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ほんとの自分は静かでクラシック、ワクワクする自分は未来的で刺激的。
ライフワークを見つけるべく自分と向き合っていたところ、真逆のイメージが出てきてびっくりした!というお話です。
カギは「頭で解決しようとせずに、感覚的に答えを見つけること」。
思考は「感覚」を現実化するために使うものです。
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YouTubeからこちらのブログも拝読するようになりました。
いつも沢山の実践的なアドバイス有難うございます!つい先日のお花畑スピ妄想を現実に落とし込むお話とても参考になりました。
すぐにその日の日記で、「ほんとの自分が好きな〇〇」の問いかけをしてみました。
すると、予想外のイメージが出てきました。
またそれは、よくそれこそスピ系で言われる「ワクワクすること」の問いかけで以前自分が出したイメージと相反するというか、全く違うものだったことに自分の中で疑問符が浮かんでいます。
「ほんとの自分」の問いかけで出て来た自己イメージは、静かでクラシック。
古い日本の器や家屋を中心としたしっとりしたイメージで、また時間はとてもゆっくり穏やかな内省的な性質でした。
住む場所は古都。
読む本は古書店で入手した古典文芸。
しかし「ワクワク」のキーワードでこれまで出てきたイメージは、未来的で創造的。
まだ見ぬものを追いかける好奇心が外に向かう感じでした。
具体的なイメージも最新のミニマムな住まいやファッション。
住む場所は都会。
読む本はラジカルな話題の社会学本など。
ワクワク~の問いかけは、それこそワクワクする感じがし、
ほんとの~の問いかけは、「しっくりくる」「ずっと前から知っている」感覚が得られました。
若干混乱しており、この「ワクワク」と「しっくり」の矛盾というか、統合出来るのならその考え方などお教えいただきたいです!
(Rさん)
ものすげーいい質問をありがとうございますー。
あまりにいいネタだったので、しばらく寝かしてしまいました!笑
「ほんとの自分が好きなものは?」という問いかけと「ワクワクするものは?」という問いかけが相反することってホントによくあります。
ぶっちゃけ私自身もよくあります。
で、このテーマに関しては重要な示唆がたくさん含まれているがゆえに、じっくりコトコト煮詰めていくことをお勧めしています。
詳細を見ていくことにしましょう。
まず、この「ほんとの自分」と「ワクワクする自分」が相反した場合、あまりそれをいじらずに、そのイメージをしばらく放置して熟成させてみてください。
そのふたつのイメージをぼーっと眺めるようなイメージ。
水面にたゆたう落ち葉を鑑賞するがごとく、背景と一緒にただ見つめておく感じ。
煮物に味を染み込ませるための「待ち」の時間です。
武闘派女子たるもの、できあがった料理は即座に食いやがれ!という戦場のルールをお持ちかもしれませんが、はんなり味の染み込んだ芋類はたいへん美味でございますので、そこはやはり「待て!」を推奨しています。
そうすると、その相反するイメージが徐々に溶け合い、ひとつのイメージに変わっていくことがあります。それは意外にもまったく違うイメージになることもあるし、それらを統合したものになるかもしれません。(具体例はのちに触れるつもりです)
それと同時に、ひとつひとつを取り上げて観察してみるのもアリです。
Rさんの経験で言えば、
>ワクワク~の問いかけは、それこそワクワクする感じがし、
>ほんとの~の問いかけは、「しっくりくる」「ずっと前から知っている」感覚が得られました。
という感覚に耳を澄ませるわけです。
ここで大事なのは「ほんとの自分」も「ワクワクする自分」も今の自分の状況が大きく影響しやすいということ。
仕事が忙しく、身の回りが騒がしいときに人は「静かなところ」を欲します。「非日常的な場所」を求めます。
毎日が平凡で退屈している場合、人は「刺激的なもの」を欲します。その退屈さを解消したいからです。
人は意識しようがしまいが「不満」があれば、それを満たしたいと思いますし、「ストレス」があれば、それを解消したいと願います。
つまり、こうした問いかけを自分にする場合、自分の心理状態が大きく影響してくることを知り、その影響を排除していかなきゃ間違った答えを導き出してしまうものです。
理想を言えば「全くストレスのない状態でほんとうに自分が求めてるものと向き合う」ってことなんですけど、それは現実的には難しいですよね。
だから、「時間をかけましょ」「しばらく寝かしておきましょ」と言います。
その期間は数か月~1年くらいで、その間、日常があれこれ変化する中で同じ思いを持ち続けているのであれば、それが本音だろうね!という受け取り方をします。
