自分の理想とは逆に、子どもからのスキンシップを不快だと感じてしまうのです。



子どもからのスキンシップが苦手、とおっしゃるママも意外と多いものです。
だって人間だもの、そういうこともあるわね。
問題はそれを「あかん!」と思ってしまうこと。
そんな完璧な親を目指しちゃいけないのです。
親の心理面からその背景と対応策を考えてみましょう。

こんにちは。根本さんより1回目は『変な人』2回目は『強い女』とお墨付きをいただいたMです。自己認識が崩壊して鋭意再編成中です!
今回は不倫の話ではなく、子育てについて質問させてください。
シングルマザーとして日々白目を剥きながら過ごしています。9歳の息子はマイペースですが、ものすごく空気を読み(これは赤ちゃんの頃から父母の諍いをみていたせいか)優しく正義感の強い子です。
彼は家ではとても甘えてスキンシップを取ってきたり、『ママ大好き』とベタベタとしてきます。それが私は嫌なのです。特に抱きつかれたり、猫のようにニャーと言いながら甘えられるのが、何とも言えない不快な気持ちになります。そんな自分を理解できないのです。
そもそも仲の良い家族に憧れがあり外国のような、父母の間でも男女でいたり、子供ともハグしたりスキンシップをする家族になりたいと思ってきました。
なのに…彼の甘えを受け止められないのです。
愛情をたっぷりかけてあげたいと思っているのに、疲れた日常の中では、1人になりたい、”母親”をやりたくないという気持ちがどんどん募っていきます。
自分が不仲の親から超自律長女になっていったので、息子にはマイペースに、のびのび育って欲しいと思うのに、私の顔を伺って私の喜ぶ方を選ぶ息子に、もっと自分の意思を大切にしなさいと厳しくしてしまいます。これは一体どういう事なんでしょうか。。
(Mさん)

同じような思いを抱いていらっしゃるママ、シンママのみなさまも多いかと思います。
シンママで仕事で疲れて家に帰ってきたら、そりゃまあ、ひとりの時間も欲しいですよね。
昼間は仕事人、夜はママ、という生活をしていたら、自分の時間なんて望むべくもないわけで。

そうした心理の裏にはいくつかのパターンがあるものですから、それをひも解いていきましょう。

1.男性性超過問題

シンママの場合、とにかく生活のために仕事を頑張らねば!という思いが強くなるものです。
生活費はもちろん、現・教育費から未来の教育費まで、お金がなんぼあっても足りない!という心理状態になるかと思います。

でも、こうした思い、一般論で言えば「夫・父の気持ち」だと思いませんか?

そもそも「父」という存在がいない状況だと「母」は「父」の役割もある程度背負うことになります。兼務になるわけですね。

そうすると「男性性」をかなり強化せざるを得ないのです。
いわば「ロックウーマン状態」になると思っていただいて良いかと思います。
または「自立しすぎ問題」と言ってもいいでしょう。

そしたら、べたべたされるのは嫌、甘えられるのが不快、と感じるのも無理はありません。

自立すればするほど思考は「一人」になります。
お子さんに厳しくしてしまうのも「自立」を求めるからでしょう。

となれば、カギは「女性性」なわけです。
ママも「女性性」です。

つまり、仕事や経済的な面で男性性が強化されてしまい、家に帰っても女性性に切り替えることができていないのでは?と推測されます。

家事なども男性性バリバリ使って効率化、システム化を進めていませんか?

だから、女性性にフォーカスする、言い換えれば、仕事が終われば男性性をかなぐり捨てて女性性に戻る、という切り替えを特訓する必要があるかもしれません。

2.子ども時代の自分を投影する問題

「子どもが甘えてくるのが苦手」という話の裏には「自分が甘えられなかったから」という背景が隠れていることも多いものです。

つまり、「自分がやったことないのだから、やられたときにどう対処していいのか分からん!」というわけです。

>自分が不仲の親から超自律長女になっていった

という経緯なわけですから、それは仕方がありませぬ。

同様の理由で、

>息子にはマイペースに、のびのび育って欲しいと思う

という気持ちも十分分かりますが、ご自身が子ども時代に「マイペースであることが許されない」とか「のびのび育つとは逆の育ち方をした」ということであれば、それを教えることって難しいですよね。

だから、そう願うママ(親)には「まず、今の自分がマイペースに過ごすこと、今の自分が自由にのびのびと生きること」を求めます。

「親は見本」なわけです。

親が周りの人の顔色を伺っていれば、子どもはそれを真似するわけですね。

親がなんぼ「あんたは自由に生きなさい!」と言っていても、その親ががんじがらめに縛られて窮屈に日々を過ごしているならば、子どもはその姿を「自由に生きること」と解釈しちゃうのです。

「子どもの将来は「親」の自己肯定感で決まる」(実務教育出版)

だから、子どもに望むことがあれば、今の自分が実践していなければ説得力ないわー、と思ってみるところから始めてみてください。

そして、とりあえずインナーチャイルドを癒すことが必要かー!と取り組むのもお勧めです。

3.隠せない罪悪感問題。

自分が元夫と不仲で子どもに辛い思いをさせた。
仕事や家事に時間を取られて子どもとの時間が取れない。
子どもに寂しい思いをさせている。
自分はママとして不十分だ。
などと思いませんか?

