親の元で育ち、相手の言う事を疑ってしまうようになった私が誰かの褒め言葉を素直に受け取れるようにするにはどうしたら良いか

お母さんや職場の人はRさんが褒めると素直に受け取ってくれますか?
実は、「表裏のある人」って定義って難しいと思いませんか?
職場の人は「本人の前ではいいことを言って、Rさんの前で悪口を言う」んですけど、それって隠し事をしていないオープンな姿勢ということもできるんですよね。

ということは、正統派じゃないアドバイスとしては、Rさんも人の悪口言ってみたらどうでしょうか?って提案なんです。

げっ!?と思うでしょ?

でも、できないとは言わせませんよ~(笑)

相手を選んで、でいいです。
例えば、私が所属していたカウンセリングサービスでは無料のボランティアの電話カウンセリングをやってます。
そこで、職場の人やお母さんの愚痴を吐きまくってみてはいかがでしょうか?

そうすると(1)の疑問も解消しやすくなります。

自分の中に許せない部分があることをオープンに認めてしまうんですね。
これを「素直さ」って言います。
人間関係でものすごく大切な要素です。

そうすると「どんな人だって悪口を言いたくなるし、愚痴だって吐きたくなる」ということが許せるようになります。
その結果、「でも、本人を傷つけたくないし、嫌な気持ちにさせたくないから、その人の前ではいいことを言う」という心理が理解出来ちゃったりします。

私だってうちの奥さんをトイレ代わりによく使っちゃいます。(もちろん、私もトイレですけど)

その人のことを100%大好きってないと思います。
どんなにいい人でも、嫌だなあ、と思うところって絶対出てきます。
(それは自分自身の嫌なところを投影するからです)

パートナーシップでもずーっとただ大好きなだけってのは盲目的なことが多いです。
相手の嫌なところを受け入れ、許すコミットメントがパートナーシップの神髄です。

そうして、素直に、オープンになると、相手の褒め言葉も受け入れることができます。
また、こうした人の心理を理解できると「裏で悪口を言われるかもしれないけれど、せっかく今褒めてくれてるんだから素直に受け取っちゃおう!その方が気分、いいからね!」って選択できるようになります。

さらには、自分の悪口を言われていてもだんだん気にならなくなります。
自分のことが好きになればなるほどますます悪口が気にならなくなるんです。

だって、私のいないところで私のこと話してくれてるんですよ。
どれだけ私のこと好きかってことですよね?
本当に嫌いな人の話ってしたくないじゃない?自分も最悪な気分になるし。むしろ、切って捨てたい、忘れたい、って思います。自分の中からその人の存在を消したくなります。

でも、愚痴を言ったり、悪口言ったりするのはその人に関心があり、その人のことが大切であり、その人のことが好きだから、、、なんですね。

まあ、この辺が体感できるようになるともう「人間」ではない何者かになっているかもしれませんが・・・。
だから、「私、人からすごく悪口を言われるんです」という方に「ああ、あなたはそんなに愛されてるんですね」ってさらっと言ってドン引きされたりするんですけどね(笑)

さて、今回はずらっと数か月~1年分くらいのプロセスをお話してしまいました。
Rさんは賢い方ですので、ある程度頭では理解できると思います。
あとは許しだったり、オープンさだったりをぜひ意識しながら、学びながらプロセスを進めて参りましょう。
うまく行けば数か月後にはその人のことが気にならなくなっているでしょう。

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