Rさんの声はけっこう本質に近いと思うんですけど、それでもあえてしばらくそのイメージを持ち続け、それが変わらないことを確認した方がよいかな、と思っています。
そういう意味で、「ほんとの自分」も「ワクワクする自分」も時間をさかのぼることで見つけることが可能になってきます。
昔から望んでいたこと。
自分の体感覚にしっくりくるもの。
ずーっと夢見ていたこと。
前からずっと大好きだったもの。
もちろん、人はどんどん変化していますから、ずーっと同じということはありません。
ただ、そうして自分が変化していることもまたライフワークを生きることを難しくしてしまいます。
特に「ワクワクする」ということについては繊細に見つめていく必要があります。
ワクワクという思いにも様々な深さがありますよね。
血沸き、肉躍るようなコーフンとともに「これじゃー!わしがやりたかったことはこれなんじゃー!!」と空に向かって叫びたい感動的なワクワクもありますし、静かだけど深く入り込んでくるような「やはりこれか。自分がやりたかったことはこれなのか。」という悟りのようなワクワクもあります。
もちろん、その感じ方は人によっても違います。
「新しいことにチャレンジする」「前から憧れだったことをやってみる」という場合にもワクワクしますよね。
例えば、スカイダイビングをずーっとしたかった、一度南極の大地を踏みしめてみたかった、などのワクワクの場合は、それをライフワークにしたいというよりも、一度体験してみたい、という思いからくるワクワクです。
もちろん、それはものすごく大事なことなのでぜひ南極に行ってスカイダイビングしてきてほしいんですけど(そういうことじゃないか)、でも、それがライフワークか?というと、やっぱり違うと思うんです。
話をややこしくしますが、とはいえ、そこからライフワークを導き出すこともできます。
「新しいことにチャレンジし続けて、新たな発見と感動を自分に与える、というのが私のライフワークだ」という風に。
ところが、このワクワクには時に罪悪感の香りが漂ってくることもあるのです。
ストレスや自己否定的な思いから、自分を苦しめたり、追い詰めたりすることにワクワクを覚えたりするのです。
武闘派女子の皆さん、かつて万引きをしてたときにスリルという名のワクワクを味わっていませんでしたか?
自分に気のある男を弄んでぼろ雑巾のようにドブに捨てることにワクワクしてませんでしたか?
罪悪感って格好の刺激物ですから、自分の本質に見合っていないことに対してもワクワク感を覚えさせるのです。
つまり、自分がワクワクすることを見つけたら繊細にその周りを取り巻く感情に意識を向けていくのです。
Rさんの話で言えば、「未来的かつ創造的な日常生活。ミニマムな住まいとファッション。都会に暮らし、好奇心のおもむくままに刺激的な日常を送る。」ということにワクワクしたら、それが純粋に自分が求めているものなのか、罪悪感はじめ、ほかの感情が引き起こしているものなのか、そして、何かの不満や退屈を紛らわせるための刺激物なのか、を繊細にチェックしていくわけです。
これもまた時間が必要ですね。
ほんとうに自分が欲しているものであれば、その生活に対する思いはどんどん強く、また具体的になっていくでしょう。
ライフワークをデザインする際に「できるだけ具体的に書き出す」ということをお勧めするのはその理由です。
「都会に住みたいの?具体的にどの辺?六本木とか麻布?それとも代官山とか恵比寿?浅草や上野の下町?新宿とかごちゃごちゃしたとこ?」みたいに。
「ミニマムなライフスタイルって具体的にどんな感じ?服は5着くらいでチェストも置かず、家電も最小限で、部屋にはただマットレスが置いてあるだけって生活?」みたいな。
「何かを補うために」「退屈を紛らせるために」「今と違う環境に行きたくて」と言った理由でそこにワクワクしているのであれば、こうした具体化の作業を時間をかけて行うことで、だんだん「違うなー」なんて思うようになります。
また、「ほんとの自分」で出てきたイメージを検証するにもまた感覚を研ぎ澄ませます。
あ、ここでとにかく「思考」の存在は邪魔しかしないし、「感情」も紛らわしいので注意が必要です。
>ほんとの~の問いかけは、「しっくりくる」「ずっと前から知っている」感覚が得られました。
という感覚を得られたことは素敵なことです。
この「しっくりくる」「前から知っている」という感覚はもう正解だと思っていいくらい重要なんです。
自分にぴったり合った服と出会ったときのような感覚を覚えたら、「ああ、これがほんとに自分がしたいことなんだな」と思ってもよいんですよ。
私はこの本でも触れたように「感覚的に決める」ということを推奨しているので、しっくりくる感覚が得られたら、ああ、これに決めていいんだな、と解釈していいのです。