それ、全母親が少なからず持つ気持ちなのですが、「罪悪感」と言われるものです。

それは「子どものことを愛している分だけデカくなるもの」です。

だから、「わたしっていい母親じゃないわ・・」と思った分だけ、「ああ、自分はそれくらいあの子のことを愛しているのね」と思い直していただきたいんですね。

さて、この罪悪感、たいへんややこしい言動をさせるものでして、自分を罰するように、自分を悪い奴のように、自分を汚いもののように扱います。

そしたら、愛する人に対してどんな態度を取らざるを得ないでしょう?

罪悪感が強い分だけ、愛する人を遠ざけようとし、近づかせないようにします。

べたべたされるのなんて苦手なんです。
だって、愛する人を汚してしまうじゃないですか。

こうした心理が働くと、甘えたがる子どもを受け入れられず、それでまた罪悪感が募り、ますます子どもの甘えを受け入れられなくなる、という悪循環が始まります。

もちろん、子どもからの愛情も素直に喜べず、より罪悪感を募らせます。

だからそこは「愛」に素直になることが求められるのです。

始めは頭で理解するところからで構いません。
この罪悪感の仕組みを知り、「愛情があるから自分を悪い母親だと思うのね」と理解すること、「甘えられるのが苦手なのは罪悪感のせい」と知ること。

そして、子どものがいかに自分を愛してくれているか、自分のことが好きかを頑張って、気合と根性で、受け入れようとすることです。

以上の理屈から、Mさんも息子さんもお互いにたいへん愛し合っていることが分かりますね。

罪悪感という壁があるからすれ違っているだけで。

息子さんが甘えてくるのも、べたべたしてくるのも、自分の顔色を伺うのも、全部、ママのことが好きだからですね?

だから、そこは気合と根性で、滝行に挑むような思いで、「息子の愛を受け取るぞー!!」と唱えてみてください。

息子さんがべたべたしてきたときは、あの滝に打たれているときのことを思い出しながら、「息子はわたしを愛してくれている。わたしも息子を愛している。」と不動明王の真言のように唱えましょう。

べたべたを受け入れる、のではなく、愛を受け入れる、のです。

「いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本」(ディスカバー21)
*セミナー動画:『私の幸せを阻む「罪悪感」を「愛」で癒して「私」を自由に解放するワークショップ』
*心理学講座動画:『罪悪感と癒着の心理』
光の瞑想~疲れや罪悪感などを癒すイメージワーク~

ということで、「女性性を取り戻し、インナーチャイルドを愛し、罪悪感に惑わされないようにする」というのがMさんにとってのテーマかな?と思うわけです。

その際、私がよく提案するのは「理想を捨てましょう!」というアプローチです。

子どもにこういう大人になってほしい。
子どもにこういう育ち方をしてほしい。
子どもにはこうあってほしい。

そういう思いは、期待であり、欲求(ニーズ)であり、押し付けにもなりかねないので手放すんです。

同時に、

母親とはこうあるべき。
母親なんだからこれくらいやらねば。
母親なのにそんなこともできないの?

みたいな観念もすべて捨て去りましょう。

テーマは「ありのままの自分と子どもを肯定する」という“自己肯定感”です。

今のお子さんを理想抜きで見つめましょう。

「マイペースで、空気を読み、優しく、正義感が強く、甘えん坊で、ママのことが大好きな子。」

それでOK、それで十分、それで何ら問題なし、それが素晴らしい!という風に見るんです。

同時に自分に対してもそう。

シンママとして頑張ってる自分をちゃんと肯定してあげることです。
できないもんはできなんだからしゃあないでしょ?
できることやってりゃいいわけです。

とはいえ、いきなりそんなことはできないので、

「問題点より価値を見る」
「短所より長所を見る」
「駄目なところを見るよりも、できてるところを見る」

というところに意識を向けるのがいいかもしれません。
それならば意志の力が使えると思うので。

「自分のこういうところがダメだな」と思ったら、即座に「自分の良いところ、頑張ってるところ」を探します。

息子の良いところ、かわいいところ、すばらしいところをできるだけ探して、それを言葉で伝えます。同じことを何万回言っても大丈夫です。

そうして、ママと息子と二人三脚でお互いの自己肯定感を高めていくのです。

「こういう大人に育ってほしい」はそのあとに考えるべきもの。

だから、今の自分と息子を肯定し、「それが今のふたりなんやからしゃあないわなあ」と紫煙を吐き出しながら思ってみてください。

そこから始めるのが一番いいと思うんですけどいかがでしょうか?

そして、そういう風に見ていけば、自分の親のことが理解できると思いませんか?

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