↓
『7日間で自分で決められる人になる』(サンマーク出版)
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さて、そうして「ほんとの自分」も「ワクワクする自分」も繊細に見つめ、それが本当に自分が望んでいることだと分かったら、次にやるのはその「統合」です。
冒頭で「しばらく観察しましょうね!」とお伝えしたのは、その統合も思考的にやるんじゃなくて、感覚的にやるものだからです。
そして、その際にポイントとなるのは「すべて手に入れる」という発想です。
ただ、その言葉にはちょっと語弊があって、そんな意志的な思いではありません。
正確には「気が付けばすべて手に入る」という感覚の方が近いです。
ただ、欲張ることが苦手だったり、思考に支配されていたりすると「どちらかを選ばなきゃいけない」と遠慮しがちなので「すべて手に入れる」という意識を持った方が効果的なことが多いものです。
Rさんの話で言えば、「静かでクラシック」と「未来的で創造的」を両方手に入れる、ということ。「ゆっくり時間が流れる内省的な暮らし」と「まだ見ぬものを追いかける好奇心にあふれた生活」の両方を手に入れる、ということ。
人は当然ながら相矛盾した感情を平気で持つものですから(好きだけど嫌い、甘いものも辛いものも好き、という風に)、「静かでクラシックで未来的で創造的なライフスタイルをしたい!」というのも心にとっては平常運転です。
単純に考えれば出張生活ですかね?
「北鎌倉あたりに住み、ふだんは静かな時間を過ごしつつ、月に数日は東京や大阪に出かけて刺激を受ける生活をする。」
あるいは逆に「六本木に本拠地を構え、気が向いたときに京都・東山あたりの宿にしばらく滞在する生活」とか。
思い切ってデュアルライフというのもアリですね。両方に家を持っちまうわけです。
あるいは、都会のすぐそばにある静かな古い街に拠点を置く、という手もあります。
麻布あたりにはそんな静かな空間があるようですし、私が大好きな神楽坂は古都の風情を強く醸し出しています。そもそも京都だってけっこうな都会ですし、学生街だけにベンチャービジネスも盛んで刺激的、かつ、大阪も近いです。
ここで「思考」を使ってあれこれ具体的なケースを考えながら、自分の感覚にフィットする落としどころを見つけていきます。
意外なところに答えがあったりします。
つまり、一見相反するように見える「ワクワク」と「ほんとの自分」を統合していく作業なんです。それ自体がけっこう楽しいと思えませんか?
で、具体的な話をし始めるとだいたい皆さんの頭の中には「お金がー」とか「仕事がー」とか「家族がー」なんて“邪念”が出てくると思います。
「六本木や神楽坂って家賃がめちゃくちゃ高いじゃないですか!」
「じゃあ、稼げばいいじゃん。」
「そんな稼ぐ力、あたしにはないしー」
「京都に住んで東京とかに通えたら理想ですけど、そしたら転職しなきゃいけないですやん?」
「すればいいじゃん」
「そんな簡単に見つかるわけないじゃないですか!」
ね?エゴがわんさか出てくるでしょ?
ほんとうに自分にフィットしたライフスタイルを構築しようと思ったら、無理が通って道理が引っ込んだり、不思議なご縁があったり、「ああ!その手があったか!」というインスピレーションが下りてきたり、天が自分に味方してくれるかのような動きが出てくるものです。
はっきり言えば、そこは自分ひとりの力を越えています。
だから、「こういう生き方がしたいんですー。よろしくー!」と天にお願いするほかないんですな。
逆に言えば「こういう生活をすることがほんとの私だったら、それは必ず実現するよね」と思いながら、今できることに意識を向けていくんです。
そういう生き方を目指す生き方こそがまさに「ライフワークを生きる」ということになりますね。
そして、そのためには先ほどお話しした「すべてを手に入れる」という意志が大事ですね。
それが自分に許可を与え、視野や想像の幅をどんどん広げてくれます。
また、そこで「そんな稼ぐ力ない」みたいなエゴがでてきたら、そこと向き合ってみるのも大事ですしねー。なんでそんなに自分の価値をおとしめてるの?なんて風に。
さて、Rさんはどんな答えを感覚的に導き出されるのでしょうか。
私の体験上「しっくり」をベースに、「ワクワク」をその都度ミックスさせる生活が一番地に足が着くんじゃねーかな?と思っていますが、はてさていかがでしょうか。
こういう話をするとほんとオンラインスクール並みの文字数になってしまうのですが、ま、楽しいからいいですね。
私はRさんからの質問にとてもワクワクし、かつしっくりきましたよ!ありがとう!!
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